ポケットモンスター let's goリーリエ!   作:アニポケ大好き主

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 リーリエです。お久ぶりです。アローラ!
今回から時々、ポケ問題を出題していこうかと思います。
それでは、今回はこちらです。
 今日のお話でシンオウ地方からやってきたトレーナーは誰でしょうか?

 Aシンジ  Bジュン  Cノゾミ Dナウシ

答えはお話の最後に!


第十九話 神秘の町

「着いたぞ!ハナダシティだ!」

 

 

 

 ハナダは水色。神秘の色。花咲く水の街

 

 

 リーリエ達は二つ目のジムがあるハナダシティに到着した。水の街だけにあって、ハナダシティにはいくつかの噴水広場が設備されている。その水しぶきによって生み出されたマイナスイオンが大きな効果を発揮しており、街全体がとても澄んでいる。

 そのおかげなのか、長旅の疲れが一気に解けた感じがした。

 

「くっ〜!!!旅の疲れの一杯に効くねぇ〜」

 

「なんだか叔父さんっぽいですよ。カノン」

 

 ポケモンセンターに到着後、サイコソーダーを飲みながらロビーでくつろいでいると、バトル施設の方では多くのトレーナーが集まっていた。

 リーリエ達もその中に入っていくと、思った通りだ。カメールとドクケイルによるポケモンバトルが行われていた。

 

「ドクケイル!【サイケこうせん】だ‼︎」

 

「ドッケッ‼︎」

 

「押し返せカメール!【みずてっぽう】‼︎」

 

「カメッ‼︎」

 

 色鮮やかに光り輝く光線と水鉄砲がぶつかり合う。辺りを爆煙がフィールドを覆うと、それに紛れててカメールはドクケイルの後ろに周った。

 

「今だ!【みずのはどう】‼︎」

 

 カメールの【みずのはどう】が決まるとドクケイルは水の球体へと吸い込まれていった。さらに水の振動によって大きく頭を震わされてしまったドクケイルはその反動のせいで混乱状態になってしまった。

 

「とどめの【ロケットずつき】だ‼︎」

 

「カメェ‼︎」

 

 カメールは自分の頭を甲羅の中へと引っ込めると、照準をドクケイルに合わせた。貯めたパワー頭部に込めて、そのままドクケイルに向かって突進した。

 混乱状態により自分のトレーナーからの回避の指示に反応せず、そのままカメールの【ロケットずつき】がドクケイルに決まった。この攻撃によりドクケイルは戦闘不能となった。

 

「よっしゃああ!!!これで十連勝!」

 

「カメェ‼︎」

 

 勝負が決まりカメールは自分の主人とハイタッチを交わした。その後、ドクケイルのトレーナーと含めて、二人のトレーナーの健闘を讃えるかのように周りの人達から拍手が巻き起こった。

 

「なかなかいいバトルだったな」

 

「はい。カメールとの息もぴったり合っていました」

 

 そのバトルにリーリエもタケシも拍手を交わした。そんな中、驚いたように目を丸くしてカメールのトレーナーを見ていたカノンとサトルは一斉になって声をあげた。

 

「「ソーちゃん!!」」

 

「「ソー…ちゃん?」」

 

 すると、自分を呼ぶ声がしたのか。カメールのトレーナーは周りを見渡した。

 そして、カノンとサトルと目が合うとそのトレーナーはサトルとカノンに手を振った。

 

「おぉ!サトル!カノン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「いや〜こんな所で会うとはなぁ!どうだったよ!俺の華麗なるバトルは!!!」

 

「うん。流石はソーちゃんだったって感じだった」

 

「んだょ!その感じって!」

 

 ソウタと名乗るオールバックにした金髪が特徴のカメールを連れたそのトレーナーはどうやらカノンとサトルの知り合いのようだ。

 リーリエとタケシに目をやると、ソウタは親指で自分を指しながら自己紹介を始めた。

 

「そういや、自己紹介してなかったな。俺はマサラタウンのソウタ!サトルとカノンとはポケモンスクールの同期なんだ!。」

 

「そうだったんですね。初めましてわたくしはリーリエと申します」

 

『僕はロトム。どうもよロトしく』

 

「うぉ!これポケモン図鑑かよ!おもしれ〜」

 

「俺はタケシだ。君のことは弟から聞いてるよ」

 

「弟?」

 

「新人ながら手強いチャレンジャーだったてな。俺の弟はニビジムのジムリーダなんだ」

 

「あぁ、ジロウさんか!」

 

 初対面であったが、ソウタの人見知りのない性格につられてリーリエとタケシは自然に彼と話すことができた。互いの自己紹介を終えてソウタはシロンを見つけると、研究所で初めて会った時のカノンと同じように目を輝かせ始めた。

 

「こいつはリーリエのロコンか⁉︎色違いなんて初めてみたぜ!」

 

 シロンをロコンの色違いと勘違いしたソウタにサトルは訂正を行なった。

 

「違うよソーちゃん。リーリエはアローラ地方出身でね。このロコンはリージュンフォームで変化した氷タイプのロコンだよ」

 

「へぇ〜そうなのか。初めて知ったぜ!流石はサトルだな!」

 

「いや…授業で習ったじゃん…」

 

 このやり取りも研究所であったような…

そんなことを思いながらリーリエはソウタが連れている二体のポケモンに目をやった。

 

「クチー‼︎」

 

「カメッ‼︎」

 

 リーリエと目が合った二体のポケモンは元気よくリーリエに挨拶を交わした。

 

「クチートに…こちらのポケモンはカメールですね」

 

『そうロト!』

 

 さっそく、ロトムは二体の写真を撮るとデータに保存した。

 

 

 

 

 

 

 

 

『クチート あざむきポケモン

 鋼・フェアリータイプ

鋼のツノが変形した大きな顎を持つ。大人しそうな顔に油断していると、突然振り向きバクリと噛みつかれるので要注意』

 

 

 

 

 

 

 そうロトムはクチートに近づきながら解説を行っていると…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バック!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ロトォォォォォ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 図鑑解説の通り、ロトムはクチートの顎に思いっきり噛み付かれたのであった。

 

「悪りぃ!悪りぃ!これが俺のクチートの挨拶なんだわ!」

 

「とてもワイルドな挨拶ですね…」

 

「コン…」

 

「もうソーちゃん!リーリエのポケモン図鑑なんだから壊れたらどうするのよ!」

 

「カノン。そこは…ロトムの心配をしようよ」

 

 暫くして、クチートの顎から解放されたロトムはふらつきながらもカメールの解説を行なった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『カメール かめポケモン

 水タイプ

ゼニガメの進化系。フサフサの尻尾は長生きのシンボルと言われている。甲羅の傷は強者の証』

 

 

 

 

 

 

 カメールの解説を終えたロトムにリーリエはお疲れ様と声をかけると同時に…

 

「ゼニガメの…進化系」

 

 オーキド研究所の頃を思い出した。

 

➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

 

「オーキド博士。たしかカントーの新人用ポケモンはあと水タイプのゼニガメがいると思うのですが…」

 

「実はのう。カノンちゃんとサトルくんが来る前にもう一人の新人トレーナーが先に研究所を訪れたんじゃ。それで早く旅に出たいと言うから先に選ばしてしまったんじゃ」

 

➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

 

 あの時の言葉を思い出したリーリエはカノンとサトルに目をやった。

 

「あっ!もしかして研究所でカノンとサトルが言っていた人というのは…」

 

「「そのまさかだよ!!」」

 

「ん?何がだ」

 

 リーリエの一言をきっかけに何かを思い出したようにカノンとサトルはソウタに迫った。

 

「そうだよ思い出した!ソーちゃん!なんで私達が研究所に着く前に勝手にポケモンを選んで行っちゃうのかな!」

 

「何だよ、俺は悪くねぇだろ!そもそも約束の時間になっても来なかったお前らが悪い!」

 

「ちなみにソーちゃんは何時に行ったの?」

 

「んなこと決まってるじゃねぇか、サトル!朝一番に行くって約束したんだから、日が昇ったのと同時にだわ!」

 

「「「「…………」」」」

 

 オーキド博士が少し困り果てていた理由がなんなく分かった気がした。

 

「ところでお前らバッジはどれぐらい集まったんだ?」

 

 話は急に変わってソウタはジム巡りの話題へと持ってきた。実はソウタもリーリエ達と同じようにジム巡りの旅をしているのだ。

 

「私達、研究所からずっと一緒に旅してたから私とサトルとリーリエは同じでバッジは今の所まだ一つよ」

 

「そうか!そうか!まだ一つか〜♪」

 

 三人のバッジの数を聞いたソウタは腕を組むと、高らかに笑い出した。それと一緒にクチートとカメールもソウタと同じように笑い出した。その姿に少しカノンはムッとした

 

「そういうソーちゃんは何個ゲットしたのよ…」

 

 イジケながらもソウタにも同じ質問を返すと、ソウタは自分のバッジケースを取り出した。

 

「俺はざっとこんな所だな」

 

 自慢げにバッジケースを開くと、そこにはニビジムのグレーバッジと今からリーリエ達が挑戦するハナダジムのブルーバッジ。その他にも二個のバッジが光り輝いていた。

 

「ええ!!もう四つも揃えたの!」

 

「旅に出たの僕らとは一日違いだったよね」

 

「なのに、もうこんなに集めたのですか!」

 

「まぁな!こんぐらいは最強トレーナーの俺としては朝飯前よ!」

 

 短期間で四つのバッジを獲得したソウタにリーリエ達は目を見開っきぱなしだ。するといくつかのバッジを見たタケシはある疑問をソウタに問いかけた。

 

「見た所ハナダシジムのブルーバッジは持っているみたいだが、何でまたハナダシティに?」

 

 ハナダジムのバッジを獲得したのであれば、次の街へと向かっていくのであろうが、それでもハナダシティにいるソウタに不思議に思ったのだ。その質問にソウタはこう答えた。

 

「それがよ!オツキミ山にもの凄い強いポケモンが現れたと聞いてよ!カントーリーグで優勝するためにも是非ともそいつを手持ちに加えたいなぁと思ってな。ハナダシティに戻ってきたんだよ!」

 

 ソウタが言っていることに即座にサトルは口を開いた。

 

「ソウちゃん。それがそのポケモン…もうリーリエがゲットしちゃったんだよね」

 

「はぁぁ!!!マジかよ!!!」

 

「え…えぇ」

 

 ソウタが言っているオツキミ山に現れた強いポケモン。間違いなく以前リーリエがゲットしたズルズキンのことだ。

 

「何だよ。先越されちまってたのか〜」

 

 悔しそうにソウタは頭を抱えると…

 

「じゃあ!仕方ないか!」

 

「切り替え早っ!!!」

 

 瞬時に切り替えては、リーリエの前に自身のモンスターボールを突き出した。

 

「だったらリーリエ!俺とバトルしようぜ!」

 

「バトルですか⁉︎」

 

「もちろん!リーリエが使うのはそのオツキミ山でゲットしたポケモンなぁ!俺はクチートで行くわ」

 

 いきなりのバトルの申し立てに驚くリーリエにサトルは慌てて口を開いた。

 

「ちょっとソーちゃん!僕らはハナダシティに着いたばかりだし、リーリエも疲れてるだろうだからさぁ」

 

 リーリエの体調を気遣ってソウタに注意するサトルにリーリエは

 

「いいえ。わたくしなら大丈夫ですよ」

 

 サトルに軽く合図を交わすと、自分のモンスターボールを手に取った。

 

「おぉ!話が分かる〜。じゃあ、早速バトルだ!!!」

 

「はい!」

 

 ソウタの強引な性格に引っ張られて、一同はもう一度バトル施設へと向かって行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「審判は俺がやろう」

 

 審判役にはジムリーダーの経験があったタケシが務むことにした。

 

「気合い入れて行くぞ。クチート!」

 

「クチィ‼︎」

 

 ソウタの掛け声と共にクチートはバトルフィールドに踏み入れると、角をリーリエに向かって突き出した。図鑑解説通りの鋼の顎がバックリと大きく開き始めた。

 ちなみにクチートはトレーナズスクールの頃から一緒にいたソウタの一番の相棒だ。

 そのクチートの闘志にリーリエも勢いよくモンスターボールをフィールドへと投げ入れた。そしてモンスターボールからは中腰姿勢でクチートを睨みつけているズルズキンが飛び出した。

 

「お願いいたしますね。ズルズキン!」

 

「ズキィ…」

 

「ズルズキンか。強そうだな。頑張ろぜクチート!」

 

「クチィ‼︎」

 

「それではバトル始め!」

 

 タケシの開始の合図と同時にクチートは大きく腕を振り回し始めた。

 

「こっちから行くぜ!クチート!【ようせいのかぜ】だ‼︎」

 

「クチィ‼︎」

 

 クチートはそのまま回していた腕を前の方へと振ると、それにより薄桃色に輝く突風を生み出すとズルズキンに向かって放った。

 

「ズルズキン!躱して【からてチョップ】です‼︎」

 

 【ようせいのかぜ】はズルズキンには効果は抜群である。ここは攻撃を受けないようにリーリエは回避の指示をズルズキンに出したのだが…

 

「………」

 

「どうしたのですか。ズルズキン!躱して下さい!」

 

 声は届いてるはずなのだが、ズルズキンはその場から動こうともしなかった。

 それどころか、ズルズキンはリーリエの指示とは別に両手の平を合わせると黒い渦の様なものを形成しだした。【あくのはどう】だ。その技を【ようせいのかぜ】に向かって放つとそのまま相殺させてしまった。打ち消されてしまったことに驚くクチートにズルズキンは薄っすらと笑みを浮かべた。

 リーリエはというと自分の指示とは違った行動を取ったズルズキンに動揺してしまった。

 

「【ようせいのかぜ】を打ち消しちゃった」

 

「だけど…リーリエは躱せって指示をしたんだよね…」

 

「………」

 

 その感じは二人のバトルを見ていたカノンとサトル…そしてタケシにも伝わっていた。

 

「やるな、だったらこれでどうだ!【かみつく】‼︎」

 

「ズルズキン!もう一度躱してから【からてチョップ】です‼︎」

 

「ズキッ‼︎」

 

 今度は指示通りにズルズキンは手刀の体勢を取ったのだが、リーリエの指示を無視して躱さずにクチートの攻撃を真っ向から受けたのだ。

 

「ズ…ズルズキン⁉︎」

 

 何処ともない嫌な感じ、それはだんだんと確信へと変わって行く。

 ズルズキンはリーリエの言うことを聞くつもりがない。そのズルズキンはまた指示とは別に勢いよくジャンプすると勝手に次の攻撃へと切り替えた。空中へと飛び出したズルズキンはそのままクチートに向かって膝蹴りを仕掛けた。

 

「躱せ!」

 

 ソウタの指示にクチートはギリギリの所でズルズキンの攻撃を躱した。

 

「ズ…キーン…」

 

 攻撃を躱されたズルズキンはそのまま地面に自分の膝を強く打ち付けてしまった。クチートにダメージを喰らわせるのとは逆にズルズキンには大きなダメージが躱された代償として受けてしまった。

 

「ズルズキンにダメージが!」

 

「今のは【とびひざげり】だと思うよ。あの技は躱されると逆に自分にダメージが跳ね返ってきてしまうリスクがある技なんだ」

 

 サトルの解説の通りズルズキンは自分の膝を両手で押さえつける。痛みが緩和した所でズルズキンはクチートに対して怒りの感情を表した。

 怒り狂ったズルズキンは【あくのはどう】をクチートにではなく四方八方に打ち続けた。いきなりのズルズキンの暴走にバトルをどころでは無くなってしまった。

 

「ズルズキン落ち着いて下さい!きゃあっ!!!」

 

 バトルが始まった時からリーリエの指示を聞こうとしなかったが、今は完全にリーリエどころか誰からの声も聞こえていないようだ。

 

「戻って下さい!」

 

 止むを得ず、リーリエはズルズキンをモンスターボールへと戻した。騒動が収まりリーリエはその場に崩れ落ちてしまった。その様子にカノン達はリーリエの元へと急いで駆け寄った。

 

「大丈夫!リーリエ?」

 

「はい…わたくしは大丈夫です。皆さんはお怪我はありませんでしたか?」

 

「俺たちは大丈夫だ」

 

「何だ何だ。ズルズキンはどうしたんだよ?勝手に暴れて?」

 

「それが…わたくしにも何が何だか…」

 

 突然のことに頭の中を整理しきれないでいる。だが、分かっているとあればズルズキンはリーリエの言う事を全く聞いてないことだ。そんなズルズキンのモンスターボールを不安気に見ていたリーリエにタケシは口を重たそうに開いた。

 

「リーリエ。モンスターボールは野生のポケモンを捕獲するための道具であって、ゲットしたポケモンを強制的に言う事を聞かせるような道具ではない 。ゲットされてもそのトレーナーの実力を認めない。そういう考えを持つポケモンがいても珍しいことではないんだ」

 

「そ…そうなんですね」

 

 野生のポケモンがゲットされるというのはそのトレーナーの実力をポケモン自身が認めた証でもあるとも言われている。戦いを通してそのトレーナーの実力や根性を測るポケモンもいるそうで、稀にツタージャのようなにトレーナーの実力に見切りをつけると、自分からそのトレーナーを捨ててしまうポケモンもいるぐらいなのだ。

 それからリーリエはズルズキンのモンスターボールへと視線を落とすとそのまま塞ぎ込んでしまった。ズルズキンとの間にある大きな壁があるような感じもしてしまい、どうしたらいいのかも分からない。

 

 

「な〜に!これからズルズキンと仲良くしていけばいいさ!焦る必要は無いんじゃねぇか?」

 

「そうそう♪ソーちゃんの言う通りだよリーリエ!こういう時こそがんばリーリエだよ」

 

「くっす‼︎そのフレーズも久々に聞きましたよ!」

 

「そうですね」

 

 ソウタとカノンの声に励まされてリーリエはゆっくりと顔を上にあげた。

 

「そうと決まれば、ポケモン達を一度ジョーイさんに診てもらってから、ジムに行こうぜ!お前らのジム戦も見てみたいしな!」

 

 そう言うと四人はポケモンセンターへと入っていた。

 シロンやコイキングのように自らリーリエを主人として認めてくれたポケモンもいれば、ムクバードのようにバトルを通して絆を深めたり、元は別のトレーナーのポケモンであったキモリがリーリエを慕うようにポケモン達にもいろいろな想いを持ちながらトレーナーについて行っていることを尊重しないといけない大切さを改めて知ることが出来た。

 まだズルズキンとも出会ってから日が浅い。まだお互いに知らないことばかりであるが、いつかズルズキンとも心を通わせることを願いながらリーリエはズルズキンのモンスターボールをバックの中へと閉まうと四人の跡を追ってポケモンセンターへと入って行った。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 ポケモン達の回復を済んだリーリエ達はソウタを先頭にしていよいよハナダジムへと向かった。

 

「いいか!ハナダジムは水タイプのジムだ。しかも、フィールドは水のフィールド。足場は水に浮かぶ円にかいた浮島だけでとても不安定だ。水系ポケモンと空中戦を得意とするポケモンがいた方が戦いやすいかもな!」

 

「てっ、いつから先輩になった気分でいるのよ」

 

「まぁ、経験者の言葉は信憑性があるし心強いけどね」

 

 不思議なことに楽しい会話をしているとあっという間に目的地に着いてしまうものだ。気づくとリーリエ達は大きなジュゴンのイラストが貼られている施設へと辿り着いていた。

ここが目的地であるハナダジムだ。

 

「なんかニビジムと違ってジムって感じじゃないよね」

 

「ハナダジムはジムと水中バレーショーと兼用しているからな。ジムのバトルフィールドは時々、水中ショーとして使われることもあるんだよ」

 

 その水族館みたいな外見に本当にジムなのかと少し首を傾げたサトルにタケシは説明を加えた。

 一同はジムの中へと入ると、すぐ目の前には大きな水槽が貼られていた。流石は水ポケモンのジムだけのことはあって、各地方のいろいろな水系ポケモンが泳いでいた。その光景にロトムはたくさんのデータが得られると言って、ハナダジムの水ポケモン達にカメラを回すとその情報を収集していった。

 

「あら、いらっしゃい。ハナダジムへようこそ」

 

 水ポケモン達に見惚れているリーリエ達に向かって一人の女性が近づいて来た。黄色のロングヘアーをしたお嬢様気質の女性にタケシは一瞬にして前へと腰掛けた。

 

「お久しぶりです!サクラさん!!!」

 

「あら、タケシくん!」

 

「北風のスイクンの様にやって参りました!この再開の喜びを共に分かち合いましょ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズシュュュュン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しびれびれ〜」

 

「ケッケケケケ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タケシさんって面白い人だな!」

 

「うん…そうだね」

 

 この光景にソウタを除く三人はもう見飽きていた。引きずられて行くタケシを後に代表としてリーリエはサクラに挨拶をした。

 

「こんにちは。わたくし達はハナダジムに挑戦しに参りました。サクラさんがジムリーダでしょうか?」

 

 リーリエの言葉にサクラは笑顔で返事を返した。

 

「いいえ、ここのジムリーダは私の一番下の妹のカスミなのよ。でも、ごめんなさい。今日はチャレンジャーが三人もいらっしゃったから、いま戦っている人で今日は閉めちゃうと思うの…」

 

 申し訳なさそうに謝る様子からリーリエ達は日を改めて出直すことを告げると、そんな四人を慌てて引き止めるようにしてサクラは一つの提案を述べた。

 

「折角来て頂いたのに悪いわ…

そうだ!だったら、バトルの見学でもしていかない⁉︎」

 

「えっ…それは…」

 

「大丈夫よ!バレないように上のサイドステージから覗けば!行きましょう!」

 

「あ…あの!」

 

 呼び止めるリーリエ達の声を聞かずにサクラは手招きしながらバトルフィールドへと案内し始めた。

 

「なんか自由な人だね」

 

 カノンの言葉に一同は賛同しながらもサクラの後を追いかけていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 サクラに連れられてリーリエ達はバトルフィールドを全体的に見渡せるサイドステージへと案内された。

 ハナダジムはソウタの言った通り、水系ポケモン達が戦いやすい水のフィールドとなっていた。そして、ジムリーダーサイドには自称おてんば人魚の如、カスミが立っていた。 そしてカスミを見つめるチャレンジャーサイドには一人のトレーナーが立っていた。オレンジ色のショートカットにサングラスを被せたその少女は一礼するとすぐに集中モードへと切り替えていた。

 

「これより、ジムリーダカスミとチャレンジャーノゾミとのハナダジム、ジム戦を始めます。使用ポケモンは三体。どちらかのポケモンが全て戦闘不能になりますと、バトル終了となります。なお、ポケモンの交代はチャレンジャーのみ認められます。それでは始め!!!」

 

「出て来て!マーイステディ!!!」

 

 審判による開始の合図により、カスミはモンスターボールからポケモンを繰り出した。ニビジムと同様、ジムリーダーから先にポケモンを繰り出すところは同じのようだ。

 

「タッツ‼︎」

 

 カスミが一番手に繰り出したのは元からカントーに生息していた水系ポケモンのタッツーだ。

 

《観戦席》

 

『タッツー ドラゴンポケモン

 水タイプ

サンゴの陰を住処にしている。危険が迫ると墨を吐いて逃げる。背中のヒレを上手く使って前を向いたままでも前後左右に移動することができる』

 

 ロトムの図鑑解説が終わると、

 

「……」

 

「タケシ⁉︎どうかしたのですか?」

 

 タケシの驚いた表情にリーリエはタケシに問いかけた。

 

「ああ、それが…」

 

 リーリエの呼びかけに反応したタケシは質問に応えようとしたのだが、チャレンジャーの呼び声とともにモンスターボールがフィールドへと放たれたのを知り、フィールドの方へと目をやってしまった。

 

《ジム戦》

 

「行っけ!ニャルマー!!!」

 

「ニャルマ‼︎」

 

 チャレンジャーが繰り出したのはニャルマーというホウエン地方で確認されたポケモンだ。

 ニャルマーは尻尾をスプリングのようにして着地すると、その反動を利用して空中へと大きくジャンプした。ジムのライトがスポットライトのようにニャルマーを光り輝かせていた。

 

《観戦席》

 

「ニャルマーだ!」

 

「わたくし初めて見ました」

 

 初めて目にしたポケモンにリーリエはロトムにニャルマーの解説を求めた。

 

『ニャルマー ねこかぶりポケモン

 ノーマルタイプ

気に入らないと爪を立てるが、たまに喉を鳴らして甘える性格が一部で大人気だ。尻尾で新体操のリボンのような美しい動きを見せる』

 

 図鑑解説の通りによるとニャルマーの最大の武器は尻尾にあるであろう。今から始まるバトルに胸を高鳴らせているが、タケシの言いかけた事を思い出したリーリエはもう一度タケシの方へと振り向いた。

 

「タケシはあのチャレンジャーの方をご存知なのですか?」

 

「あぁ、シンオウ地方を旅していた時に知り合ったんだ」

 

 そう続けると、タケシは眉間にしわを寄せながら、顎に手を置くと難しそうな表情を浮かべていた。

 

「だけど、なぜトップコーディネーターのノゾミがカントー地方に来てジム戦をやっているんだ?」

 

「トップコーディネーター?それってポケモンコンテストのことなの?」

 

ポケモン…コンテスト? トップコーディ…ネーター?

 

 聞いたことがない単語に首をかしげるが、これから始まるバトルから少しでもジムリーダー対策に繋がるヒントを探ろうと、リーリエは疑問に思いながらもバトルフィールドに再び目を向けた。

 

 

 

 

《ジム戦》

 

 ここでおさらいしてみると、ソウタの言った通り水のフィールドで水系以外のポケモンは数カ所にある浮島を足場変わりにして戦わなければならない。こうなれば、水系を得意とするジムリーダーの方が有利とも見えるし、チャレンジャーには厳しすぎるとも思える。このバトルではよりチャレンジャーは判断力が勝負の鍵になるとも言えよ。

 

「ニャルマー!【シャドークロー】‼︎」

 

「ニャルル‼︎」

 

 先制したのはチャレンジャーだ。ニャルマーは自身の自慢の爪に黒い影を纏わせる。さらにその影は大きくなり爪を形成させると高く飛び上がっては急降下でタッツー目掛けて突進した。

 

「タッツー!墨で体を隠して‼︎」

 

「タッツツ‼︎」

 

 タッツーは寸前のところで水面に潜ると墨を名一杯に放った。これは【えんまく】による技ではなくタッツーが持つ本来の性質であろう。

 ニャルマーはタッツーの姿を見失うと、攻撃の手を辞めては浮島へと着地した。無用に攻撃をして外してしまうと相手の攻撃の糸口を誘ってしまうからというニャルマーの独自の判断だ。

 

「もう一度飛べ!ニャルマー!」

 

 ニャルマーは図鑑明記に記された通りに尻尾を使って、天井に向かってジャンプした。鳥ポケモンに負けないほどの頭上まで上がったニャルマーは再び爪を立てた。

 

「水面に【シャドークロー】‼︎」

 

「ニャル‼︎」

 

 今度は水面に向かって思いっきり【シャドークロー】をぶつけた。その衝撃により生み出された波は他の波とぶつかり合い、荒々しく水面を揺さぶり始めた。その波に押し出されたタッツーは水面から顔を出した。強く押し出される波に身動きが取れていない。大きく揺れる波に飲まれているタッツーに次の攻撃を加えることは難しいが、水を通すこの技には関係がなかった。

 

「【10万ボルト】‼︎」

 

 水は電気を通す。水面深くまで潜られると効果はあまり期待できないが、水面近くまで上がってきたのであれば水系のタッツーには大ダメージを与えることができる。一面に帯びた電撃はタッツーに向かって走り出す。

 

「タッツー!飛んで!」

 

 カスミの発言にチャレンジャーもリーリエ達も驚いた。タッツーが飛ぶ⁉︎そんなことが…

 タッツーは押し寄せる波に踏ん張りながらも、下に向かって口から水を放射すると、ジェット機のように上へと飛んだ。波から解放されたタッツーは同時に【10万ボルト】も躱すことにも成功した。

 

「【ねっとう】よ‼︎」

 

「タッツ‼︎」

 

 タッツーはそのまま熱湯をニャルマーの頭上へと放たれた。上から一気に降り注ぐ熱湯は水中スクリーンのように範囲を広げては足場が不安定なニャルマーに降りかかった。

 

「ニャル!!!」

 

 熱湯を浴びてしまったニャルマーはそのまま追加効果で火傷を負ってしまった。これによりニャルマーの物理攻撃は大幅に下がってしまった。

 

「続けて【バブルこうせん】‼︎」

 

 そんなニャルマーに容赦なく次の攻撃が降りかかる。だが、チャレンジャーは一ミリも焦りを見せずにすぐに対処へと向かった。

 

「ニャルマー!尻尾を使うんだ‼︎」

 

 ニャルマーはスプリンクラーのような尻尾を回し始めると、無数に打ち出された【バブルこうせん】を次々に絡め取って行った。この状況にカスミは思わず驚いてしまった。

 

「そのまま投げ返せ!!!」

 

「【バブルこうせん】‼︎」

 

 絡め取られたタッツーの技をニャルマーは投げ返す。タッツーは続けて【バブルこうせん】を放つとニャルマーが飛ばした【バブルこうせん】をかっ消した。流れを自分に向けるためにカスミはすぐに指示を出す。

 

「【きあいだめ】‼︎」

 

 パワーを集中し始めたタッツーを見てチャレンジャーは急いでニャルマーに指示を出す。

 

「ニャルマー!【シャドークロー】‼︎」

 

 すぐにニャルマーは攻撃を仕掛けたのだが火傷状態なため思う以上にパワーを発揮できていなかった。

 

「タッツー!【バブルこうせん】‼︎」

 

 ニャルマーの攻撃は次のタッツーの攻撃を防ぐことが出来なかった。

 

「ニャルル!!!」

 

「ニャルマー!!!」

 

 タッツーの攻撃に吹き飛ばされたニャルマーはその場で倒れてしまった。

 

「ニャルマー戦闘不能。タッツーの勝ち」

 

《観戦席》

 

「おお!【きあいだめ】で攻撃を急所に当てやすくしたうえでの攻撃か。こりゃ、効いただろうな〜」

 

「だが…それだけではない」

 

 熱が入ったソウタの言葉にタケシが付け加える。

 

「おそらくカスミのタッツーの特性は《スナイパー》だろうな。急所に当てた技の威力をさらに上げる特性なんだ。これにより【きあいだめ】と特性の効果で急所に当たった【バブルこうせん】の威力がさらに高まったんだ」

 

「つまり、いまの攻撃は補助技と特性の効果によるコンボなのですね!」

 

「そんなところだ!」

 

 リーリエとタケシの解説に三人も納得した表情を浮かべた。何よりも技だけでなくポケモンの性質も上手く活用した二人のバトルセンスにジムリーダーだけでなくチャレンジャーの方の方も上級トレーナーであるとリーリエ達は感じた。

 

《ジム戦》

 

「ご苦労だったね。ニャルマー」

 

 戦闘不能になったニャルマーを戻すと、焦り始めたのか。少し表情が曇ってきてしまっていた。

 

 

これが…ポケモンジムバトル

 

コンテストバトルみたいには行かないか…

 

 

 何よりもニャルマーはノゾミの一番の相棒(パートナー)だ。ノゾミのチームの中でも数々の試練を乗り越えてきた猛者でもある。ニャルマーを先発に出して流れをこちら側に向けようとしたのだが、そう上手くは行かなかったみたいだ。

 ノゾミはいったん落ち着きを取り戻すためにここカントー地方に訪れる前にジム巡りの提案を進めてくれた先輩とのやり取りを振り返ったのであった。

 

 




 お待たせしました!ポケ問題の答えは
  Cノゾミさんでした。
皆さん!正解できたでしょうか⁉︎
 タケシの話ではノゾミさんがジム戦にチャレンジしていることに不思議に思っていたのですが、何故なのでしょうか?
次回までのお楽しみです!
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