俺は普通の社会人だ。
ただ、仕事の合間にポケモンを好んでしている。
最近は改造ポケモンのベガにハマっている。
理由としては、普通のポケモンより、難易度が上がり、攻略するのが難しいから楽しい。
この間四天王をクリアし、スフィア遺跡もクリアした。
アスフィア強すぎだろ………。
ギンノさんも強すぎなんだよ。
はぁ、今は帰宅中だから考えるだけだけど、帰ったらどの子を育てようかな?
「はあ、早く家に着かないかな?」
深く考えているせいか、俺は後ろから危険が来てることに気づかなかった。
「そこのキミ! 後ろ!!」
「は?」
振り返ると、目の前にはサバイバルナイフを持った男がいた。
目は血走っていて、誰でも殺すという目をしている。
いきなりのことで対応できず、左胸に鋭くも鈍く熱い痛みが走った。
見下ろしてみると、男が俺の左胸にサバイバルナイフを差し込んでいた。
「は………ははっ……。」
乾いた笑いしか出てこなかった。
男は勢いよくナイフを抜くと、今度は腹に刺してきた。
「ガッ!」
に、二度も刺すかよ……。
俺は身体中の力が抜け、後ろに受け身も取れずに倒れる。
(ハハッ、俺が何したっていうんだよ? 仕事も上手くいかない、昇任試験も受からない、好きなこともやらせて貰えないのかよ。………なら、せめて俺のやってるポケモンの世界に行きたいな。)
次第に瞼が重くなる。
周りからは怒号と銃声が聞こえた。
さっきの殺人鬼は銃殺されたのだろう。
ま、俺は助からない。
刺された場所が疼くが、何もできない、何も動かない。
そして、俺の意識はブラックアウトした。
『臨時ニュースです。現在ホウエン地方でポケモンの人型が確認されています。オダマキ博士は研究の途中ということで詳しい結果が出せていないということです。以上臨時ニュースでした。』
「ばぅ?(は?)」
え?
は?
どうゆうことだよ?
身長は縮んで、赤ん坊になってるし、臨時ニュースでホウエン地方って言ってなかったか?
え?
これってもしかして、アルタイルの設定であるホウエン大災害の前じゃないの?
その状態で萌えもん開始なの?
「えぁうー(えぇー)」
「あらあらユウトさん起きたのですね。」
若い女性が入ってきた。
黒く長い髪に、キツめの切れ長の目が特徴だ。
この人は母さんかな?
でも、感覚が違う。
人としての根本的な何かが違う。
「あら、ユウトちゃんが起きたの?」
もう1人女性が入ってきた。
「はい、起きられたようです。お世話は私にお任せ下さい。」
「そう? 泣かせちゃダメよグーちゃん?」
「なっ⁉︎ グーちゃんはやめて下さい!」
あ、耳だ!
犬の耳がある!
それに視線を下にしてみると、尻尾もあるぞ!
「ユウトさん、初めましての方がいいのでしょうか? 私は人型グラエナのグーラです。よろしくお願いします。」
「うぁうー(よろしく)」
「フフッ、ありがとうございます。」
グーラさんは軽く微笑んだ。
それはどんな花よりも綺麗なものだった。
余談だが、流石の好奇心に勝てなかった俺は、グーラさんの尻尾を思いっきり握ってしまった。
するとグーラさんはあのクールビューティなお顔に似合わない『ぴゃあああああ!!』という声を上げて、顔を真っ赤にした。
その声を聞いた母さんがその場に突入し、俺は母さんに赤ん坊で叱られるというのを受けた。
最初の擬人化はグラエナです