ポケットモンスター let's goリーリエ! 作:アニポケ大好き主
お久しぶりのポケ問題はこちらです!
Q クチバジムのマチスさんのエキスパートは何でしょう?
A電気 B格闘 C地面 D悪
答えはお話の最後に
アローラ祭が終わり。カノン達とも別の道へと向かったリーリエはその夜、明日のクチバジム戦に向けて特訓を行なっていた。
リーリエ「シロン!【こなゆき】‼︎」
シロン「コーン‼︎」
カキ「受け止めろ!バクガメス!」
バクガメス「ガァメス‼︎」
シロンの冷気をバクガメスは自慢の甲羅で防いだ。効果はいまひとつではあるが、アローラの頃と比べ物にならない威力にバクガメスは後ろへと押されてしまった。
リーリエ「パワーは十分ですね!シロン!」
シロン「コーン♪」
カキ「見ないうちに本当に強くなったな。シロン!」
バクガメス「ガァメ‼︎」
驚かされたカキとバクガメスもシロンの成長を賞賛した。
二人のバトルの特訓を見ていたマオ達も見違えたリーリエとシロンに関心していた。
マオ「明日がジム戦か。アローラでいう大試練みたいなものなんだよね。見るの楽しみだな〜」
アママイコ「アーマイ‼︎」
マーマネ「リーリエは今ジムバッジは二つ。明日のジム戦に勝てば三つ目だね」
トゲデマル「モギュュ‼︎」
スイレン「頑張ってね。リーリエ!精一杯応援するからね」
アシマリ「アゥアゥ‼︎」
リーリエ「はい!頑張ります!この調子で三つ目もゲットだぜ!…です」
ククイ博士「サトシの口癖がうつったみたいだな」
オーキド校長「そのようですな」
アローラの仲間達に囲まれながら、リーリエは明日のジム戦に向けてさらに気合を入れ直した。
ククイ博士「それでリーリエは明日どのポケモンで挑戦するんだ?」
マオ「リーリエの手持ちからはムクバードとコイキングは電気タイプと相性悪いよね」
スイレン「あと、ズルズキンは言うこと聞いてくれないよね…」
カキ「となると、シロンとキモリとヒノアラシで行くのか」
リーリエ「そうですね。そうなりますね」
リーリエの現段階での手持ちは6匹。その中から3体選出しなければならないが、明日のジム戦の相手であるマチスは電気タイプのエキスパートである事は分かってたので、選出させるポケモンもほぼ決まっていた。
マーマネ「それでいいと思うよ。リーリエのキモリには地面タイプの【あなをほる】を覚えているし、マチスさんはライチュウの他にコイルも使っているようだね。コイルは鋼タイプを持っているから炎タイプのヒノアラシはうってつけだよ!」
マオ「流石は電気タイプの事はマーマネにお任せだね♪」
ロトム『リーリエ!ボクのデータでもこのパーティでの勝率は90%と出ているロト!』
リーリエ「わかりました!よっし!」
リーリエはシロン以外の2つのモンスターボールを取り出すと、その中からキモリとヒノアラシが飛び出してきた。
リーリエ「シロン。キモリ。ヒノアラシ。明日のクチバジム戦は貴方達で立ち向かいます!よろしくお願いしますね!」
リーリエの呼び声に明日のバトルメンバーとして選ばれたシロン達も同時に気合の声を上げた。逞しいシロン達の表情にリーリエは優しく微笑みかける。
この調子なら明日のジム戦も勝利する事ができるその気持ちがリーリエの緊張感を和らげていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌朝、朝食を終えたリーリエ達はクチバジムに到着した。最初の頃と比べて下手な緊張はしていない。絶好調のこのうえなしです。
リーリエ「たのもー!!!…です」
気合の入った声と一緒に勢いよく扉を開いたリーリエはジムへと入っていく。それに続いてマオ達も入っていくと、自動的に扉は閉じていった。一瞬の暗転の中、マーマネが慌て出す間もなくすぐに明かりがついた。
リーリエ達の目の前にはジムリーダーマチスを慕うトレーナーが出迎えにやってきた。
案内人1「おっとチャレンジャーか!」
案内人2「お出ましですぜ!リーダー!」
その声に応えたマチスが暗い部屋の奥から姿を現した。身長2メートルと元軍人として鍛え上げられた筋肉を動かしながら、リーリエ達に近づいていく。一度会っているリーリエとその姿に光輝く目を向けているスイレンの他はその迫力に圧倒されてしまっていた。
リーリエの前に着いたマチスはゆっくりと手を前に差し出した。
マチス「グッドモーニング!キュートホワイトガール!待ってたぜ!リーリエちゃん」
リーリエ「グッドモーニングです。マチスさん!今日は宜しくお願いします」
お互いに握手を交わしたリーリエはマチスの案内でバトルフィールドへと向かった。
ジムのバトルフィールドはそのジムリーダーが得意とするタイプに沿って造られてあるのだが、このジムはとてもシンプルな造りになっていた。
リーリエとシロンはトレーナーサイドへと立ち、マチスもジムリーダーサイドへと移動した。観戦席で見守るマオ達の中で審判によるジム戦のルールが綴られた。
審判「OK!!!ただいまより、ジムリーダーのマチスとチャレンジャーのリーリエによるクチバジム、ジム戦を開始しマース!使用ポケモンは三体!どちらかのポケモンが全て戦闘不能になりますとバトル終了となりマース!なお、ポケモンチェンジはチャレンジャーのみ認められマース!それでは、ジムリーダーのマチス!最初のポケモンをフィールドへGO!!!」
審判の合図を聞いたマチスは一つのモンスターボールを取り出した。
マチス「それじゃあ、始めようか!GO!モンスターボール!!!」
勢いよく投げ込まれたモンスターボールから一体のポケモンが放電させながらバトルフィールドへと姿を現した。
???「ビリリ‼︎」
《観戦席》
スイレン「えっ!本当にモンスターボール!」
スイレンのボケに転げ落ちる一同。すぐにマーマネが訂正に入る。
マーマネ「違う!あれはビリリダマだよ!」
マオ「あはは…でも私あのポケモン始めて見たよ」
《ジム戦》
マチスの一体目はモンスターボールと瓜二つと言っていいほど似ているポケモン。ビリリダマだ。
『ビリリダマ ボールポケモン
電気タイプ
発電所などに現れるポケモン。モンスターボールに似ているのは保護色のためだと言われているが、簡単に爆発してしまう』
リーリエ「それでしたら、わたくしは…」
ロトムからビリリダマの情報を得たリーリエも一つのモンスターボールを取り出した。
リーリエ「ヒノアラシ!お願いします!」
ヒノアラシ「ヒノッ‼︎」
モンスターボールから飛び出したヒノアラシはそのまま背中の炎を一気に吹き出した。
マチス「Oh!いい炎だ。暑いね!ベリーホット!その熱き魂をぶつけてこい!」
リーリエ「はい!」
最初は電気タイプと炎タイプでのバトルとなった。両者のポケモンが出揃った所を確認した審判は試合開始のコールを宣言した。
審判「それでは、バトルSTART!」
リーリエの3回目のジム戦が今始まった。
➖リーリエVSマチス➖
試合開始と同時にビリリダマはヒノアラシの周りを高速移動した。動き回るビリリダマに焦点を合わせようとするヒノアラシであるが、ビリリダマの脅威のスピードに目が追いついていない。目線を合わせてもすぐに見失ってしまうビリリダマの動きにヒノアラシは早くも翻弄されてしまった。
《観戦席》
マオ「なんてスピードなの!」
カキ「ビリリダマって、あんなに速いポケモンなのか!」
外見から素早いイメージのないビリリダマのスピードにマオとカキは手に汗を握りながら驚いていた。
ククイ博士「ビリリダマの進化系のマルマインは全ポケモンの中でも素早さは上位にあたるポケモンだ。その進化前となるとビリリダマの素早さは全ポケモンの中でも軍を抜くぞ」
《ジム戦》
ビリリダマのスピードに戸惑うヒノアラシ。しかし、リーリエがビリリダマに対してヒノアラシを選んだのはこのスピードに対抗させるためでもあった。
いろいろなポケモンの本を読んできたリーリエにはビリリダマの素早さに関しては承知の上であった。
リーリエ「ヒノアラシ!【ニトロチャージ】です‼︎」
ヒノアラシ「ヒノッ‼︎」
発動するたびにスピードを上げて行くという追加効果がある【ニトロチャージ】でヒノアラシは体当たりを仕掛けた。一発目を躱したビリリダマであったが、急いで方向転換させたヒノアラシの二つ目の攻撃を躱す事が出来ずにそのまま攻撃を受けてしまった。
さらに加速して行くヒノアラシをビリリダマは目で追っていた。立場が逆になってしまった状況下で、マチスはすぐにビリリダマに攻撃の指示を送った。
マチス「ビリリダマ!【スパーク】‼︎」
ビリリダマ「ビリッ‼︎」
身体から電気を放電させたビリリダマは電気を纏ったまま体当たりを仕掛けた。ヒノアラシの炎の体当たりとビリリダマの電撃の体当たりは激しい火花を散らしながらぶつかり合っている。
だが、【ニトロチャージ】は使うたびに素早さが上がる技だ。これ以上使わせる訳にはいかないマチスはここで戦法を変えるためにビリリダマを一度、後退させる。
マチス「NEXT!【ソニックブーム】‼︎」
横に高速回転するビリリダマはそのまま空気の衝撃波をヒノアラシに向かって放った。
ヒノアラシ「ヒノォォ!!!」
足元を狙われたヒノアラシはその衝撃波によって宙へと飛ばされた。しかし、飛ばされながらも体勢をビリリダマの方へと向けたヒノアラシは背中の炎をもう一度勢いよく立ち上らせた。
リーリエ「頑張って下さいヒノアラシ!【かえんほうしゃ】です‼︎」
ヒノアラシ「ヒノォォ‼︎」
ビリリダマ「ビリィ!!!」
リーリエ「続けて!【スピードスター】です‼︎」
ヒノアラシ「ヒノォ‼︎」
火炎放射を受けて動きが止まったビリリダマに対して、ヒノアラシはさらに【スピードスター】も畳み掛けた。ヒノアラシの連続攻撃に次々とダメージが蓄積されていく。
《観戦席》
マオ「凄い!リーリエが押してるよ!」
マーマネ「行っけー!リーリエ!!!」
見る限り流れはリーリエの方へと吹いている。風に乗ったリーリエとヒノアラシの攻撃は嵐のように巻き上げられていた。
このまま押し切れば一勝は間違いないと思われるこの場面。
カキ「だが…マチスさんはなぜ攻撃の指示を出さなくなったんだ?」
しかし、自分のポケモンがやられているのに全く指示を出さないマチスにカキは違和感を覚えていた。
《ジム戦》
怒涛の攻撃を受けたビリリダマは苦しそうに蹲っているようであった。戦闘不能まで持ってこれたと確信したリーリエは力一杯に拳を前へと突き出しながら指示を出した。
リーリエ「止めの【ニトロチャージ】です‼︎」
ヒノアラシ「ヒノォ‼︎」
全身の身体を炎で燃え上がらせたヒノアラシは一直線に走り出した。向かう先にいるのはビリリダマだ。ふらつくビリリダマにヒノアラシはどんどん距離を詰めていく。あと数センチの所まで近づき、技が決まりそうになったその瞬間にここでマチスは口を開いた。
マチス「ビリリダマ!【じばく】‼︎」
ビリリダマ「ビリリリ!!!」
その瞬間にビリリダマの身体が眩く光始めた。ビリリダマの懐に飛び込んで行ったヒノアラシは急に止まることが出来ずにその光にのみこまれてしまった。激しく発光する光に視界を奪われてしまったリーリエは微かに残るヒノアラシの影を見つめるも、その直後、激しい爆発音と共に大きな衝撃波がバトルフィールド一帯に轟いた。
リーリエ「ヒノアラシ!!!」
シロン「コーン‼︎」
凄まじい衝撃と突風に襲われるもリーリエは必死にヒノアラシを呼びかけた。爆煙が晴れたバトルフィールドの中央でリーリエが見たのは横倒れる二体のポケモンの姿だった。
審判「ビリリダマ!ヒノアラシ!共に戦闘不能!」
残りの体力ゲージを攻撃エネルギーに使って自身の戦闘不能を引き換えに放った捨て身の攻撃にヒノアラシは耐えることが出来なかった。
《観戦席》
マオ「じ…自爆って」
ククイ博士「まさか、こんな手を使ってくるとはなぁ」
攻めきっていたリーリエの攻撃を全て無に返したその技にみんなもマチスの行動に唖然とした。
《ジム戦》
リーリエ「ごめんなさいヒノアラシ。ゆっくり休んで下さい」
戦闘不能となったヒノアラシをモンスターボールへと戻した。
ビリリダマは爆発する危険なポケモンである事は多くのトレーナーは認識している。もちろんリーリエもだ。しかし、爆発系の技を使えばそのポケモン自身も戦闘不能になってしまう技である。覚えていたとしても、余程自分が不利な状況でない限り使ってこないはずだとリーリエはその技に対してあまり警戒していなかった。
なのにマチスは自分の手持ちが一体失われるリスクを負ってきた。このタイミングでの自爆攻撃を仕掛けてきた事にリーリエは動揺してしまった。
マチス「よくやったぞ!ビリリダマ!」
当のマチスは自己犠牲であってもその技に応えてくれたビリリダマに感謝の言葉を述べながらモンスターボールへと戻した。
そして、すぐに審判の合図よりも先に次のポケモンを繰り出した。次に繰り出されたポケモンはマチスの最高の相棒であるあのポケモンだった。
マチス「GO!ライチュウ!!!」
ライチュウ「ラーイ‼︎」
マチスと同じように仁王立ちを構えたライチュウはチャレンジャーであるリーリエを見つめた。クチバジムの切り札でもあるここでのライチュウの登場がさらにリーリエを焦らせる。勇ましいライチュウの表情に恐縮するリーリエは次のポケモンを選び始めた。
リーリエ「え…えっと、次は…どの子に」
シロン「コン‼︎」
気持ちの整理がついていないリーリエの表情を見たシロンは自ら名乗り出た。シロンの声を聞いたリーリエはゆっくりと頷いた。
リーリエ「分かりました。シロン!お願い致します!」
シロン「コーン‼︎」
勢いよく飛び出したシロンは毛を逆立てては威嚇する。ライチュウもそんなシロンに対して頬の電気袋から微力な電気を放出させていた。
マチス「次はアローラのロコンか。さぁ、何処からでもかかって来い!」
マチスの自身に満ち溢れた声に応えて、リーリエから攻撃が仕掛けられた。
リーリエ「シロン!【こごえるかぜ】です‼︎」
まずはライチュウの動きを鈍らせるために素早さを下げに行く。
リーリエ「【ムーンフォース】‼︎」
そして、そこを尽かさず威力の高い【ムーンフォース】を放った。月の神秘的な光に包まれたシロンから溢れたエネルギー砲がライチュウへと撃ち出された。
マチス「ライチュウ!【10万ボルト】‼︎」
それに対してライチュウは力一杯の電撃でシロンの技と交差した。相殺されるかのように見えたが、ライチュウのパワーは桁違いの強さを誇っていた。【ムーンフォース】を破るとそのままシロンに向かって電撃が襲いかかってきたのだ。
リーリエ「か!躱してシロン!!!」
驚くリーリエはすぐにシロンに指示を出した。かろうじて躱す事ができた電撃はそのまま地面に当たると激しく爆散した。その威力はバトルフィールドに大きな穴が出来るほどであった。【ムーンフォース】を打ち破ったのにも関わらないその威力がリーリエをさらに驚かせる。マチスのライチュウの強さに戸惑うリーリエに関係なしにシロンに向かって新たな攻撃が仕掛けられた。
マチス「NEXT!【アイアンテール】‼︎」
アースの役割を持つ長くて鋭利な尻尾の先端を鋼のように硬質化させると、そのままシロンに向かって振り下ろされた。
リーリエ「躱して!」
シロン「コン‼︎」
鞭のように攻撃してくるライチュウの技を避けたシロンはライチュウに向かって大きな口を開いた。
リーリエ「【こおりのつぶて】です‼︎」
シロン「コーン‼︎」
氷の弾丸をライチュウに向かって撃ち出した。空を切るそのスピードに乗った氷の弾丸は一直線に飛んで行くのだが、
ライチュウ「ラァイ‼︎」
それをいとも簡単に尻尾で命中する前に一瞬にして打ち砕いた。飛び散る氷の破片が煌めく中、その煌めきと負けないほどの電撃をライチュウはシロンに向かって放った。
マチス「ライチュウ!【10万ボルト】‼︎」
ライチュウ「ライチュウ‼︎」
生き物ように蠕く電撃はバトルフィールドを削りながらシロンに向かって走って行く。
シロン「コォォォン!!!」
リーリエ「シロン!!!」
命中した電撃はシロンをそのまま壁際の方へと飛ばした。壁に激突したシロンは痺れる身体を振り払いながら、痺れた足を震わせながら立ち上がった。
シロン「コォ…コ…」
リーリエ「戻って下さい!シロン!」
これ以上戦わせるといけないと判断したリーリエはシロンをモンスターボールへと戻した。
《観戦席》
不安が漂う空気は観戦席に座っているマオ達にもそれが伝わっていた。
ククイ博士「リーリエ。攻め止まっているようだな」
カキ「すぐにシロンを戻した事ですか?」
スイレン「なんで急に…最初は結構強気に攻めていたのに…」
オーキド校長「さっきのマチスさんのビリリダマによる【じばく】の所為じゃの。マチスさんの破天荒振りの戦いを受けてリーリエ君は最初よりも慎重になってしまったみたいじゃの」
ククイ博士「えぇ…その所為でリーリエのさっきまでの勢いを吹き飛ばしてしまったんだ。流石はジムリーダー。相手のポケモンを倒すだけでなく、こんな形で挑戦者の心理を揺さぶってくるとわな」
マーマネ「リーリエはマチスさんの術中にはまっちゃったって事なんだね」
《バトルフィールド》
シロンを戻したリーリエは大きく深呼吸した。そして自分自身を落ち着かせると、ライチュウの分析に入った。
リーリエ(ライチュウの攻撃を避けつつ、少しずつダメージを与えた後、一気にスピードに乗って倒すしていくしかありません)
技を打ち破ったのに関わらず、フィールドを破壊するほどの威力からライチュウの攻撃力は的力避けるべきであること。シロンの【こごえるかぜ】の効果でライチュウの素早さは通常よりも下がっているはず。
シロンの頑張りのおかげで、その分に有利に持っていけている事を頭に入れたリーリエは次のモンスターボールを投げた。
リーリエ「お願いします!キモリ!」
キモリ「キャモ‼︎」
登場するなり、すぐにキモリは敵意を出すライチュウに身構えた。
リーリエ「キモリ!【あなをほる】です‼︎」
キモリ「キャモ‼︎」
キモリはそのまま拳を床に向かって一気に振り落とした。衝撃で舞う砂埃が一瞬マチスとライチュウの視界を遮った。砂埃が晴れるとそこにキモリの姿はなく一つの大きな穴があった。ライチュウの攻撃を通さない地中から攻める戦法に出たリーリエの案。
しかし、弱点である地面タイプの技の対策が出来ていないほどジムリーダーは甘くはなかった。
マチス「【でんじふゆう】‼︎」
ライチュウ「ライ‼︎」
ライチュウは自分の足の裏から帯び始めた電気で磁力を作ると、その力で自分の身体を宙へと浮かべた。
キモリ「キャモ⁉︎」
リーリエ「そんな!!!」
足元から攻撃を仕掛けたキモリと同じタイミングに浮上したライチュウにその攻撃は届かなかった。この状態ではライチュウに地面タイプの技を当てることが出来ない。技の一つを封じられたキモリにライチュウは大きく尻尾を回し始めるとキモリに向かって叩きつけた。
マチス「【アイアンテール】‼︎」
ライチュウ「ラーイ‼︎」
ライチュウの攻撃を躱したキモリであったが、鞭のように動かすライチュウの尻尾は軌道を変えると、再びキモリに攻撃を仕掛けた。
キモリ「キャモ!!!」
見切れなかったキモリは鋼のように硬い尻尾に打たれると、そのまま地面へと叩きつけられてしまった。
リーリエ「頑張って下さいキモリ!【エナジーボール】です‼︎」
すぐに起き上がったキモリは【エナジーボール】を放った。翡翠色に輝くエネルギー砲を前に力に自信があったライチュウは電気を電気袋へと貯め始めた。
マチス「ライチュウ!【10万ボルト】‼︎」
強烈な電撃が放たれると、【エナジーボール】を打ち消しながらキモリへと迫って行った。
リーリエ「キモリ!【でんこうせっか】でライチュウを撹乱するのです!」
キモリのスピードを利用して、ライチュウの電撃攻撃を躱すと、電光石火でライチュウの周りを走り始めた。キモリのスピードに翻弄されたライチュウに対して、キモリは四方八方から体当たりを仕掛けた。
リーリエ(やった…これなら少しずつですがダメージを与えることが出来ます。)
キモリのスピードに手も足も出ないようなライチュウに次々とキモリの電光石火が決まって行くのに安堵するリーリエであったが、その油断が次なる不幸を招いた。
キモリ「キャ…モ…」
リーリエ「えっ…どうしたのですか?キモリ!」
突然キモリの動きが鈍くなった事にリーリエはある事を思い出したかのようにして、思わず声を上げてしまった。
リーリエ「あぁ…そうでした!」
電気タイプのライチュウの特性。その注意がなかった。
《観戦席》
マオ「キモリどうしちゃったの!」
アママイコ「アーマイ⁉︎」
リーリエが途中から思い出した事も踏まえて、ククイ博士がみんなに説明を始めた。
ククイ博士「カントーのライチュウの特性は《せいでんき》なんだ。《せいでんき》はほとんどの電気タイプのポケモンが持っている特性であって、物理攻撃を仕掛けたそのポケモンを麻痺状態にしてしまうんだ」
《せいでんき》による物である事はわかった。しかし、それ以前に驚いたのはまた別の事だった。
スイレン「リーリエらしくない。リーリエならカントーのライチュウの特性についてだって知ってたはずなのに…」
アシマリ「アウアウ‼︎」
カキ「くっ…焦り始めているからだ。落ち着け!リーリエ!!!」
バクガメス「ガァメ‼︎」
ガラガラ「ガァラガァラ‼︎」
ポケモンの知識が豊富な彼女ならライチュウの特性にだって知っていたはずだ。しかし、ピンチな状況がリーリエに冷静さを失わせ、思考の範囲を狭わしてしまったのだ。一度、思考が鈍るとミスは連鎖していく。ポケモンバトルの恐ろしさの一つをいま、リーリエは体験してしまっているのだ。
《ジム戦》
リーリエ「いっ…一体どうしたら…」
自分の失態が悔やまれる。スカートの裾を固く握り締めながら歯を食いしばる。気持ちに押しつぶされそうになるリーリエを見たキモリは会場全体に響き渡るようか雄叫びを上げた。
キモリ「キャモ‼︎」
ライチュウ「ラァイ?」
キモリ「キャァァモモ!!!」
リーリエ「キモリ…」
自分の主人に喝を入れたのか。それとも、気合を入れ直したのか。分からないけど、そのキモリの行動がリーリエの力になった。両頬を自分の掌で軽く叩いたリーリエはキモリ目線を合わせた。
マチス「ん〜!ガッツあるじゃねぇか!」
キモリの行動に試合中でありながらも、思わず拍手をしてしまうほど感心してしまった。キモリの強気にさらに闘志を燃やすライチュウ。リーリエとキモリはゆっくりと頷くと早くも次の攻撃へと移った。
リーリエ「キモリ!もう一度【あなをほる】です‼︎」
キモリ「キャモ‼︎」
マチス「残念だが、その技は喰らわないぜ!ライチュウ!【でんじふゆう】‼︎」
ライチュウ「ライ‼︎」
さっきと同じ手でキモリの攻撃を躱すライチュウの足元から瓦礫が一気に砂埃と一緒に飛び出した。キモリの登場を見計らってライチュウはもう一度、自分の尻尾を前に突き出した。キモリの姿を捕らえようとすると、そのキモリは穴の中から翡翠色のエネルギー砲を形成し始めていた。これはニビジムでジロウのイシツブテに倒した時と同じ戦法なのだ。
リーリエ「【エナジーボール】‼︎」
キモリ「キャモ‼︎」
ライチュウ「ラァイ!!!」
マチス「OH!!!」
放たれた【エナジーボール】はライチュウへと命中した。浮上していたライチュウにダメージが入ると磁力が解けては地面へと倒れ込んでしまった。
リーリエ「もう一度、【あなをほる】‼︎」
攻撃の手をやめないキモリは再び穴を掘って身を隠した。その行動にマチスはライチュウに指示を出す。
マチス「ライチュウ!穴に向かって【10万ボルト】だ‼︎」
ライチュウは電気袋を貯めると、すぐに電撃を撃ち込む体勢に入った。すると、その背後から掘り進んでいたキモリが一気に飛び出してきた。
リーリエ「そこです!【はたく】攻撃‼︎」
キモリ「キャモ‼︎」
背後を取ったキモリはすぐにライチュウに向かって尻尾で攻撃に入った。ライチュウの後ろを取った事にリーリエとキモリは手応えを感じた。だが、キモリの攻撃が当たる直前にライチュウも自分の尻尾を大きく回し始めた。
マチス「捕まえろ!」
ライチュウ「ライ‼︎」
すると、ライチュウは長い尻尾を利用して向かってくるキモリをガッチリと拘束したのだ。
キモリ「キャモ⁉︎」
予想外の攻撃の防ぎようにキモリは方向転換する事が出来なかった。
リーリエ「キモリ!振りほどいて下さい!」
慌ててリーリエも指示を送るが、がっしりと巻きついているライチュウの尻尾から必死に逃れようとするものの、脱出する事ができないでいた。マチスはゆっくりと右腕を天を仰ぐようにして伸ばすと、そのままライチュウにとどめの一撃の指令を送った。
マチス「ライチュウ!【かみなり】だ‼︎」
ライチュウ「ラァイチュウ‼︎」
ライチュウの雄叫びと一緒に発生した磁場によって雷雲を呼び起こした。雷鳴を轟かせながらキモリとライチュウの上へと膨張していく雷雲はそのまま雷を突き落とした。
キモリ「キャモモ!!!」
リーリエ「キモリ!!!」
アースの役割を果たすライチュウの尻尾に向かって落ちた雷はキモリを直撃した。バトルフィールドを光り輝かせるその雷に視界が奪われてしまった。
雷が止んで目を開けた直後リーリエが見たのはライチュウの前へで痺れ動けなくなっているキモリの姿だった。
審判「キモリ戦闘不能!ライチュウの勝ち!」
草タイプのキモリであったが、ライチュウのパワーを耐える事ができなかった。リーリエはキモリをモンスターボールへと戻した。
リーリエ「戻って下さいキモリ。ありがとうございました。ゆっくり休んでください」
キモリが倒れてしまった事により、リーリエの手持ちはシロンのみとなってしまった。リーリエの額からは少しずつ汗が流れ始めていた。リーリエはマチスのライチュウの圧倒的な強さを前に思わず尻込みしてしまっていた。
《観戦席》
マーマネ「キモリ…やられちゃった」
カキ「後はシロンだけか。マチスさんにはライチュウを含めて後二体いる。」
ジムリーダーの怒涛の戦法に弱気な発言が出てしまうのも仕方がない。心配になる故に自然と口が閉じてしまっているみんなを見てスイレンはその場に立ち上がった。
スイレン「でも!まだ負けたわけじゃないよ!ポケモンバトルは最後までどうなるか分からないんだからさ!」
スイレンの声を聞いたマオも一緒になって立ち上がった。
マオ「スイレンの言う通りだよ!まだ終わってない!さぁ、私達も名一杯応援するよ!」
マーマネ「うん!」
カキ「だな!」
後から続いてマーマネとカキも立ち上がった。そして全員の声を合わせて、めい一杯の声でリーリエにエールを送った。
「「「「頑張れ!リーリエ!!!」」」」
《ジム戦》
リーリエ「みなさん」
マチス「いいフレンド達じゃねぇか!なぁライチュウ」
ライチュウ「ラーイ‼︎」
マオ達からの声援はもちろんリーリエに届いていた。勇気をもらったリーリエはモンスターボールからシロン出現させた。
モンスターボールから出てきたシロンの目を見てリーリエは驚いた。全く迷いがない目。諦めている者の目ではなかった。その目を見たリーリエは固い決意と一緒にシロンにゆっくりと頷いた。
リーリエ「シロン!ここから厳しくなっていきますが頑張りましょう!貴方の力をマチスさんに見せるのです!」
シロン「コーン‼︎」
力一杯に吠えるシロンはそのままバトルフィールドへと向かった。汗を拭ったリーリエも深呼吸を入れてからすぐにマチスとライチュウと向かいあった。
それを見たマチスも自然と笑みが浮かんでいた。
マチス「OK!行こうかリーリエちゃん。FINALROUNDだ!」
リーリエ「まだ最後ではありません。諦めたりしません!わたくしたちは絶対に勝ちます!」
シロン「コン‼︎」
それぞれの意気込みが語った所で試合は再開された。空かさず動いたのはマチスのライチュウだった。
マチス「ライチュウ!【10万ボルト】だ‼︎」
ライチュウ「ラーイ‼︎」
十八番の【10万ボルト】がシロンに再び襲いかかった。怒涛の雷鳴を響かせながら向かってくる技にリーリエとシロンを逃げる事はなかった。逃げるどころかシロンは自分の体を回転させ始めた。その動きに思わず眉間にシワを浮かべるマチス。そのシロンの不思議な行動はさらにマチスを驚かせた。
リーリエ「シロン!【こなゆき】‼︎カウンターシールドです!」
回転しがら放った冷気はシロンを囲みながら放たれた。遠心力が加わって通常よりもパワーが上がったシロンの【こなゆき】はシロンを守るバリアーとなり、ライチュウの電撃から身を守った。さらにそれだけではなく、そのままシロンの冷気はライチュウの電撃を押さえるのと同時にライチュウへと攻撃が決まった。防御をしながら攻撃を決める。それがこのカウンターシールドの特徴だ。旅立つ前にタケシにこの戦法を教わったのが正解だったみたいだ。
マチス「おお!アンビリーバボ!!!」
奇想天外な攻撃にマチスは両手で頭を抱えた。同じくシロンの攻撃に驚いているライチュウも少し慌てている様子であった。リズムのテンポを崩す事が出来たリーリエはさらに攻撃の指示をシロンに伝えた。
リーリエ「次は【こおりのつぶて】‼︎」
シロン「コーン‼︎」
ライチュウ「ラーイ!!!」
バリアーを解いたシロンはそのまま氷の弾丸を撃ち込んだ。【こおりのつぶて】がライチュウの腹部に直撃すると、そのままライチュウは後ろへと後退した。
ライチュウ「ライ‼︎」
しかし、シロンの攻撃を受けながらも、ライチュウは尻尾を使ってシロンをはたき出した。
リーリエ「シロン!!!」
飛ばされるシロンであったが、体勢を整えて倒れる事なく踏ん張ると、そのままライチュウに向かって全力ダッシュをした。
ライチュウ「ライチュ⁉︎」
マチス「何だと!!!」
捨て身の根性でライチュウの懐へと入ったシロンはさらに攻撃の体勢へと入った。
リーリエ「シロン!【ムーンフォース】‼︎」
シロン「コーン‼︎」
またもや技が命中すると、ライチュウは後ろの方へと吹き飛ばされしまった。なんとか踏みとどまったのだが、足元が蹌踉めいて来ている様子でいた。圧倒的な力を見せてきたとはいえ、察しのライチュウにも限界が近づいていた。今までに貯めてきた体へのダメージがここにきてリーリエ達にチャンスを与えた。
リーリエ「今ですシロン!【こなゆき】‼︎」
シロン「コーン‼︎」
吹雪に該当するほどの猛烈な冷気を放ったシロン。力を振り絞って放たれた冷気はライチュウへと向かっていく。
しかし、マチスも負けてはいられなかった。会場全体に響き渡るような声を振り絞った。
マチス「ライチュウ!【10万ボルト】‼︎」
マチスの声を聞いたライチュウも今持てる力を振り絞って、電撃を放った。
両者の技がぶつかり合うとそのまま押し合いに発展した。今まではどの技も蹴散らしていたライチュウの【10万ボルト】であったが、最初に比べて明らかにパワーダウンしているのか、シロンの猛烈な【こなゆき】に対して抑えるのに精一杯の様子でいた。
リーリエ「頑張って!シロン!!!」
マチス「負けるな!根性を見せろ!ライチュウ‼︎」
自身のパートナーの応援に応えようと、二体は一歩も引き下がらなかった。押されては押し返すのが繰り返されてが二体の体力ゲージを減らしていく。辛い表情を浮かべながらも根性で立ち向かっていく。気力だけで体を支えている中、決着の時が近づいてきた。
ライチュウ「ラァァァイ!!!!!!!!!!!!」
マチスに負けないぐらいの雄叫びを上げると、さらに電撃の威力を高めてきた。火事場の馬鹿力が加わった電撃はついにシロンの冷気を振り払った。
そして…
シロン「コーン!!!」
ライチュウの電撃に飲み込まれたシロンはそのまま後ろの壁へと激突されてしまった。
シロン「コォ…」
痺れた体をうまく動かす事が出来ないままシロンはライチュウへと一点に見つめていた。足元がおぼつかず、静電気が体を蝕んでいく。
しかし倒れそうになりながらも、シロンは根性でバトルフィールドの方へと歩いて行った。
リーリエ「ありがとう…シロン」
シロン「コ…ォン…」
気がつくと、シロンはリーリエに抱きかかえられていた。さっきまで自分の足で歩いていたのにと錯覚する意識と困惑されるが、全く動けない自分の体への感覚を受け止めたシロンは全てを理解した。
涙ぐむリーリエの表情に安心したのか、疲れが溜まったシロンはそのまま眠りについた。
審判「ロコン戦闘不能!ライチュウの勝ち!
よってWINERジムリーダー、マチス!」
勝敗が決まった。事務を終えたライチュウの頭をマチスは優しく撫で始めた。
マチス「よくやったな。ライチュウ」
ライチュウ「ライ‼︎」
疲れが溜まったのはライチュウをマチスはモンスターボールへと戻した。
シロン抱えたリーリエも涙を拭うと、そのままマチスに向かって一礼をした。
リーリエ「マチスさん!ありがとうございました!」
リーリエの言葉に合図を送ったマチスはそのままバトルフィールドを跡にした。マチスが奥の部屋へと消えていった後でも、リーリエはその場を動けずにいた。
試合が終わって観戦席から降りてきたマオ達もリーリエにかける言葉を失っていた。
ククイ博士「こうゆう時もあるさ。トントン拍子に勝ち進んで行けるほど、ジム戦というのは甘くはない」
ククイ博士の言葉が現実を通す。ジムはポケモンリーグへの登竜門。ポケモン協会が認めたプロのトレーナーとのバトルだ。簡単に勝てるものではない。
だけど、それが分かっていても悔しいものは悔しい。こみ上げてくる涙を引っ込めようとシロンに顔を埋めながらも、リーリエは必死に自分の気持ちを押さえつけていた。
ポケ問題の正解は
A 電気タイプでした!
マチスさんのパートナーかライチュウである事がヒントだったと思います。
ちなみに、アローラのライチュウは電気とエスパータイプ。
特性も《せいでんき》ではなく《サーフテール》!
フィールドがエレキフィールドの時は素早さが2倍になるという
こちらも強い特性ですね。
次回もお楽しみに!