ポケットモンスター let's goリーリエ!   作:アニポケ大好き主

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それではどうぞ!


第三十六話 幹部登場

 タマムシシティに到着したリーリエはマオと一緒にゲームセンターへと踏み入れた。だが、そこは静かにシャドーが建設していたカントー地方のダークポケモン研究所であった。そこで閉じ込められてしまったリーリエとマオが出会ったのはカントーへと来日される前に行方不明となっていたオーレ地方の研究員のクレイン所長であった。謎のポケモンの助けもあって脱出を試みるリーリエ達の前に現れたのはシャドー幹部の一人、ラブリナであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ラブリナは早々とモンスターボールからアゲハントとラブカスを場に出した。登場した二体は大きく鳴き始めると、氷のような冷たい視線をリーリエ達に向けた。可愛らしいポケモンから想像できない表情がリーリエ達の胸を突き刺した。

 対してリーリエは二体を相手にマオとタックを組んで挑む事になった。余りバトルの経験の無いマオに悪の組織の人間と戦わせる負担を掛けたくはなかったのだが、シロン以外のポケモン達はみんなポケモンセンターに預けたまま外へと出たので、今手持ちにはシロンしか残っていなかったのだ。そんなマオも心配するリーリエを気遣うように笑顔を向けた。恐怖心を紛らわそうとするその笑顔に胸が痛くなるものシロンだけで二体を相手にするのも厳しいのもまた事実である。お願いする他がなかった。

 そして、シロンとアママイコが前に出たと同時にバトルは始まった。相手の二体はその瞬間にラブリナの指示が無くともシロンとアママイコへと向かって勢い良く前進した。

 

ラブリナ「アゲハント!【いとをはく】‼︎ラブカス!【みずてっぽう】‼︎」

 

リーリエ・マオ「躱して!!!」

 

 アゲハントとラブカスの攻撃をシロンとアママイコは左右対称に躱した。お互いに反対方面へと移動したシロン達の立ち位置を追ったリーリエとマオはすぐに攻撃技を指示した。

 

リーリエ「シロン!【こごえるかぜ】‼︎」

 

マオ「アママイコ!【マジカルリーフ】‼︎」

 

 二体を挟み撃ちする様にして取り囲んだシロンの冷気とアママイコの葉の刃がラブリナの二体のポケモンに放たれた。しかし、左右からの攻撃が飛んでくる物の空を飛ぶ事が出来るアゲハントはラブカスを抱えると真上へと飛び上がった。襲いかかってくる両方からの攻撃を寸前の所で躱したのだ。

 攻撃を躱したアゲハントとラブカスはラブリナの合図でシロンとアママイコにそれぞれと対峙した。

 

リーリエ「わたくしはアゲハントをお相手します!」

 

マオ「ラブカスは私たちに任せて!」

 

 睨みつけてくる二体にシロンとアママイコも身構え始めた。そんなシロン達の様子を見てリーリエ達にも緊張が走り出した。しかし、その一方で二人を相手にしているラブリナは何処と無く楽しそうに胸を張っていた。余裕そうな表情と絶対的な自信。相手の実力を過信してしまったリーリエ達は蛇に睨まれた蛙のように動けなくなってしまいそうだった。

 

ラブリナ「【メロメロ】‼︎」

 

 反撃して来ないリーリエ達を見て、先にラブリナは二体に指示を出した。技を繰り出した二体は睨みつけるような表情から一変、愛くるしい表情で誘惑し始めた。

 

リーリエ(何で【メロメロ】を…)

 

マオ(確かこの技は同性には効かないよね)

 

 相手の意図が読めずリーリエとマオはただ立ち尽くすしかなかった。すると、たくさんのハート型のエネルギー波を量産していったアゲハントとラブカスは今度はそのエネルギー波を一箇所に集め始めた。収集されたハート型のエネルギー波はその場で大きく膨張し始めた。だんだんと大きくなるハートはアゲハントとラブカスの姿を遮る壁となって現れた。

 二体の姿を見失って焦り始めたシロンとアママイコには大きな隙が出来てしまった。

 

ラブリナ「【つばめがえし】‼︎【ハートスタンプ】‼︎」

 

 巨大なハートの壁の中から飛び出した二体はシロン達に向かって攻撃を仕掛けた。中央に位置する大きなハートの壁の所為で二体の行動ルートが見えなかった。

 

シロン「コーン!!!」

 

アママイコ「アーマイ!!!」

 

 二体の技を受けてしまったシロンとアママイコは後方へと吹き飛ばされる。だが、鋭い攻撃が刺さりながらも二体は根性で立ち上がった。【メロメロ】をあんな風に使ってくる戦略とポケモン達の技術にリーリエ達は固唾を飲んだ。

 

ラブリナ「アゲハント!【ぎんいろのかぜ】‼︎ラブカス【みずてっぽう】‼︎」

 

 容赦のない攻撃がシロン達に襲いかかる。

鱗粉を乗せた風とスピアーの様に刺す水流が放たれた。

 

リーリエ「シロン!【れいとうビーム】‼︎」

 

マオ「アママイコ!【マジカルリーフ】‼︎」

 

 相手の攻撃にシロンとアママイコも技で押し返し始めた。交じり合った双方の技はそのまま銀色の鱗粉を巻き上げながら相殺された。

 

ラブリナ「時間が無いわけだし一気に片付けるわよ。戻れアゲハント!」

 

 紙吹雪のように舞い上がる鱗粉の中でラブリナはアゲハントを戻した。

 

ラブリナ「出てきな!エネコロロ!!!」

 

 次にラブリナが繰り出したのはおすましポケモンのエネコロロだった。そのエネコロロの背後から漂う黒い靄を見たリーリエは静かにマオに知らせた。

 

リーリエ「マオ…ダークポケモンです」

 

マオ「わ…分かった」

 

 ダークポケモンと聞いたマオは慎重にアママイコにも注意を促した。マオの緊張で震えた声にアママイコも前にいるエネコロロに注意を払った。

 

ラブリナ「へぇ〜スカウターなしで本当に見えちゃうんだ〜。まぁ、そんな事はいいか♪」

 

 毛並みを逆だてるエネコロロは技を繰り出す体勢へと切り替えた。

 

ラブリナ「エネコロロ!【ダークウェーブ】‼︎」

 

 黒い火の玉のような攻撃を繰り出した。その技を咄嗟の判断で躱したシロンとアママイコはエネコロロとの距離を取った。

 

リーリエ「地面に【れいとうビーム】‼︎」

 

 真っ正面からの対抗を避けたリーリエはシロンに次の事を指示した。床に思いっきり冷凍光線は放射すると、エネコロロが立っている所が瞬くうちに氷の床へと変わった。

 滑る床に肉球を突き刺す冷感に覚束ない状態になっていた。エネコロロの行動を制御する事に成功したリーリエはZリングを飾した。

 

 

 

 

 

「天から静かに降り注ぐ雪」

 

「無数に煌めく氷の結晶」

 

「熱き我がソウルとともに」

 

「今再び 天へと昇れ!」

 

 

 

リーリエ「!!!レイジングジオフリーズ!!!

 

シロン「!!!コォォォン!!!」

 

 

 

 氷のZ技が物凄い威力とスピードでエネコロロへと放たれた。いくら素早さに自身が持つエネコロロでも氷の床の上では思うようには動けない。決まれば勝利。そう脳内に過ぎったのも束の間であった。

 

ラブリナ「エネコロロ!【まもる】‼︎」

 

  シロンのZ技を受ける直前にエネコロロは守りの壁を展開した。そのまま巨大な冷凍光線に呑み込まれると、大きな氷の華に包まれた。全ての技のダメージや効果を無効化にしてきた【まもる】であっても、強大なZ技を完全に防ぐ事が出来なかったみたいだ。しかし、それだけで十分であった。後に爆散した氷の中から出てきたエネコロロは戦闘不能を免れる事が出来た。

 

ラブリナ「【ダークラッシュ】‼︎」

 

 Z技を使った事でかなりの体力の消耗が出てしまったシロンにエネコロロは鋭い爪に黒いオーラーを纏わせると、そのままシロンに襲いかかった。シロンを護るべく前に出たアママイコ諸共、激しい衝撃波と一緒に辺りを吹き飛ばした。

 

リーリエ・マオ「きゃあぁぁぁ!!!」

 

 リーリエとマオはあまりの衝撃波によって後ろへと吹き飛ばされてしまった。倒れ込んだ体を何とかして起こすと、急いでシロン達の方へと目を向けた。

 

シロン「コォ…ン」

 

リーリエ「シロン!」

 

 煙が晴れたその先には、エネコロロの前足によって体を地面へと押さえ込まれてしまっているシロンがいた。何とか足を払いのけようとするも、力が足りずに抜け出す事ができない。

 

ラブリナ「ラブカス!【いやしのはどう】‼︎」

 

 さらに追い討ちをかけるように、ラブカスの力によってエネコロロの体力は回復されてしまった。

 

ラブリナ「エネコロロ。留めを刺してあげて」

 

リーリエ「シロン!!!」

 

 絶望的な状況の中、リーリエの叫びと一緒にアママイコはシロンの方へと走り出した。アママイコの決死の行動にマオも立ち上がる。

 

マオ「アママイコ!【おうふくビンタ】‼︎」

 

 シロンを押さえている足に向かってアママイコは攻撃を仕掛ける。

 

ラブリナ「【ダークウェーブ】‼︎」

 

 しかし、エネコロロはそのまま黒い火の玉でアママイコを吹き飛ばした。立ち上がるもアママイコも体力の限界に近づいてきている。

 

マオ「アママイコ…」

 

シロンも動けず傷つくアママイコを見てマオはどうしたらいいのか分からなくなってしまった。混乱すればするほど、悪い方向へと頭が働いていく。徐々にマオの体力も削られていた。

 

ラブリナ「楽にしてあげて【ハートスタンプ】‼︎」

 

ラブカス「ラッブッ‼︎」

 

 アママイコの頭上へと跳んだラブカスは落下の速度を利用した体当たりを仕掛けた。

 ラブリナの声に反応したマオは我に帰った。ボロボロになっているアママイコにさらなる攻撃が襲いかかる。覚束ない足で懸命に立ち上がっているアママイコの姿を見たマオは呼びかけた。

 

マオ「アママイコ!!!」

 

アママイコ「アーマイ‼︎」

 

 悲痛が混じったマオの声に反応したアママイコは力を振り絞ってラブカスの攻撃を躱した。そして思いっきり地面へと叩きつけられたラブカス目掛けて、アママイコは渾身の力を込めた足で踏みつけた。力の入ったアママイコの攻撃はさらにラブカスを地面へとめり込んだ。コンクリート式の床が割れるほどの力にラブカスは戦闘不能となった。

 

クレイン博士「あれは…【ふみつけ】か」

 

マオ「アママイコ!」

 

 今の攻撃でさらに蹌踉めいてきたアママイコはガックリと足を落としてしまった。膝をつくアママイコは苦痛を和らげようと、アローラの時の思い出を思い始めた。

 

 

 

 

 

 マオとの出会い。アイナ食堂での日々

 

    そしてポケモンスクール

 

 

 

 

 

 

 

 それらの思い出がアママイコに勇気を与えた。もう一度、アママイコは力一杯に立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アママイコ「!!!!!!アァァマァァァァイィィィィィ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 シロンを助けたい。みんなを護りたい

その想いがアママイコにさらなる力を入れ与えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アマージョ「アマージョ‼︎」

 

 青白い光に包まれて進化したアマージョはマオの方へと振り向いた。アマージョの姿を見たマオにも勇気が湧いてきた。自分の相棒に励まされたマオはアマージョの方へと歩いていく。

 

マオ「リーリエ達を護ろう!」

 

アマージョ「アージョ‼︎」

 

 決意込めたマオとアマージョは身構え始めた。その瞬間、スピードが上がったアマージョは一気にエネコロロの方へと飛び掛った。

 

マオ「アマージョ!【トロピカルキック】‼︎」

 

アマージョ「アマァジョ‼︎」

 

 アローラのような暑い魂を込めた蹴りがエネコロロに炸裂した。そのパワーは強烈で一気にエネコロロをラブリナの後方への壁へと吹き飛ばした。その威力にラブリナも目を丸くした。

 

ラブリナ「エネコロロ!【みだれひっかき】‼︎」

 

マオ「【おうふくビンタ】‼︎」

 

 指示を貰ったエネコロロは耐えながらもすぐにアマージョの方へと飛び出した。鋭利な爪と強靭な拳の攻防が始まった。進化した事でエネコロロのパワーにも対応出来るようになったアマージョは攻めに攻めていく。

 

シャドー「ラ…ラブリナ様!」

 

 嫌な感じがした戦闘員は焦るようにラブリナへと呼びかけるが、そんな隊員に対してラブリナは強く睨み付けた。ダークポケモンが負けるはずがない。そんな想いにも決着がやってきた。

 

エネコロロ「ニャァァ!!!」

 

ラブリナ「!!!!!!」

 

 アマージョの攻防に押されたエネコロロはアマージョと距離を取った。ラブカスの回復技を与えて貰いながらも、エネコロロの体力は限界に達していた。

 

マオ「行くよ!アマージョ!」

 

 Zリングを取り出したマオはアマージョの両手を取った。マオとアマージョの祈りを乗せたその技はエネコロロへと放たれた。

 

マオ「!!!ブルームシャインエクストラ!!!」

 

アマージョ「!!!アマァジョ!!!」

 

 一面花畑の固有結界が張られると、そのエネルギー波はエネコロロへと到達したと同時に満開に咲いた。花びらが舞い散る中、吹き飛ばされたエネコロロはそのまま地面へと叩きつけられた。

 

ラブリナ「あ〜あ、ここまでみたいだね〜♪それじゃあ、みんな!帰るよ〜」

 

 戦闘不能寸前のエネコロロを見たラブリナは見捨てるようにして、リーリエ達に背を向けると、何処かへと行ってしまった。

 

クレイン博士「マオさん!これを!!!」

 

 エネコロロの状態を見たクレインはあるものをマオへと渡した。受け取ったマオはそれが何かはすぐに分かった。ダウン寸前のエネコロロに向けてそれを投げ入れた。

 

マオ「お願い!スナッチボール!!!」

 

 助けてあげたい気持ちを込めたスナッチボールへはエネコロロの腹部に命中した。スナッチボールに吸い込まれたエネコロロはそのまま納めること成功した。

 

リーリエ・マオ「「!!!やった!!!」」

 

 戦いが終わったリーリエ達は急いでシロン達を抱き抱えると、ゲームセンターの外へと出た。外に出たリーリエ達は駆けつけていたジュンサーや国際警察と思わしき人達に保護された。この騒ぎに駆けつけたサトシ達と無事に合流する事が出来た。サトシ達の顔を見たリーリエとマオは安心からかその場で膝を落とすと、暫く動けない状態が続いた。

 今回対面したシャドー幹部の一人ラブリナ。国際警察がこの場に駆けつけてくる事が無ければ彼女達は早々と退散する事はなかったであろう。そう考えると、本当にどうなっていたか。自分たちの運の良さに感謝するしかなかった。

 

 

この旅での数々のシャドーとの戦い。それらはまだ序章に過ぎなかった。

 

シャドーのさらなる脅威はまだ続いていく。

 

 

 

 

 

 




 今回はアママイコの進化回も兼ねて書いていきました。
このようにナギサやメルタンなどアニメの方で追加された要素は何かの話と絡めて回収して書いて行こうかと思っています。
 次回はタマムシジム戦編を予定しております。リーリエとシロン達の再スタートを切った後、初のジム戦編でもありますので次回も楽しんで頂けたらなによりと思っております。
 それでは!
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