ポケットモンスター let's goリーリエ!   作:アニポケ大好き主

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久しぶりの投稿になります。
物語はクチバジムに敗北した所から始まります。
それではポケ問題も含めてどうぞ!



 アローラ!マオでーす!今回のポケ問題はこちら!

Q 今回のお話でシロンを見つけてくれたポケモンはどの子でしょう?

Aエレブー Bブーバー Cルージュラ Dミルタンク

答えはお話の最後に!


第二十九話 再スタート

 

 

 

 

 クチバジムから飛び出したリーリエは傷ついたシロンを抱えながら急いでポケモンセンターへと駆け出した。美しい白い毛並みが焦げた痕のように黒ずんでボロボロになっているシロンは初めて見た。痺れが取れずにシロンの白い体毛から流れる静電気がリーリエの体を刺す。そんな痛みを感覚神経から脳へと伝達されているはずだが、リーリエの頭の中はそんな情報を受け取っていない。いまはシロンや他のポケモン達を一刻も早く治療させなければならない事で一杯だからだ。立ち止まる事なくポケモンセンターまで全力疾走したリーリエはすぐにシロン達をジョーイさんに任せた。

 

ジョーイ「お待たせしました。お預かりしたポケモン達はみんな元気になりましたよ」

 

リーリエ「ありがとうございます。ジョーイさん」

 

 シロン達の回復が終わる頃にはすっかり日が沈んでいた。それと同じようにモンスターボールから出て来たシロン達の表情も沈んでいた。

 

シロン「……」

 

キモリ「……」

 

ヒノアラシ「……」

 

 バトルに負けてしまった事に肩を落とす三体にリーリエは軽く手を叩くと皆の目をリーリエの方へと向けた。

 

リーリエ「そんなに落ち込まないで下さい。また修行を積んで再挑戦すればいいのです。

次こそは絶対に勝ちましょう!」

 

マオ「リーリエは大丈夫?」

 

 無理に笑い繕っているのではないかと心配していたマオであったが、振り向いたリーリエのその顔には落ち込んでいる様子がなかった。

 

リーリエ「負けてしまった事に対しては勿論悔しかったです。ですが、今回の敗北は決して無駄ではありません。今回は私もマチスさんとライチュウの力に萎縮してしまった事にも原因がありました。次はそうならないようにポケモン達と一緒に研鑽して行くまでです!そして、次は必ずクチバジムを攻略してみせます!」

 

 その言葉にシロン達も顔を上げた。自分たちのトレーナーが気持ちに押し負ける事なく目標を蚊がけて前へと見る。その姿にさっきまで落ち込んでいたキモリ達の曇った表情が消えていた。リーリエの前向きさに影響されたキモリとヒノアラシも合図を送った。

 キモリ達の返事に応えると、奥から他のみんなもリーリエへと近づいて行った。

 

スイレン「そうだよ!リーリエ!」

 

カキ「俺たちも出来ることがあったら協力させてくれ!」

 

マーマネ「こういう時こそ、僕たちに頼ってよね♪」

 

ロトム『持つべきは仲間ロト!』

 

 アローラのみんなもリーリエに励ましの言葉をかけた。その言葉を聞いて嬉しかったリーリエは満面の笑みで皆んなにお礼をした。

 

リーリエ「ありがとうございます。みなさん!」

 

 そんなリーリエの表情を見たククイ博士とオーキド校長の心配の種もすっかりと消え去って行った。

 

オーキド校長「どうやら、心配は要らなかったようですな。ククイ博士」

 

ククイ博士「えぇ、リーリエは強い子です。なんたって俺の教え子ですから」

 

 元気を出したところで、リーリエ達は食堂へと向かった。

 

シロン「………」

 

 しかし、シロンだけはまだその曇った表情がまだ消えていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

リーリエ「シロン!何処ですの!シロン!!!」

 

 翌朝、ヤマブキシティで連絡を取っていたジェームズからルザミーネの容態を聞いていたリーリエは一度顔を見せにと、マサラタウンのオーキド研究所へと戻ろうとしていた。しかし、その出発の日の朝にリーリエの目の前からシロンが姿を消してしまったのだ。

 

マオ「見つかった?」

 

スイレン「ダメ…」

 

マーマネ「こっちもだよ」

 

ロトム『ダメだ。シロンの気配も感知できないロト…』

 

カキ「何処いったんだ。シロン」

 

 別々に探したみんなと合流するものの、シロンを見つけた者はいなかった。

 

リーリエ「ムクバード!シロンは見つかりましたか?」

 

ムクバード「ムク…」

 

カキ「リザードンはどうだった?」

 

リザードン「グゥオ…」

 

 空から探しに出たムクバードとリザードンにも聞くが、二体とも同じように首を横へと振った。

 

ククイ博士「どうやらスランプしてしまったのはシロンの方だったみたいだな」

 

オーキド校長「ここは二手に分かれて探した方が宜しいですな!」

 

 もう一度、二手に分かれて捜索しようとした。その時…

 

???「ジュラ?」

 

 一体のポケモンがリーリエ達の方へと近づいて来た。突然現れたそのポケモンに驚くリーリエ達であったが、そのポケモンは何かを抱えているように見えた。すると、リーリエはその正体がわかるとすぐにそのポケモンの方へと近づいて行った。

 

リーリエ「あっ!シロン!!!」

 

 シロンはそのポケモンの腕の中で眠っていた。リーリエに続いて他のみんなもシロンの方へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ルージュラ ひとがたポケモン

 氷・エスパータイプ

腰を振るようにして歩いている。油断すると釣られて人も思わず踊ってしまうほど軽やかだ』

 

 

 

 

 

 

 シロンを抱きかかえるようにしてリーリエ達の前に現れたのはルージュラだった。スキャンしたロトムはすぐにルージュラのデータをアップロードした。

 

ククイ博士「だが、ルージュラは寒い地方に生息するポケモンだ。それが何故?」

 

 ククイ博士の言う通りでルージュラは主に寒い地域に生息しているポケモンであって、街外れにいる事自体珍しいポケモンであった。

 

リーリエ「ルージュラ!その子はわたくしの大切な友達なんです!」

 

ルージュラ「ジュラ‼︎」

 

 リーリエの言葉を聞いたルージュラは長く伸ばした銀髪をリーリエのおでこへと押し当て始めた。そして、同じようにシロンのおでこにも当てると目を閉じては瞑想に入った。

 

カキ「何だあれ?」

 

オーキド校長「おそらく二人の記憶を辿っているようじゃの。」

 

 ルージュラはサイコパワーを使ってリーリエとシロンの記憶のページをめくり始めた。リーリエとシロンとの出会いまで二人の絆をまとめた集を見通すとルージュラは納得したように頷くと眠っているシロンをリーリエと渡した。

 

リーリエ「ありがとうございます。ルージュラ」

 

シロン「コーン…」

 

 ルージュラにお礼を言うリーリエの声に気づいたシロンはぼやける視界の中、リーリエの顔の方へと見上げた。

 

リーリエ「シロン!もう心配かけて!」

 

 眠りから覚めたシロンをリーリエは固く抱きしめた。その様子を見たマオ達も急いでリーリエの元へと駆け寄った。どこも怪我をしていないシロンの様子に安心する一同の前に一人の人物が歩み寄ってきた。

 

???「ルージュラ!その子のパートナーは見つかったの?」

 

ルージュラ「ジュラ‼︎」

 

 その主の声に応えたルージュラはそのままその人物の方へと向かっていく。それを見たと同時にみんなの疑問が一気に解消された。野生のポケモンではないと分かった以上、その人物はルージュラのトレーナーであることが分かった。

 すぐにリーリエはその人物の方へと駆け寄って行った。

 

リーリエ「シロン…わたくしのロコンを見つけて頂きありがとうございました!」

 

???「いえ…私は特には。無事にトレーナーの元へ帰れて良かったわね。シロンちゃん」

 

シロン「コン‼︎」

 

 深々と礼をするリーリエの前にもう一人の人物が茂みの掻き分けてやってきた。キテルグマに間違えそうな見覚えのある体型をした男性はリーリエを見つけると軽く手を上へと挙げた。

 

マチス「HEY!もしやった思ったがやっぱりか」

 

リーリエ「マチスさん!!!」

 

 こんなにも早く再開する突然のマチスの登場にリーリエは驚いた。

 

マチス「ここでばったりとカンナさんと会ったもんで挨拶しにと行ったら、白いロコンを抱えていたもんだから、もしかしてと思ったがびっくりしたぜ!」

 

 大らかに笑いながら彼女の名を口にしたマチスの言葉にククイ博士とオーキド校長は互いに顔を見合わせた。驚いている二人にリーリエ達は何のことだか分からないままククイ博士はルージュラのトレーナーの前へと立った。

 

ククイ博士「カンナさん…もしかして貴方は四天王のカンナさんでは?」

 

マーマネ「四天王?」

 

マオ「何ですか。それ?」

 

 四天王とは各地方にいるチャンピオンと同等の実力を誇る4名のトレーナーの事である。ジムリーダーと同じように得意とするエキスパートがあり、ポケモンリーグのチャンピオンがチャンピオントレーナーと戦う前に立ちはだかる登竜門となっている。

 

ククイ博士「つまりカンナさんはここカントー地方でチャンピオンを含めた最も強い四人のトレーナーの内の一人って訳だ」

 

カンナ「そんな、大それた事ではありませんわ。それよりもこの子を無事にトレーナーさんの元へと帰せてよかったわ」

 

 謙遜しながらカンナは優しい目でシロンを見つめた。すると、その視線に感じたようにシロンはゆっくりと目を覚ました。目を覚ましたシロンを見たリーリエの腕に力が入った。どこも怪我はないことを確認した後、リーリエはシロンを自分の目線に合わせるようにして抱きかかえた。

 

リーリエ「シロン。何故、飛び出してしまったのですか?」

 

シロン「コーン…」

 

 シロンはリーリエの顔を見るなり不安げな表情を浮かべてしまっていた。そんな答えにくそうにしているシロンの頭をカンナは撫で始めた。

 

カンナ「私が見つけた時はその子。一人で特訓をしていたわ」

 

リーリエ「特訓ですか…」

 

 それを聞いたリーリエはシロンの考えていることが理解できた。

 

リーリエ「悔しかったのですね。シロン」

 

 初めての敗北。それはリーリエの頑張りに応えられなかった事になる。その悔しい気持ちを抱えてしまったシロンに気づいてあげられなかった自分をリーリエは悔いてしまった。

 

リーリエ「貴方の気持ちを分かっていた気でいたようです。ごめんねシロン…」

 

シロンの頭を優しく撫でると、囁き声でシロンに謝った。そんなリーリエの頬にシロンは舌で舐めると、リーリエはシロンの頬に自分の頬を合わせるようにして擦り合わせた。そんな二人の幸せそうな表情を見た一同も不思議と笑みが溢れていた。

 

ルージュラ「ジュラ‼︎」

 

カンナ「貴方が珍しいわね。あの子が気になるのね」

 

ルージュラ「ジュラ‼︎」

 

 突然カンナに訴え出したルージュラにリーリエ達は首をかしげた。自身のポケモンであるルージュラの気持ちをカンナはすぐに理解すると、リーリエの方へと歩いていった。

 

カンナ「リーリエちゃん…だったかしら。もしよかったら私達でよかったら、シロンちゃんのバトルを見てあげましょうか?」

 

リーリエ「シロンをですか?」

 

カンナ「ルージュラが見てあげたいってね。もし良かったらの話だけど…」

 

 カンナのその発言に少し驚いているリーリエの肩をククイ博士は軽く手を置いた。

 

ククイ博士「折角だから見て貰ったらどうだリーリエ。四天王に付き合って貰うなんて滅多にない事だぞ」

 

 ククイ博士の言葉にリーリエとシロンの顔つきが一気に変わった。カントー最強のポケモントレーナーの一人でもあるその人物にバトルを教えて貰う。断る理由なんてなかった。

 

リーリエ「よろしくお願いします!」

 

シロン「コーン‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

カンナ「こちらは大丈夫よ」

 

リーリエ「はい!」

 

 リーリエ達はもう少し歩いた先にある大草原へと移動していた。本来ならポケモンセンターのバトル施設で行ないたかったのだが、四天王のカンナが訪れたとなれば、多くのギャラリーがカンナの元へと集まってくるのは予想が出来ている。

 多くの人達が注目している中ではリーリエとシロンも落ち着いた稽古をつけてあげられる事が出来ない。なので、この離れで行なう事にした。幸いにも周りには野生ポケモンはいないようだ。

 

リーリエ「シロン!【こなゆき】‼︎」

 

シロン「コーン‼︎」

 

 シロンの放った冷気は一直線にルージュラへと放たれた。しかし、ルージュラは躱す素振りを見せずに両手を前へと差し出した。シロンの粉雪を受け止めると、一気にそのパワーをかっ消した。

 

カンナ「パワーはなかなかね」

 

 シロンのパワーに関心していると、すぐにリーリエは他の技をシロンに指示を出した。

 

リーリエ「次は【ムーンフォース】です‼︎」

 

 リーリエの指示を聞いたシロンは高く飛び跳ねると、月のエネルギーを蓄えたパワーを放った。

 

カンナ「ルージュラ!【れいとうパンチ】‼︎」

 

 迫る【ムーンフォース】に対して、ルージュラは冷気を纏わせた拳を叩きつけた。互いのパワーは相殺されて爆煙が生じた。ルージュラの様子を伺うリーリエとシロンの前にはダメージを諸共しないルージュラが平然と立っていた。その優雅な姿にリーリエとシロンは思わず足を引いてしまった。

 シロンの実力を大体引き出す事が出来たカンナは今度はこっちから攻撃を仕掛けてみる事にした。

 

カンナ「ルージュラ!【サイコキネシス】‼︎」

 

 ルージュラのサイコパワーにより金色に光る髪が生き物かのように蠢き始めた。パワーが溜まりきったサイコパワーはそのままシロンに向かって放たれた。青白く光る光線を前にすぐにリーリエは指示を出す。

 

リーリエ「シロン!カウンターシールドで防御です!」

 

シロン「コン‼︎」

 

 迫る【サイコキネシス】をシロンはカウンターシールドで対抗する。しかし、四天王が育てたポケモンの力は伊達ではなかった。押し返すどころか防ぎきれなかったシロンはそのまま吹き飛ばされてしまった。

 

シロン「コーン!!!」

 

リーリエ「シロン!!!」

 

 飛ばされたシロンへとリーリエはすぐに駆け寄った。シロンには大したダメージは無く、問題なく起き上がるとリーリエの腕へと寄り添った。練習に付き合ってくれたルージュラと共にカンナはリーリエの方へと歩み寄る。

 

カンナ「パワーの方は申し分ないわ。それに攻撃を防御に補う戦法も素晴らしかったわ。少しだけだけど、良く育てられているわ」

 

リーリエ「ありがとうございます!褒められましたよシロン」

 

 四天王に褒められた事にリーリエとシロンは太陽のような笑顔で喜んだ。そんなリーリエの元へとマオ達も駆け寄った。

 

マネ「うん!この短期間でシロンは本当に強くなっているのは私達も感じてるよ」

 

スイレン「リーリエ達がカントーに出発した日と比べて見違えてたもん」

 

 強くなったシロンにマオとスイレンもそれぞれの感想を述べ始めた。マオ達の言葉にカントーに上陸してからこれまでいろいろな経験して来た事が十分に力の糧になっている事をリーリエとシロンは改めてそれを感じた。

 しかし、強くはなっているがこれ以上に強くなる方法はあるのか。その議題に少し頭を悩ませる様子を見たカンナはある一つの質問をリーリエ達に聞いてみる事にした。

 

カンナ「ポケモンを強くさせるにはみんなは何をしたらいいと思う?」

 

 カンナの質問にリーリエ達は一斉になって考え始めた。

 

カキ「もっと強くさせるには…やっぱりもっといろんなトレーナーとバトルさせるのが一番か?」

 

ロトム『それか新しい技を取得させるのも一つの手であるロトよ!』

 

マーマネ「それか…進化だね」

 

 各々思った事を口に揃えて自分の答えを言い始めた。そして、マーマネの解答にリーリエは何かを思い出したかのように、自分のバック探り始めた。

 

リーリエ「進化…」

 

シロン「コン…」

 

 何かを見つけたリーリエはそれをバックの中から取り出した。

 

オーキド校長「おや?リーリエ君。それはもしや」

 

 リーリエの手に握られているのは涼やかな水色の光を纏うまるで氷のような石だった。

 それはかつてラナキラマウンテンの洞窟で手に入れた物だった。

 

リーリエ「はい。こおりのいしです」

 

カンナ「アローラのロコンをキュウコンへと進化させる石ね」

 

リーリエ「はい」

 

 あれからシロンに使わずバックの奥へと眠っていた氷の石を見てわ進化という単語がリーリエの脳裏を過っていく。少し戸惑いながらも氷の石をシロンの前へと差し出した。

 

リーリエ「シロン。貴方はどうです?」

 

シロン「コン…」

 

 氷の石を前にシロンは少し困り果てた顔を浮かべていた。手にした時も一緒だった。自分の姿が変わる事が怖いのか。シロンは進化をあまり望んでいなかった。だからリーリエはあの日から氷の石を取り出すことはなかったのだ。それにリーリエ自身もこの氷の石を使う事を少し拒んでいる事も確かだ。

 

リーリエ「シロン。わたくしの正直な事を言ってもいいかな」

 

シロン「コン?」

 

リーリエ「わたくしは強くなるためにという理由で貴方を進化させたくはありません。進化をすればステータス等が上がるのは確かですが、一度進化させてしまったら、元にも戻りません。貴方が姿形が変わってしまうのが怖いのはわたくしは知っています。しかし、それはあくまでわたくしの思考です。貴方が進化を望んでいるのならわたくしは貴方の意志に任せようと思っています」

 

 リーリエの言葉にシロンは何を浮かべたのか分からないが、恐る恐ると氷の石へと近づいて行った。しかし、眺めるだけで触れようとはしなかった。その様子にリーリエだけでなくマオ達も不安げであった。一刻の沈黙の中でマチスはリーリエの元へと向かった。

 

マチス「石での進化はレベルアップで進化させるとは違う意味である事は分かっていた方がいいぜ」

 

リーリエ「え?」

 

 マチスの言葉にリーリエとシロンは振り向いた。そして、相棒のライチュウの頭を撫で始めた。

 

マチス「俺のライチュウはこいつがまだピカチュウだった頃にトキワの森で捕まえたポケモンなんだ。そして、俺はゲットしたこいつを直ぐにかみなりの石で進化をさせたんだ」

 

マーマネ「すぐに?」

 

マチス「進化をすればポケモンはより強くなると思っていたからだ。案の定、俺とライチュウは幾多の挑戦者達を返り討ちにしてやったぜ」

 

ライチュウ「ラーイ♪」

 

マチス「BUT…だけど、ある挑戦者との出会った事で俺は強さは進化が全てじゃないと思い知らされたんだぜ」

 

気持ちよさそうにマチスに合図をしたライチュウ。そして、撫でる手を引っ込めると真剣な目つきで話を進め始めた。

 

マチス「その挑戦者は俺のライチュウの進化前のピカチュウを連れて挑戦しに来やがったんだ。生意気なベイビーだった。勿論、この試合は俺のライチュウの圧勝だった。もう二度とクチバジムに挑戦しに来れなくなるほどのトラウマを植え付けたぐらいに負かしてやったんだ」

 

カキ「それで…その挑戦者は?」

 

マチス「驚いた。そいつはその翌朝にまた再チャレンジしに来たんだ。しかもピカチュウのままでだ。そしたら直ぐに進化させたライチュウの欠点を逆手に取ってだな」

 

 マチスはあの日の事を思い出すとたまげた様な表情で大きく手を横に広げた。

 

マチス「俺のライチュウはピカチュウの時に覚えられていたスピード技術を十分に身につけさせないまま進化せちまったんだ。つまり、俺のライチュウは他よりも素早さに欠けちまっているって事だ。ピカチュウを連れたそのベイビーはピカチュウの武器である素早さを生かして見事に俺のライチュウに勝っちまいやがったんだ!」

 

 その経験がマチスが思う強さというものをひっくり返した。それ以来、マチスはライチュウにスピードで補えられなかった分を攻撃力と防御力でカバーして行く戦法に変えてきた。元からの素早さのステータスを考えるとスピードを捨てる案は惜しいと思うが、今でもマチスはクチバジムのジムリーダーとしての実力を轟かしている。

 それにその戦法にたどり着けとのもマチスがライチュウの事を強く信じていたのも一つだろう。出なければ、他のライチュウとは違うバトルスタイルを作る事も出来なかったと思ったからだ。二人の絆の強さにリーリエとシロンは強さとは何か…少しわかったかもしれない。

 

カンナ「レベルアップとは違って石で進化させる事は能力値が上がるだけで、努力値が上がる訳ではないわ。進化させようがさせまいが、その分に経験や力をトレーナーとポケモンが一緒になって強くなっていくのは変わりないわ。経験。力。そして進化。どれも強くなる事に対して間違いでは無いわ。でもね。私は強くなるために一番大切な事は信頼関係にあると考えているわ」

 

 カンナは再びリーリエの方へと振り返ると、再度リーリエに質問した。

 

カンナ「リーリエさん。貴方が今手にしているバッジは貴方の力で勝ち取った物?」

 

 その問いに対する答えは考える間もなかった。リーリエは首を横に振ると、シロンを抱き抱えたまま立ち上がった。

 

リーリエ「いいえ。シロンやわたくしのポケモン達が頑張ってくれたお陰です」

 

カンナ「そう。」

 

 その答えにカンナは微笑んだ。答えが済んだ所で、もう一度稽古をつけて貰おうとリーリエの足がカンナの方へ一歩踏み出したその直後、突然の爆発と共に二人の影がリーリエ達の前へと立ちはだかる。

 

スイレン「何!なんなの?」

 

 

ヤマト「なんだかんだと聞かれたら」

 

コサブロウ「答えないのが普通だが」

 

二人「「まぁ!特別に答えてやろう」」

 

ヤマト「地球の破壊を防ぐため」

 

コサブロウ「地球の平和を守るため」

 

ヤマト「愛と切実な悪を貫く」

 

コサブロウ「キュートでお茶目な敵役」

 

ヤマト「ヤマト!」

 

コサブロウ「コサブロウ!」

 

ヤマト「宇宙を駆けるロケット団の二人には」

 

コサブロウ「ショッキングピンク桃色の明日が待ってるぜ」

 

ツボツボ「ボッツ‼︎」

 

 リーリエ達の目の前に現れたのはコイキングと出会った湖以来の登場となるあの二人だった。リーリエはすぐにその二人を睨みつけた。

 

リーリエ「ヤマトにコサブロウ!何しに来たのですか⁉︎」

 

コサブロウ「違ぁう!コサンジだって…いや、当たってるな」

 

 思わず条件反射的に否定し始めたコサブロウはその口を閉じると、ヤマト共にモンスターボールを取り出した。

 

マオ「他にもロケット団がいるのね!」

 

 ロケット団と対峙するのは初めてではないマオ達もリーリエと一緒に身構えた。

 

ヤマト「メンバーは変わっているみたいだけど、ジムリーダーに四天王もいるなんてね。ゲットのチャンスよ!行くわよ!コサンジ!」

 

コサブロウ「お前は間違えるのかよ!!!」

 

 ヤマトの合図に二人は同時にモンスターボールを投げ入れた。

 

ヤマト「行くのよ!デルビル!!!」

 

コサブロウ「行けっ!ツボツボ!!!」

 

デルビル「デェル‼︎」

 

ツボツボ「ボッツ‼︎」

 

 モンスターボールから飛び出したデルビルとツボツボは体を大きく広げて此方を睨みつけ始めた。ロケット団のポケモンを見たリーリエ達はそれぞれ各自のモンスターボールへと手を伸ばし始めた。すると皆がそれぞれのポケモンを繰り出そうとしたその時、カンナの手がリーリエの肩へとそっと置かれた。

 

カンナ「ここは私とリーリエちゃんとでやらせて貰えないかしら」

 

リーリエ「カンナさんとタッグですか⁉︎」

 

 突然の申しにみんなの手が止まった。カンナの言葉に承諾するとリーリエはシロンをカンナはルージュラを前に出した。

 それぞれのポケモンが場に並ばれると、相性の良さを考えてヤマトのデルビルの先制攻撃からバトルが始まった。

 

ヤマト「デルビル!【かえんほうしゃ】‼︎」

 

リーリエ「シロン!【こなゆき】‼︎」

 

 デルビルの火炎とシロンの冷気がぶつかり合った。しかし、すぐにシロンの冷気がデルビルの火炎を打ち消すかのように推し始めた。オーキド研究所の時はいとも簡単に押し返されてしまったが、もうあの頃のシロンではない。以前よりも大幅に上がったシロンの攻撃はデルビルに直撃した。

 

コサブロウ「ツボツボ!【ヘドロばくだん】だ‼︎」

 

 冷気を放ち終わったシロンに向かってヘドロ攻撃が襲い掛かった。攻撃を撃ち終わったシロンはすぐにその攻撃を躱す事が出来ない。その様子を見たカンナはルージュラに指示を出す。

 

カンナ「ルージュラ!【サイコキネシス】‼︎」

 

 サイコパワーでツボツボの攻撃を制止させると、そのままツボツボに向かって撃ち返した。

 

リーリエ「【こおりのつぶて】‼︎」

 

 自分の攻撃を浴びたツボツボに向かって氷の弾丸が放たれた。鋭く一直線に放たれた氷の弾丸の威力にツボツボは主人であるコサブロウの手前まで放り出されてしまった。苦手な炎タイプの技を打ち消す冷気。その小さな体格には似合わない威力を発揮した氷の弾丸。それを見て確信を持ったカンナはリーリエの耳元へそっと呟いた。

 

カンナ「リーリエちゃん。次は【れいとうビーム】を支持してみて⁉︎」

 

 突然の言葉に一瞬にしてリーリエの目線はカンナの方へと向けられた。

 

リーリエ「【れいとうビーム】⁉︎ですが、シロンはまだその技を使った事が…」

 

カンナ「ないだけで、その技を使えるぐらいの力はこの子にあるわ。【こなゆき】のパワーを全体に放出させるのではなく、【こおりのつぶて】の様にエネルギーを一点に集中させて糸を針穴に通すようなイメージで撃ってみて」

 

 カンナの提案にリーリエとシロンは見つめ合う。すると、シロンは尾を振り回しながらリーリエに向かって鳴き始めた。自身に満ちたその声を聞いたリーリエは決心した。

 

リーリエ「やりますよ!シロン!」

 

シロン「コーン‼︎」

 

 合図と共にシロンは固く目を閉じると、エネルギーを貯め始めた。そのシロンにシンクロするか様にしてリーリエも固く目を閉じ始めた。

 

ヤマト「デルビル!【かえんほうしゃ】やっちゃって‼︎」

 

 そんなシロンに向かってデルビルは再度火炎放射を放ち始めた。迫る火炎放射に対してカンナとルージュラは手を出す事なく、真剣な目でリーリエとシロンの様子を伺う。徐々に近づいてくる火炎放射の熱風が顔に当たるが二人に焦りはない。そして、同時に目を開けるとリーリエは力一杯にシロンに向かって新しい技を指示をした。

 

リーリエ「シロン!【れいとうビーム】です‼︎」

 

シロン「コォォォン‼︎」

 

 冷たい冷気が放射された。そしてその冷たいエネルギーが光線のように帯び始めると、一気に火炎放射を打ち消した。

 打ち消しながら地面を凍らせながら走る【れいとうビーム】はデルビルを吹き飛ばした。

 

リーリエ「やった…出来ました!」

 

 初めて出来た新しい技にバトル中ではあるが、リーリエとシロンは互いに喜び合った。

 

ヤマト「デルビル!!!」

 

コサブロウ「くっツボツボ!【ジャイロボール】だ‼︎」

 

 後退したデルビルに代わって今度はツボツボの攻撃が向かった。シロンの力を引き出せた事を確認したカンナはルージュラに対して静かに指示を出す。

 

カンナ「ルージュラ【あくまのキッス】‼︎」

 

ルージュラ「ジュラ〜♡」

 

 ルージュラの投げキッスを受けたツボツボの回転が少しずつ弱まっていくと、静かにツボツボは地面へと倒れ込んだ。

 

ツボツボ「Zzz」

 

カンナ「次は【サイコキネシス】‼︎」

 

 眠りについたツボツボをサイコパワーでロケット団に向かって投げ返した。投げ返されたツボツボにヤマトとコサブロウは逆に吹き飛ばされてしまった。

 一箇所に纏められたロケット団に向かってリーリエとカンナはトドメの攻撃へと入った。

 

リーリエ「シロン!【れいとうビーム】‼︎」

 

カンナ「ルージュラ!【ふぶき】‼︎」

 

 二体による同時の氷攻撃がロケット団を空高くまで吹き飛ばした。

 

ヤマト「久しぶりの登場なのに!!!」

 

コサブロウ「あんまりだ!!!」

 

「「やな気持ちぃぃぃ!!!」」

 

 ロケット団は氷に閉じ込められたまま、流れ星のように空の彼方へと消えてしまった。

 

ククイ博士「やったな。リーリエ!【れいとうビーム】の習得もおめでとう」

 

マオ「カッコ良かったよ!リーリエ!」

 

アママイコ「アーマイ‼︎」

 

マーマネ「凄い!凄いよ!」

 

トゲデマル「モギュュ‼︎」

 

 二人の戦いぶりにマオ達はリーリエの元へと駆け寄った。リーリエもシロンを抱き抱えながら照れ臭そうに頬を赤くした。

 そんな二人にカンナはルージュラをモンスターボールへと戻すとリーリエを呼び止めた。

 

カンナ「ポケモンはトレーナーのためにトレーナーはポケモンのためにと、強さは貴方たちのような信頼関係にもある事は覚えておいて。これからも互いを信じて、時には笑ったり、喧嘩したり、泣いたりと、一緒にいる時間を大切にして行ってね。その時間が貴方達をもっと成長させて行くわ」

 

 その言葉にシロンの悩みも吹き飛んだかのようにリーリエに向かって元気よく鳴いた。その声にリーリエも嬉しくなってはシロンの頬を自分の頬と擦り合わせた。そして、カンナの方へと目を向けると、深々とお辞儀で返した。

 

リーリエ「ありがとうございました!カンナ先生!」

 

シロン「コン‼︎」

 

 その声にカンナもクスリと笑い出した。

 

カンナ「ふふ!それじゃあ、私はこれで。また何処かで会いましょう」

 

 そのままカンナはリーリエ達に別れを告げるとそのまま森の奥へと行ってしまった。カンナの姿が見えなくなるまで見届けたリーリエはすぐにマチスの方へと振り返った。

 

リーリエ「マチスさん!わたくしたちはもっと修行を積んでまたクチバジムに挑戦します。その時は必ずジムバッジをゲットしてみせます!」

 

マチス「グレイト!その時でも容赦はしないぜ」

 

ライチュウ「ライ‼︎」

 

 再チャレンジの意思を固めてはリーリエとシロンの闘志が燃え始めた。ここから二人の再スタートとなったリーリエとシロン。二人のこれからポケモン修行の旅はまだまだ続くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【マサラタウン】

 

 

 

 

 

 

 

 

〜オーキド研究所〜

 

 

 翌日の朝、チャイムが鳴った。リーリエ達が一旦戻ってくると知ったジェームズはディナーの支度の中、玄関の方へと向かうと、その扉を開いた。

 

ジェームズ「お帰りなさいませ!お嬢様!」

 

 扉を開けたジェームズの目に飛び込んだのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ピッカ‼︎」

 

 ピカチュウだった。そして、そのピカチュウが自分の主人であるその少年の肩へと登り始めた。ピカチュウを追いかけるようにして追っていた目はやがてその少年と目が合った。その少年を見たジェームズの目は大きく見開いた。

 

ジェームズ「これは…またお会いすることが出来るとは…お久ぶりです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サトシ「お久しぶりです!ジェームズさん!」

 

ピカチュウ「ピッカッチュ‼︎」




 お待たせ!ポケ問題の答えは

   Cルージュラでした。

四天王のカンナさん。綺麗な人だったな〜!他にどんな人がいるんだろ〜合ったみたいな。
それじゃあ、次回もお楽しみに!
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