ポケットモンスター let's goリーリエ!   作:アニポケ大好き主

37 / 53
 お久しぶりです。
先程までポケットモンスターみんなの物語を視聴していました。
さて、ミュウツーの逆襲の公開日も明日といい、アニメの方ではいよいよアローラポケモンリーグ編がスタートしました。
ちなみに自分のトーナメント1回戦勝者予想はサトシ・グズマ・ハウ・マオと考えています。(マオVSスイレンはスイレンと予想される方が多いみたいなのですが、マオの初のZ技お披露目回でもあると思いますので、ここはマオの勝利と予想させて頂きました)
 それではお楽しみください!



第三十五話 行方不明の研究員

 

 

 

 

 

 

 タマムシ。虹色。夢の色。虹色の大きな街

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タマムシティのポケモンセンターに着くとジョーイから至急にハンサムから連絡があると伝えられたサトシは一人、テレビ電話へと向かった。

 

ハンサム『ドリュウズの件はご苦労だったね。サトシ君』

 

サトシ「いえ、アイラとユーゴさん。それからリーリエ達の助けもあってこそです!」

 

ピカチュウ「ピカチュウ‼︎」

 

サトシ「それとハンサムさん。急にどうしたんですか?」

 

 サトシの疑問に答える前に悩むように眉間にシワを寄せるハンサムは一つ咳払いをし、話す姿勢を整えた。

 

ハンサム『うむ…実はオーレ地方から一人の研究員がカントー地方に来日される予定だったんだが、カントー行きの船に乗船する連絡を貰ったのを最後に連絡が途絶えてしまったんだ』

 

サトシ「それって行方不明って事じゃ…」

 

ハンサム『うむ。もしかしたらシャドーと接触した可能性が高い。あいつらも下手に嗅ぎ回されたくはないからな』

 

 そう言いつつハンサムは何かを探るかのように胸ポケットに手を入れると、一枚の写真を取り出した。そこに写されていたのは白衣を着た男性だった。

 

ハンサム『クレイン所長。何を隠そうスナッチマシンやダークポケモンをリライブさせるリライブホールの開発者だ。もし足取りが見つかった際にはすぐに知らせてくれ』

 

サトシ「分かりました。ハンサムさんも気をつけて下さい」

 

 ハンサムとの連絡を終えたサトシは伝えられた情報を整理し、リーリエ達の元へと戻って行った。

 一方リーリエ達はポケモンセンター内に設備されているバトルフィールドへと集まっていた。サトシがみんなと合流してみると、リーリエは偶然にもクチバシティ以来に再開したソウタとポケモンバトルを始めようとしていた。

 

カキ「それじゃあ始め!!!」

 

 

 

 ➖リーリエVSソウタ➖

 

 審判を任せられたカキのコールと同時にリーリエとソウタはほぼ同時に一体目のポケモンをバトルフィールドへと放った。

 

リーリエ「お願いします。ゼニガメ!」

 

ゼニガメ「ゼニッ‼︎」

 

ソウタ「一丁かましてやろぜ。ピジョン!」

 

ピジョン「ピジョ‼︎」

 

 リーリエの一体目はクチバシティで新たに仲間になったゼニガメ。ゲットばかりしたポケモンだが、うずまきカップなど手持ちではない時からリーリエとは息の合うバトルを展開していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ピジョン とりポケモン

 ノーマル・飛行タイプ

ポッポの進化系。広い縄張りを持っており、侵入する邪魔者は徹底的に突かれてしまう。とても視力が良くどんなに高い場所からでも獲物の動く姿を見分ける事が出来る』

 

 

 

 

 ソウタの一体目に繰り出したピジョンは、リーリエが最初にゲットしようとしていたポッポの進化した姿である。ロトムの解説通りピジョンは空高く舞い上がると、その鋭い目で監視するかのようにゼニガメの周りを飛んでいる。ピジョンの目つきに緊張感がジワジワと身体中を駆け巡ってくるゼニガメであったが、リーリエとアイコンタクトを交わし、気持ちを少しずつ落ち着かせた。

 準備が出きた所でまずはソウタから指示でバトルが始まった。

 

 

ソウタ「【たいあたり】だ‼︎」

 

ピジョン「ジョ‼︎」

 

リーリエ「躱して【みずてっぽう】‼︎」

 

 翼を折り畳んだピジョンは低空姿勢のままゼニガメに向かって急降下を仕掛けた。ギリギリの所でピジョンの攻撃をゼニガメは左に転がるようにして躱した。

 

ゼニガメ「ゼニュゥゥ‼︎」

 

ソウタ「【かぜおこし】で打ち消せ‼︎」

 

ピジョン「ピジョ‼︎」

 

 攻撃が外れ距離を取るために再び上昇し始めたピジョンに向かってゼニガメは水鉄砲を放った。

 一直線に空を切るような早さに躱すのは遅いと判断したソウタは攻撃を技をぶつけて相殺させる事を考えた。ピジョンは両翼を大きく拍手をするかのように羽ばたかせると、大きな風を巻き起こした。強烈な風は水鉄砲を打ち消すどころか、そのままゼニガメに襲いかかった。

 風によって巻き上がった砂埃が攻撃と同時にゼニガメの視界を奪った。目に入らないように顔を下に埋めたゼニガメであったが、その様子を捕らえていたピジョンはそのまま急接近した。一瞬の隙をついたピジョンはゼニガメとの距離を見事に縮める事に成功した。

 

ソウタ「【つばさでうつ】だ‼︎」

 

 もう一度、翼を大きく広げたピジョンはそのままゼニガメへと振り落とした。しかし咄嗟の攻撃であったにも関わらず、ゼニガメは消防団での訓練で身につけたその場での状況の判断力のおかげでリーリエの指示が無くとも、自らの意思でピジョンの攻撃を躱す事に成功した。

 しかし、ただではおかなかったピジョンはもう片方の翼も使って、連続で【つばさでうつ】を攻撃を仕掛けて行った。

 

リーリエ「頑張ってください。ゼニガメ!」

 

シロン「コーン‼︎」

 

ソウタ「怯むなピジョン!攻め続けろ!」

 

クチート「クチィ‼︎」

 

 両者による攻一心不乱な攻防にリーリエとソウタは声援を送った。しかし、ピジョンの連続攻撃に足を取られたゼニガメはバランスを崩すと、ついにピジョンの攻撃がゼニガメの腹部に命中した。

 

ゼニガメ「ゼニィィィ!!!」

 

 後ろへと大きく吹き飛ばされたゼニガメは地面に引きずられるかのようにして倒れ込んでしまった。だが、戦闘不能とまで持って行けなかったピジョンは最後の力を振り絞るかのようにして大空へと舞い上がった。ゼニガメの攻撃が届かないぐらい高く飛んだピジョンはそのまま翼を大きく広げて停止させると、ゼニガメに狙いを定め始めた。

 

ソウタ「今だ!【そらをとぶ】で決めろ‼︎」

 

 風のエネルギーを纏った身体でピジョンは一気に急降下した。

 

ソウタ「貰ったぜ!」

 

 渾身に込めた力でピジョンはゼニガメへと向かっていく。その迫力を前に焦りを感じるゼニガメにリーリエは指示を放つ。

 

リーリエ「ゼニガメ!【しろいきり】です‼︎」

 

ゼニガメ「ゼニィ‼︎」

 

 甲羅に篭って横回転し始めたゼニガメはそのまま自分の身体を白い霧で包み込ませ始めた。バトルフィールド一面に広がる霧のせいでゼニガメの姿を見失ったピジョンは体勢を崩してしまった。

 

ソウタ「何ぃぃ!!!」

 

 もう一度立て直そうと空へと舞い上がったピジョンであったが、白い霧の中からピジョンの背後へと何かが飛び出した。

 

リーリエ「今です!【アクアジェット】‼︎」

 

ゼニガメ「ガァメェ‼︎」

 

 互いの姿が朧に写るほど充満された白い霧の中でも消防団で培った目ははっきりとその姿を捕らえていた。

 

ピジョン「ピジョョ!!!」

 

 ゼニガメの攻撃はピジョンの腹部を捕らえ急所に当たった。そのまま押し出すようにして地面へと叩きつけると、水しぶきが飛び散る中、目を回すピジョンの姿がそこにあった。

 

カキ「ピジョン戦闘不能!!!」

 

リーリエ「その調子です!ゼニガメ!」

 

ゼニガメ「ゼニィ‼︎」

 

 まずは一勝を得たリーリエとゼニガメは互いにガッポーズを交わした。

 

ソウタ「まだまだ!勝負はこれからだ!」

 

 ピジョンを戻したソウタは二体目のポケモンを取り出した。

 

ソウタ「出てこい!アーボック!!!」

 

アーボック「シャーボック‼︎」

 

 ソウタの二体目は育て屋でリーリエ達を襲撃したアーボの進化系。コブラポケモンのアーボックだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アーボック コブラポケモン

 毒タイプ

アーボの進化系。恐ろしげなお腹の模様で相手を威嚇する。模様の種類は研究結果で6種類のパターンが確認されている』

 

 

 

 

 試合開始されると、アーボックはその巨体に似合わないスピードでゼニガメへと急接近した。咄嗟の事に驚くゼニガメは身構えようとするも、図鑑明記に合ったようにアーボックはお腹に描かれる模様を大きく身体を使って威嚇すると、その恐ろしさに思わず固まってしまった。

 

ソウタ「アーボック!【ポイズンテール】だ‼︎」

 

アーボック「シャァァ‼︎」

 

ゼニガメ「ゼニィィ!!!!!」

 

 毒状に帯びた尾で動けないゼニガメに向かって思いっきり叩きつけた。吹き飛ばされるも何とか堪えたゼニガメはアーボックを睨みつけた。

 

リーリエ「ゼニガメ!【アクアジェット】‼︎」

 

 お返しにアーボックの方へと飛び込んだゼニガメであったが、その様子をアーボックはチョロリと舌を出しながらそのまま身構え始めた。

 

ソウタ「そこだ!【どろばくだん】‼︎」

 

 十分に引きつけた所でアーボックは泥の玉をゼニガメへと発砲した。顔に泥がへばりついたゼニガメは命中率を失いそのままアーボックよりも左に逸れた所で地面へと叩きつけられてしまった。

 

リーリエ「ゼニガメ!!!」

 

ソウタ「トドメの【ポイズンテール】だ‼︎」

 

 不地着したゼニガメに容赦なくアーボックの攻撃が襲いかかった。すぐにリーリエの指示が耳に入るも、泥で視界を奪われてしまったゼニガメは冷静さを取り戻すと事が出来ず、そのままアーボックの攻撃が決まった。

 

アーボック「シャァァ‼︎」

 

ゼニガメ「ゼニィィ!!!」

 

 上空へと吹き飛ばされたゼニガメは毒のダメージも加わってしまい、そのまま地面へと思いっきり叩きつけられてしまった。

 

カキ「ゼニガメ戦闘不能!」

 

ソウタ「やったぜ!アーボック!」

 

アーボック「シャァ‼︎」

 

 勝ち星を取り返したソウタはアーボックと共にその場で喜んだ。

 

リーリエ「ゼニガメ。ゆっくり休んで下さい」

 

 ゼニガメを戻したリーリエはアーボックとの体格差に渡り合えそうなポケモンをチョイスすると、そのポケモンが入ったモンスターボールを取り出した。

 

リーリエ「反撃です!ギャラドス!!!」

 

ギャラドス「ギャラ‼︎」

 

 飛び出したギャラドスもアーボックと同じように鋭い牙で威嚇し始めた。そんなギャラドスに負けじとアーボックも口から漏らす空気の音も加えて再びお腹の模様を広げて威嚇し返した。

 

リーリエ「ギャラドス!【たいあたり】‼︎」

 

ソウタ「アーボック!【かみつく】‼︎」

 

 それぞれの指示に両者とも真っ向からぶつかり合った。

 

リーリエ「今度は【アクアテール】です‼︎」

 

ソウタ「だったら【ポイズンテール】だ‼︎」

 

 さらに自分たちの巨体を生かした尾を振り回すと、再び両者の攻撃がぶつかり合った。水と毒のエネルギーが激しく交差し、そのまま連続攻撃による猛攻が始まった。

 

リーリエ「その調子です。ギャラドス!」

 

ソウタ「負けるな。アーボック!」

 

 一歩も引かない二体は疲れが出始めてもその尾を止めようとはしなかった。技を跳ね返したりしながら動きが鈍った隙を狙っては完璧に胴体へと攻撃を決めている。ダメージと疲れがどんどん重なり、体力と集中力が思った以上の早さで消費していく。

 

リーリエ「【りゅうのいかり】‼︎」

 

ソウタ「【ヘドロばくだん】‼︎」

 

 猛攻を続けてきた二体は一歩下がると、次なる攻撃エネルギーを蓄え始めた。ほぼ同時に口から放射された青白い炎と毒々しいヘドロがぶつかり合うとそのまま爆発した。

 

リーリエ・ソウタ「「あっ!!!」」

 

 爆発の反動で吹き飛ばされた二体はそのまま目を回していた。

 

カキ「ギャラドスとアーボック!共に戦闘不能!」

 

ソウタ「戻れ。アーボック!」

 

リーリエ「ありがとうございます。ギャラドス!」

 

 相打ちにより残りポケモンは互いに二体。ソウタよりも先にモンスターボールを持ったリーリエは最後のポケモンを繰り出した。

 

リーリエ「キモリ!最後は貴方です!」

 

キモリ「キャモ‼︎」

 

 空中に一回転し華麗に着地を決めたキモリはそのまま拳を前に出して戦闘体勢に入った。そのキモリの姿にさらに熱を燃やしたソウタはありったけの大声でモンスターボールを放り投げた。

 

ソウタ「俺はカメックスだ!」

 

カメックス「ガァメ‼︎」

 

 ソウタが最後に繰り出したのはなんと甲羅に設置された二本の大砲が特徴的な大型のポケモン。カメックスであった。

 

スイレン「カメックス!カッコいい!!!」

 

ロトム『あの時のカメールが進化したロト!』

 

 カントーの中でも最大の水系ポケモンを目にしてテーションが上がるスイレン。それに釣られるように身を乗り出したロトムは撮影を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『カメックス こうらポケモン

 水タイプ

ゼニガメの最終進化系。甲羅の大砲から発射されるジェット水流は戦車並みの威力。その命中率は50メートル先の空き缶に当てるぐらいの正確さ。ピンチの時は甲羅に篭って身を守る』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マオ「だけど草タイプのキモリを相手に水タイプのカメックスって。大丈夫なの⁉︎」

 

ソウタ「俺のカメックスは最強のカメックスなんだ!相性なんて俺たちの前では関係ないのさ!」

 

カメックス「ガァメェ‼︎」

 

 最後はまさに攻撃と防御にも優れている非の打ち所がない相手だ。体格差も何倍もあるが、キモリのやる気に満ちた目を見ると不安は無かった。相性とキモリの武器であるスピードを生かした戦術で勝ちを取りに行く。

 

リーリエ「キモリ!【ギガドレイン】です‼︎」

 

キモリ「キャモ‼︎」

 

ソウタ「カメックス!【ハイドロポンプ】で迎え撃て‼︎」

 

カメックス「ガァメェ‼︎」

 

 キモリとカメックスは同時に攻撃を放った。だが最終進化系の攻撃力を前に歯が立たず、カメックスの攻撃はそのままキモリの技を打ち消すと、勢いが衰える事なくキモリの方へと激しい水流が襲いかかってきた。

 その技をキモリは咄嗟の判断で躱す事に成功したが、その水流は地面に直撃すると激しい水しぶきと一緒に爆風によってキモリは吹き飛ばされてしまった。直撃した部分は大きく風化していた。カメックスの驚異的な力を見せられた瞬間であった。

 

ソウタ「次は【みずのはどう】だ‼︎」

 

リーリエ「躱してください!」

 

 今度は微振動が加えられた水の玉が発射された。その攻撃に瞬時に気づいたリーリエの指示のおかげでキモリは高くジャンプをして躱す事が出来た。

 

リーリエ「【はたく】です‼︎」

 

ソウタ「【ロケットずつき】だ‼︎」

 

 尾を大きく振り回し始めたキモリはカメックスの頭部目掛けて攻撃を仕掛けた。そんなキモリに向かってカメックスも真っ向勝負をけしかけた。甲羅に潜って頭頂部にパワーを溜めると、ジェット噴射を利用してキモリに向かって突っ込んで行った。

 

キモリ「キャモ!!!」

 

 カメックスの猛烈な突進にキモリは受け止められずに吹き飛ばされてしまった。

 

リーリエ「【あなをほる】です‼︎」

 

 地面に叩きつけられる前にリーリエはキモリに指示を出す。かろうじてリーリエの声が届いたキモリは空中でありながらも何とか体勢を立て直すと地面の中へと身を隠した。

 

ソウタ「気をつけろよカメックス!」

 

カメックス「ガァメェ‼︎」

 

 カメックスは地面に潜ったキモリを注意深く観察し始めた。一転して静まり返ったバトルフィールドに二人の緊張が走る。互いの出方を見るかのようにトレーナー同士の駆け引きが始まる。

 

リーリエ「今です!」

 

 リーリエの指示にソウタとカメックスは大きく構えた。その瞬間にキモリはカメックスの背後から飛び出してきた。背を向いているカメックスに一撃を加えようと、再び尾を大きく回し始めたのであったが、それと一緒にカメックスはすぐに背後にいるキモリの方へと身体を向けた。

 

リーリエ「えっ⁉︎」

 

 カメックスの思いもよらない行動に目を丸くしたリーリエにソウタは得意げに鼻の上を掻き始めた。

 

ソウタ「リーリエは注意深い性格してるからな!堂々と真っ正面から来るとは思ってなかったぜ!」

 

 ソウタとカメックスはキモリの行動パターンとリーリエの考えている事をしっかりと把握していた。

 行動が読まれたリーリエはすぐにキモリを自分の元へと戻そうとするも遅かった。

 

ソウタ「カメックス!【ふぶき】だ‼︎」

 

カメックス「ガァメェ‼︎」

 

キモリ「キャァモモ!!!」

 

リーリエ「あっ!!!」

 

 猛烈な吹雪によってキモリはそのまま天高く吹き飛ばされてしまった。極寒の息吹に包まれたキモリはそのまま地面へと不地着した。

 

キモリ「キャ…モ」

 

 目を回しているキモリを見てカキは勝敗コールを言い渡した。

 

カキ「キモリ戦闘不能!カメックスの勝ち!よって勝者はソウタ!」

 

ソウタ「よっしゃぁぁ!!!」

 

クチート「クチィ‼︎」

 

カメックス「ガァメェ‼︎」

 

 すぐにリーリエは戦闘不能になったキモリの元へと駆け出した。下唇噛み締めながら悔しそうにしているキモリの頭に優しく手を置いた。

 

リーリエ「良く頑張りましたね。キモリ」

 

シロン「コーン‼︎」

 

キモリ「キャモ…」

 

 キモリはリーリエの顔を見てゆっくりと頷くとそのまま眠ってしまった。バトルの疲れが溜まったキモリをリーリエはモンスターボールの中へと戻した。

 ポケモンセンターへ戻ると一同は手持ちのポケモン達をジョーイさんに預けては昼食バイキングへと向かった。いつの間にかコロッケの大食い大会のように頬袋を膨らませながら食べているソウタにロトムは口を開いた。

 

ロトム『勝てたから良かったもののソウタは攻撃技ばっかで力任せに突っ走り過ぎロト。ゼニガメの【しろいきり】のような補助技を上手く使いこなして行かないとこの先厳しくなるロト‼︎』

 

 今回の二人のバトルからロトムは自分なりの分析があった。【しろいきり】のような補助技を使って場を撹乱させたり、【あなをほる】で身を隠させては勝利への活路を考えて戦うリーリエに対し、ソウタは攻撃技で攻めに迫た戦い方をしていた。この世界にはアイラやユーゴのような強敵トレーナーが立ち塞がっている。ロトムはソウタのその戦い方に今後のバトルで通用していくのには難しいと思っていた。

 

ソウタ「わかってないなロトム。ポケモン達のレベルだけでなく、ポケモン達との強い信頼関係も築いている俺たちの前ではどんな厚い壁が立ち塞がろうとも押し切って切り開いていけるもんなんだよ。それに攻撃こそが最大の防御を生み出すんだ!ですよね。サトシさん!」

 

サトシ「おう!その通りだぜ!」

 

マーマネ「それ…無責任すぎない?サトシ」

 

 だが、自信家のソウタはそんな心配はないと言わんばかりに胸を張る。自分を尊敬してくれている事にいい気がしたサトシもソウタの言い分に賛同する。突っ走る性格が似ている所があるのかもしれないが…

 

カキ「だが、暫く振りなのにこの短期間で良くカメックスまで進化させたよな」

 

 ソウタとクチバシティで別れから一週間しか流れていない。そう思うとまだカメールだった頃が懐かしいと思わせるぐらいの成長速度だ。その成長速度には驚かさるばかりだ。

 ハナダシティで初めて会ったあの日も旅立った日はサトルとカノンと同日であるのにもソウタはすぐにゼニガメを進化させていた。力任せの性格であるが、ソウタにはポケモンへの愛情への注ぎ方や育て方は新人離れした力を持っているのかもしれない。

 

ソウタ「当たり前だ!俺たちは一分一秒無駄にしない主義だからな!これなら今度こそヤマブキジム攻略出来るかもな!」

 

リーリエ「ヤマブキジムのジムリーダーの方は戻られたのですか?」

 

ソウタ「おうよ!だけど…やっぱ強いわ」

 

 さらに自信満々に声を張るソウタからヤマブキジムにジムリーダーが戻った情報を知った。だが、そのソウタがまたもや敗北してしまった事にリーリエに不安が煽られた。自分よりも実力が高い相手を負かすさらに上にいるトレーナーの存在がリーリエの手に汗を握らせた。

 

サトシ「ナツメさんか。俺たちも結構苦戦させられたよな。ピカチュウ」

 

ピカチュウ「ピカチュウ‼︎」

 

 ふと声を漏らしたサトシにリーリエ達はそこでのジム戦の事を聞き始めた。

 

スイレン「サトシはどうやってヤマブキジムに勝ったの?」

 

サトシ「そ…それは…その…そりゃ勿論!気合いだよ!気合い!」

 

ピカチュウ「ピ…ピカピカ‼︎」

 

ソウタ「やっぱ凄げぇぜ!サトシさんは!俺たちも気合いを入れ直してまた挑戦するぞ!クチート!カメックス!」

 

クチート「クチィ‼︎」

 

カメックス「ガァメェ‼︎」

 

 スイレンの質問に対して言葉を濁すサトシに疑問は持つが、様子からサトシもかなり苦戦させられた相手である事は何となくわかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 昼食を済ませたリーリエ達は手持ちのポケモン達をジョーイさんに預けると、観光に出かけた。

 

ソウタ「何だよ〜すぐに挑戦しに行かないのかよ」

 

リーリエ「今朝に到着したばかりですからね。今日はゆっくり休んで明日挑戦しに行こうと思っていたのです!」

 

マオ「それにしても大きな街だよね」

 

マーマネ「ここだったら旅に必要な物。全部揃っちゃうよね」

 

サトシ「よし!今日はみんなでどっか遊びに行こうぜ!」

 

「「「!!!賛成!!!」」」

 

 カントー最大の大都市とだけあって何処もかしこもお祭り並みの賑わいだった。ある程度の色々な娯楽施設を見て回っていると、サトシとマーマネは飲食店で大食い対決。カキとソウタはバトル施設。日が暮れるまで別行動をとる事になった。

 そんな中、リーリエとマオは暫く辺りを歩いていると、ある建物に興味を持ったマオはリーリエを呼び止めた。

 

マオ「リーリエ!ここ入ってみようよ!」

 

 マオが指したのは光り輝くイルミネーションが建物全体を覆っている施設だった。

 

リーリエ「ゲームセンターですね!何だかとっても面白そうです」

 

 アローラではあまり見かけない施設であって、外見の派手さから不思議とわくわくして来たリーリエはマオと一緒にゲームセンターの中へと入って行った。

 ゲームセンターの中はスロットやカードなど色々なゲーム施設が並んでいた。さっそくゲームで使用するコインをそれぞれ10枚と課金したリーリエとマオはゲームを楽しんだ。 暫く遊んでいると、カードで次々と勝ち星を手にしていくリーリエのコインが10枚から一気に500枚と膨れ上がっていた。ポケモンバトルでの読み合いの経験が生かされたのか、着々とコインを増やしていくリーリエの元へ一人のディーラーが近づいて来た。

 

ディーラー「随分とコインを集めましたねお客様。どうです⁉︎景品交換のため換金致しましょうか?」

 

リーリエ「景品ですか?」

 

ディーラー「はい!トレーナーに必要な貴重な道具。さらには極めて珍しいポケモンなどもあります」

 

 気さくに話しかけてきたディーラーは腰に付いているモンスターボールを取り出すと、その中から一体のポケモンが飛び出してきた。

 

ディーラー「例えば9999枚と集められれば、このポリゴンというポケモンと交換する事が出来ます。野生での生息確認はあまりされておらず、非常に珍しいポケモンなのですよ」

 

 驚異のコインの枚数にリーリエとマオは目を丸くした。初めて実物を見たリーリエはポリゴンの方へと顔を覗かせると、ポリゴンから黒い靄が薄っすらと見えて来た。それを目にしたリーリエは思わず声を上げてしまった。

 

リーリエ「ダークポケモン!!!」

 

 驚いたリーリエは秘密他言であった事を思い出すと、口を両手を抑えるが、既に遅かった。ましてやさっきまで気さくに話しかけてきたディーラーはその名を口にしたリーリエを見ては急に顔を強張らせた。

 

店員「まさか…お前達。国際警察の人間か!」

 

 そう言うと、モンスターボールからドガースを繰り出したディーラーはドガースを使って建物内を煙で充満させ始めた。火事かと勘違いした他の人達は大慌てで店の外へと飛び出していく。人の波に紛れて一緒に出ようとしたリーリエとマオであったが、他のディーラー達によって身柄を拘束されてしまった。

 

リーリエ(ダークポケモンの事を知っているのだとしたら…)

 

マオ(この人たち…もしかしてシャドーとかいう連中なの⁉︎)

 

 嫌な予感を感じたリーリエとマオはそのままディーラーを装うシャドーに連行されてしまった。ロトムはサトシと一緒にいるため連絡が取れない。如何にかこの場を乗り切る手段を考えるもそんなに簡単に出てこない。

 一人のシャドーの戦闘員がカレンダーの裏側に隠されていた怪しげなスイッチを押すと、地響きと一緒に地下へ繋がる階段が出現した。なす術なく手錠をかけられたリーリエとマオはそのまま地下へと連れていかれてしまった。

 地下へと入ったリーリエとマオはそのまま奥の部屋へと押し込まれてしまった。

 

マオ「リーリエ大丈夫!」

 

リーリエ「わたくしは平気です!シロン達は?」

 

シロン「コーン‼︎」

 

アママイコ「アママイ‼︎」

 

 お互いの安否の確認をとったのだが、身体の自由を奪われたとなればどうする事も出来ない。脱出の案が出てこず焦るリーリエとマオに不安が募っていく。

 度重なるシャドーとの遭遇。それだけカントー地方にシャドーの魔の手が広まっている事を思い知る。

 

???「だ…誰だね。君たちは」

 

 すると、何処からか自分達に語りかける声がする方へと目を向けると、暗闇に慣れた目に一人の男性が映った。

 

???「こんな子供にまで…なんて酷いことを!」

 

 その男性もリーリエとマオに気づくと、悔しそうに唇を噛み締め始めた。

 

マオ「貴方は…誰なんですか⁉︎」

 

 恐怖で震えながら質問したマオに対して男性は怖がらせないように離れた位置で自分の名を言った。

 

クレイン「私はクレイン。オーレ地方でポケモンの研究をしている者だ」

 

 クレイン…ポケモンセンターでサトシが話した行方不明となった研究員と同じ名前であった。その名を聞いたリーリエとマオはお互いに見合わせた。

 

クレイン「君たちはなんで奴らに捕まったんだ?見た所、素行の悪い子には見えないと思うけど」

 

 その人物がクレインと確信したリーリエとマオはサトシが自分達に話した事を含めて別名し始めた。二人の話から事情を聞いたクレインも知っている事を話し始めた。

 ここタマムシシティのゲームセンターは裏を返せば、シャドーが作り上げた地下へと繋がるカントー地方の最初のダークポケモン研究所である真実をぶつけられた。そしてダークポケモンの心を解放させるリライブの第一研究員のクレインから逆に心を永遠に閉ざす研究を手伝わせられようとしていた事を話した。

 

クレイン「だから急がなければ…」

 

 一通りの事を話したクレインは自分がこのまま本部へと連れていかれてはならないと、その場で立ち上がり始めると、脱出の糸口を考え始めた。

 

マオ「そうですけど…手錠されたままでどうやって逃げたら…」

 

 両腕の自由を奪われた状態ではなす術が無いと肩を落とす三人であったが…

 

リーリエ「ん?」

 

 自分の両腕に何かしらの違和感を感じたリーリエは少し腕を動かすと、手錠が外れる音と一緒に両腕の自由が効くようになった。

 

リーリエ「て…手錠が…」

 

 自由になった両腕を見てはすぐにシロンの方へと目をやった。しかし当の本人であるシロンは自分ではないと首を横に振った。すると、リーリエと同じように自分の両腕にスライムのようなネットリした感触がしたマオは恐る恐る自分の両腕に目をやった。

 すると、そこに映っていたのは金属のメットのような物を被っている銀色のスライムのような体形をしたポケモン?であった。

 

マオ「何?この子達?」

 

クレイン博士「ポケモン…なのか?しかし、こんなポケモン今まで見た事ない」

 

 知識が豊富なリーリエも研究員のクレインにも分からないナットを被った謎のポケモンはよく見ると複数存在していた。スライム状の身体で今度はマオとクレインの手錠にへばり付くとその部分を食べ始めた。リーリエに続いて自由の身になったマオとクレインもすぐにその場を立ち上がった。

 

リーリエ「何か何だか分かりませんが、助けてくれてありがとうございます」

 

 怪我はないかお互いにチェックし終えると、リーリエはそのポケモン達にお礼を言おうとしたのだが…

 

リーリエ「いませんね…」

 

マオ「何だったんだろ…あの子達」

 

 とっくにその謎のポケモンはリーリエ達の前から姿を消していた。

 

クレイン所長「考えるのはここから出てからだ。さぁ、行こう!」

 

 謎のポケモンの助けもあってリーリエ達は出口に向かって走り出した。研究所内部は迷路のように枝分かれした道がいくつもあったが、ここへ連れて来られた時の記憶を辿って迷う事なくエレベーターに辿り着いた。

 しかし、辿り着いた直後、階段を降りてくる足跡が聞こえた。

 

シャドー「お前ら!一体どうやって外した!」

 

シャドー「ラブリナ様!この者達です!」

 

 降りてきたのはリーリエ達を連れ出したシャドーの戦闘員達。その中の一人の呼びかけに応じてシャドー戦闘員の中からピンク髪のポニーテールをした人物がゆっくりと姿を現した。そして、その人物は逃げ出すクレインを見つけると、少女のように無邪気に喋り始めた。

 

ラブリナ「何々⁉︎ちょっと〜!何処行こっていうのよ〜」

 

 そんなラブリナに対して額の汗を拭いながらクレインは口を開いた。

 

クレイン所長「何度も言わせるな!君達シャドーの協力には応じない!」

 

ラブリナ「もぉう!聞き分け悪いんだから〜♪ダークポケモンの何が気に入らないのよ〜あんな強くてカッコいいのに〜!博士見る目無さすぎ〜♪」

 

 気の無いギャル系口調の喋り方に下手に緊張感を持たずに済んだリーリエとマオはクレインを護るようにして前へ歩いて行った。

 

マオ「とにかく私たちはここから出て行かせて貰うからね!」

 

アママイコ「アーマイ‼︎」

 

ラブリナ「だ〜か〜ら!出て行くなんて聞いてないわよ〜!ってか、あんた達は誰?」

 

 そんな二人にラブリナは鋭い目つきで睨み返してきた。氷のように冷たい視線がリーリエ達の胸へと突き刺さる。そんな凍てつく二人を嘲笑うように微笑むラブリナはさらに話を続けた。

 

ラブリナ「とにかくあんたに出て行っては困るのよ!リライブ不可能な究極のダークポケモン“XD001”を作り上げるためにね!」

 

クレイン「ば…馬鹿を言うな!私がそんな事に手を貸す訳がないだろ!」

 

 シャドーが起こしたオーレでの事蹟はクレインは痛いほど知っている。そんな悲劇の犠牲となったポケモン達の緩和ケアを行いながらリライブの開発に謹んでいた矢先に行われようとしているダークポケモン実験の勧誘に対して強く非難した。

 そんなクレインを小馬鹿にするようにして苦笑し猛省しないシャドー戦闘員の様子にリーリエとマオにも憤りが募ってきた。

 

リーリエ「そんな恐ろしいことをなさるなんて言語道断です!」

 

マオ「あんた達!ポケモンを何だと思ってるの!」

 

 三人にからの叱責に耳が痛くなってきたラブリナは怠そうに天井へと目線を上げた。

 

ラブリナ「うるさいな…説教なんて聞きたくないのよね〜まぁ、クレイン所長同様。この計画を聞いたあんた達二人も…ここから出すわけには行かないんだよ…ね!」

 

 怠惰な様子から一気に戦闘体勢に切り替えたラブリナは二体のポケモンを繰り出した。

 

リーリエ「シロン!」

 

シロン「コン‼︎」

 

マオ「アママイコ!」

 

アママイコ「アーマイ‼︎」

 

 そしてそれと同時にシロンとアママイコも前へと出た。他の戦闘員も応戦しようとするもラブリナはモンスターボールを投げようとするその手を止めた。ラブリナの余裕そうな態度にリーリエとマオはおもわず身構えた。

 

クレイン所長「二人とも気をつけてくれ」

 

 他のシャドー戦闘員やミラーボの時とは明らかに違うオーラを纏うラブリナ。そんな彼女の実力が嵐のようにリーリエとマオに襲いかかろうとしていた。

 

 

  

 

クレイン所長「彼女は新生シャドーの幹部の一人だ!」

 

 一筋縄ではいかない初の幹部との対決が始まった。

 




 次回のラブリナ戦はなるべく早く投稿出来るように頑張ります。
そういえばアニポケの話なんですが、エスパー・フェアリー,ゴーストはまだZ技が披露されていませんでしたっけ?
だとすると、ザオボーがサトシ戦に向けて対策を練る必要があると言っていましたし、マツリカとアセロラも残っていると見ると、これはもしやここで残りのZ技が初披露されるのかもしれませんね。
 それでは!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。