ポケットモンスター let's goリーリエ!   作:アニポケ大好き主

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ついにポケットモンスター完全新作が発表されました!
それと同時にアニメのサンムーンが今年で終わってしまうのではと思い、寂しい気持ちでもあります。
それではどうぞ!



 アローラ!今回のポケモン問題は俺!カキが出題するぞ!

Q うずまきカップの優勝者は誰か

A リーリエ B サトシ C カスミ D スイレン

答えはお話の最後に


第三十二話 最弱から最強へ

「ブイ?」

 

潮の香りが混じったイタズラ風が自分の目を隠すまでに伸びた前髪を思いっきり吹き上げた。風が吹く方へと視線を向けたイーブイの目に写ったのは大きなバトルドーム。そこから絶え間なく鳴り響く歓声が響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うずまきカップ2日目。問題なく勝ち進んだリーリエは遂に準決勝への駒へ進めた。

 

『さぁ、出張うずまきカップ!残す試合はあとわずか!果たして優勝の〝しんぴのしずく〟を手にするのは一体誰なのか!まもなく準決勝第一試合が始まります!』

 

 観客のヒートアップした歓声はリーリエの耳にしっかりと届いていた。ここまで一緒に力を合わせて戦ってきたコイキングとゼニガメに目を合わせた。

 

リーリエ「行きましょう。コイキング!ゼニガメ!」

 

 リーリエの声に二体はそれぞれ返事を返したと同時にリーリエ達はバトルフィールドの方へと向かって歩き出した。

 一足先にバトルフィールドへと立ったリーリエは次の対戦相手に心を躍らせていた。サトシとカスミ。この二人も順当に勝ち進んでいればいつかは当たることは予想はついている。

 そして、ついにその時が来た。

 

 

『準決勝第一試合!サトシ選手対リーリエ選手!』

 

 

リーリエ「準備はいいですか。ゼニガメ!」

 

ゼニガメ「ゼニッ‼︎」

 

サトシ「ゼニガメか。それなら俺はこいつだ。ワニノコ!君に決めた!」

 

ワニノコ「ワニワニ 」

 

カキ「ワニノコか!」

 

スイレン「あの子可愛い!踊ってる!」

 

ロトム『踊るワニノコ!データアップロードロト!』

 

 早くもこのような形でサトシとの再戦となるリーリエであったが、このバトルはいつもよりも実力が伴われる試合になると言われても過言ではなかった。。それは研究所の時はアローラにいた頃から良く知るピカチュウとシロンとのバトルであったため技や癖などあらかじめ情報をお互いに知った上でのバトルであったからだ。

 この試合は事実上、トレーナーの腕が試される模範解答が付いていない白紙のバトルなのだ。

 

 

 

   『!!!試合開始!!!』

 

 

 

 

 

   ➖リーリエVSサトシ➖

 

 

リーリエ「ゼニガメ!【みずてっぽう】です‼︎」

 

ゼニガメ「ゼニッ‼︎」

 

サトシ「ワニノコ!こっちも【みずてっぽう】だ‼︎」

 

ワニノコ「ワニャア‼︎」

 

 共に放たれた水鉄砲は一直線に水面を切りながら互いの攻撃を打ち消しあった。

 

『両者放たれた水鉄砲は相打ちに終わった!共に攻撃力は互角のようだ!』

 

 ジョウト地方から幾多の試合経験を積んでいるサトシのワニノコは進化はしていないが、進化系ポケモン相手にも劣らないパワーは持っている。しかし、ゼニガメ消防団として日々訓練し続けているゼニガメも負けていなかった。相殺された水鉄砲の冷たい水しぶきが肌に優しくかかる中、リーリエは次の攻撃を支持した。

 

リーリエ「【こうそくスピン】‼︎」

 

ゼニガメ「ゼニィ‼︎」

 

 技を打ち終えたにも関わらず、甲羅に潜ったゼニガメは身体を横回転し始めると、そのままワニノコに向かって突進し始めた。速攻攻撃を仕掛けたゼニガメにさっきまで陽気に踊っていたワニノコは鋭く目を尖らせて静かにサトシの支持を待っていた。

 

サトシ「ワニノコ!【かみつく】攻撃‼︎」

 

 ワニノコは大きく開いたその牙でゼニガメの甲羅をガッシリと受け止めてみせた。

 

『なんとワニノコ!その大きな口でゼニガメの攻撃を受け止めた!その鋭く尖った歯で身体を固定されたゼニガメは身動きが取れないぞ!』

 

 実況者の言う通り、回転を止められたゼニガメは抜け出そうと身体を大きく揺らし始めたのだが、甲羅の溝にガッシリとはまったワニノコの歯はそんなゼニガメを逃そうとはしなかった。

 

サトシ「いいぞワニノコ!そのまま離すなよ!」

 

 それでも、逃げ出そうと藻がこうとするゼニガメを見つめながらリーリエは突破口を探り当てた。

 

リーリエ「ゼニガメ!ワニノコの口に向けて【みずてっぽう】です‼︎」

 

ゼニガメ「ゼ…ゼニィ‼︎」

 

 リーリエの支持を聞いたゼニガメは頭をワニノコの口の方へと向けると、思いっきり水鉄砲をお見舞いしてやった。

 口の中へと溢れかえるぐらいの水量に顎が外れそうになるワニノコはよろけ始めると、体勢を崩した瞬間にゼニガメはジェット噴射みたいにワニノコの口からの脱出に成功した。

 

リーリエ「ゼニガメ!そのままもう一度【みずてっぽう】です‼︎」

 

 脱出に成功したゼニガメはさらに空中から狙いを定めてワニノコに向かって水鉄砲を放った。

 

サトシ「ワニノコ!躱して【きりさく】攻撃だ‼︎」

 

 怯んだワニノコであったが、サトシの声を聞くと一瞬にして我へと返った。そのまま迫ってくる水鉄砲の先にいるゼニガメを見つけると、ターゲットに向かって大きくジャンプしてゼニガメの攻撃を躱した。

 ゼニガメへと接近したワニノコは鋭利な爪を立てると大きく切り裂いた。

 

ワニノコ「ワニャア‼︎」

 

ゼニガメ「ゼニッ!!!」

 

 ワニノコの攻撃を受けたゼニガメはそのまま浮島へと叩きつけられてしまった。急所に当たりやすい攻撃でもあってその威力にゼニガメはかろうじながらも、立ち上がってみせる事が出来た。

 

リーリエ「大丈夫ですか⁉︎」

 

 リーリエの声にゼニガメは何とか返答する。しかし、バトルに対して手加減するのは懸命に立ち向かっている相手に失礼な事だと思っているサトシはトレーナーになったばかりのリーリエに対してもその攻撃の手を緩めようとはしなかった。

 

サトシ「【みずてっぽう】‼︎」

 

 リーリエに次の手を考えさせる間も与えないようにすぐにサトシは攻撃の支持をワニノコに送った。

 

リーリエ「でしたら!」

 

 ワニノコの水鉄砲がゼニガメに直撃するその瞬間、ゼニガメは一つ水柱を立てるとそれを体に纏わせながら勢いよくジャンプした。

 

リーリエ「ゼニガメ!【アクアジェット】です‼︎」

 

ロトム『ゼニガメは【アクアジェット】を使えるロトか!!!』

 

 通常では覚えない水タイプの先制攻撃でゼニガメはワニノコの攻撃を躱しながら腹部めがけて飛び込んだ。

 

ワニノコ「ワニャア!!!」

 

 攻撃を受けたワニノコはそのまま後方へと吹き飛ばされてしまった。効果はいまひとつであるが、そのパワーにサトシとワニノコは驚いていた。しかし、その中でリーリエとこうして公式試合する事に微かな喜びがあった。

 

サトシ「水の中へ潜れ!」

 

ワニノコ「ワニャ‼︎」

 

 

『水タイプならではの戦法!ワニノコは水中に潜って身を隠しました!』

 

 

 ワニノコに攻撃を決めた後もゼニガメは【アクアジェット】で辺りを泳ぎながら、ワニノコの出処を探り始めた。警戒しながら見渡すも、互いの攻撃が止んだ事で歓声も聞こえない静寂に満ちた空間がリーリエとゼニガメに不安と緊張感を仰いでいく。

 その感じがピークになってきた直後にワニノコはゼニガメの背後から飛び出してきた。

 

リーリエ「後ろです!ゼニガメ!」

 

サトシ「ワニノコ!【かみつく】だ‼︎」

 

 素早く気づいたリーリエであったが、背後から攻撃に急に体を後転させる事が出来なかったゼニガメは再びワニノコの頑丈な顎に捕まってしまった。

 

サトシ「ワニノコ!【こわいかお】‼︎」

 

ワニノコ「ワッ‼︎」

 

ゼニガメ「ゼニッ⁉︎」

 

 ゼニガメが慌てて顔を出した瞬間を狙ってワニノコは鋭い眼光でゼニガメを睨みつけた。その迫力ある顔に怯んだゼニガメは一瞬にして固まってしまった。

 

サトシ「今だ!そのまま叩きつけろ!」

 

ワニノコ「ワニャア‼︎」

 

 怯んだ隙にワニノコはゼニガメの甲羅を咥えたまま大きく首を振り回すとそのまま地面にゼニガメ叩きつけた。

 

リーリエ「ゼニガメ!!!」

 

 叩きつけられた衝撃に耐えられず、再び顔を出したゼニガメの目はグルグル回っていた。

 

審判「ゼニガメ戦闘不能!ワニノコの勝ち!」

 

 まだ(・・)自分のポケモンでないためモンスターボールへと戻せないゼニガメの元へと駆け寄ったリーリエは優しく抱き抱えると、急いで自分のトレーナーサイドへと戻って行った。

 

リーリエ「頑張りましたね。ゼニガメ」

 

ゼニガメ「ゼニッ…」

 

リーリエ「貴方の分まで頑張ります。ここから見ていて下さい」

 

 シロンの励ましもあって元気を取り戻したゼニガメはシロンと一緒にリーリエの応援を始めた。そしてリーリエは二体目のポケモンが入ったモンスターボールを取り出した。

 

リーリエ「お願い!コイキング!」

 

コイキング「ココォ‼︎」

 

 

『リーリエ選手の二体目はコイキング!ここまで圧倒的なパワー見せつけてきたコイキング!今回もどんなバトルを披露してくれるのか!』

 

 

 コイキングの登場に会場にいる人から大きな歓声が飛びかかった。出場者の中でも選出されにくいポケモンでもあって、ここまでのバトルを繰り広げてきたリーリエのコイキングの実力はこの場にいる多くの人達に印象付けていた。大きく飛び込んだコイキングは気合の入った目でワニノコと対峙し始めた。

 

サトシ「気を引き締めろワニノコ!このまま行こうぜ!」

 

ワニノコ「ワニワニ‼︎」

 

 サトシの声に一段と気合を入れ直したワニノコ。リーリエの次のポケモンが現れた事で試合開始のゴングがもう一度鳴り響いた。

 

リーリエ「【たいあたり】です‼︎」

 

ワニノコ「ワニャア!!!」

 

 渾身のスピードが加わった体当たりがワニノコに向かってヒットした。コイキングの驚異のスピードを間近で見たサトシはこれには驚きを隠せないでいた。しかし、すぐに切り替えるとジャンプして空中にいるコイキングを捉えた。

 

サトシ「ワニノコ!【かみつく】で捕まえろ‼︎」

 

 すぐにワニノコも攻撃を耐えてはコイキングに向かってジャンプした。しかし、ゼニガメとのバトルの中でワニノコのバトルスタイルを分析出来たリーリエには口を大きく空けて接近していくワニノコの行動は読んでいた。

 

リーリエ「コイキング!【じたばた】です‼︎」

 

 コイキングは大きく尻尾を揺らし始めると、そのまま接近してくるワニノコに向かって、その尾で往復ビンタのような攻撃で跳ね返した。

 

サトシ「ワニノコ!」

 

リーリエ「今です!【たいあたり】‼︎」

 

 そのままフィールドに叩きつけられたワニノコを起き上がらせる間も与えず、コイキングの体当たりによる追い討ち攻撃がワニノコに決まった。コイキングの怒涛の攻撃に耐えられずワニノコはそのままダウンとなってしまった。

 

審判「ワニノコ戦闘不能!コイキングの勝ち!」

 

 『決まった!コイキングの渾身の体当たりにワニノコはダウン!両者共に残るポケモンは一体となった!』

 

 

サトシ「よく頑張ったなワニノコ!ゆっくり休んでくれ」

 

ピカチュウ「ピカチュウ‼︎」

 

ワニノコ「ワニャア‼︎」

 

 そう頭を撫でられたワニノコは嬉しさのあまりサトシの頭目掛けて噛り付いた。久しぶりのバトルが楽しかったのか。負けはしたが二人にはとても満足がいくバトルが出来たみたいだ。もう一度、感謝を述べたサトシはワニノコをルアーボールへと戻した。

 

 

『さぁ、サトシ選手!最後のポケモンは何か!』

 

 

サトシ「やるなコイキング!次はこいつが相手だ!ブイゼル!君に決め…」

 

 ブイゼルの入ったモンスターボールを投げようとしたその時、別のモンスターボールから一体のポケモンが飛び出してきた。

 

ミジュマル「ミジュマ‼︎」

 

ピカチュウ「ピカ‼︎」

 

サトシ「おい!ミジュマル!!!」

 

 

『サトシ選手!最後のポケモンはミジュマルだ!!!』

 

マオ「あれ?」

 

スイレン「勝手に出てきちゃった!」

 

 ミジュマルの登場に観客達からは最後のバトルともあって、大きな歓声が鳴り響いた。

 その歓声に応えるように観客に向かって大きく手を振り始めるミジュマルでいた。これからバトルが始まるも知らない様子にサトシは頭を抱えていた。そんなミジュマルの様子が可笑しくてリーリエは少し笑ってしまった。

 

リーリエ「お茶目な子ですね。サトシ!」

 

サトシ「あ…あぁ!まぁ、いっか。頼んだぞミジュマル!」

 

ミジュマル「ミジュマ‼︎」

 

 本当に分かっているか分からないが、自信満々なその様子に心配の余地はないみたいだ。二体のポケモンが出揃った所で最後のバトルが始まった。

 

リーリエ「初めて見るの子ですが。焦らず行きましょう!【たいあたり】‼︎」

 

コイキング「ココッ‼︎」

 

 又もや、先制して攻撃を仕掛け始めたコイキングは一直線にミジュマルに向かって突っ込んでいった。そのスピードはワニノコ戦のダメージを諸共しない様子であった。

 

サトシ「面白い!受けて立つぞリーリエ!ミジュマル!こっちも【たいあたり】だ‼︎」

 

ミジュマル「ミジュマ‼︎」

 

 コイキングの根性に火を付けられたサトシは同じ技での真っ向勝負を仕掛けた。そんなサトシの熱に同じように灯されたミジュマルもコイキングに向かって突っ込んでいった。ぶつかり合う両者の体当たりはそのままお互いを後方へと飛ばした。

 

サトシ「ミジュマル!【アクアジェット】だ‼︎」

 

 そのまま水の衣を纏ったミジュマルはコイキングへと向かって行った。ジェット機のようなスピードが乗った先制攻撃はそのままコイキングを吹き飛ばした。

 

サトシ「次は【シェルブレード】だ‼︎」

 

リーリエ「躱して【たいあたり】です‼︎」

 

 お腹に装備されているホタチを手に取ると、今度はそこに水で形状させた刃を纏わせると、続けてコイキングに向かって行った。

 しかし効果はいまひとつであったのが救いだったコイキングはダメージを受けながらも迫るミジュマルの姿を捉えられた事によりすぐに躱す事が出来た。

 

リーリエ「もう一度【たいあたり】です‼︎」

 

 攻撃を決め損ねて体勢を崩したミジュマル目掛けて、コイキングは突進して行く。

 

サトシ「ホタチでガードしろ!」

 

 だがすぐに躱せないミジュマルをトレンドマークであるホタチを使わせてコイキングの体当たりを阻止させた。衝突した反動で弾き飛ばされた二体は後方へと押されて行く。

 

サトシ「良くやったぞミジュマル!」

 

リーリエ「ミジュマルの性質を生かした見事な防御ですね」

 

サトシ「サンキュー!」

 

 サトシの起点を生かした指示にリーリエは賞賛する。同じようにミジュマルとコイキングも互いの力を讃え始めていた。そして、サトシの次の指示が分かっているようにミジュマルは両手を大きく広げて大技を発動させる体勢へと移っていた。

 

サトシ「ミジュマル!【ハイドロポンプ】だ‼︎」

 

ミジュマル「ミジュマ!!!」

 

 大きな水流を巻き上げたミジュマルはそれを一気にコイキング目掛けて放水された。

 

リーリエ「【はねる】です‼︎」

 

コイキング「ココッ‼︎」

 

リーリエ「【とびはねる】‼︎」

 

サトシ「迎え撃て!【シェルブレード】‼︎」

 

ミジュマル「ミジュ‼︎」

 

 巨大な水流を前に躱したコイキングはそのまま空中落下を加えたスピードでミジュマルに向かって突進して行く。それを迎え撃つようにしてミジュマルは攻撃を仕掛けた。

 二体の攻撃力は互角である。ぶつかり合うその衝撃によりお互いは吹き飛ばされてしまった。

 

マオ「相打ち!」

 

マーマネ「どっちが立ってるの?」

 

 水面に浮かび上がった二体を見た審判のコールにより試合終了のアナウンスが流れた。

 

審判「コイキング戦闘不能!ミジュマルの勝ち!よって勝者はサトシ選手!」

 

サトシ「やったぜミジュマル!」

 

ピカチュウ「ピカチュウ‼︎」

 

ミジュマル「ミジュマ‼︎」

 

 バトルに勝利したミジュマルはサトシの胸の中へと流星の如く飛び込んでいった。ミジュマルの強烈な体当たりを受け止めたサトシはミジュマルの頑張りを褒めながら頭を撫でいく。コイキングもリーリエに抱えながらシロンとゼニガメのいる方へと戻っていった。

 

リーリエ「お疲れ様ですコイキング。良く頑張りましたね」

 

シロン「コン‼︎」

 

ゼニガメ「ゼニッ‼︎」

 

コイキング「ココッ…」

 

 バトルを終えたリーリエはサトシと一旦別れると、マオたちの方へと一人戻っていった。

 

マオ「お疲れリーリエ!惜しかったね」

 

カキ「だけど熱いいい試合だったぞ!」

 

リーリエ「はい。どの子も良く育てられていました。やっぱりサトシは強いです///」

 

 その顔はバトルで負けた事よりもサトシとあれだけのバトルをする事が出来た喜びの方が強かった事を表していた。試合の勝ち負けだけでなく、負けた事から何かの経験を得た事の大切を知れる事が出来た様子からリーリエの成長の大きさを改めて知る事が出来たマオ達であった。

 そして、遂に決勝戦のコールが知らされた。急いで観戦席へと座ったリーリエはいまから出てくる二人のトレーナーにエールを送った。うずまきカップ決勝戦。戦うのはもちろんこの二人だ。

 

サトシ「遠慮しないからな!カスミ!」

 

カスミ「あんたがどれ程成長したのか。確かめてあげるわ!」

 

『決勝戦!サトシ選手対カスミ選手!試合開始!!!』

 

サトシ「ゼニガメ!君に決めた!!!」

 

カスミ「私はこの子よ!行くのよニョロトノ!!!」

 

ゼニガメ「ゼニッ‼︎」

 

ニョロトノ「トニョ〜ロ 」

 

 試合開始と同時に二体のポケモンが繰り出された。サトシはカントー地方で知り合ってからの長年の友達のゼニガメ。一方カスミはニョロモの頃にゲットして、今はニョロゾの分岐進化による最終形態のニョロトノをくりました。

 

サトシ「久しぶりだな!ニョロトノ!」

 

 サトシの声に気づいたニョロトノは陽気なダンスを踊り始めた。かつて一緒に旅をしてきた旧友との再会に喜ぶゼニガメとニョロトノは挨拶がわりのこの技を放ち始めた。

 

サトシ「ゼニガメ!【みずてっぽう】だ‼︎」

 

カスミ「ニョロトノ!【みずてっぽう】よ‼︎」

 

 打ち出された両者の水鉄砲はそのまま相殺された

 

サトシ「やるな!ゼニガメ!【こうそくスピン】だ‼︎」

 

 その水しぶきの中を滑走とゼニガメは甲羅に潜り高速回転しながらニョロトノの方へと飛び出していった。

 

カスミ「ニョロトノ!【おうふくビンタ】‼︎」

 

 ニョロトノは突っ込んでくるゼニガメをそのまま弾き返した。返されたゼニガメは頭と四肢を甲羅から出すと、すぐに体勢を立て直した。浮島に無事に着地したゼニガメであったが、ニョロトノは腕を組みながら鋭い目つきでゼニガメを睨みつけていた。

 

カスミ「【いばる】よ‼︎」

 

ニョロトノ「トニョ‼︎」

 

ゼニガメ「ゼニ?」

 

サトシ「ゼニガメ!!!」

 

カキ「ゼニガメはどうしたんだ?」

 

ロトム『【いばる】によって混乱してしまっているロト‼︎』

 

 混乱し千鳥足になるゼニガメをサトシは必死で呼びかけるも正気が戻る気配がなかった。そこへ空かさずニョロトノの攻撃が襲いかかってきた。

 

サトシ「しっかりしろゼニガメ!」

 

カスミ「ニョロトノ!【みずてっぽう】‼︎」

 

 直撃を受けたゼニガメはそのままプールの方へと投げ飛ばされた。同じ水タイプ同士でも混乱状態に陥てしまった分、完全に相手に主導権を握らせてしまった。その上相手は水タイプのジムリーダー。長年の付き合いでもあるカスミの強さやポケモン達のレベルの高さはよく知っている。常に綱渡りをしているかのような戦いに気を抜けてはいけないのだ。

 

サトシ「ゼニガメ!【ハイドロポンプ】だ‼︎」

 

 混乱状態は決してトレーナーの声を完全に遮断させる事ではない。そのため何度も呼びかける必要はあったが、力の篭ったサトシの声はゼニガメの耳へと届いた。瞬時にゼニガメは甲羅の中へと体を引っ込め始めた。

 サトシと長年の付き合いであるカスミもサトシの強さやポケモン達のレベルの高さ。そして信頼度の高さは誰よりも知っている。混乱させただけで安心しきっていなかったカスミはすぐにニョロトノを構えさせた。高速回転させた甲羅の四方向から激しい水流が巻き上げられた。だが、声は届くも狙いが定まらないゼニガメの技はニョロトノとは外れた方へと向かってしまった。

 

カスミ「闇雲にやっても意味ないわよ!」

 

サトシ「狙いはニョロトノじゃないぜ!」

 

 サトシの狙いは別にあった。外れた【ハイドロポンプ】は天高く巻き上げられると、そのまま滝のようにゼニガメへと浴びせられた。水を被ったゼニガメは濡れた顔を拭うと鋭い眼でニョロトノへと向けた。混乱状態から見事抜け出させる事ができたのはその目を見れば分かっていた。

 

マーマネ「混乱が解けた!」

 

マオ「まさか自分に【ハイドロポンプ】を浴びさせて目を覚まさせたっていうの⁉︎」

 

カキ「無茶苦茶な事を考えるな。こう上手く行くもんでもないだろ!」

 

 と言いつつもカキ達も彼なら自分たちも驚かせる戦術をやってくれるだろうとは期待していた。強さやレベルに信頼度。何よりもサトシと対戦して怖いのは常人には考えられない土壇場での発想力だ。

 

カスミ「ニョロトノ!【とびはねる】よ‼︎」

 

サトシ「ゼニガメ!【ロケットずつき】だ‼︎」

 

 高くジャンプしたニョロトノはそのままゼニガメに向けて急降下しだした。そんなニョロトノに向かってゼニガメも力一杯エネルギーを頭部へと貯め始めると、そのままロケットのように相手目掛けて突っ込んで行った。

 両者の技が激突する。落下の加速分のパワーが加わっているニョロトノが有利だと思えるが、一つの誤算がこの勝敗を左右させた。それはゼニガメの攻撃力が上がっているという事だ。

 

カスミ「あっ!ニョロトノ!!!」

 

 【いばる】の追加効果により攻撃力が上がった【ロケットずつき】はそのままニョロトノの【とびはねる】を押しのけながら吹き飛ばした。強烈な一撃に叩きつけられたニョロトノはその場でダウンしてしまった。

 

審判「ニョロトノ戦闘不能!ゼニガメの勝ち!」

 

カスミ「やるわねサトシ!」

 

サトシ「まぁな!さぁ次来いカスミ!」

 

 次のポケモンを出そうとカスミがモンスターボールを投げようとした瞬間、突如プールの中から大きなメカが現れた。

 

カスミ「何なの!!!」

 

 メカの登場に驚くも頭部のコックピットが開くと、その中からまたしてもいつもの二人が姿を現した。

 

ヤマト「なんだかんだと聞かれたら」

 

コサブロウ「答えないのが普通だが」

 

二人「「まぁ!特別に答えてやろう」」

 

ヤマト「地球の破壊を防ぐため」

 

コサブロウ「地球の平和を守るため」

 

ヤマト「愛と切実な悪を貫く」

 

コサブロウ「キュートでお茶目な敵役」

 

ヤマト「ヤマト!」

 

コサブロウ「コサブロウ!」

 

ヤマト「宇宙を駆けるロケット団の二人には」

 

コサブロウ「ショッキングピンク桃色の明日が待ってるぜ」

 

ツボツボ「ボッツ‼︎」

 

 またしても現れた二人組。だが、サトシとカスミにとっては久々の登場を前に驚いていた。

 

サトシ・カスミ「ヤマト!!!コサンジ!!!」

 

コサブロウ「違う!だからコサブロウだって行ってるだろ!!!」

 

カスミ「どうでもいい奴の名前なんて覚えることはないわ!」

 

コサブロウ「…そんなはっきり言わなくても…」

 

ヤマト「もう構うことはないわ!さっさと出場トレーナーのポケモンたちを根こそぎ頂くわよ!」

 

 カスミの一言に胸が突き刺さり落ち込むコサブロウを宥めるようにヤマトはコサブロウの声をかけた。立ち直らせたコサブロウを引っ張ってヤマトと一緒にメカの中へと戻っていった。

 

サトシ「させるか!ピカチュウ!【10万ボルト】‼︎ゼニガメ!【みずてっぽう】だ‼︎」

 

カスミ「出てきてサニーゴ!【トゲキャノン】よ‼︎」

 

 ロケット団の目的が分かったサトシとカスミは一斉に攻撃を仕掛けた。突然のロケット団の登場に慌てて避難していく人達を避けながら観戦席にいたリーリエ達も急いでバトルフィールドの近くまで走って行った。

 

カキ「俺たちも行くぞ!バクガメス!【かえんほうしゃ】‼︎ガラガラ!【ほねブーメラン】だ‼︎」

 

マオ「アママイコ!【マジカルリーフ】‼︎」

 

 カキとマオ達の攻撃も加わるが、メカはとても頑丈に作られており、すべての攻撃を跳ね返してしまう。

 

スイレン「ダメ!効いてない!」

 

マーマネ「あのボディ固すぎる!」

 

コサブロウ「当たり前だ!この日のために有り金を全て使って作ったんだからな!」

 

ヤマト「今日という今日は失敗するわけにはいかないわ!全てはサカキ様のために!」

 

 メカの中から現れた複数のマジックハンドがリーリエ達のポケモン達に目掛けて飛んできた。

 

シロン「コーン!!!」

 

ゼニガメ「ゼニッ!!!」

 

リーリエ「シロン!!!ゼニガメ!!!」

 

 捕まったシロンとゼニガメはメカに内蔵されたカプセルの中へと閉じ込められてしまった。二体を助けようと前に出たリーリエであったが、暴れまわるメカの振動によって起きた波に足場が揺らされてしまい、そのままプールの中へと足を踏み外してしまった。

 

リーリエ「きゃぁぁぁ!!!」

 

マオ「リーリエ!!!」

 

コイキング「ココッ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーリエ「………」

 

 

水の中へと放り出されたリーリエはなんとか這い上がろうと必死にもがくも、嵐のように荒ぶる波の勢いに逆らえずどんどん呑み込まれてしまっていた。沖に上がろうと手を伸ばすリーリエの手の先に一体の黒い影が見えた。視界がぼやけているが薄っすらと見える赤いボディーに誰かはすぐに分かった。

 

コイキング「ココッ‼︎」

 

 リーリエを見つけたコイキングは必死に尾びれを掻き回しながら一刻も早くリーリエの元へと辿り着いた。急いでリーリエを抱えて戻ろうとするが、底へと引きずり込もうとする波が容赦無く襲いかかる。時間がない。空気の泡が漏れないように口を抑え込むリーリエの顔はみるみる青くなっていく。苦しそうにしているリーリエにコイキングは必死に泳ぎ続ける。だが…

 

リーリエ(ゴボッッ!!!)

 

コイキング「ココッ‼︎」

 

 身体を波に大きく揺さぶられてしまった事でその反動で全ての息を吐き出してしまった。そのまま気を失っていくリーリエにコイキングの焦らせる。そんなリーリエとコイキングを嘲笑うかのようにして波はどんどん光が届かぬ底へと引きずり込もうと襲いかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カスミ「早くしないとリーリエが!」

 

サトシ「ゲッコウガ!頼っ…」

 

 リーリエを助けるべくサトシは一つのモンスターボールを投げようとしたその時…

 

!!!!!!!!ギャァアアアアアア!!!!!!

 

 水の中から神経を震えさせるほどの大きな鳴き声が会場内に響き渡った。何事だと辺りを見渡すと青白く光る水の中から一体のポケモンが姿を現した。

 

ロトム『ギャ…ギャラドスロト!!!』

 

 サトシたちの目の前に現れたのは凶悪ポケモンのギャラドスであった。しかし、そのギャラドスはカスミのポケモンではなかった。みんなが釘付けに見つめるその先には、ギャラドスの青く長い三叉の角に跨っているリーリエの姿があった。

 

リーリエ「こ…ここ…は?」

 

 気がついたリーリエは今の自分の状況を確認しようと辺りを見渡し始めた。リーリエが目を覚ました事に気付いたギャラドスはその凶悪なイメージとかけ離れたような笑顔をリーリエへと向けた。

 

リーリエ「ギャラドス…もしかして!」

 

 何処か漂う雰囲気が自然とリーリエに教えてあげていた。確信付いたリーリエはギャラドスに指示を出す。

 

リーリエ「ギャラドス!シロンとゼニガメを助けて下さい!」

 

ギャラドス「ギャア‼︎」

 

 リーリエの指示を聞いたギャラドスはロケット団の方へと向かっていく。その様子を見たマオ達も突然現れたギャラドスの正体がわかってきた。

 

マオ「まさか!!!」

 

スイレン「コイキング。進化したの!」

 

 リーリエを助けたいという一心で新たな姿を手にしたコイキング…いやギャラドスは力一杯ロケット団のメカに向かって体当たりを仕掛けた。

 

ヤマト・コサブロウ「「うわぁぁぁ!!!」」

 

 物凄いパワーに押されたメカは蹌踉めき出したその隙にシロン達が捕らわれていたカプセルをギャラドスは鋭い歯で噛み砕くと、粉々に砕けた中からシロン達はリーリエの元へと帰ってきた。

 

リーリエ「シロン!ゼニガメ!良かったです!」

 

シロン「コーン‼︎」

 

ゼニガメ「ゼニッ‼︎」

 

 シロン達の無事を確認したギャラドスは怒りを露わに鋭い目つきでロケット団を睨みつけた。自分の主人と仲間を傷つけたのであれば許すわけがない。

 

ヤマト「ねぇ…これって」

 

コサブロウ「非常にまずい状況だよな…」

 

 ギャラドスの凶悪なオーラに身震いするロケット団にギャラドスは強烈な雄叫びを上げ始めた。

 

リーリエ「ギャラドス!【りゅうのいかり】‼︎」

 

ギャラドス「!!!!!!ギャァアアアアアア!!!!!!」

 

 そのままギャラドスは青白い炎を吐き出すと、あっという間にメカは包み込まれてしまった。そのままメカはその熱に耐えきれず、オーバーヒートを起こすと、そのまま大爆発を起こした。

 

ヤマト「よりによって進化するなんて!!!」

 

コサブロウ「ずるいぞ!!!」

 

ヤマト・コサブロ「やな気持ちぃぃ!!!」

 

 そのままロケット団はいつも通り空高くへと吹き飛ばされました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

 

 ロケット団の乱入もあって、慌ただしくなったうずまきカップも無事に閉会式を始めることができた。優勝商品の《しんぴのしずく》を手にサトシは満面の笑みを浮かべていた。

 

マオ「サトシ!優勝おめでとう!」

 

サトシ「まぁね!」

 

カスミ「もうゲッコウガが強すぎよね。ねぇ貴方!うちのジムに来ない?」

 

ゲッコウガ「コォウガ…」

 

サトシ「ダメに決まってるだろ!」

 

カスミ「もう冗談よ!」

 

 サトシの慌てぶりを見てみんなは思わず笑い出してしまった。

 

リーリエ「サトシ優勝おめでとう!」

 

サトシ「サンキュー!リーリエもギャラドスへの進化おめでとう!」

 

リーリエ「ありがとうございます!」

 

ギャラドス「ギャア♪」

 

 優勝はできなかったとしても、強くなりたいというギャラドスの背中を押すことが出来てリーリエも優勝したぐらいの嬉しさを表現した。そんなリーリエの背中を押し出してちょっかいを出すギャラドスと目を合わせた。

 

リーリエ「これからも宜しくね。ギャラドス」

 

ギャラドス「ギャア‼︎」

 

 それにギャラドスは水平線の彼方まで聞こえるような声を上げて返事を返した。

 見事コイキングからギャラドスへと進化を遂げさせる事ができたリーリエ。そんな二人の冒険もこれからも続いていく。




 おまたせ、今回の答えは

 B サトシだ!

最後のゲッコウガ対カスミのギャラドスの戦いは迫力があって刺激のあるバトルだったな!次回もお楽しみに!







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