ポケットモンスター let's goリーリエ!   作:アニポケ大好き主

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 今回は他方の御三家のうち一体が登場します。

どうぞ!


第十話 常盤での出会い

「見えてきた!トキワシティだ!」

 

 街が見えてくるなりカノンは嬉しそうに言った。そのカノンに続いてポケモン達も騒ぎ出した。

 基本的にポケモンはモンスターボールに入れておくものだが、こうしてモンスターボールに入れずに一緒に連れて旅をするトレーナーもそう多くはない。

 

「日が落ちる前に着いてよかったですね」

 

「そうだね。もうクタクタだよ僕は」

 

「サトルは体力なさすぎ〜 そんなんじゃ、これからの旅も大変だよ♪よし、今からみんなで街まで競走‼︎ 行くよヒコザル!」

 

 そう言うと、カノンに続いてヒコザルは街の方に向かって駆け出して行った。その走りはさっきまでの旅の疲れを感じさせていないほどであった。

 

「待って下さいよ!カノン!」

 

「えっ、ちょっと!そんなに走らなくても」

 

 そのカノンを追いかけるようにしてリーリエとシロンも走りだした。その後にサトルとピカチュウも慌てて二人の跡を追って行った。

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

「はぁはぁ…そんなに…走…らなくても…はぁ…いいのに…」

 

「大丈夫ですか。サトル?」

 

『走った後に止まるのは心臓に負担がかかるロト!歩きながら呼吸を整えた方がいいロトよ!』

 

 サトルが疲れ果てていることに気づいたリーリエも走るのをやめた。カノンはというとそのまま先へと行ってしまい姿が見えなくなってしまった。

 

「カノンには…あとで…きつく…はぁ…言っておかないと…はぁ…いけないね」

 

「そ…そうですね…」

 

 顔には出ていないが、サトルの静かな怒りのオーラはリーリエにも伝わっている。それはピカチュウにも伝わっているのか少し主人であるサトルとは距離を置いて歩いている。

 暫く歩いて行くとカノンの姿が見えてきた。カノンはそのまま向こうの木々を見ているようで立ち尽くしていた。カノンの姿を見るなりサトルは前にいたリーリエを追い抜かし、カノンの元へと歩み寄る。

 

「カノン…君は少し周りのことを考えて…」

 

「しっ!静かにして」

 

 サトルの説教をかき消すようにカノンは二人に静かにするよう合図を送った。カノンは何かを見つけたようでリーリエもサトルもカノンが指差す方へ目を向けた。そこにいたのは全身緑色のトカゲのようなポケモンだった。すぐにロトムの解説が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『キモリ もりトカゲポケモン

足の裏の小さなトゲを引っ掛けて垂直な壁を登ることが出来る。太い尻尾を叩きつけて攻撃をする。』

 

 

 そこに居たのはホウエンの新人用ポケモンとしても渡されるポケモン、キモリだった。キモリは太い木の枝に寄りかかりるようにして座っていた。目線は空の方を見つめておりリーリエ達には気づいていないようだ。

 

「キモリか。どうしてこんな所に」

 

「分かんないけど、トレーナーらしき人が居なさそうだし野生かな?よし!今度は私がゲットしよっかな♪」

 

 カノンはヒコザルを連れてキモリの方へ向かった。その気配に気づいたキモリもカノンの方へ目をやった。

 

「キモリ!いきなりで悪いけどあなたをゲットするね!ヒコザル【ひのこ】‼︎」

 

 吐き出された無数の火の玉がキモリに繰り出される。キモリもすぐに【タネマシンガン】で相殺させた。ぶつかり合う二つの技は爆発を起こし、周りは煙に包まれる。煙が晴れるまでヒコザルは様子を伺っていたが、煙の中から飛び出したキモリはすぐさまに【でんこうせっか】をヒコザルに食らわせた。

 

『あの戦い方リーリエがムックルをゲットした時と同じ戦法だロトよ!』

 

「戦い慣れしている。やっぱり何処かにトレーナーがいるんじゃないか?」

 

「ですが、その人らしき人影はどこも見当たりません」

 

 キモリの攻撃を食らったヒコザルは、すぐに立ち上がりカノンの指示を待つ。

 

「ヒコザル!とっておきいくよ!【かえんぐるま】‼︎」

 

 ヒコザルは尻尾の炎を大きく燃やし、その炎を全身に包みこんだ。炎を纏ったヒコザルはそのままキモリに突進した。キモリは【タネマシンガン】で応戦しようとしたが、燃えさかる炎の前では成すすべなくそのままキモリがいる場へと撃墜した。

 

「やったぁ!!!」

 

 カノンはヒコザルの【かえんぐるま】は決まったと思いそのままガッツポーズを取った。すぐに空のモンスターボールを取りキモリに投げようとしたが、そこにキモリの姿はなかった。代わりにキモリがいた所には一つの大きな穴が出現していた。撃墜したように見えたがそうではなかったのだ。

 

「えっ!!」

 

「キモリの姿がありません」

 

「もしかして…カノン!気をつけて!」

 

 姿を消したキモリに動揺してしまったカノンとヒコザル。サトルの忠告も虚しく、ヒコザルの足元から出てきたキモリの拳がヒコザルにヒットしてしまった。

 さらにふらつくヒコザルに大きな尻尾を利用した【はたく】を食らわせ、ヒコザルをそのまま吹き飛ばした。後ろにあった大きな木に体を叩きつけてられてしまったヒコザルは目を回してしまい戦闘不能となる。

 ヒコザルにもう戦う力が無いと分かったキモリは木をつたって林の中へと消えてしまった。

 

「ヒコザル!!!」

 

 カノンはすぐにヒコザルの元へと駆け出した。ヒコザルは相当なダメージを負ってしまった。

 

『【あなをほる】地面タイプの技。ヒコザルには効果は抜群ロト!』

 

「カノン!急いでヒコザルをポケモンセンターに連れて行きましょう!」

 

「もうここから街には近いはずだ!急ごう!」

 

 カノンはヒコザルを抱えすぐにリーリエ達は急いでトキワシティへ駆け出した。

 

 

〜〜〜〜〜

 

 緑色の木々に囲まれた街、トキワシティ。マサラタウンに続いて豊かな自然に囲まれたその街は人もポケモンも穏やかに暮らしている。新人トレーナーが旅の疲れを癒すのに最初に訪れる街として最適な街だ。

 

「ジョーイさん。ヒコザルをお願いします」

 

 街に到着してすぐにリーリエ達はポケモンセンターでジョーイさんにヒコザルを預けた。すぐに担架に乗せられたヒコザルはジョーイとナースポケモンのラッキーと一緒に診察室へと運ばれて行った。心配そうにヒコザルを見つめているカノンにリーリエとサトルは元気づけようとポケモンセンター内のカフェにカノンを連れ出した。

 

「ポケモンバトルでポケモンが傷つくのは仕方のないことだよ。カノンがそんな顔をしてるとカノンのために戦ったヒコザルが後で申し訳ないと思っちゃうだろ?」

 

「そうですよ。私たちトレーナーやポケモンが安心して旅に出たりポケモンバトルをすることができるのはポケモンセンターがあるおかげなのですから、ヒコザルは元気になって戻ってきますよ!」

 

『全国のポケモンセンターは専門学校を卒業した優秀なジョーイさんとそのナースポケモンがそのポケモンに合った適切な治療を施しているロトよ!ポケモンセンターの安心度は100%だから心配いらないロト!』

 

「…そうだね。ありがとう二人とも!ロトムもね!」

 

 二人とロトムの言葉にすっかり元気を取り戻したカノンはケーキを追加注文した。

 ポケモンセンター内に設備されている食堂や温泉、宿泊等はトレーナーカードを提示すればすべて無料で利用することができる。トレーナー修行を育んでやっていけるようにポケモン協会が考えて提示した案だそうだ。

 呼び出し放送でヒコザルの治療が終わったことを聞いたカノンはジョーイさんの元へと向かった。すっかり元気になったヒコザルはカノンの姿を見るなり飛び込んできた。

 

「うわぁ!もう元気になったねヒコザル!ジョーイさんありがとうございました!」

 

「いえいえ、またのご利用をお待ちしております」

 

 そう告げたジョーイさんはすぐに他のポケモンの治療へと向かった。ヒコザルの元気な姿をみたリーリエとサトルもホッとした様子であった。

 

「よかったですね。ヒコザル」

 

 リーリエの言葉にヒコザルも元気に返事を返した。

 

「そろそろチェックインしに行こうか。早く行かないと泊まれる部屋が無くなってしまうかもしれないからね」

 

「じゃあ、もし泊まれる部屋がなかったら野宿ってことだよね!私、一度やってみたかったんだよね!」

 

「そうですね!綺麗な星を見たりポケモンたちの声を聞きながら旅の話しをするのも旅の醍醐味って感じでいいですね!」

 

「僕は出来れば、暖かい布団で寝たいけどね…」

 

 以外にも野宿する気でいる女子たちを背にサトルは急いで泊まれる部屋がないか見に行った。

 幸い泊まれる部屋が見つかり二部屋借りることができた。

 

「サトル〜♪寂しいなら一緒の部屋でもいいんだよ〜」

 

「それはダメだろ!リーリエだっているんだし。大体女子と同じ部屋で寝るのなんて、そんな破廉恥なことは…」

 

「はーい!勝手にムキになっているサトルくんは置いて、ご飯食べに行こうかリーリエ」

 

「えっ!ちょっと待ってよ!!」

 

 ポケモントレーナーは一人で旅立つ者が多いがリーリエはこうして二人と知り合うことができて一緒に旅ができてよかったと思っている。サトシの話の中でも一緒に旅ができるトレーナーがいるのは良いものだと話てくれたのは今でも覚えている。サトシもこんな気持ちだったのかなと、カノンとサトルを見ながらそう思っていた。

 食堂へ向かおうと前を向いたその時、リーリエは目を丸くしてその場に立ち止まった。

 

『リーリエ!どうしたロト?』

 

「あれを見て下さい」

 

 そうリーリエが言った先にはキモリがいたのだ。キモリは花束を手に持ち、小走りにポケモンセンターから出て行った。

 

「あのキモリもしかしてカノンとバトルしたキモリかな?」

 

「たぶんそうかも」

 

 するとそのキモリの跡を追うかのようにシロンとヒコザルもポケモンセンターの外へ飛び出して行った。

 

「あっ、待って下さい!シロン‼︎」

 

「ちょっと!ヒコザル‼︎」

 

 慌ててリーリエ達もシロンとヒコザルを連れ戻すべくポケモンセンターへ飛び出した。

辺りを見渡すと、シロンとヒコザルはそのままポケモンセンターの隣に建てられた大きな建物の中へと入って行った。その建物は人間用の大きな総合病院であった。

 

『ヒコザルとシロンはあの病院の中に入ってたロトよ』

 

「たぶんキモリの跡を追ったんだろうね。病院に入ったということは、やっぱりあのキモリ誰かのポケモンだったんだよ」

 

「それではどうして一匹であの木にいたのでしょうか?」

 

「それはあと!今はヒコザルとシロンを連れ戻さないと!」

 

 そのままリーリエ達は総合病院の中へと入って行ったが、シロンとヒコザルの姿はどこにもなく見失ってしまった。流石に病院内を探し回るわけにも行かないので、リーリエ達は受付で看護師に聞くことにした。

 

「わかりました。そのお客様のポケモンが跡を追いかけたとされているキモリなのですが入院されている患者様のお一人に心当たりありますので、そちらにいるかもしれません」

 

「本当ですか」

 

 看護師さんに聞いた情報によると、キモリを連れているトレーナーが一人ここの病院で入院検査をしていることを聞いた。そこの病室に案内しようと看護師が受付から出てきたその時、

 

「あの、もしかしてこの子達のことでしょうか?」

 

 リーリエ達は声がした方に振り返ると、膝にキモリを座らせた車椅子の少女がそこにいた。その隣にはシロンとヒコザルの姿もあった。

 

「シロン。勝手にポケモンセンターから出ては行けませんよ。みんな心配してたんですから」

 

「ヒコザルもだよ」

 

 無事にシロンとヒコザルを見つけることができたリーリエとカノン。二匹も二人を見つけるなり勢いよく飛び出してきた。

 

「わたくしたちのポケモン達を見つけてくださいましてありがとうございます。わたくしはリーリエと申します」

 

『私はロトム。よロトしく』

 

「私はカノン!ありがとね」

 

「僕はサトル。えっ…と…」

 

「私はスミレって言います。無事に見つかってよかったです」

 

 スミレと名乗った少女は車椅子を前にリーリエ達へと向かった。キモリも膝から下りてはシロン達の前へと行く。リーリエは前屈みになりキモリと目線を合わした。

 

「ごめんなさいキモリ。跡をつけるような真似をしてしまいまして」

 

 リーリエに続いてシロンとヒコザルもキモリに謝って頭を深々と下げた。キモリはそんなリーリエ達に気にしていないと首を横に振った。

 

「ねぇ、やっぱりあなたあの時のキモリだったりする?」

 

 カノンの質問にキモリは首を縦に振り返事を返した。

 

「っ?キモリを知ってるんですか?」

 

「うん。トキワシティに入る前にね。実は野生のポケモンかと思ってゲットしようとしたんだけど、返り討ちにされちゃってね」

 

「うん、とても強かったよね。そのキモリ」

 

「そうなんですか?私まだキモリとバトルしたことがないのだけど…」

 

 カノンとサトルの言葉に首を傾けながらスミレはキモリの方を向いた。キモリはスミレから目を逸らし何事もない態度をとる。キモリの性格を良く知っているスミレはそこまで気を止めることはなく、視線をシロンに写した。

 

「リーリエさんのロコンは白くて綺麗。本で知ったのだけどこれはアローラの姿のロコンですよね。もしかして、リーリエさんはアローラ出身なの?」

 

「はい。今はシロンと一緒にポケモントレーナーの修行のためここカントーを旅しているのです」

 

「そうなんだ。…私は小さい時から身体が弱くてとてもポケモントレーナーとして旅をするのは難しいんだけど、いつかはキモリとこの広い世界を一緒に旅が出来たらいいなって思ってるんだ」

 

 そう言うスミレにキモリはスミレの手に自分の手を重ねた。そんなキモリをスミレは優しく微笑みかけた。

 

「そういえば、キモリはホウエンのポケモンのはず。スミレさんはもしかしてホウエン出身の方なんですか?」

 

 サトルはキモリは見ながらスミレに質問をした。

 

「実はそうなんです。ホウエンの時はシダケタウンという小さな街に居たのだけど、最近になってここトキワシティに病院を移したんだ」

 

「どうしてトキワシティに?」

 

「空気が綺麗で温かみのある街ということもあるのだけど、トキワシティの名の由来は木の葉が常に緑色で色を変えないという常磐という言葉から来ていると聞いてね。緑色の木々に囲まれたこの街なら私にとってもキモリにとっても住みやすいと思ったからなの」

 

 スミレの言葉にキモリも頷いた。トキワシティは二人にとっては互いに条件が一致している街なのである。

 暫くリーリエ達とこれまでの旅の話をスミレとしていると消灯時間が来てしまったのか、スミレは病室に戻らなければならなくなった。病室へ戻ろうとしたスミレにカノンは

 

「スミレって外出たりしても大丈夫?」

 

 と聞いて来たカノンにスミレは

 

「ええ…そんなに遠くなければだけど」

 

 不思議そうに応えた。

 

「だったら、明日また迎えにいくね」

 

 スミレと会う約束をしたカノンにリーリエはカノンの目的を聞いた。するとカノンは笑顔でリーリエとサトルに返答した。

 

「明日、ポケモンバトル大会を開きます」

 

 それはカノンによる突然の計画だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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