ポケットモンスター let's goリーリエ! 作:アニポケ大好き主
出来たらアニポケ放送開始日に間に合うようにしたかったのですが、すみません。
アニポケの方はまたオープニング曲を歌う人が変わりまして、同じ曲なのに歌い手によってこうも印象が変わるのかと、毎回驚かせて貰っています。そして私だけじゃないと思いますが、アイリスとシゲルの再登場には思わず声を上げてしまいました。まさかこの二人がまたアニメで拝める日が来るとは!こんなご時世でありますが、私たちに驚きと喜びを与えてくれるアニメスタッフの皆様のお陰で今年も楽しみが溢れる年になりそうです。
長々とすみません。それではどうぞ!
クチバシティを目指して旅を続けるリーリエ達。旅の道中で野試合を申し込まれたリーリエはポケモンバトルを行なっていた。
トレーナー「サンドパン!【どくばり】だ‼︎」
サンドパン「サンッ‼︎」
相手のサンドパンは無数の毒針を発射させた。相手の攻撃が襲いかかると同時にリーリエは素早く指示を送り出した。
リーリエ「ズルズキン!【あくのはどう】です‼︎」
攻撃の指示を送ったリーリエであったが、ズルズキンはそんなリーリエからの指示を聞くつもりはなく、一直線に突き進むと無数に飛び交う毒針を手刀で叩き落とした。だが全弾を防ぎ切れる訳でもなくズルズキンは追加効果の毒を食らってしまっていた。毒によって身体が蝕まれているがズルズキンは痩せ我慢をしながら不敵にサンドパンを睨みつけていた。
リーリエ「ズルズキン!まずは相手の出方を良く見るんです!それから…」
ズルズキン「ズルッ‼︎」
リーリエ「あっ!ま…待ってください!!!」
勢いよくジャンプしたズルズキンは膝小僧にパワーを貯めると一気にサンドパンに向かって急降下した。向かってくるズルズキンにサンドパンは【ブレイクロー】で対抗した。技がぶつかり合うとズルズキンはありったけの力で技ごとサンドパンを後方へと吹き飛ばした。岩壁に叩きつけられたサンドパンはそのまま目を回しながらその場で倒れてしまった。
トレーナー「サンドパン!!!」
サンドパン「サ…サンドォ…」
デント「そこまで!サンドパン戦闘不能!ズルズキンの勝ちだ!」
勝負には勝つ事が出来たが、ズルズキンの独壇場であったため、リーリエは遣る瀬ない気持ちであった。
リーリエ「あの…ありがとうございました」
バトルの礼を言いに向かったリーリエであっが、サンドパンを戻したトレーナーは不満そうにリーリエの方へと振り向いた。
トレーナー「あんたに負けたんじゃない!そのズルズキンに負けたんだ!」
そう吐き捨てたサンドパンのトレーナーはそのまま去っていった。
マオ「何⁉︎あの人!」
ロトム『互いの健闘を讃えるまでがポケモンバトルロト!感じ悪いトレーナーだロト!』
デント「まぁ勝利には変わらない訳だし、いいんじゃないかな⁉︎」
確かにトゲのある言い方であったが、あんなバトルをされたのであれば納得する方が難しいことは分かっていたリーリエはただ相手に申し訳ない気持ちでいた。バトルを終えたズルズキンの方へと目をやるとそんなリーリエの気持ちには気にもとめず昼寝に入っていた。
オツキミ山からここまで一緒に旅をしてきたのだが、今だにリーリエに心を開いてくれない様子でいる。心の底からズルズキンと一緒にバトルが出来る未来は遠のくばかりでいるこの関係性にリーリエはため息を吐くばかりであった。
ソウタとのポケモンバトルの時のように急に暴れたりするような事は無くなっただけでも良かったと思うが、それはリーリエやポケモン達に対して興味を示さなくなった様子である事を捕らえていた。
そんなズルズキンを見てサトシは今日のためにオーキド博士から転送して貰っていた、あるポケモンの入ったモンスターボールを持ってリーリエとズルズキンの元へと歩き出した。
サトシ「よし!出てこい!」
ズルック「ズルッ‼︎」
元気一杯に飛び出したのはサトシがイッシュ地方で仲間になったポケモン。ズルズキンの進化前でもあるズルックであった。
ズルック「ズルッ 」
ズルズキン「キィ…?」
リーリエと出会う前はズルックの群れのリーダーを務めていた事を聞いていたサトシはズルックとなら打ち解けてくれるはずだと考えていた。
ズルック「ズル♪」
ズルズキン「………。」
いずれ自分が進化するであろうズルズキンにズルックは警戒する事なく首を長くしながら大きな目で、その姿をマジマジと覗き込み始めた。しかし、その視線に居心地が悪くなったズルズキンはそっぽを向くような感じですぐにその場から離れると、すぐ側の岩壁に寄り添う形でもう一度寝入ってしまった。
マーマネ「あぁ…ダメか」
トゲデマル「モギュュ…」
いつもと同じ結果に肩を落とす一同。仕方ないとリーリエ達は暗くなる内に山を降りるため荷物を纏める準備に入った。するとその直後、遠くの方から爆発音が地響きと立ち昇る爆煙と一緒に大きく鳴り響いた。
スイレン「何⁉︎今の爆発!!!」
アシマリ「アゥアゥ‼︎」
ナギサ「イブブイ‼︎」
ロトム『ビビ‼︎あの麓からロト!!!』
すると、急に目を覚ましたズルズキンはその爆発に引き寄せられるようにしてその音がした方へと走り出した。
リーリエ「ズルズキン!何処へ行くのですの!」
急にその場から離れるズルズキンを止めようにも、リーリエの言葉に耳を貸すつもりもなかった。慌てて荷物を片手にリーリエ達はズルズキンの跡を追いかけた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
爆発が起きた場所に近づいたリーリエ達は野生ポケモン同士のバトルである事を警戒して岩壁に身を隠しながらそっと頭を出した。するとそこでは二人のトレーナーによるバトルが繰り広げられていた。
???「ガブリアス!【ドラゴンダイブ】だ‼︎」
ガブリアス「ガァブ‼︎」
???「サワムラー!【メガトンキック】だ‼︎」
サワムラー「サワィ‼︎」
ガブリアスとサワムラーによる激しいポケモンバトル。そして、そのガブリアスを使っているトレーナーはリーリエ達がよく知る人物であった。
マーマネ「あれ!ユーゴさんだ!」
スイレン「相手は…誰だろ?」
一人はユーゴである事が分かったリーリエ達はそのユーゴと戦っている道着姿のトレーナーの方へと目を向けた。そして一番早く気づいたサトシが声をあげた
サトシ「シバさんだ!」
デント「シバさんって…もしかして!カントー地方の四天王!格闘王のシバさんの事かい⁉︎」
リーリエ「四天王ですか⁉︎」
ロトム『四天王のバトル!これはデータに押せめない訳にはいかないロト‼︎』
シバは格闘タイプを扱うパワーファイトを好むカントー地方の四天王の一人である。以前その一人である氷タイプ使いのカンナと出逢っていたリーリエ達は四天王の強さとはどれ程のものかは知っていた。
シバ「サワムラー!【ブレイズキック】‼︎」
サワムラー「サワァ‼︎」
ユーゴ「ガブリアス!【つるぎのまい】‼︎」
戦いの最中、大きく振りかぶったサワムラーは足に炎を纏わせるとガブリアスに向かって攻撃を仕掛けた。【ブレイズキック】を仕掛けに近づいてくるサワムラーにガブリアスは両腕の釜を硬質化させると、そのまま回転しながらサワムラーの技を受け流した。火花散るサワムラーの連続キックをガブリアスは怯む事なく立ち向かっていった。
カキ「【つるぎのまい】を防御に使ってるぞ!」
ロトム『本来この技は精神を研ぎ澄ませて攻撃力を大幅に上げていく技ロト!こんな使い方見たことが無いロト!!!』
さらにそのままサワムラーの攻撃を弾き返すと、思いっきり天高くジャンプした。
ユーゴ「今だ!ガブリアス!【ドラゴンダイブ】‼︎」
ガブリアス「ガァブ‼︎」
シバ「サワムラー!【とびひざげり】だ‼︎」
サワムラー「サァフィ‼︎」
物凄い勢いで滑空するガブリアスは攻撃エネルギーを最大値まで跳ね上がらせると、サワムラーへと向かった。空を切る音がまるで龍の唸り声のように周りを響かせる。しかし、それに怯むことなくサワムラーも最大エネルギーをガブリアスへとぶつけた。
ぶつかった瞬間に巻き起こった爆煙から二体は膝をつく事なく地に着地すると、すぐに二体は互いを身構えた。自分達の力量を測る事が出来たユーゴは満足げにシバに向かい降参の合図を送った。
シバ「ふむ!この辺で良いだろうか?」
ユーゴ「はい!ありがとうございました!」
ガブリアスの大地をも震え上がせる攻撃。そして、【つるぎのまい】で上がっていたその攻撃を受け止めたサワムラーのレベル。両者のバトルにすっかり見惚れてしまったリーリエ達はユーゴの元へと走り出した。
リーリエ「ユーゴさん!お久しぶりです!」
ユーゴ「おっ!リーリエ!みんな!久しぶりだな!」
サトシ「シバさんも!お久しぶりです!」
シバ「おっ!君はいつぞやの少年!サトシ君だったなぁ!」
こちらに駆け寄るリーリエ達に気づいた二人も彼らの元へ振り返った。
『ガブリアス マッハポケモン
ドラゴン・地面タイプ
身体を折り畳み翼を伸ばすとまるでジェット機のように音速で飛ぶことができる。狙った獲物は逃がさない』
サトシ「ガブリアスも持っていたのですね!」
ユーゴ「あぁ!よく頑張ったなガブリアス!」
ガブリアス「ガァブ〜♡」
初めて目にしたユーゴのガブリアスに自然と皆は集まった。さっきのバトルと違い無邪気にユーゴに寄り付くそのギャップがとても愛くるしく見えた。
すると、ユーゴのバックに入ってる一つのモンスターボールから一体のポケモンが飛び出した。
マフォクシー「フォクシー!!!」
ガブリアス「ガァブ!!!」
現れたマフォクシーはそのままガブリアスをユーゴから引き離すと、鋭い目で睨みつけた。
ラプラス「ラァップ‼︎」
スイレン「あっ!ラプラス!!!」
二体の殺気に気づいたのか⁉︎マフォクシーに続いてユーゴのリュクからはもう一体、ラプラスも現れた。ラプラスはすぐに二人の仲裁に入ると、喧嘩を始めようとした二体を静めた。
ピカチュウ「ピカチュウ⁉︎」
シロン「コーン⁉︎」
ラプラス「ラァプ‼︎」
ラプラスに説得された二体はそのままソッポを向いた。その様子に軽くため息をつくラプラスに同情したのか…ピカチュウやシロンは慰めに向かった。
サトシ「何でマフォクシーは急に起こり出したんだ?」
ユーゴ「それが分からないんだ。ったく!もう少し仲良くしたらどうだ!」
マオ「ひょっとして、ユーゴさんのガブリアスとマフォクシーって女の子ですか?」
ユーゴ「おぉ!よく分かったね!」
マオ「つまり…」
リーリエ「そうですよね」
スイレン「女の戦い…」
何かを察した女性陣に対しハテナを思い浮かべるサトシとユーゴ。この二人…何処か似ているようであった。
それを他所に一体のポケモンがシバの方へと向かった。
シバ「ん!?」
リーリエ「何をしているのですか⁉︎ズルズキン!」
ズルズキン「ズルゥゥ‼︎」
リーリエの忠告を無視してズルズキンはズカズカとシバがいる前へと進むと、鋭い目つきで何かを訴え始めた。もう一度ズルズキンを呼び止めようと向かうリーリエであったが、いつもの相手を見下すような目つきではなく、何かを決意した真剣な眼差しを送っていた。普段と違う様子にリーリエは驚いていた。すると、ズルズキンが何がしたいか気づいたサトシはリーリエの元へと向かった。
サトシ「もしかしてズルズキン!シバさんと戦ってみたいんじゃないかな?」
デント「うん!同じ格闘タイプだからシバさんのポケモン達の強さにどうやら惹かれているみたいだね」
暫くズルズキンとにらみ合った後、シバは今度はリーリエの方へと目を合わせた。
シバ「このズルズキンのトレーナーは君か?」
リーリエ「あっ!は…はい!!!」
シバの鋭い眼光を向けられたリーリエはおもはず背筋がピンっと立った。同じようにその迫力に押されたマオ達も同じようにその場で固まってしまった。ズルズキンと同じように暫くリーリエを見続けたシバはこちらに来るように合図を送った。それを受け取ったリーリエはズルズキンと一緒にシバの方へと向かうのであった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
シバ「私はニョロボンで行くぞ!ウッハァー!!!」
ニョロボン「ニョロ‼︎」
バトルを承諾してくれたシバはリーリエとズルズキンをバトルが出来る広い平地へと案内した。シバが繰り出したニョロボンを見てズルズキンはより一層気合が入っていた。今だに息が合わせられない事に不安なリーリエであったが、やる気を見せているズルズキンの為にもバトルへと意識を傾けた。
マオ「大丈夫かな…リーリエ」
サトシ「今は二人を見守るしかないさ」
ピカチュウ「ピカチュウ‼︎」
トゲデマル「モギュュ‼︎」
デデンネ「デデ…」
➖リーリエVSシバ➖
リーリエ「ズルズキン!まずは…」
ズルズキン「ズッキィ‼︎」
リーリエ「待ってください!まだ指示を…」
対戦相手はカントーの四天王の一人。慎重に相手の出方を見る為に指示を送るリーリエであったが、そんなリーリエの声に耳を貸さないズルズキンはそのまま真っ向から攻撃を仕掛けに行った。手刀はニョロボンの頭上へと振り下ろされた。
シバ「ん…なるほど。ニョロボン!【たきのぼり】だ‼︎」
ニョロボン「ニョロ‼︎」
攻撃してくるズルズキンを見計らってはニョロボンは自分の前に水流を立ち昇らせた。目の前に出現した天へと登る水流の壁にニョロボンの姿を見失ったズルズキンの動きが止まった。
ズルズキンの動きが止まった事を確認したニョロボンは水の壁を突っ切ると、呆然と立ち尽くしているズルズキンにしがみついた。
ズルズキン「ズッ⁉︎」
身体の自由を奪われたズルズキン。そのままニョロボンはすぐに攻撃の体勢へと切り替えた。
シバ「行けっ!【じごくぐるま】だ‼︎」
ズルズキンにしがみついたまま前転へと高速回転をしだしたニョロボンはそのまま自分ごと地面へズルズキンを叩きつけた。
ズルズキン「ズッキィィィ!!!」
リーリエ「ズルズキン!!!」
悪タイプも備え持つズルズキンには効果は抜群だった。攻撃を決めたニョロボンはそのままズルズキンを後方へと投げ飛ばした。しかし、負けじとズルズキンは再び地面へと叩きつけられる前に体勢を立て直すと、ニョロボンに向かって【あくのはどう】を放った。
ニョロボン「ニョロロ‼︎」
ズルズキンの技を受けたニョロボンは後方へと押し戻された。技が決まったのを見たズルズキンは高くジャンプすると、今度は右膝にパワーを貯め始めた。
シバ「躱せ!!!」
ズルズキンの攻撃をニョロボンはシバの指示のお陰ですぐに躱す事が出来た。
ズルズキン「ズキィ!!!」
リーリエ「ズルズキン!!!」
【とびひざげり】が躱された事により自身にダメージが入ってしまったズルズキンはその場で怯んでしまった。
シバ「【れいとうビーム】だ‼︎」
リーリエ「【あくのはどう】です‼︎」
ニョロボンが繰り出した【れいとうビーム】を見てすぐに指示を出したリーリエであったが間に合わず、攻撃を受けたズルズキン
はそのまま凍りついてしまった。
シバ「決めるぞ!【きあいパンチ】‼︎」
拳を高く築き上げたニョロボンはそのまま精神を研ぎ澄ませた。氷状態で動けないズルズキンから攻撃される事なく十分なパワー貯めたニョロボンはその拳をズルズキンへと放った。
ズルズキン「ズッキィィィ!!!」
そのパワーに氷が割れ、ズルズキンは後方へと吹き飛ばされるとそのまま岩壁に身体を叩きつけられた。
ズルズキン「ズルッ…」
ズルズキンはダメージで負った身体を引きずりながら、対戦相手のニョロボンの方へと歩いて行く。そんなズルズキンを止めようとするリーリエであったが、殺気を漂わせるその表情に畏怖してしまい、声を出せなかった。
リーリエ(何で…わたくし…まだ貴方に認められてないの?……貴方は今…何を考えてるの?)
今のズルズキンは目の前のニョロボンを倒す事にしか頭に入っていない。だんだんと怒りが立ち昇っていくその時、予想だにしていなかった事態になってしまった。
リーリエ「あっ!!!」
リーリエの目に移ったのはズルズキンを覆っている黒い靄だった。
ユーゴ「まさか!ダークオーラ!!!」
サトシ「逃げろ!リーリエ!!!」
ピカチュウ「ピカチュウ‼︎」
シロン「コーン‼︎」
異変に気付き、スカウターで確認したサトシとユーゴはすぐにリーリエの方へと走って行った。リーリエはというと、あまりの事態に整理が出来ず此方に近づいてくるズルズキンを呆然と見ているしか出来なかった。
しかし、ニョロボンとの戦いで負ったダメージが身体中を回りきったのか。黒いオーラが晴れると、ズルズキンはその場で気絶してしまった。
リーリエ「ズルズキン!!!」
シロン「コーン‼︎」
倒れたズルズキンを見て我に返ったリーリエは急いでズルズキンの元へと走り出した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
スイレン「サトシとマオちゃんは…リーリエの側に居てあげて…」
サトシ「あぁ…」
マオ「うん」
スイレン「行こう!アシマリ!ナギサ!」
スイレンを始めとした一同は目を覚ましたズルズキンの為に食べ物や水と必要な物を探しに出かけた。あれからズルズキンはバトルの疲れもあってかグッスリと眠っていた。
だが、リーリエは混乱とショックが大きい所為で下を向いたままで一言も喋らなくなってしまった。そんなリーリエにサトシとマオも苦しくなった。
しかしこうなった以上は事実をリーリエの口から聞かないといけなくなる。ユーゴはサトシ達に軽く合図を送ると、リーリエの元へと向かった。
ユーゴ「ダークポケモン…だったのか?」
リーリエ「もう普通に一緒にいましたし…もう…だ…大丈夫かと…」
ユーゴ「済まない。責めている訳ではないんだ」
リーリエ「いいえ。黙っていたわたくしにも責任があります」
その後はみんなが戻ってくるまで沈黙が続いた。ただズルズキンの寝息だけが静かに聞こえていた。気持ちよさそうに寝ている様子からズルズキンの容体は少しずつ回復に向かっている事が分かって安心した。
サトシ「気持ちよさそうに寝てるな」
リーリエ「はい」
抜けたような返事と一緒にリーリエは顔を伏せたまま口を開いた。
リーリエ「ズルズキンを…ハンサムさんに預けようと思います」
カキ「なぁっ!!!」
マオ「どうして!」
リーリエの発言に一同は声をあげた。ズルズキンと真っ直ぐに向き合って行くリーリエの姿を見てきたため驚くのも無理はなかった。どんなに軽蔑の目を向けられても無視をされても、トレーナーとして諦めたりしなかったからだ。
みんなの視線が集まっている事に感じていたが、それでもリーリエは顔を上げなかった。
リーリエ「旅を通して行けばズルズキンと心を通わせる時がいつか来るのだと信じてここまで来ました。ですが、それは軽率な考えだったのです。そもそも人間に悪用されて戦闘兵器として扱わされたズルズキンがわたくし達、人間と向き合おうだなんて、そんな簡単な事ではなかったんです。ちゃんと治療を受けて元の生活に戻してあげることの方がズルズキンにとって一番良かった選択だったのかもしれません」
自分の未熟さにリーリエの目からは大粒の涙が溢れて出てきた。弱音を吐かないと決意した矢先、また自分の弱さを皆の前で見せてしまったためかさらに深く顔を埋めてしまった。悔しさに体を震わせるリーリエに掛ける言葉が見つからず、マオ達も意気消沈していた。しかしそんな中、サトシとデントはゆっくりと口を開いた。サトシはリーリエの肩に手を置くと優しく微笑みかけた。
サトシ「そうかな。俺は短い間だったけど、ズルズキンはリーリエの事を一ミリも信頼を寄せていないとは思わなかったぜ!」
デント「うん!ポケモンソムリエとして僕もサトシと同じ意見かな!確かにリーリエとは距離は取っていたかもだけど、一度も目は離さなかった事はなかっただろ⁉︎」
二人の言葉にゆっくりと顔を上げたリーリエ。悲しげな表情を浮かべるリーリエにサトシとデントは優しく微笑んでいた。
デント「無愛想に見えていたけど、ズルズキンもリーリエとは一体どんなトレーナーなのか!?知りたかったじゃないのかな!」
マオ「確かに…リーリエが作ってくれたポケモンフーズ。一度も残したりしていなかったもんね」
信頼は微かだが寄せられていた⁉︎二人の言葉にリーリエはゆっくりズルズキンの方へと顔を向けた。ディグダの穴の時は相手のルンパッパ達の喧嘩を買ったように見えたが、本当は後ろにいたリーリエ達を守ったのかもしれない。真実がわからないモヤモヤとした気持ちが交差する中、ユーゴもゆっくりと口を開いた。
ユーゴ「俺のガブリアスも…フカマルの時は全然俺には懐いてくれなかったんだ」
マーマネ「え⁉︎そんな感じには見えないのに」
その言葉にサトシ達はユーゴの方へと視線が集まった。
さっきのシバとのバトルでの二人の息のあったコンビネーションを見る限りではそうとは思えないが、驚く一同を前にユーゴはゆっくりガブリアスの頭を撫でた。
ユーゴ「こいつは俺より前のトレーナーに捨てられていてな。そのせいで俺たち人間の事を信じられなくなってしまったんだ。ゲットしたばかりの時は俺に対しては敵意むき出しで、あちこち噛まれたもんだよ!」
ユーゴ「だけど!俺も負けずに何度も何度も話しかけたりしては、仲良くなるために色々と奮闘したんだ。そして一緒に特訓をして、その前のトレーナーにリベンジを果たせた事でこいつとやっと本当の仲間になる事が出来たんだ。あの時、初めて俺に向かって嬉しそうに飛びついてきたその瞬間は今でも覚えているよ!」
マフォクシー「フォクシー‼︎」
ガブリアス「ガァブ‼︎」
ユーゴ「だから!リーリエも今までズルズキンと向き合っていたその時間は決して無駄ではなかったはずだ。そうやって紡いできた想いはちゃんとズルズキンにも届いているはずだよ!」
ユーゴの話を聞いたリーリエは滲んだ涙を拭いながら笑い始めた。いつも通りの笑顔を見せたリーリエにサトシ達は一安心した。
するとその直後、地面が大きく揺れ出すと、リーリエ達の目の前に大きな穴掘りドリルを携えた大きなメカが現れた。
ユーゴ「一体なんなんだ⁉︎」
お決まりのセリフが流れた所でコックピットからロケット団が姿を現した。
ヤマト「なんだかんだと聞かれたら」
コサブロウ「答えないのが普通だが」
ニャース『まぁ!特別に答えてやるニャ』
ヤマト「地球の破壊を防ぐため」
コサブロウ「地球の平和を守るため」
ヤマト「愛と切実な悪を貫く」
コサブロウ「キュートでお茶目な敵役」
ヤマト「ヤマト!」
コサブロウ「コサブロウ!」
ニャース『ニャース!』
ヤマト「宇宙を駆ける我らロケット団には」
コサブロウ「ショッキングピンク桃色の明日が待ってるぜ」
ニャース『ニャーんてな!』
ツボツボ「ボッツ‼︎」
セリフを言い終えたロケット団は自信ありげにリーリエ達を見下ろした。そのメンバーにアローラニャースも加入している事にピカチュウとシロンも毛並みを逆立て警戒している。
サトシ「ロケット団!!!」
ヤマト「はいはーい!そんなわけで!」
コサブロウ「今度こそお前らのポケモンは頂くぜ!」
と、ロケット団のメカからマジックハンドが飛び出すと、そのまま近くで寝ているズルズキンに向けて襲いにかかった。
ズルズキン「ズルッ!!!」
リーリエ「ズルズキン!!!」
サトシ「リーリエ!!!」
ズルズキンを守ろうと飛び出したリーリエもまたマジックハンドに捕まってしまい、そのままズルズキンと一緒にメカの中へと引きずり込まれてしまった。
ニャース『おまけも付いてきたニャ‼︎』
ヤマト「まぁいいわ!一体だけでも手に入った訳だし、欲張らずにひとまずここは撤収よ!」
コサブロウ「ラジャ!」
ズルズキンの捕獲を確認したロケット団は全速前進でその場を立ち去ろうとサトシ達に背を向けた。追いついて来れないようにとロケット団は平地でなく岩壁を登って逃げて行った。
ロトム『まっ…待つロト!!!』
岩壁を登って行かれたら追いつけないとみたロケット団であったが、それに有効なポケモンをサトシは手持ちに入れていた。そのポケモンが入ったモンスターボールを手にしたサトシはすぐに解き放った。
サトシ「ドダイトス!君に決めた!!!」
ドダイトス「ドォダァ‼︎」
歩く大陸と語られた、たいりくポケモン。
サトシがシンオウ地方で仲間にしたポケモンだ。モンスターボールから放たれると、サトシはすぐにドダイトスの背中の上へと飛び乗った。それに続いてシロンもドダイドスの背中へと移った。
サトシ「ドダイトス!【ロッククライム】でロケット団のメカを追ってくれ!」
ドダイトス「ドォダ‼︎」
4本足の鋭い爪を硬い岩へとめりこませると、ドダイドスはサトシの指示通りにロケット団のメカの方へと身体を向けると、地響きを立てながら岩壁を登り始めた。
リーリエ「大丈夫ですか!?ズルズキン!」
ズルズキン「ズルッ…」
暗闇に目が慣れてきたリーリエはズルズキンに目立った外傷が無いことを確認した後、自分達の状況を確認しようと辺りを見渡した。太腿から伝わる冷たい肌触りから鉄製のカプセルに閉じ込められている事が分かったが、その先どうするれば良いか悩んでしまう。
すると方法を考えているリーリエを置いて脱出を試みようとカプセルに向かってズルズキンは【からてチョップ】を繰り出した。しかし頑丈なカプセルにヒビの一つも付けられないままズルズキンはその場で膝をついてしまった。
リーリエ「大丈夫!ここはわたくし達に任せて下さい!」
まだ回復仕切っていないズルズキンを休ませたリーリエは二つのモンスターボールを手に取った。
リーリエ「ヒノアラシ!ゼニガメ!お願い致します!」
ヒノアラシ「ヒノッ‼︎」
ゼニガメ「ゼニッ‼︎」
リーリエ「ヒノアラシは【かえんほうしゃ】‼︎ゼニガメは【みずてっぽう】‼︎」
出てきた二体はリーリエの指示通り、カプセルに向かって交互に技を繰り出し浴びさせた。ポケモン達を信じて指示を繰り出すリーリエと主人のピンチを助けるべく奮闘するポケモン達。そんな彼らの後ろ姿をズルズキンは目を逸らさずジッと見つめていた。
ヤマト「これはうまく行ったわね!」
コサブロウ「今度こそ俺たちの勝利だな!」
ニャース『いや…何かが近づいてくるニャ‼︎』
作戦が成功し逃げ切ったと有頂天になっているロケット団であったが、何かに気づいたニャースの一言に二人は振り返ってみた。
ニャースの予感は的中していた。その後を巨体に似合わないスピードで追いかけてくるドダイトスの姿にロケット団はおもわず目を丸くしていた。
サトシ「待て!ロケット団!!!リーリエ達を返せ!!!」
シロン「コーン‼︎」
ピカチュウ「ピカチュウ‼︎」
ズルッグ「ズルゥ‼︎」
ロトム『止まるロト!!!』
ヤマト「本当にしつこいわね!」
追って来るサトシ達を追い払おうと、コックピットから身体を乗り出したコサブロウは攻撃を仕掛けた。
コサブロウ「やれツボツボ!【ヘドロばくだん】だ‼︎」
ツボツボ「ボッツ‼︎」
サトシ「ドダイドス!【エナジーボール】だ‼︎」
ドダイドス「ダァ‼︎」
コサンジ「なら【ジャイロボール】だ‼︎」
サトシ「ズルック!【ずつき】で迎え撃て‼︎」
追いかけてくるサトシ達に向かって放たれたツボツボの攻撃をすぐにドダイトスとズルックはそれぞれの技をぶつけて相殺させた。それでもロケット団は何とかドダイトスの猛威を振り払おうと、怯まずにそのまま攻撃を続けた。
しかし、サトシ達ばかり気にしてしまった事により、ロケット団は前方からのもう一組のチームに気づけなかった。
デント「マイビンテージ!イワパレス!!!」
イワパレス「イワァ‼︎」
先回りする事が出来たデント達もそれぞれのポケモン達を前に出して身構えていた。まずはメカを止めるために、デントはイワパレスをモンスターボールから繰り出した。
デント「イワパレス!あのメカを押さえるんだ!」
イワパレス「イワァ‼︎」
イワパレスは二本の大きなハサミを使って走ってくるメカを受け止めた。
コサブロウ「うぉぉぉ!!!」
ニャース『なら!このまま押し倒してやるニャ‼︎』
メカを止められた事に気付いたニャースはアクセルレバーを全開にしてメカの走行力を上げたが、四角い形にくり抜かれた巨大な岩石ブロックを背中に乗せて歩いているイワパレスの脚力を前には歯が立たなかった。
ヤマト「何とかしなさいよ!ニャース!」
ニャース『ポケモン使いが荒い奴ニャ‼︎』
操縦をヤマトに変わったニャースはコックピットから顔を出すと、イワパレスに向かって【10万ボルト】を放った。
マーマネ「トゲデマル!行っけー!!!」
トゲデマル「モギュ‼︎」
その電撃を飛び出したトゲデマルが《ひらいしん》により吸収し、イワパレスを守った。
カキ「バクガメス!お前も行け!」
バクガメス「ガァメ‼︎」
さらにバクガメスの増援にやりロケット団のメカはすっかり動きを止められてしまった。
ヤマト「ちょこまかと鬱陶しいわね!」
コサブロウ「なんて!しつこい奴らだ!」
ニャース『なんか変な音が聞こえないかニャ⁉︎』
まるで煎餅を齧るような鈍い音が響いている事に気づいたロケット団は辺りを見渡した。その音がリーリエを捕らえた鉄製のカプセルから聞こえた事に一斉に振り返ると、予想だにしない事が起きていた。熱と冷気を交互に与えた事により伸縮と膨張を繰り返した鉄壁には大きな亀裂が入っていた。それを確認したリーリエはキモリをモンスターボールから出した。
キモリ「キャモ‼︎」
リーリエ「キモリ!はたっ…」
ズルズキン「ズルッ‼︎」
キモリに指示を送ると一緒にズルズキンもリーリエの前へと飛び出した。キモリに軽く相槌を立てると、キモリもゆっくり頷いた。ズルズキンも協力してくれる事を悟ったリーリエは同時に指示を送った。
リーリエ「キモリ【はたく】攻撃!ズルズキン【からてチョップ】です!」
キモリ「キャモ‼︎」
ズルズキン「ズキィ‼︎」
ロケット団「なぁ !何ぃ!!!」
二体の一撃によりカプセル全体に一気にヒビが入った。カプセルを粉々に割ることが出来たリーリエ達は脱出を図る事に成功した。
リーリエ「やりましたね!みなさん!ズルズキンもありがとう!」
ヒノアラシ「ヒノッ‼︎」
ゼニガメ「ゼニッ‼︎」
キモリ「キャモ‼︎」
ズルズキン「………。」
突然お礼を言われたズルズキンはどう返せば良いか分からず思わず目を丸くしてしまった。その後、一斉に抱きつくヒノアラシとゼニガメをリーリエは優しく受け止めるとその光景を見ながらキモリは一息つくようにして軽く腕組みをして微笑んでいた。楽しそうにポケモン達に愛情を向けているリーリエの姿にズルズキンの口元が一瞬だけ緩んだようにも見えた。
ヤマト「やってくれたわね!出てきなさいヘルガー!【かえんほうしゃ】‼︎」
ヘルガー「ヘェル‼︎」
作戦が破られた事に逆上したロケット団の攻撃がリーリエ達を襲った。
ズルズキン「ズキィ!!!」
リーリエ「ズルズキン!!!」
リーリエ達に向けられたヘルガーの火炎放射をズルズキンは身を呈して飛び出すと、そのまま技を受け、後方へと吹き飛ばされてしまった。
さらに岩壁に強く身体を打ち付けられた事により、シバ戦でのダメージの所為もあってか、その場で蹲ってしまった。
ズルズキン「ズッ…ズキィ」
身体中に走るダメージに耐えながらなんとか立ち上がろうと奮起するズルズキンの様子はまたもや、だんだんと薄暗いものへと変わっていく。
ヤマト「何なのよあれ?」
コサブロウ「何だか…」
ニャース『様子が変だニャ?』
ヘルガー「ヘェル…」
ツボツボ「ボッツ…」
ロケット団の目には見えないが、リーリエにはそれがまたハッキリと目に焼き付いていた。
カキ「まさか…またか!」
マオ「逃げて!リーリエ!」
再びダークオーラを見に纏わせたズルズキンは充血した両目をリーリエ達に見開きながらゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。様子が違うズルズキンにキモリ達はリーリエを守るようにして前へと出た。攻撃の準備に入るキモリ達を見たリーリエは皆に止めるように伝えた。
リーリエ「みんな!待ってください!」
リーリエの声を聞いたキモリ達は攻撃態勢を止める。その後、リーリエは逃げるよう呼び止めるマオ達の声を振り切り、一人でズルズキンの方へと歩んで行く。
リーリエ「わたくしは…」
まだズルズキンの気持ちをちゃんと理解してあげられてないかもしれないし、お互いの信頼を結ぶのにもまだまだ時間がかかるかもしれない。それでも何度時間が経っても、差し伸べるこの手を引っ込めようとはしない事を決めた。
落ち着く気配のないズルズキンにリーリエは怯む事なく距離を詰めていく。離れた場所にいるサトシ達はその様子を固唾を飲んで見守るしかなかった。そしてリーリエは右手でズルズキンの頬に優しく手を置いた。
リーリエ「貴方を信じています!」
荒々しい唸り声が徐々に鳴り止むと、ズルズキンはゆっくりリーリエを見つめた。
そして…
ズルズキン「ズキィ‼︎」
ニヤリと笑いながらリーリエに頷いた。血走ってる目はまだ引いてないが、リーリエにはいつものズルズキンに戻っている事に気づくとゆっくり微笑みかけた。
スカウター越しでその様子を見つめていたユーゴもゆっくりサトシ達に伝えた。
ユーゴ「リライブ成功だ!」
ダークオーラが消えた事によりズルズキンはロケット団を大きく威嚇した。
ズルズキン「ズッキィィィ!!!」
雄叫びを上げながら身体中からパワーを解放させると、その声に反応するかのように地響きが鳴り上がった。岩の破片がズルズキンの周りを浮上すると、ズルズキンは一気に青白い光を放ちながらパワーを一気に解放した。
スイレン「見て!ズルズキンの様子が!」
デント「もしかして新しい技かい?」
デントの言った通りだ。すぐにロトムはスキャンして調べ始めた。
ロトム『ビビッ‼︎あの技は【もろはのずつき】‼︎最強のずつき技ロト‼︎』
そして思いっきりジャンプをしたズルズキンは身体中から溢れるパワーをおでこに集めると、その力をロケット団へと向けた。
ロケット団「えっ…えっと…」
肌を突き刺す攻撃エネルギーを前にロケット団は一気に消沈してしまった。
ズルズキン「ズキィ‼︎」
ありったけの力でロケット団のメカにぶつけたズルズキンはその衝撃波をメカの内部に流し込んだ。その力に耐えきれなかったメカはその場で大爆発を起こした。
コサブロウ「有り金を全部つぎ込んだというのに!!!」
ヤマト「新技なんてずるいわよ!!!」
ニャース『結局いつも通りなのかニャ!!!』
ロケット団「やな気持ちぃぃ!!!」
ヘルガー「ヘェル〜!!!」
ツボツボ「ボッツ〜!!!」
キラッ!!!
マオ「リーリエ!」
スイレン「大丈夫⁉︎」
リーリエ「はーい!大丈夫です!」
シロン「コーン‼︎」
リーリエ「シロン!御免なさい!心配をかけて!」
ロケット団を撃退したサトシ達はすぐにリーリエの元へと駆け寄った。
ロトム『だけど急に何で新しい技を覚えたロト‼︎』
ユーゴ「おそらくズルズキンが本来、覚えていた技なんだと思うよ。ダーク技が消え去った事で本来覚えていた技を思い出す事が出来たんだろうね」
カキ「つまり!これでズルズキンは元のポケモンに戻ったわけだな!」
マーマネ「よかった…本当によかったぁぁぁぁ!!!」
マオ「もうっ!何でマーマネが泣いてるのよ!」
シバ「悪い奴らもズルズキンの頭
和やかなに談笑している中、ズルズキンは再びシバの元へと歩み寄った。それを見たリーリエも覚悟を決めると、ズルズキンの横へと並んだ。
リーリエ「シバさん!もう一度
ズルズキン「ズキィ‼︎」
そのままリーリエとズルズキンはゆっくりお辞儀をした。もう一度、シバにバトルを申し込んだリーリエ達にシバはまたズルズキンの方へと目をやった。そしてゆっくりと微笑んだ。
シバ「いいだろ!」
リーリエ「ありがとうございます!やりますよズルズキン!」
ズルズキン「ズルッ‼︎」
今まで彼女と心を通わせず自分の力を知らしめるために戦っていたズルズキン。それが初めて彼女と視線を交わした。その瞳は真っ直ぐ曇りなき眼であった。
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ユーゴとシバが闘っていた場所に着くと、リーリエとシバは直ぐにバトルの準備に取り掛かった。リーリエの前へと出たズルズキンは両腕を大きく振り回しては闘争心を高めた。遠くでサトシ達が見届けてる中、リーリエはシバに一礼した。
シバ「その闘志に見込んで我が最強が相手だ!ウッハァー!!!」
二人の熱い心に胸が刺さったシバは中央のベルトに装着されていたハイパーボールを取り出すと、大きく投げ入れた。
カイリキー「リィキ‼︎」
現れたのは四本の腕を巧みに扱うカントーを代表とする格闘ポケモン、カイリキーがリーリエ達の前に立ちはだかった。
『カイリキー かいりきポケモン
格闘タイプ
発達した4本の腕は2秒間に1000発のパンチを繰り出す事ができる。スーパーパワフルなパンチを喰らった者は地平線まで吹っ飛んで行ってしまうという』
➖リーリエVSシバ➖
シバ!「カイリキー!【いわなだれ】だ‼︎」
カイリキー「リキィ‼︎」
先行を貰ったカイリキーは四本の拳を思いっきり地面に叩き込んだ。地響きと共に衝撃で吹き飛んだ無数の岩石が雨のようにズルズキンの頭上へと降り注いできた。
リーリエ「躱して下さい!」
ズルズキン「ズキィ‼︎」
リーリエの声と共にズルズキンは鋭い反射神経とフットワークを使って見事、無数のカイリキーの【いわなだれ】を躱す事に成功した。
カキ「躱したぞ!!!」
スイレン「ズルズキン!ちゃんとリーリエの指示を聞いてるよ!」
ロトム『ピピッ!ズルズキンのリーリエに対する信頼度は100%ロト!』
その変わりようにサトシ達の手も熱くなった。ようやくパートナーという関係になったリーリエとズルズキン。その姿にシバも嬉しそうに頷いた。
シバ「【クロスチョップ】‼︎」
接近戦を得意とするカイリキーにとっては好都合であった。腕を前にクロスした状態で近づいてくるズルズキンを待ち構えた。
リーリエ「ズルズキン!それも…」
攻撃を仕掛けるカイリキーを見て、リーリエはズルズキンを後退させようと呼び止めようとしたが【いわなだれ】を躱しながらカイリキーへと向かうズルズキンはとても楽しそうにしていた。
リーリエ(自分のポケモンの気持ちを優先してあげる事もポケモントレーナーとしての役目です!)
真っ向勝負を望んでいるズルズキンの気持ちを優先したリーリエはありったけの声で攻撃の指示をズルズキンに送ったのだ。
リーリエ「ズルズキン!【からてチョップ】で向かい撃つのです‼︎」
ズルズキン「ズルッ‼︎」
その言葉を待っていたように微笑むズルズキンはカイリキーの頭上を取ると、そのまま力一杯に手刀を振り下げた。
ズルズキンの渾身の一撃をカイリキーは受け止めた。両者の技がぶつかり合うと激しい火花を散らしながら互いを押し合い始めた。シバのエースとも言えるカイリキーの攻撃に負けじと劣らない様子にサトシ達は目を見開いて驚いていた。
リーリエ「次はカイリキーの足元に向かって【あくのはどう】です‼︎」
次の指示を聞いたズルズキンはカイリキーの腕を振り払うと、一歩下がってから【あくのはどう】を放った。
カイリキー「リキィ…」
一歩手前に撃ち込められたズルズキンの攻撃は激しい砂埃と黒い靄を撒き上げてはカイリキーの視界を奪った。姿を見失ったカイリキーは慌ててズルズキンの影を探し始めた。
だが、気配に気づき空中へとジャンプしていたズルズキンを見つけたものの、もう膝小僧に攻撃エネルギーを貯めていたズルズキンはカイリキーに向かって降下した。
リーリエ「今です!【とびひざげり】‼︎」
ズルズキン「ズッ‼︎」
カイリキー「リキィ!!!」
【あくのはどう】を目くらましに使って、【とびひざげり】を確実に命中さる作戦は成功した。隙をつく事が出来たズルズキンの技はカイリキーの腹部へと命中した。昨日とは違い技を当てることが出来た事にズルズキンの顔からは笑みが零れた。
シバ「カイリキー!【バレットパンチ】だ‼︎」
カイリキー「リィキ‼︎」
リーリエ「前の皮を伸ばして受け止めて下さい!」
ズルズキン「ズキィ‼︎」
シバの気迫ある声に反応したカイリキーはその場で踏ん張るとすぐに攻撃を仕掛ける。切り替えの早さに驚くリーリエであったが、ズルズキンの性質を利用した防御指令で何とかカイリキーの攻撃を防ぐ事が出来た。
サトシ「おお!いいぞ!」
ズルック「ズルッ‼︎」
リーリエの機転のお陰で難を逃れたかに見えたが、それだけで四天王のポケモンの勢いを止める事は出来なかった。
シバ「だが!カイリキーには4本の腕がある事を忘れるな!」
カイリキー「リキィ‼︎」
直ぐに次の攻撃の一手を指示した通りにカイリキーはもう二本の腕でズルズキンに攻撃を与えた。
ズルズキン「ズキィ!!!」
後方に飛ばされたズルズキンは何とか地に足をつけて踏ん張った。今の一撃を耐える事が出来たズルズキンは踏ん張りながら頭部に攻撃エネルギーを集中させ始めた。
リーリエ「ズルズキン!【もろはのずつき】‼︎」
ズルズキン「ズルッ!!!」
この一撃に全てを賭ける気持ちで指示を繰り出すリーリエ。そしてそれに応えるように声を上げるズルズキンは一気にパワーを解放させた。地響きを立てながらカイリキーに向かって地面を蹴り上げた。
シバ「魂を込めろ!!!【ばくれつパンチ】だ‼︎」
カイリキー「リィキ!!!」
二人の覚悟をズルズキンの攻撃エネルギーに載せ、それを肌で感じ取ったシバはその闘志に見合った技でズルズキンの猛攻に立ち向かう事にした。それはカイリキーも同じだ。全ての拳にパワーを貯め始めると、ズルズキンが近づいてきたその瞬間に全てを力をぶつけた。互いの技がぶつかり合ったと同時にその衝撃波は周りにいる人達に襲いかかった。砂埃が目に入らないよう飛ばされないように堪えるリーリエはその決着がつくまで目を離すことはなかった。
地響きがおさまると二体はその場で睨み合うように立ち尽くしていた。そして、一体のポケモンの膝が地に着くと、その場で倒れてしまった。
ユーゴ「ズルズキン戦闘不能!カイリキーの勝ち!よって勝者、四天王のシバ!」
勝負が決したと同時にリーリエは自分の肩にズルズキンの腕を回した。起き上がるのと一緒に目を覚ましたズルズキンはリーリエの方へと目をやった。
リーリエ「大丈夫でしたか!ズルズキン!」
シロン「コン‼︎」
ズルズキン「ズキィ…」
リーリエ「負けてしまいましたが、この初陣はわたくしと貴方がさらに強くなる大きな一歩になったと思います。なにより、わたくしは貴方と本当のバトルが出来て凄く嬉しいです!」
リーリエの満足げな笑顔にズルズキンはゆっくりと頷いた。その顔もまた満足げであった。
サトシ「二人とも!息が合った最高なバトルだったぞ!」
デント「うん!互いを信じるフレイバーが二人の絆をさらに成長させたんだね!」
その言葉にリーリエは応援してくれたみんなに向けて笑顔で返した。ズルズキンと蓄積してきた時間は無駄ではなかった事が示された事にサトシ達も仄々とした。
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シバ「ここを降りればポケモンセンターが見える!今日はそこで休むと良い!」
日が暮れる前に峠を降りる事が出来たリーリエ達はシバの案内のお陰で今日中に着く事が出来そうだ。そんな中、身体が疼いてしょうがない様子でいるリーリエとズルズキンを不思議そうにマオは見つめていた。
マオ「どうしたの?リーリエ」
リーリエ「なんだか!先程のバトルでの熱が冷めないせいなのか分かりませんが、身体がとてもうずうずしているのです!」
ズルズキン「ズキィ!!!」
リーリエ「さぁ!行きましょうズルズキン!ポケモンセンターに向かって競争です!」
ズルズキン「ズキィ‼︎」
と…変なスイッチが入ってしまったリーリエはズルズキンと一緒にポケモンセンターに向かって走り出した。その様子を楽しそうにシロンとデデンネも後を追って行った。
マオ「ちょっと待ってよ!リーリエ!!!」
スイレン「変なスイッチ入っちゃった!」
デント「これは中々暑いフレイバーだね!」
サトシ「おもしれ!俺も付き合うぜ!」
カキ「よし!俺たちも負けられないぞ!バクガメス!ガラガラ!」
マーマネ「えぇぇ!!!ちょっと!待ってよ!置いていかないで〜!!!」
シバとユーゴと別れたサトシ達もリーリエを追って走り出した。
長い長い旅の中でようやくズルズキンと心を通わせる事が出来たリーリエ。今後の二人の活躍に目が離せないであろう。
前半で喋りに喋ったのでこの辺で
それでは!