ポケットモンスター let's goリーリエ! 作:アニポケ大好き主
今回のポケ問題は俺、タケシが出題するぞ。
今回のお話に登場する炎タイプのポケモンは何だ?
Aヒノアラシ Bポカブ Cフォッコ Dニャビー
答えはお話の最後に!
見事二つ目のジムバッジを手にしたリーリエ達は開催間近になったアローラ祭に向けてクチバシティへと向かっていた。
「うめー!!!サトル達こんな美味い飯喰いながら旅して来たのかよ!」
「どうよ!羨ましいでしょ〜♪」
「なんでカノンが威張ってるの?」
「本当に美味しいよ。私にも教えて欲しいほどだよ」
「だな!タケシ、おかわり!!!」
「おう!たくさん食べてくれ」
ハナダシティで出会ったソウタとノゾミもメンバーに加えた一同は暫しの休憩を挟んでランチタイムを楽しんでいた。
「そういや、リーリエは?」
「あぁ…リーリエなら彼処にいるよ」
リーリエを探すカノンにノゾミは向こう岸へと指をさした。その方角にはリーリエとオツキミ山で捕獲したズルズキンの姿があった。
「ズルズキン!わたくし特製のポケモンフーズ。良かったら食べてみませんか♪」
「………」
「……美味しいですよ♪貴方もきっと気に入ってくれると思いますの!」
「………」
「えっ…と、もし今は食欲なければまた後にしましょうか?」
「zzz…」
「うっ///」
「おい…泣きそうだぞ」
『リーリエに対するズルズキンのなつき度はおよそ1.5%ロト』
「余計な事しない方がいいと思うよ。ロトム」
「リ…リーリエ!!!ほら!こっち来て一緒に食べよ!!!」
なかなかズルズキンと打ち上げれずに、今にも泣き出してしまいそうなリーリエをカノンはリーリエの手を引いて、食卓の方へと向かっていく。
そんなリーリエをズルズキンは少し振り向いては目をやるが、そのまますぐに眠った。その様子からノゾミもリーリエとズルズキンの今の関係性がどういうものかは察した。
合計五杯もおかわりしたソウタは満腹なった腹を叩きながら立ち上がった。
「食った!食った!食ったらバトルの練習だ!付き合えサトル!」
「いや…僕はまだ食べ終わってないよ」
「んだよ。じゃあ、自主練でもして待ってるからな!行くぞ!クチート!」
「クチ‼︎」
そのままソウタはクチートを連れて、林の中へと入って行った。
「忙しない所はサトシに似てるね。ソウタは」
「言われてみればな」
そんな会話をしていると、さっき林の中へと潜って行ったソウタが慌てた様子で戻って来た。
「みんな!ちょっと来てくれ!!!」
慌てた呼びかけにリーリエ達はすぐにソウタの元へと駆け寄った。昼食を取っていたポケモン達に留守を任せてから全員がソウタの元に集まると、そのソウタの跡を追いながら林の中へと入って行った。
入ったと言ってもすぐの場所だった。茂みを掻き分けた先には、木々に囲まれた巨大な岩山が聳え立っていた。そして、ソウタはその岩山の少し上辺りの所を指差した。
「あのポケモンは…」
『ボクにお任せをロト!』
そこに居たのはポケモンだった。そのポケモンは身を丸めながら此方の方を警戒しながら、リーリエ達を見下ろしていた。
『ヒノアラシ ひねずみポケモン
炎タイプ
臆病な性格でいつも身体を丸めている。背中から炎を噴き上げて身を守る。怒った時の勢いは良いが、疲れている時は不完全燃焼してしまう』
ロトムの解説により、そのポケモンはジョウト地方の初心者用ポケモンとしても渡されている炎タイプのポケモン、ヒノアラシである事がわかった。周りにトレーナーらしき人物が見当たらない所、野生なのかもしれない。野生ではあまり確認されるのが難しいポケモンであるため、リーリエ達は暫くヒノアラシに釘付けとなった。
そして、ある事にリーリエ達は気づいた。少しばかりか呼吸がしづらいばかりか弱っている様子でもあった。その状態からあのヒノアラシは怪我をしているのではないかと推測する。
「かなり弱ってるみたいだな…すぐに治療を…」
タケシはすぐにヒノアラシの状態を見ようと近づいて行った。それを見たヒノアラシは…
「ヒノォ‼︎」
すぐにリーリエ達に向かって炎を放った。繰り出されたヒノアラシの攻撃はリーリエ達のすぐ足元よりも前の方へと放射された。
「【かえんほうしゃ】だ!」
『弱っているとはいえ凄いパワーロト!』
野生ポケモンとは思えない威力の火炎放射に放ったヒノアラシの様子を見ると、今度は冷や汗を少し掻きながらさっきよりも呼吸が乱れているのが分かった。一刻も早く治療しなければならないと判断したタケシはすぐにサトルの方へと目をやった。
「サトル!クルマユの【くさぶえ】を頼む!」
「分かった!」
サトルは急いでクルマユを呼びに走った。
「頼む!クルマユ!!!」
「マユッ‼︎」
連れて来たクルマユの草笛でヒノアラシは静かに眠った。
タケシはそのまま眠ったヒノアラシを抱えて岩山を降りると、すぐにいい傷薬など必要な回復道具を手にして治療を行った。治療を続けていくと、少しずつタケシの表情が曇ってきている様に見えた。何かに引っ掻かれた傷などから何かの事故に巻き込まれたわけではなく、明らかに他のポケモンによる攻撃によって負った傷である事がわかった。その傷は一刻も早く治療しないといけないぐらいの深手だったと言う。
「よし!これで大丈夫だ!」
『流石はタケシだロト!』
「ありがとうございました。タケシ」
リーリエ達に見守られながらも、ヒノアラシの治療は無事に終わった。治療終えたがヒノアラシはまだぐっすりと眠っていた。
目が覚めた後、刺激させて体に負担を掛けてはいけないと思ったリーリエ達はヒノアラシが目を覚ます前にここから離れる事を決めた。
起きた時に体力をつけられる様にヒノアラシの側にオレンの実を置くと、そのままリーリエ達はヒノアラシと別れた。留守を頼んだポケモン達をモンスターボールに戻しては近くのポケモンセンターへと向かい始めた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「どのポケモンセンターに来てもポケモンバトルは耐えないね」
日没後には雨が降ると予想されていたので、それまでにリーリエ達はポケモンセンターに着くことが出来た。
「あいつ…大丈夫かな…」
ソウタはヒノアラシと別れた方へと向いていた。最初にヒノアラシを見つけただけあって、ここポケモンセンターへと向かう道程の途中でもソウタはヒノアラシの事を気にかけていた。タケシからの怪我の状態を聞いたからでは、また他の強いポケモンに襲われないかどうか心配なのだ。
「きっと、大丈夫だよ。ソーちゃん」
そんなサトルの言葉にソウタも頷いた。オレンの実も置いてきたのだ。それを食べればもうばっちり回復しているはずだ。と言い聞かせては心配事を振り払った。
すると、バトル施設ではそんなもやもやとした気持ちを一気に吹き飛ばしてしまうぐらいの白熱としたバトルが行われていた。
興味を持ったリーリエ達はすぐにバトル施設へと向かった。そこで戦っていたのは、ここカントーではノーマルタイプと分類されているラッタと顎の周辺を炎で覆っている大きいポケモンが対峙していた。
「おお!!!あのポケモンなんだ?」
「あれはエンブオーだ」
「エンブオー?」
タケシからそのポケモンの名前に聞き覚えがない一同にロトムは空かさずそのポケモンの解説を行った。
『エンブオー おおひぶたポケモン
炎・格闘タイプ
炎の顎髭を蓄えているポケモン。髭の炎が燃え上がるのは気合が入った証。パワーとスピードを兼ね備えた格闘技を身につけている。』
ロトムの解説が終わったその直後、そのエンブオーの【かえんほうしゃ】がラッタに炸裂した。炎に包まれたラッタはそのまま戦闘不能となった。
「あ〜、ラ…ラッタ…」
「俺たちが勝ったのは当然の結果だ。この『ファイアウォーリアーズ』に敵などいるものか」
勝利を得たエンブオーのトレーナーは高らかに笑い出しすと、エンブオーをモンスターボールへと戻した。戻したエンブオーのモンスターボールを仕舞うとすぐにラッタのトレーナーの方へと歩き出した。
戦ったトレーナー同士、互いの健闘を讃え合うための握手を交わすのかと思いきや、そのエンブオーのトレーナーはとんでもない事を口にした。
「さぁ出せよ!お前の中の強いポケモン!」
なんと負かした相手からポケモンを奪い取ろうとしているのだ。
「何あいつ!」
エンブオーのトレーナーを睨むカノンを前にすぐにソウタはそのトレーナーも方へと走り出した。
「おいおい!お前!負けた相手からポケモン取ろうと済んじゃうねぇよ!」
ソウタはラッタのトレーナーの前に立つと、エンブオーのトレーナーを睨みつけた。
「なんだ?お前には関係ないだろ!」
突然出てきたソウタに呆れた表情で返事を返した。そのトレーナーにソウタに続いてノゾミも歩み寄っては言い返した。
「たしかに関係ないけど、あんたの今のやり方を見て黙って見過ごす訳にはいかないよ!」
出てきたソウタとノゾミだけでなく他の四人の人影に気付いたエンブオーのトレーナーは面倒臭くなったのか。何も言わずにその場を立ち去った。
「大丈夫?君」
「うん…助けてくれてありがとう」
「それよりも何なのあいつは!凄くやな感じの人」
「彼はスワマ…イッシュ地方から来たトレーナーみたいなんだ。何がなんでも強いポケモンを手に入れようと勝負に負けた相手から無理矢理ポケモンを奪おうとするんだ」
勝負を受けられたラッタのトレーナーはそのエンブオーのトレーナーであるスワマについて話した。しかもそのバトルは互いの同意ではなく、スワマから無理矢理バトルを受けさせられた物が多いと聞くとタチの悪い事だった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ラッタのトレーナーを助けた後、リーリエ達はポケモンセンター内のレストランで夕食を取り始めていた。
「他方からやって来て本当に迷惑もいい所だわ!」
「まあまあ、もう済んだことだ。気にせずに食べようじゃないか」
スワマに対して物凄く頭にきていたのか文句を言いながら料理を食べているカノンをタケシは慰めていた。
そんな矢先、噂をするとリーリエ達が座っている近くにスワマの声が聞こえた。その発声音は彼の声を聞きたくなくても、自然に耳の中へと入ってしまうほど大きなものだった。
「まぁ、こんな所だな。今日もいい収穫だったぜ。よくやったなエンブオー!」
彼はエンブオーを連れては大量のモンスターボールを並べては高らかに笑っていた。
そして、すぐに耳を疑う事を言い出したのだ。
「やっぱり強いポケモンはこうやって手に入れた方がいいさぁ。地道にポケモンを育てあげるなんて、そんなまどろっこしい事してられっかよ。あのヒノアラシも捨てて正解だったわ」
!!!!!!!!
「野生では珍しいし、技もそれなりに使える物を持っていたから思わず捕まえたけど、バトルになると弱すぎて話になんねぇからな。見たかエンブオー!彼奴をあの岩山に置い行った時の反応よ!逃したのに連いて来るわ。来るわ。思い出しただけでも笑っちまうよな!!!!」
岩山に置いて行った。との発言からそのヒノアラシはポケモンセンターに来る前にリーリエ達が治療したヒノアラシであった事が分かった。
「おい…てめー!!!」
「ちょっとソーちゃん!!!」
怒りが頂点に達したソウタは止めるサトルの声を振り払うと、スワマの方へと向かっていく。ソウタの接近に気付いていなかったスワマはそのままソウタに襟元を掴まれてしまった。
「痛ってな!何だよ。お前!」
「さっきのどういう意味だ!」
ソウタの危機迫る表情にも気にも止めずにスワマはその口を開いた。
「意味も何もそのままの意味さ!俺の満足いくレベルにあのヒノアラシは達していなかった。だから捨てた。それだけのことだ!」
「くっ!!!」
「落ち着きな。ソウタ」
ソウタの肩にノゾミはそっと手を置いた。止められたソウタはそのままスワマを掴んでいた手を離した。乱れた服を整えながら険悪そうに見るスワマにノゾミは話し始めた。
「手持ちのポケモンを逃がすことはそう珍しくない。あんたに限らずやっているトレーナーもいるから、その点に関しては、とやかく言うつもりはないよ」
その後、ノゾミは少し声のトーンを上げると続けて話を進めた。
「だけどね!あんなに傷ついた状態で逃がすことはないんじゃない!少なくとも傷つけてしまった時はまだあんたの手持ちであったはずだ!バトルで傷ついたポケモンはすぐにポケモンセンターで診せて上げる事はトレーナーの役目として絶対に怠ってはいけない事だと思うよ!」
ノゾミの言葉に跡を追ってきたリーリエ達も静かに頷いた。だが、その言葉を打ち消すかのようにスワマは不敵な笑みを浮かべると、そのまま反論し始めた。
「はぁ?どうせ捨てるポケモンをわざわざポケモンセンターで治療受けさせてどうするんだよって話だ!逃した時点であいつはもう俺の手持ちじゃない。その後、どうなるかなんて知った事じゃねぇわ!!!」
その無責任な発言には流石に殴りかかろうとしたソウタを止めたノゾミも手を震わせていた。
「あんた…想像以上のクズだね」
その怒りに答えるかのように、轟く雷鳴と同時に窓の外から雷の光がポケモンセンターを照らした。
「あ…雨」
天気の予想は当たったみたいだった。そして雷によって会話が遮られてしまったためか、スワマはリーリエ達に背を向けるとその場を立ち去った。
「おい!待てよ!!!」
ソウタの声に気にも止めずに立ち去るスワマの方を見ていると、突然に思い出したかのようにカノンが声を上げた。
「ねぇ!あのヒノアラシ!まだあの岩山にいるんじゃない!!!」
スワマの会話からは捨てられても彼の元へと行こうとしていたと言う。怪我が治ったとしても、まだあそこで彼が来るのを待っているとしたら…
最悪な事態を想定してしまったリーリエ達はジョーイさんからレインパーカーを借りると、急いでヒノアラシがいたあの岩山へと駆け出して行った。
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降り注ぐ豪雨。鳴り響く雷鳴。行く手を遮る突風。それでもリーリエ達は休む事なく走り続けた。そして、ヒノアラシを見つけたあの岩山へと到着した。
『いたロト!!!』
ロトムが指した先には、岩陰に身を潜めては雨風を凌いでいたヒノアラシの姿があった。やっぱり、まだ彼処を離れていなかったんだ。すぐにヒノアラシの元へと近づこうとソウタは岩山を登り始めたその時。
突然に草むらから現れたオニスズメ達がヒノアラシを攻撃し始めた。
「やめろ!オニスズメ!!!」
ソウタの声に反応すると、その内の一体がソウタに攻撃を仕掛けた。
「シロン!【こなゆき】‼︎」
「コーン!!!」
すぐにリーリエはシロンの【こなゆき】でオニスズメを振り払った。
すると、残りのオニスズメ達も一斉に攻撃を仕掛けたリーリエ達に向かって飛びかかってきたのだ。
「フシギダネ!【つるのムチ】‼︎」
「ニャルマー【シャドークロー】‼︎」
前方から飛んできたオニスズメをカノンとノゾミとで対抗した。
「クチート!【ようせいのかぜ】‼︎」
「シロン!【こなゆき】‼︎」
さらに真上から攻撃を仕掛けたオニスズメをソウタとリーリエで追い返した。
「ピカチュウ!【10万ボルト】‼︎」
最後にサトルのピカチュウで全羽のオニスズメを一網打尽にした。尻尾の避雷針により雷の力を受けた【10万ボルト】のパワーにオニスズメ達は為すすべもなくその場を退散した。
無事にオニスズメを追い払ったリーリエ達はすぐに雨で冷え切ったヒノアラシの体を毛布で包んだ。タケシはすぐにラッキーとクロバットをモンスターボールから出現させた。
「ラッキーは【たまごうみ】‼︎クロバットは超音波を頼む!」
ラッキーの力で回復させた後、クロバットの超音波で心電図を通してヒノアラシの脈を計り始めた。
「しっかりしろよ!ヒノアラシ!!!」
すぐに毛布に包んだヒノアラシをソウタは抱きかかえると、そのままリーリエ達はポケモンセンターへと急いで戻った。
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ポケモンセンターに到着後、すぐにジョーイにヒノアラシを診せた。すぐにジョーイはヒノアラシを連れて救急治療室へと運んだ。
そして三十分後、ヒノアラシを抱きかかえたジョーイがリーリエ達の前に現れた。
「ジョーイさん!ヒノアラシは…」
「大丈夫よ!タケシ君の応急処置のおかげもあってすぐに回復したわ」
「そうですか…よかったです」
日中にタケシが治療したばかりであったために大事に至らなかったのは幸いであった。さっきまで傷だらけで体を震わせていたヒノアラシだが、治療室から出てきた表情を見ればもう心配はいらないようだ。
「ヒノ!!!」
「みなさん!ヒノアラシが…」
いきなり何かを見つけたのか。ジョーイの腕から離れたヒノアラシは一目散にある者へと駆け寄って行った。
そう…
「なんだ、お前…」
あの男スワマにだ。ちょうど、自室へと戻ろうとした姿を目撃されたみたいだ。
「ヒノ!ヒノ!」
見つけてはヒノアラシはスワマのズボンの下を引っ張りながら何かを訴えているようだった。
その様子からこのヒノアラシは自分の手持ちにいたポケモンである事に気付いた。だが、かつての自分の手持ちにいたヒノアラシをスワマは何事もないように冷めきった目でヒノアラシを見ていた。
「ヒノアラシ!」
「あっ…お前」
「何だ…またお前らか」
ヒノアラシを追っていたリーリエ達と鉢合わせになった。リーリエ達が来てもヒノアラシは一切こっちには振り向かずにスワマの方をジッと見ていた。
あの嵐の中でポケモンセンターに連れて助けて上げたのはリーリエ達の方であったのだが、やはり自分の主人。どんな形であろうと、ヒノアラシはこれほどスワマを慕っていたっていう事は今のヒノアラシの姿を見れば誰にでも分かっていた。そんなヒノアラシの姿を見たサトルはただ一人スワマの方へと近づいて行った。
「サトル?」
サトルの行動に疑問を持ったカノンであったが、サトルはその口を静かに開いた。
「確かに最初っから強いポケモンもいるし、弱いポケモンだっている。だけど、どんなポケモンだって努力次第では必ず強くなれると僕は思っている。勝ちたいなら強いポケモンを使えばいいという君の考えを否定するつもりはないけど、ポケモン達と信じて二人三脚に頑張って強くなって行くのも悪くないんじゃないかな?その方がバトルに勝った喜びはもっと大きな物になると僕は思うんだ!」
力強くサトルはスワマに訴えた。トレーナーとして旅立つ前はあまり自分から前に出る性格でなかったのに、今の自分の行動には驚いていた。
サトルの言葉に背中を押されたリーリエ達も力強くスワマの方へと目をやった。同じようにスワマにもサトルの言葉を聞いてから考え方を改めて欲しいと思った。
しかし…
「それがめんどくさいんだよ…」
「えっ⁉︎」
その言葉にサトルだけでなくリーリエ達も耳を疑った。スワマの目は厳しくこちらを睨んで来た。その目からは何かしらの憎悪が感じられた。
「お前も…」
そしてその目は自分の足に寄り添うヒノアラシに向けられた。それでも離れないヒノアラシに対して苛立ちが最高潮になったスワマはおもいっきりヒノアラシがしがみついている反対の足を上げ始めた。
「いつまで俺に寄り添っていやがんだぁぁぁぁぁ!!!」
「ヒノアラシ!!!」
そして、そのままヒノアラシを蹴り飛ばしたのだ。ヒノアラシはサトルの一歩手前の所まで放り出されてしまった。
「おい!お前何しやがんだ!!!」
「まだ病み上がりなのよ!!!」
ソウタとカノンも同時にヒノアラシは抱きかかえるサトルの元へと駆け出した。スワマは荒々しく息を吐き出しながらサトル達を睨み返した。
「ったくよ!マジでバカなポケモンだわこいつ!俺はもうお前の事なんてどうも思ってねぇんだよ!!!」
「ヒノ…」
「俺はなぁ。ポケモンを捨てる時は自分もつらい思いをしている様な振りをするんだよ!そうしないといつまでも引きずる奴が出てくるからだ!あーあ!!!別れのつらさの振りしとけば大概のポケモンは諦めてくれるのによ!」
何かが切れたのか。スワマは平然と吐き捨てるようにヒノアラシを罵り始めたのだ。
「あんた!自分が何を言ってるか分かってるの!!!」
「お前!それでもトレーナーか!!!」
流石のスワマの言動や行動にノゾミも滅多に感情的にならないタケシも口を揃えてはスワマを非難した。
それなのに、スワマはポケモンセンターを利用している他のトレーナー達の目にも気には止めずに、トドメを刺すような言葉を力一杯放った。
「何とでも言ってろ!力こそ正義だ!トレーナーが才能あるポケモンを求めるのは当然だろうがよ!!!!!!」
「ふざけないで下さい!!!」
ここにいる誰もがその人物に目が集まった。その人物は震える両手でスカートの裾を握り締めながら声を上げた。涙で滲む敵意を持つその目はスワマに向けられていた。
「ヒノアラシの辛さを貴方は何も感じて上げられていないのですか!ポケモンは貴方が強くなるための道具ではありません!!!自分のしゅ…親から見放されてしまったこの痛みが…どれほど辛くて苦しいものか…貴方は知っていますか!!!」
過去の自分と照らし合わせるかのようにリーリエは思った事を吐きだした。感情的になり涙声になりながも叫んだ。
少しの沈黙が空くとスワマは何事も言わずに立ち去る事なく、今度は自らリーリエ達の元へと近づいてきた。
『な…何か用ロトか!!!』
リーリエを守るように前に出たロトムの声にスワマは応えた。
「そこまで言うなら実力を見せて貰おうじゃん⁉︎」
「実力…」
「そのヒノアラシと俺のポケモンで一対一のバトルだ。勝ったら、土下座でも何でもしてやるよ!」
言い争うに疲れを感じたのか分からないが、スワマは白黒はっきりつける提案を述べてきた。
「よし!だったら俺が…」
「相手はお前じゃくて、お前だ!」
勝負を受けようと前に出たソウタを退けてはスワマはある人物を指差した。
「わ…わたくしですか?」
スワマが指名したのはリーリエだ。
「お前…なかなか可愛いかもなぁ」
リーリエを指名するとスワマはニヤリと笑うと、さらに条件を述べてきた。
「ただしお前が負けたら俺の女になれ!その条件なら勝負してやってもいいぞ!」
「お前!!!いい加減にしろよ!」
流石の事にソウタはブチ切れた。今にもスワマに殴りかかろうとする勢いで前に出た。そんなソウタをリーリエは呼び止めた。
「待ってください!ソウタ!!!」
呼ばれた事に気付いたソウタはリーリエに振り返る。そして、リーリエの決心がついた目を見ては後退りした。
そして、今度はリーリエがスワマの前へと踏み込んだ。
「分かりました。お受け致しましょう!」
「ちょっ…待ってよ!リーリエ!!!」
無茶な条件に止めようとするカノンにリーリエは心配ないと頷く。
「大丈夫です!」
その表現を見たカノンは止める事が出来なくなった。そして、再びリーリエはスワマの方へと向くと一気に表現が固くなった。
俺が負けるかよ。と不敵に笑うスワマに対し、リーリエはさらにスワマを睨み返したのだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヒノアラシを連れてリーリエはバトルフィールドに立った。向かい合うスワマはすぐにモンスターボールをフィールドへと投げ入れた。
「出てこい!クイタラン!!!」
「クィィ‼︎」
『クイタラン アリクイポケモン
炎タイプ
尻尾の穴から空気を吸って体内で炎を燃やす。炎を舌の様に使い攻撃する』
ロトムの解説からクイタランはヒノアラシと同じ炎タイプのポケモンである事が分かった。クイタランは両腕の鋭利の爪を立ててはヒノアラシを威嚇する。図鑑では長い舌がクイタランの武器かと思われたが、あの爪もクイタランにとっては最大の武器には違いない。
バトルが始まる前にリーリエはヒノアラシとコンタクトを交わした。
「ヒノアラシ!全てわたくしに任せて下さい!」
「ヒノ…」
リーリエはヒノアラシに呼びかけるものの、ヒノアラシは自信なさげそうに返答した。
その姿はこのバトルを見守っているカノン達にも不安が伝わっていた。だが、互いのポケモンが出たからには始めるしかない。タケシによる試合開始のコールが宣言された。
「それでは、バトル開始!」
➖リーリエVSスワマ➖
「クイタラン!【ほのおのムチ】だ‼︎」
「クィ‼︎」
クイタランは特徴である長い舌を伸ばすと、炎纏わせながらヒノアラシに向かって攻撃を仕掛けた。
「躱して下さい!」
リーリエの手持ちではないが、ヒノアラシはリーリエ指示に従っていた。足元を狙ってきた【ほのおのムチ】をヒノアラシはジャンプで躱した。
「行きますよ!【かえんほうしゃ】‼︎」
「ヒノ‼︎」
着地したすぐにヒノアラシは背中から炎を吹き出すと口の中で炎を溜め込んだ。ヒノアラシは貯めた炎をクイタランに向かって放射しようとした。
「ヒ…ノ…」
だが、放射した直後にヒノアラシはクイタランの後にいるスワマと目があった。
元トレーナーと戦うことに躊躇いがあったヒノアラシは溜め込んだ炎エネルギーを消すと放射するのを止めてしまった。
「ヒノアラシ⁉︎」
『ビビッ!何故、攻撃をしないロト!』
攻撃を止めたヒノアラシに驚くリーリエの不意をつくようにクイタランはヒノアラシに接近した。
「クイタラン!【みだれひっかき】‼︎」
クイタランはその鋭利な爪でヒノアラシを連続で切り裂き始めた。
「ヒノォォ!!!」
「ヒノアラシ!」
「コーン‼︎」
クイタランの攻撃にヒノアラシはかなりのダメージを受けてしまった。まだ戦闘不能にまでダメージは受けていないが、その目からはスワマと対峙しなければならないのかという迷いが見られた。それはリーリエもシロンにも伝わっていた。
『リーリエ!このままじゃまずいロト!』
ロトムの言う通り。このままでは負け待つだけだ。観戦席にいるカノン達からの声援が聞こえるもヒノアラシには逆にそのせいで頭を悩ませてしまう事になった。
闘志が感じられないヒノアラシに対してスワマは呆れた表情をした。
「ははっ!力がない上に頭の悪いポケモンだったな。あんだけ罵倒したってのにまだ俺のことを主人と見るんだな」
負ける試合ではない余裕からかスワマはもうバトルには集中していなかった。クイタランも顎の周囲を掻きながら詰まらなそうにしていた。
その態度にリーリエは不謹慎に思っているのは言うまでもない。勝ちたい。あんなトレーナーに負けたくないと思っている。
しかし、リーリエがどんなにヒノアラシのためにと思って臨んだ勝負であっても、一緒に戦ってくれるポケモンの気持ちが合わないとその想いは無となる。
「時間の無駄だ!終わらせろクイタラン!【だいもんじ】‼︎」
「クイィィ‼︎」
炎タイプの中でも強力な技を放つクイタランは一気に尻尾から大量の空気を吸い込み始めた。徐々に腹部周辺が熱が篭ったように赤くなると、大の字に形成された炎エネルギーをヒノアラシに放った。迫り来る【だいもんじ】を前にもヒノアラシは呆然と立ち尽くしていた。その目からは躱す気力がないほど虚ろんでいた。
「ヒノアラシ!!!」
「ヒノ‼︎」
鋭く尖った声が聞こえたヒノアラシは反射的に体が動いた。【だいもんじ】を躱した事よりも声がした方が気になったヒノアラシはすぐに声の主であるリーリエの方へと振り向いた。
やっと試合開始から初めてリーリエとのコンタクトを合わせる事が出来た。すぐにリーリエはヒノアラシに呼びかけた。
「貴方の気持ちはわかります。ですが、貴方が彼に立ち向かう覚悟が無ければこのままでは負けてしまいます」
その言葉を掛けなくてもヒノアラシ自身も分かっているはず。だけど、言わない訳にはいかなかった。分かりきっている事を改めて聞かされたヒノアラシはさらに自身なさげに下の方へと目線を下げてしまった。
「ですから、ヒノアラシ…」
そんなヒノアラシにリーリエはさっきよりも大きな声で呼びかけた。
「
「ヒノ…」
「「「えっ⁉︎」」」
「はぁ⁉︎」
リーリエの発言にカノン達や対戦相手のスワマも顔を歪めていた。この発言の意図が全く理解ができないのだが、リーリエは満面の笑顔でさらに続けた。
「彼に自分は弱くない所を見せてあげるのです!僕は強いんだと!貴方の期待に応えられると!彼の元に戻りたければこのバトルに勝って貴方の実力を見せてあげればいいのです!」
「ヒノ…」
「まだ出会ったばかりのわたくしでありますが、お願いします!それまでわたくしと一緒に戦って下さい!」
まだ出会ったばかりの…いや、手持ちでもない自分の事を優しく真剣に向き合ってくれているリーリエにヒノアラシは黙ったままリーリエを見つめる。
そして…
「ヒノ‼︎」
迷いが吹っ切れた。ヒノアラシは再度、対戦相手の方へと振り返った。それはスワマにではなくクイタランにだ。ヒノアラシはもう一度、背中から一気に炎を吹き出すと力一杯叫び始めた。
「本当にリーリエは凄いトレーナーだよ」
今にも消えそうであった小さな灯火に決意の炎が灯った。ポケモンの心を動かすリーリエの素質には驚くばかりだ。
「ヒノアラシ!【スピードスター】です‼︎」
「ヒノォ‼︎」
「ちっ!!!クイタラン!【ほのおのムチ】で撃ち落とせ‼︎」
「クィ‼︎」
無数の星型のエネルギー弾を炎を纏わせた舌で防いで行く。だが、やる気を取り戻したヒノアラシの攻撃には力強さがあった。さっきまでと様子が変わった事にまずいと思ったスワマはすぐにクイタランに指示を出した。
「クイタラン!【だいもんじ】だ‼︎」
スワマは一気に勝負を決めるため大技をクイタランに指示した。クイタランが再び尻尾で周りの空気を溜め込もうとしたその瞬間をリーリエは見過さなかった。
「今です!ヒノアラシ!【えんまく】‼︎」
「ヒノォォ‼︎」
放たれた煙幕はクイタランの周りを包み込んだ。痛くも痒くもないその技をスワマは高らげに笑っていた。
「目眩しのつもりか!そんなんでなぁ…」
「クッ…クイ!!!」
「どうした!クイタラン⁉︎」
煙幕など敵にではないと思っていたスワマだが、突然むせりだしたクイタランを見ては慌てた様子を見せた。何をされたか分からないスワマにリーリエはロトムを前に説明を始めた。
「ポケモン図鑑の明記通りなんです。クイタランは体内で炎を生成する際には尻尾の穴から空気を体内へと取り入れる必要があります。ですが、このように煙幕が充満されてしまった以上、十分に空気を溜め込むことが出来ないはずです!」
「くっ!!!」
クイタランの生態を上手く利用したリーリエの戦法にスワマはさっきまでの余裕がすっかり無くなってしまっていた。
「自分のポケモンじゃねぇのに…なんでこんなに息があってやがんだよ…」
戸惑いが隠しきれずに漏れた声を噛み締めていた。
「ヒノアラシ!【スピードスター】‼︎」
「ヒノォォ‼︎」
「クイィィィ!!!」
「くっそ!!!クイタラン!【きあいだま】‼︎」
「クィィィ‼︎」
「【でんこうせっか】です‼︎」
「ヒィノォ‼︎」
「クゥゥ!!!」
ペースは一気にリーリエ達に傾いた。以外にも素早さ関係は互角ではあったが、クイタランのパワー系攻撃を前にでは、ヒノアラシの先制攻撃に追いついていない。
ヒノアラシの【でんこうせっか】がクイタランの腹部に命中すると、足を滑らせては後へと倒されてしまった。
すぐに起き上がるも、上空には反動で飛び上がったヒノアラシが口を開いてクイタランに攻撃を向けていた。
「行きます!最大パワーで【かえんほうしゃ】です‼︎」
「ヒノォォ‼︎」
【かえんほうしゃ】がクイタランへと放たれた。炎タイプの攻撃は効果はいまひとつだが、ヒノアラシの力一杯込めた攻撃は受け止めきれないほどのパワーを放っていた。
「クッ…クイ…ィ」
「クイタラン!!!」
ヒノアラシの炎技を受け続けたクイタランは発火爆発を引き起こすと、そのままクイタランは力無くし後へと崩れ落ちて行った。
「クイタラン戦闘不能!ヒノアラシの勝ちだ!」
『勝ったロト!!!』
「勝ちましたよ!ヒノアラシ!!!」
「ヒノォォ‼︎」
タケシのコールにより勝負に勝ったリーリエは急いでヒノアラシの元へと駆け寄った。優しく頭を撫でられたヒノアラシはシロンと一緒に喜び合った。
「やったぁ!!!」
「勝ったぜぇぇ!!!」
その後、カノン達もリーリエの元へと駆け寄った。みんなでヒノアラシの勝利を褒めたえると、自身持つことができたのか。さっきまでと違って足を小刻みにしながら喜びを体で表現した。
「戻れ、クイタラン!」
スワマはクイタランを戻すと、そのままリーリエ達の元へと向かった。
『何か文句あるロトか⁉︎』
近づくスワマにみんな身構えるように警戒した。だが、スワマはさっきと違って穏やかな雰囲気を出していた。
「いや、俺の負けだ。素直に負けを認めるよ」
いちゃもんをつけてくるかと思いきや、スワマはあっさりと自分の敗北を認めた。
人が変わったように振る舞うスワマに動揺するが、そんなリーリエ達を置いてヒノアラシに目線を合わせた。
「済まなかったなヒノアラシ。才能が無いと言ったのは俺の間違いだったよ」
ヒノアラシに自分がした事を謝るとさらに話を続けた。
「なぁ!まだお前が俺の事を忘れられていないんだったら戻って来るか?」
「ヒノ…」
「もう一度俺と組んで最強の『ファイアウォーリアーズ』を結成させて行こうぜ!」
そう言って、スワマはヒノアラシを手を差し伸べた。
「ヒノアラシ…」
「コーン…」
スワマの元に戻ることがヒノアラシの願いであったかもしれないが、さっきまでのスワマのヒノアラシに対する態度を見てしまうと、素直に送り出してやる事が出来なかった。
ヒノアラシが望むなら戻らせてあげたい。だけど、素直に送り出してあげられない。そんな矛盾とした複雑な気持ちが交互していた。
「さぁ行こうぜ!ヒノアラシ!」
「ヒノ…」
リーリエはそんなヒノアラシを見てみると、さっきまではスワマの元に戻りたいと思っていたはずなのに何故か分からないがリーリエの方へとチラつかせながらもスワマの元に戻る事に躊躇っている様子を見せていた。
「何迷う事があるんだよ!ほら、来いよ!」
今度は自分の元へと連れようとスワマはヒノアラシの手を取ろうとした。
その瞬間、ヒノアラシは後退りした。その行動にリーリエ達もスワマも、ヒノアラシ本人も驚いていた。
だけど、これではっきりしたみたいだ。
「どうやらお前の元には戻らないみたいだな!」
タケシの言葉にヒノアラシも自分の今の気持ちが何処に傾いていたのかが分かった。
そんなヒノアラシを見てスワマの顔つきがまた変わった。
「だったら…力尽くで奪ってやるよ!!!」
すると、モンスターボールを片手に攻撃を始めようとした。
「出てこい!エンブォー!こいつら纏めてやっちまぇ…」
「ヒノォォ!!!」
「コーン!!!」
「ヒコォォ!!!」
「ピィカァチュゥゥ!!!」
攻撃を仕掛けるスワマからリーリエ達を守ろうとヒノアラシは【かえんほうしゃ】を放った。さらにシロンとヒコザルにピカチュウもそれぞれの技をスワマへと放った。
「くっ///覚えてろぉぉぉ!!!」
丸焦げになったスワマはそのままエンブオーのモンスターボールを仕舞うと、一目散に逃げ帰って行った。
「いい気味よ!べぇ!!!」
「ヒココ‼︎」
「ポケモンを育てるよりも、まずは己を育てるんだな!」
こうしてスワマとの件に決着がついた。
「助けてくれてありがとう。ヒノアラシ」
「コン‼︎」
「ヒノ…」
自分達を守ってくれたヒノアラシにリーリエは感謝の言葉を伝えた。そのままヒノアラシはリーリエ達と見つめ合った。
暫くの静寂した中、ソウタが一歩前へと踏み出した。
「リーリエ。お前がゲットしてあげてくれ」
突然のソウタの言葉にリーリエは驚きながらソウタに返答した。
「ですが、ソウタはあんなにヒノアラシの事を思っていたのではありませんか。でしたらソウタがゲットされた方が…」
「心配していたのはみんな一緒だろ。だけどヒノアラシがこうして立ち直る事が出来たのはリーリエが力になってくれたおかげだぜ。このヒノアラシに相応しいトレーナーはリーリエだと俺は思う」
「ソウタ…」
リーリエはゆっくりと振り返った。想いはみんなソウタと一緒みたいだ。何よりもヒノアラシが望んでいる。
リーリエは頷いて承諾すると、モンスターボールを取り出した。そして、ありったけの声でヒノアラシを誘った。
「一緒に行きましょう!ヒノアラシ!!!」
「ヒノ‼︎」
その言葉を待っていたかのようにヒノアラシはリーリエの元に向かって飛び出した。
リーリエが持っていたモンスターボールに自らの手で開閉スイッチを押すとモンスターボールへと吸い込まれて行った。カウントダウンが始まるまでもなくヒノアラシはリーリエのモンスターボールにすっぽりとおさまった。
「やったねリーリエ!」
「はい!!!」
こうしてリーリエは新しく初の炎タイプとなるポケモン、ヒノアラシをゲットした。
リーリエとヒノアラシの友情の灯火はこれからの冒険の中でどう明るく照らしていくのであろうか。
よし!正解を発表するぞ!正解は
A ヒノアラシ だ。
どうだったか?正解というよりも予想は当たったか。
ヒノアラシは良いトレーナーに出会える事が出来て本当によかったな。頑張れよヒノアラシ。俺もいつかは素晴らしいお姉さんに巡り会えるように…
ズシュュ!!!
し・び・れ・び・れ
ケッケケケケケ‼︎『次回もお楽しみ〜』