ポケットモンスター let's goリーリエ!   作:アニポケ大好き主

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 お待たせしました。
前回のおさらいとして、勝敗は2ー1と同盟地方組が優先!
果たして勝敗の行方は…

 それではどうぞ。


第二十七話 Z技VSメガシンカ 後半

 

 

 試合開始15分前

 

 

カノン「まずはアランさんとノゾミは決定でしょ!」

 

サトル「そうだね。あのZ技に対抗するにはメガシンカポケモンの力が必要だと思うよ」

 

マノン「それじゃあ、あと3人だね。誰がいいかな」

 

 前にリーリエがミラーボとの戦いに見せたZ技。その威力に対抗できるのはメガシンカポケモン達と睨んでいた皆んなはメガシンカを扱えるトレーナーを中心に同盟地方チームの出場選手を決めていた。

 

ソウタ「それじゃあ、この中でジムバッジの数が多いこの俺が出るとするかな〜♪」

 

 いま現在、キーストンを所持しているトレーナーは二人のみ。残りは今いる中で実力が高い者から選ぶのが等しい。残りの出場メンバーを決めようとしたその時、一人のトレーナーが慌ただしくカノン達のいる方へと走って来た。

 

コテツ「なあなあ!ポケモンバトルするんだってな!俺も入れてくれよ!!!」

 

ルカリオ「リオ‼︎」

 

サトル「えぇ…と君はたしか…」

 

コテツ「いいだろ!いいだろ!俺もキーストンとルカリオナイト持ってるんだからよ!」

 

ルカリオ「リオ‼︎」

 

 コテツを見て何かを思い出しかけたサトルを遮ってコテツは腕のバングルに装着されているキーストン。ルカリオはそのお揃いのバングルに埋め込まれているルカリオナイトをカノン達に見せて来た。

 

アラン「メガシンカ所持者なら尚更だな」

 

ノゾミ「そのようだね。それじゃあ、お願いして貰ってもいいかな」

 

コテツ「マジで!やった!任しとけ!」

 

 こうしてコテツを入れて三人目が決定した。そして、すぐにサトルはもう一人のトレーナーを推薦した。

 

サトル「それからタケシだね」

 

タケシ「俺か?」

 

カノン「そうだよ!元ジムリーダの実力見せてよタケシ!」

 

 元ジムリーダー。自分たちよりも旅の経験が長いタケシが適用されるのは当然であった。みんなからの期待の目を向けられたタケシは大きく胸を張った。

 

タケシ「よし!久々に本気のバトルをしてやるかな」

 

ソウタ「よし決まったな!行くぞ!!!」

 

 こうして…五人目?も出揃ったかのような雰囲気を保しながらソウタは先頭にバトルフィールド会場へと向かおうとしていた。残りのメンバーからバッジの数が多いのはソウタである事は確か。なら、残りのメンバーから実力的にソウタが適任となる。全員ソウタの後に続こうとしたその時…

 

???「ねぇ…まだ枠って残ってるかな」

 

 長いロングストレートの髪を掻き上げながら一人の女性が訪ねて来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

コテツ「ルカリオ!【グロウパンチ】‼︎」

 

ロイヤルマスク「ガオガエン!【じごくづき】‼︎」

 

 ルカリオとガオガエンの気合いが入った攻撃が会場全体へと衝撃波が流れ込んで来た。体にひりつく感じを受けながら、コテツというトレーナーを見ていたサトルは口を大きく開いた。

 

 

《観戦席》

 

サトル「思い出した!そうだよ。コテツさんだよ!」

 

マオ「サトルの知り合いだったの?」

 

 マオからの質問にサトルは首を横に振るが、その人物の事に対してはサトルは知っていた。

 

サトル「違うんだけど、彼はイッシュリーグでサトシさんと戦っていたトレーナーだよ」

 

ソウタ「そうか!あの人か!フルバトルだってのに五体でサトシさんに勝った人じゃんか!」

 

マオ「ちょっと…待って!」

 

マーマネ「サトシに勝ったトレーナー…」

 

 サトルの発言につられて思い出したソウタも話に加わった。しかし、それよりもマオとマーマネが驚いたのは、サトシに勝った事があるというワードだった。

 サトシの実力は二人も知っている。ロイヤルマスクがいくら強くてもその実力はアローラ地方のみでしか発揮されていない。世界の壁というのか、マオとマーマネは悪い予感が遮ってくる中、ロイヤルマスクの応援を続けた。

 

《バトルフィールド》

 

ロイヤルマスク「ガオガエン【かえんほうしゃ】‼︎」

 

 腰の炎のベルトから放射された火炎放射がルカリオへと放たれた。炎タイプの技を苦手とするルカリオであったが、その技を前に焦る様子がなかった。

 

コテツ「ルカリオ!【ボーンラッシュ】で防いじまえ‼︎」

 

 ルカリオは光る棒を具現化させると、円のように垂直回転させると、向かってくる火炎放射を意図も簡単に防いでみてしまった。

 

コテツ「そのまま!【はどうだん】‼︎」

 

 防ぎった火炎放射の残り火が散らつく中でルカリオはすぐに波動エネルギーを球体状に形成し始めると、気合いの入った声でガオガエンに向かって撃ち出した。

 トレーナーとそのポケモンであるルカリオの一球入魂に撃ち出された【はどうだん】を見たガオガエンは笑みを溢しながら右手にパワー集中し始めた。

 

ロイヤルマスク「ガオガエン!【じごくづき】‼︎」

 

 苦手な格闘タイプの技をガオガエンは力一杯の突きでルカリオの【はどうだん】を打ち消した。

 

ロイヤルマスク「よし!ガオガエン!【ビルドアップ】だ‼︎」

 

 鍛え上げられた筋肉をさらに膨張させたガオガエンは攻撃と防御を同時に高め始めた。その技を見たコテツはずる賢そうな笑顔でルカリオに指示を出した。

 

コテツ「おっちゃん。その技頂き!ルカリオ!【まねっこ】だ‼︎」

 

 精神を研ぎ澄ませて鋭い眼光でルカリオは肉体強化させたガオガエンを睨みつけた。同時にガオガエンの【ビルドアップ】を放つポージングをイメージさせると、ルカリオはそれを真似た。見事にガオガエンとの行動をシンクロさせる事が出来たルカリオは覚えていないはずの技【ビルドアップ】を成功させた。

 

《観戦席》

 

カノン「何?あれ…」

 

ソウタ「ま…真似っこだ?」

 

サトル「言葉通りの技だよ。相手の技を真似てその技を自分の物のようにして発動できる技だよ」

 

マノン「じゃあ、その技を使えばどんな技も発動出来ちゃうって事なの⁉︎」

 

ハリサ「ハロッ‼︎」

 

 【まねっこ】の仕組みを理解した所でサトル達はバトルの方へと目を向けた。

 

 

《バトルフィールド》

 

ロイヤルマスク「【かえんほうしゃ】‼︎」

 

コテツ「もう一回【まねっこ】‼︎」

 

 サトルの説明通り、ガオガエンの火炎放射とその技をまともや真似たルカリオの火炎放射がぶつかり合った。

 

コテツ「ルカリオ!【グロウパンチ】‼︎」

 

 相殺された爆炎を蹴散らして、ルカリオはガオガエンに向かって走りながら、力一杯拳にパワーを集中させ始めた。

 

ロイヤルマスク「ガオガエン!【ビルドアップ】‼︎」

 

 繰り返して打ち出した事で硬くなってきたルカリオの拳は徐々に攻撃力を上げてきている。自慢の【じごくづき】で受け止めようにもそうはいかなくなってきた事を感じたロイヤルマスクはガオガエンの肉体をさらに強化させる事に決めた。

 再び身体を大きく見せたガオガエンの筋肉は降り注ぐ太陽の光に反射された事で鋼の身体のように硬く見えた。ルカリオの攻撃を胸筋で受け止めて弾き返すと、両腕を大きく広げて後退するルカリオに向かって狙いを定めた。

 

ロイヤルマスク「【DDラリアット】‼︎」

 

ガオガエン「ガァオ‼︎」

 

 身体を大きく駒のように回転させ始めたガオガエンは邪悪なエネルギーを纏いながらルカリオに向かって突進した。

 

ルカリオ「リォ!!!」

 

 ガオガエンのエルボーがルカリオの喉元を捕えるとルカリオはその反動で吹き飛ばされた。

 

コテツ「大丈夫か!ルカリオ!」

 

ルカリオ「リォ‼︎」

 

 急所に当たったルカリオをコテツは必死に呼びかけた。その声に反応して戦闘不能寸前の所で持ち堪えたルカリオであったが、ダメージは大きい。

 

ロイヤルマスク「行くぞ!ガオガエン!」

 

 そろそろ終盤の時と睨んだロイヤルマスクはここまで戦ったコテツとルカリオの実力に敬意を表じて、自分達のありったけの力をぶつける事に決めたのだった。

 

ロイヤルマスク「燃え上がれガオガエン!勝利の炎でリングを焼き尽くせ!!!」

 

ガオガエン「ガァオオオ!!!!!!」

 

 ガオガエンZの力が与えられたガオガエンはそのエネルギー源を大きく解き放った。まるでプロレスのリングに立たされたように感じさせるような威圧感を漂わしながらガオガエンは力一杯に吠え始めた。

 

ロイヤルマスク「【ハイパーダーククラッシャー】!!!!!!!!」

 

ガオガエン「ガァオオォォォ!!!!!!!!!!」

 

 大きくジャンプしたガオガエンは大の字に身体を広げると、ベルトから溢れ出た炎がその身を包見込ませると、そのままルカリオへと真っ逆さまに落ちて行った。

 

コテツ「ルカリオ!【まねっこ】だ‼︎」

 

ルカリオ「リォ‼︎」

 

 ガオガエンから感じるパワーに対して同じパワーをぶつけてやると考えたコテツはZ技を真似させようとルカリオに指示を出す。ルカリオはガオガエンの動きを観察して真似しようと試みるも

 

ルカリオ「リォ?」

 

コテツ「ありゃ?」

 

 ルカリオはガオガエンのZ技を真似したつもりが【DDラリオット】を発動してしまった。あまりにも強力なZ技を真似ようとしても、その力までも模倣する事は難しかったみたいだ。元にした技を発動したルカリオであったが、ガオガエンのパワーに歯が立たず、その押し負けてしまった。煙が晴れた頃には勝利の雄叫びを上げているガオガエンと力無くし倒れたルカリオの姿があった。

 

ヤマト『ルカリオ戦闘不能!ガオガエンの勝ち!』

 

コサブロウ『副将戦の勝者はロイヤルマスク選手!』

 

ロイヤルマスク「エーンジョイ!!!」

 

ガオガエン「ガァオ‼︎」

 

 勝利の決めポーズを決めたロイヤルマスクの勝利に会場は大歓声に包まれた。戦闘不能となったルカリオを抱えながらコテツはロイヤルマスクの元へと向かった。

 

コテツ「あ〜あ!やっぱそのZ技を真似するには難しかったな〜。だけど、おっちゃん!すんげー面白い試合だったぜ!なぁ!ルカリオ!」

 

ルカリオ「リォ‼︎」

 

ロイヤルマスク「いや、もしその判断ミスが無ければ私もどうなっていたかは分からなかった。私達もギリギリであったのは定かだ」

 

ガオガエン「ガォ‼︎」

 

コテツ「サイキュー!今度会った時はまたリベンジさせてくれ!」

 

ロイヤルマスク「おお!勿論だ!」

 

 固い握手を交わした所で最後はコテツとルカリオを加えてロイヤルマスクの決めポーズを行なった。二人の熱い戦いに再度、観客席からはコールと同時に拍手が巻き起こった。

 そして、次がラストバトルだ。

互いに二勝二敗での大将戦。その最後の戦いへと二人のトレーナーがバトルフィールドへと歩き出した。

 

ユーゴ「よし!」

 

 幾多のバトルを経験しているとはいえ、どのバトルも気が抜けない。精神統一を行なったユーゴは一呼吸して気持ちを落ち着かせた。

 

カキ「最後はユーゴさんですね!」

 

スイレン「みんなで全力で応援しています!」

 

リーリエ「頑張って下さい!」

 

ユーゴ「もちろん。ここまでみんなが戦ってくれた分のためにも必ず勝ってみせるさ!」

 

 リーリエ達からエールを受け取って、ユーゴはバトルフィールドへと立った。

 

《観戦席》

 

マーマネ「最後はユーゴさんだ!」

 

マオ「頑張れ!ユーゴさん!!!」

 

 最後のアローラサイドのトレーナーの登場に会場はバトルが始まってもいないのに一気に高揚感が上がる。

 そして、その歓声が賑わう中で、いよいよもう一人のトレーナーが入場した。腰まで下ろした髪を揺らしながら登場したそのトレーナーの姿に一気に会場の目が奪われた。

 

マオ「うわぁ!凄く綺麗な人!」

 

マノン「なんか大人の女性って感じでかっこいい!」

 

《バトルフィールド》

 

 最後の選手が出揃った所でいよいよ最後のバトルが始まろうとしていた。

 

ヤマト『大将戦!ユーゴ選手VSアイラ選手!』

 

コサブロウ『試合開始!』

 

 

 

 

 

 

 ➖ユーゴVSアイラ➖

 

 

 

 

 

 

 

 

 試合開始の合図がなった途端、バトルフィールドの中心を回るようにして、突風が吹き荒れた。その風の吹き荒れに木の葉が舞うとそのせいで大半の人達の視界が遮られてしまった。視界がぼやけていても、必死にバトルフィールドの方へと目をやると、舞い上がる木の葉の中で黄昏ながら一体のポケモンが瞬時に現れた。

 

ジュナイパー「ジュナ‼︎」

 

 森の英霊のように翼のマントを翳しながら振る舞うジュナイパーの登場に会場からはさらに高い声援が鳴り響いた。

 

カキ「ユーゴさんはやっぱりジュナイパーか!」

 

スイレン「こっちまで緊張してくるね」

 

リーリエ「相手のアイラさんはどんなポケモンで来るのでしょうか」

 

 なんとなくユーゴが繰り出すポケモンを予想していたリーリエ達。そして気になるのはアイラの繰り出すポケモンだ。そんな彼女に注目してみると…

 

アイラ「かっこいい!!!その子がジュナイパーね♪アローラのポケモン相手は初めてだから頑張るぞ!」

 

 初めて見るジュナイパーを前にはしゃいでいるアイラからは緊張感は全くなかった。見た目のクールなギャプから子供のようにはしゃぎ出すアイラに可愛らしいさがあったが、

 

アイラ「それじゃあ、行くね」

 

 モンスターボールを取り出したと同時にその目は一気に戦闘モードへと切り替えた。その鋭い眼光に背筋が凍るような衝撃を受けたリーリエ達は息をのんだ。

 

アイラ「行くよ!バシャーモ!!!」

 

バシャーモ「バァシャ‼︎」

 

 モンスターボールから出現したバシャーモは腕から熱い炎を放射させると、勇ましくその場で気合の雄叫びを上げた。

 

ロトム『バシャーモロト!』

 

 まだ無いデーターなため、ロトムは急いで撮影を行なった。

 

 

 

 

 

『バシャーモ もうかポケモン

 炎・格闘タイプ

戦いになると手首から灼熱の炎を吹き上げ勇敢に挑み掛かる。相手が手強いほど激しく燃え上がる』

 

 

 

 

 

 初めて見るポケモン。そしてアイラのバシャーモの気迫にリーリエ達は息をのんだ。

 そのバシャーモを眺めているのはリーリエ達だけではない。アイラを同じチームへと迎えたタケシ達も最後の勝負を見届けていた。

 

タケシ「バシャーモか」

 

ノゾミ「バシャーモは炎と格闘タイプだよね」

 

アラン「あぁ、相性だとバシャーモの方が有利だが、バシャーモの打撃技はゴーストタイプのジュナイパーには効果はない。この勝負も五分五分というところだな」

 

 互いの推測などが立てられる中、ユーゴとアイラは同時にポケモン達に指示を出した。

 

リーリエ「あれ?」

 

 二人が合図を出すと、ジュナイパーとバシャーモは瞬時にその場から姿を消したのだ。

 

カキ「ジュナイパーとバシャーモは…どこに…」

 

 突然と消えた二体に戸惑うリーリエ達。それはこの試合を見ている人達も急な光景に釘付けとなってしまった。誰一人も声が発さなくなったこの沈黙の中で、微かに空を切る音が聞こえてきた。

 

スイレン「えっ!!!いつの間に!」

 

 音がする方へと自然と首を上へと向けて見ると、ジュナイパーとバシャーモは真上で激しいぶつかり合いを行なっていた。目にも止まらぬ速さで二体は相交ていた。

 

リーリエ「お互に凄いスピードです!」

 

 その素早さにリーリエ達は悟った。明らかにレベルが違う。まるでポケモンリーグの決勝戦を見せられているような錯覚だ。

 

ユーゴ「ジュナイパー!【リーフブレード】‼︎」

 

ジュナイパー「ジュナ‼︎」

 

バシャーモ「躱して!」

 

バシャーモ「バシャ‼︎」

 

 互いの実力を把握した所でここで初めてユーゴからの技の指示が下った。

 ジュナイパーは鋭利な翼で刃のようにバシャーモに斬りつけにかかった。振りかざされる手刀をバシャーモはタイミングよく擦りもせずに躱して行く。その動きに全く無駄がない。

 

カキ「【みきり】を使っていないのになんて反射神経なんだ」

 

ノゾミ「この程度じゃ私達を倒す事は出来ない。そう感じさせているみたいだね」

 

アラン「それほどの修羅場を潜ってきたんだろうな。あんな動き…並大抵のトレーナーですら作り上げる事は難しい」

 

 ここにいる全員がこの試合に誰一人と目を離していない。抱きしめている力が少し強くなっている事に違和感を感じたシロンはリーリエの顔を覗き込んだ。シロンの目に映ったリーリエの表情は固かった。

 

ユーゴ「下がれジュナイパー!」

 

 無駄な体力を消費させないためにもユーゴは一旦、ジュナイパーを下げた。バシャーモから離れた事を確認するとアイラは容赦なく攻撃を指示した。

 

アイラ「バシャーモ!【かえんほうしゃ】‼︎」

 

バシャーモ「バシャア‼︎」

 

 進化してさらに強力な業火となった火炎放射がジュナイパーに勢いよく放たれた。

 

ユーゴ「【リーフブレード】‼︎」

 

 苦手な炎技であろうともジュナイパーは焦る事なく火炎放射を素早く斬り裂いた。

 

アイラ「や〜る〜♪」

 

 一瞬にして火花と散った火炎放射を見たアイラはジュナイパーに拍手を送った。

 余裕そうなアイラを見たユーゴは少し挑発を送った。

 

ユーゴ「どうやったら、本気になってくれるかな?」

 

アイラ「貴方がその気にさせてくれたらね♪」

 

 綺麗なロゼリアには棘がある。

アイラのその返答を後悔させてやろうと、ユーゴはジュナイパーに次の指示を送った。

 

ユーゴ「ジュナイパー!【リーフストーム】‼︎」

 

ジュナイパー「ジュナァ‼︎」

 

 ジュナイパーの周りを巡回し始めた木の葉は密集すると、竜巻となって暴風のようにバシャーモを襲い始めた。

 

アイラ「バシャーモ!【ブレイズキック】‼︎」

 

バシャーモ「バシャシャシャ‼︎」

 

 荒ぶれる木の葉の刃を次々とバシャーモは炎を立ちのぼらせた足で蹴り飛ばし始めた。葉の一枚一枚を正確に逃さず蹴り落として行った。そして、蹴り飛ばしてながらもバシャーモは【リーフストーム】を放ち続けているジュナイパーに向かって進んでいっている。

 

ユーゴ「バシャーモを近づけさせるな!【リーフストーム】を続けろ!」

 

ジュナイパー「ジュナ‼︎」

 

アイラ「何度やっても同じよ!」

 

 怯まずに攻撃の手をやめないジュナイパーに対して疲れを感じさせないバシャーモの猛攻が続く。枯れた木の葉に互いの視界が遮られながらも一歩も引かない。

 

アラン「うまいな」

 

リーリエ「えっ?」

 

 何かに気づいたアランにリーリエは首を傾げた。

 

アラン「バシャーモのトレーナーは相手の策に気づいていないみたいだからな」

 

リーリエ「ユーゴさんの策ですか?」

 

 アランが感づいた意図が分からないままリーリエは再びモニターへと目を向けた。

 ジュナイパーは防がれながらも、【リーフストーム】で攻撃をし続けた。バシャーモによって枯れ果てた大量の木の葉がフィールドを覆って行った。しかし、それがユーゴの狙いだった。互いの姿が遮られるほどの多量な木の葉が充満された所で、ジュナイパーは翼に隠し持ってた羽根の矢を取り出して弓の弦に重ねて狙いを定めた。

 

ユーゴ「ジュナイパー!【かげぬい】‼︎」

 

 放たれた矢はバシャーモに向かって追撃された。漆黒の色に染まる矢はバシャーモの死角を捕らえていたため、気づかずにそのまま命中した。

 ここで【かげぬい】の効果を知っていたリーリエにもユーゴの狙いというのを理解した。

 

ユーゴ「ジュナイパー【ブレイブバード】‼︎」

 

 【かげぬい】が命中したその直後、ジュナイパーは次の攻撃へと切り替えた。翼を広げて高く飛び上がると、一気に急下降化してパワーを貯めると低空飛行でバシャーモ目掛けて突っ込んで行った。

 接近するジュナイパーに目を配ったアイラは急いでバシャーモの様子を伺った。衝撃で起こった黒い霧が晴れると首の肩を回すバシャーモの姿があった。大したダメージを負っていない様で、今にでも指示を出せばバシャーモの素早さなら簡単に躱す事が出来る距離でいた。すぐにアイラの指示を聞いたバシャーモはすぐに行動に移した。

 

バシャーモ「バシャ?」

 

アイラ「バ…バシャーモ?」

 

 躱そうとしたバシャーモであったが、硬直されたかのように体を動かす事が出来なくなっていた。よく見ると自分の影が地面に射抜かれてしまっているように固定されてしまっていた。自分と体を結ぶ影の線に足を掴まれてしまった様な感覚だ。必死に足を動かそうにも影がそれを許さないでいた。走行している内に迫ってきたジュナイパーの攻撃がバシャーモの胸元に炸裂した。

 

バシャーモ「バシャァァ!!!」

 

アイラ「あっ!!!」

 

 効果は抜群の飛行タイプの攻撃を受けた衝撃で吹き飛ばされたバシャーモは落下すると、強く背中を地面へと叩きつけられてしまった。何とか立ち上がるバシャーモであったが、それを見たアイラの目にはさっきまでバトルを楽しんでいた余裕が消えていた。ゆっくりとキーストンを握りしめると、バシャーモナイトと共に光り輝き出した。

 

アイラ「バシャーモ!メガシンカ!!!」

 

バシャーモ「バァシャァァァ!!!!!!!!!」

 

ユーゴ(やっと本気を出してくれたようだね)

 

 メガシンカしたバシャーモにユーゴは自然と笑みを浮かべた。アイラの指示でメガバシャーモは四方八方へと高速移動し、ジュナイパーを撹乱させ始めた。移動するたびに加速していくメガバシャーモに対して、逆に相手の視覚から消えて出方を伺われてしまっているジュナイパーは必死でメガバシャーモの姿を捕らえようと必死になっている。

 

アイラ「行けっ!【つばめがえし】‼︎」

 

 何処から分からない見えない攻撃がジュナイパーを襲う。ジュナイパーも【リーフブレード】で対抗するもののメガバシャーモの攻撃をギリギリの所で受け流すのに精一杯だ。時間が押していくと不利と考えたユーゴはZリングを構えた。

 

ユーゴ「行くぞ!ジュナイパー!!!」

 

ジュナイパー「ジュナイ‼︎」

 

 ジュナイパーに宿るジュナイパーZの力がみなぎると、その光のパワーにメガバシャーモは思わず距離を引いてしまった。

 Zパワーを身に空中へと飛び上がるジュナイパーはそのまま周りに羽根の矢を浮上させると、その矢を自分の周りで回転し始めた。おそらくこれが最後の攻撃となるだろ。ユーゴとジュナイパーは持てる限りの力を全部出し切る勢いでアイラとメガバシャーモに向かって最後の一撃を放った。

 

 

 

ユーゴ「【シャドーアローズストライク】!!!!!」

 

ジュナイパー「ジュナァァ

ァ!!!!!!!!!」

 

 

 一気に降下するジュナイパーの威圧に一瞬怯んでしまったメガバシャーモ。しかし、彼は逃げようとはせずに迫るジュナイパーに身を構えてはアイラの指示を待つ。

 アイラも気合を入れるため男顔負けの気迫のある声を会場全体に放った。その声に答えるようにバシャーモも大きな声で炎を灯した足をジュナイパー目掛けて蹴り上げた。

 

アイラ「バシャーモ!!!!!【ブレイズキック】!!!!」

 

バシャーモ「バシャァァァ!!!!!!!!!!!!」

 

 互いの行進の一撃が相交る。爆発による爆風が一気に会場全体に吹き荒れた。飛ばされないように小物類を手で押さえながら観戦客の人達は飛ばされないように必死で耐えし乗っている。

 控え室にいたリーリエ達もその衝撃による地響きに耐えながらも、モニターから目を逸らさないようにしていた。爆煙が晴れると、二体のポケモンは互いに見つめ合いながら直立していた。二体の雰囲気にリーリエ達にも緊張が走る。暫くの静寂の中、小刻みに動く足を抑えようとする一体のポケモンはそのまま硬く目を閉じると、そのまま崩れ落ちてしまった。もう一度、立ち上がろうにも気力を出し尽くしてしまった体を支える事は出来ずに再びその場へと力尽くしてしまった。

 

ヤマト「バシャーモ戦闘不能!ジュナイパーの勝ち!」

 

コサブロウ「大将戦の勝者はユーゴ選手!通算でチーム・アローラの勝利です!」

 

 結着のコールが宣言されると、観客席から拍手と歓声が一気に鳴り響いた。ユーゴとアイラは互いのパートナーを支えながら固い握手を交わした。会場から溢れた拍手は二人がバトルフィールドを退場した後でも、暫く鳴り止む事はなかった。

 

リーリエ「凄い試合でしたね。シロン」

 

シロン「コーン」

 

 二人の試合を観戦したリーリエも暫くはその場を動けずにいた。ベテラントレーナー同士のバトルに圧倒され、世界のレベルの高さを身を持って知る事が出来た。

 カントーリーグーではこのレベルのトレーナーと戦っていかなければならない。リーリエにとってこの経験は今一度、自分たちの力不足に目を向け、自分とポケモン達のバトルをどう見つめ直すべきかと考えさせられる物になったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 アローラ祭が終わった翌朝、荷物を整えたリーリエ達はポケモンセンターへと出てきた。

 

リーリエ「皆さん!ここまで本当にお世話になりました!」

 

 リーリエはクチバシティまで同行してくれたタケシ達に感謝を述べた。そう、アローラ祭が終わったという事は、ここからみんなは各々の道へと渡ってしまうのだ。

 リーリエの言葉にここまで一緒に旅をしてきたみんなも返答した。

 

タケシ「こっちこそ久しぶりの旅、楽しかったよ!」

 

ソウタ「次会った時は、もっと強くなってる俺を見せてやるよ!」

 

ノゾミ「旅に誘ってくれてありがとね。リーリエ。また何処かの街で!」

 

アラン「あぁ、また何処かで会おう」

 

マノン「うん!」

 

ハリサ「ハロッ‼︎」

 

 それぞれの言葉を聞いた後、リーリエはカノンとサトルの前へと歩み寄った。

 

リーリエ「カノン。サトル。オーキド研究所からここまでいろいろとお世話になりました」

 

 慣れない地方での旅に心細かったリーリエを旅の最初からサポートしてくれたカノンとサトルとも今日で別々となってしまう。

 

 

 もっと強くなるためにも

ここからは一人で旅を続けようと思う

 

 

 それは昨夜にサトルとカノンの口から告げられた事だった。昨日のポケモンバトルを見て何かを感じたのはカノンとサトルも同じだったようだ。

 

カノン「こっちこそ!私もリーリエと友達に慣れて本当に良かったよ!」

 

サトル「楽しかったよリーリエ。ここからお互いジム巡りの旅。頑張ろうね!」

 

リーリエ「はい!じゃあ、もしまた何処かの街で出会う事ができましたら、その時は…」

 

 そして、三人は同時に口を揃えた。

 

リーリエ「バトルしようぜ!」

 

カノン「バトルしようぜ!」

 

サトル「バトルしようぜ!」

 

ヒコザル「ヒココ‼︎」

 

ピカチュウ「ピカピカ‼︎」

 

シロン「コーン‼︎」

 

 より強くなった自分達と再開することを約束して、リーリエ以外のみんなはクチバシティを後にした。

 分かれ道に沿ってみんなの影が見えなくなるまで手を振り続けた。全員との別れを終えたリーリエはシロンと向かい合う。そんなリーリエにククイ博士が歩み寄る。

 

ククイ博士「それでリーリエはこれからどうするんだ?」

 

 その言葉聞いたリーリエはシロンと同時に声を揃えた。

 

リーリエ「わたくしはもちろん!」

 

シロン「コン‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーリエ「クチバジムに挑戦です!」

 

シロン「コーン‼︎」

 

 

 新たな決意と共にリーリエとシロンは新しい一歩を踏み出した。3個目のジムバッジに向けてリーリエは思いっきり拳を上へと突き出したのであった。




 

 ここから今まで旅を共にしてきたメンツとは一旦お別れとなります。
リーリエのライバルとして成長していく彼らがどう変わっていくのか。そこも想像したりして楽しんで貰えたらいいなと思います。

 それでは
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