ポケットモンスター let's goリーリエ!   作:アニポケ大好き主

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たった2話でしたが、カントー編には大満足でした。
最後にプリンがアローラ行きの飛行機に乗っていたのが気になります。
ですが、その余韻も次回予告で吹っ飛んでしまったのは言うまでもありません。


ACT 3

 一年中、寒さに覆われているここふたごじま。春夏秋冬をも存在していない極寒の島で二人のトレーナーによる熱いバトルが始まろうとしていた。

 

「さぁ!出てきて!!!」

 

 勢いよく上へと投げたアイラのモンスターボールから現われたのは…

 

「シャモ‼︎」

 

炎・格闘タイプのホウエン地方のポケモン、ワカシャモだ。

 

「ピカチュウ!君に決めた!」

 

「ピッカ‼︎」

 

 互いの対戦相手を確認したピカチュウとワカシャモは一歩前へと出た。ピカチュウの頬から電気が、ワカシャモの頭の鶏冠からは燃えさかる炎のように真っ赤に熱を帯びていた。

 

「お手柔らかにね♪」

 

「シャモ‼︎」

 

「それじゃあ!行くぞ!」

 

「ピッカ‼︎」

 

 アイラは軽くウィンクで返すと、サトシも軽く頷いては返事を返した。目と目が合ったらポケモンバトル!それがトレーナー同士の決まりみたいなものだ。

 

「先手必勝!ピカチュウ!【10万ボルト】‼︎」

 

「ピィィカァァァチュゥゥゥ‼︎」

 

 先に動いたのはピカチュウだ。軽く空中へジャンプすると、ワカシャモ目掛けて電撃を放つ。サトシのピカチュウの十八番である【10万ボルト】の威力はアイラの肌にも微力ながら感じていた。

 

「燃えろ!ワカシャモ!【かえんほうしゃ】‼︎」

 

「ワァァシャァァァ‼︎」

 

 だが、これぐらいで怯むようなアイラとワカシャモではない。ワカシャモも【かえんほうしゃ】でピカチュウの【10万ボルト】に対抗した。ぶつかり合った技は爆風ともに相殺された。

 

「行っけ!【でんこうせっか】‼︎」

 

「ピッカァ‼︎」

 

「こっちも!【でんこうせっか】‼︎」

 

「シャァ‼︎」

 

 技の威力の次はスピードだ。ピカチュウとワカシャモは足元が滑りやすい氷の上でも軽やかに走り出すと、そのままお互いに衝突した。反動によって二体は後ろへと押された。

 

「上に飛ぶんだ!ピカチュウ!!!」

 

 さぁ、小手調べはもう終わりだ。ピカチュウはさっきよりも勢いよく上へとジャンプした。鳥ポケモンの頭上を取るぐらいの高さまで上がり、その不安定な空中からすぐに電気袋から電気を発すると【10万ボルト】を撃つ体勢へと入った。

 

「逃がさないよ。ワカシャモ!【スカイアッパー】‼︎」

 

「シャッモ‼︎」

 

「ピッ…カァ!」

 

 上空高くにジャンプしているピカチュウだがこの技の前に関係ない。空高く突き上げた拳がピカチュウの電撃が決まる前に命中した。【スカイアッパー】が決まったピカチュウはそのまま地面へと落ちていく。

 

「続けて【かえんほうしゃ】‼︎」

 

 さらにワカシャモの火炎放射が襲いかかる。地面へと真っ逆さまに落ちていくピカチュウに躱す手がない。

 だが、ピンチをチャンスに変えるのはサトシの専売特許である。地形を利用してサトシはピカチュウに指示を出す。

 

「地面に【アイアンテール】‼︎」

 

「チュゥゥゥゥピッカァァァ‼︎」

 

 着地の瞬間を狙ってピカチュウは鉄の尾で氷を叩き割った。その衝撃で飛び散った氷の破片がそのまま壁となり、火炎放射を防いだのだ。

 

「うっそー!!!そんな防ぎ方があるの!」

 

「ピカチュウ!【でんこうせっか】‼︎」

 

「ピッカ‼︎」

 

「シャー!」

 

 予想外の事に驚くアイラ。だが、驚いている場合ではない。氷の破片と火炎放射がぶつかったことで発生した水蒸気がうまい具合にピカチュウの姿を消すことになった。ピカチュウの様子が捉えないワカシャモにピカチュウの電光石火が決まった。電光石火を食らったワカシャモはそのままアイラのいる方へと吹き飛ばされた。

 

「今だ!【エレキボール】‼︎」

 

「ピカピカピカ…」

 

「【かえんほうしゃ】‼︎」

 

「チュピィ‼︎」

 

「シャァァァ‼︎」

 

 ピカチュウはさらに電気を帯びた球体をワカシャモ目掛けて投げ入れた。吹き飛ばされながらもワカシャモも火炎放射でピカチュウの電撃玉を打ち消した。相殺されたことによって発生した煙が二体の前に発生した。再びお互いの姿が見えなくなったことにより、相手の出型を見て警戒し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………。

 

………………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「【つばめがえし】‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シャモ‼︎」

 

「ピィカァァ!」

 

「ピカチュウ!!!」

 

 発生した煙は空気よりも軽いため下の辺りはそんなに煙は密集してはいない。ワカシャモは視線を低くして煙が充満していない僅かな下からピカチュウの姿を捕らえたのだ。

 

「よっしゃあ!続けて【かえんほうしゃ】よ‼︎」

 

「シャ…」

 

 すぐにワカシャモは火炎放射の体勢をとろうとしたのだが…

 

「ワカシャモ?」

 

「シャ…シャモ…」

 

 突然、ワカシャモの身体からは電気が帯び始めていた。そのせいで身体が痺れてしまいすぐに次の攻撃を移せなかったのだ。

 

「しまった。《せいでんき》…」

 

 物理攻撃が裏目に出たか。ピカチュウの特性によって麻痺状態となったワカシャモはその場で行動停止となった。その瞬間をサトシは見過さなかった。

 

「チャンスだ!ピカチュウ【エレキボール】‼︎」

 

 動けないワカシャモにピカチュウの【エレキボール】が炸裂した。

 

「続けて【でんこうせっか】‼︎」

 

「ピッカ‼︎」

 

「シャァァァ!!!」

 

「あっ!!!」

 

「どうだ!!!」

 

 ピカチュウの電光石火がワカシャモの腹部に入る。戦闘不能は免れたもののワカシャモはフラつきながら立ち上がる。すると…

 

「シャァァ…」

 

 ワカシャモの鶏冠辺りから熱のような赤いエネルギーが発すると、徐々に赤いオーラのように身体へと纏わりつき始めた。

 

「《もうか》か…」

 

 体力が寸前の所まで達すると炎タイプの攻撃力が上がるワカシャモの特性。ピンチをチャンスに変える。一発逆転を測る特性だ。

 

「【10万ボルト】‼︎」

 

「【かえんほうしゃ】‼︎」

 

 両者の決め技とも言える技が交わる。

 

「ピィィ…」

 

「シャァ…」

 

 爆風によって吹き飛ばされたピカチュウとワカシャモはなんとか体勢を止めた。炎タイプの威力が上がっているのにも関わらず、それと互角以上の力を発揮するピカチュウにアイラは驚きを隠せないでいた。

 

「やっぱリーグ功績者は違うわね!こんなに強いピカチュウ初めて会ったわ!」

 

「あぁ…スッゲー強いな!アイラのワカシャモも!」

 

「だけど、負けないよ!」

 

「俺だって!」

 

 サトシとアイラが次の指示を出そうとしたその時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  !!!ツンベアァァァァァ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だ!いまの声は?」

 

 突然の唸り声が洞窟中に響き渡った。それを聞いたアイラの表情は険しいものとなっていた。

 

「ごめんサトシ!バトルの方は中断させて!!!急ごう!ワカシャモ!ムウマ!」

 

「待てよ!アイラ!!!」

 

 ワカシャモとムウマを連れて声がした方へと走り出すアイラにサトシも無我夢中となってアイラの跡を追い始めた。

 洞窟道を抜けて、さっきよりも広いホールへと着いたサトシとアイラ。そして、その目の前には一体のポケモンがサトシ達を睨みつけていた。そのポケモンは先ほどと同じ唸り声を上げると両腕を振り下ろして氷山を叩き割った。パワーを見せつけたそのポケモンは誇らしげた表情を浮かべて、こちらを睨みつけてきた。

 

「あのポケモンは?」

 

「ツンベアーだ!」

 

 サトシはそのポケモンの名を言ったと同時にポケモン図鑑を開き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ツンベアー とうけつポケモン

 氷タイプ

クマシュンの進化系。吐く息を凍らせて牙や爪を作り戦う。泳ぎが得意で北の海を泳ぎ周り獲物を捕まえる』

 

 

 

 

 図鑑の解説が終わったと同時にツンベアーは白い冷気を放ってきた。その技はサトシ達の足元に目掛けて飛んでいき、大きな氷の山を形成させた。

 

「うわぁ!ツンベアーの【れいとうビーム】‼︎」

 

「おい!いきなり何すんだ!」

 

 さらにツンベアーの【れいとうビーム】が四方八方に放ち始めた。その場で暴れ始めたツンベアーに野生のポケモン達も慌ててその場から逃げ出して行った。血走ったような目で攻撃を繰り出すツンベアーを見たサトシは話し合いが無理だと悟り、ピカチュウを自分の前へと出した。

 

「こうなったら、仕方ない。ピカチュウ!【10万ボルト】だ‼︎」

 

「ピィィカァァチュゥゥ!!!」

 

「ベェェァァァ!!!」

 

「【れいとうパンチ】で打ち消した!!!」

 

「ピカ…」

 

 ピカチュウの電撃をツンベアーは氷エネルギーを纏わせた拳でその技を打ち消した。

 

「ワカシャモ!【かえんほうしゃ】‼︎」

 

「シャァァァ‼︎」

 

「ベェツッッ!!!」

 

 その隙にワカシャモの火炎放射がツンベアーに放たれた。技を発動した直後であったため躱す体勢を取れてなかったツンベアーにそのまま火炎放射が決まった。

 

「ピカチュウ!【アイアンテール】‼︎」

 

「ワカシャモ!【スカイアッパー】‼︎」

 

 ふらつくツンベアーに効果抜群の技を振りかざすのだが、体勢を保ったツンベアーは突如黒いオーラを纏った拳で二体諸共なぎ払った。

 

「ピカチュウ!!!」

 

「ワカシャモ!!!」

 

 二体はそのパワーに押し返されてしまった。倒れた二体に急いで駆け寄るサトシとアイラ。たった一発のはずがピカチュウとワカシャモにはかなりのダメージが入っていた。

 

「何だ!いまの技は…なんてパワーだ」

 

 サトシは見たことのないその技のパワーに唖然とする。ただ一人アイラはその技を使ってきたことにより、ツンベアーの正体がはっきりとした。

 

「やっぱり…」

 

 さらにツンベアーは【つららおとし】で追い討ちをかける。サトシは一つのモンスターボールを取り出すと、それを上空へと投げた。

 

「リザードン!君に決めた!!!」

 

「グォォォォォ‼︎」

 

 ボールから飛び出したのはサトシの手持ちの仲間でもエース級の強さを誇るポケモン、リザードンだ。飛び出すと同時にリザードンは翼を大きく広げて飛び上がり、火の玉を軽く放射した。その様子をみたツンベアーは攻撃の対象をリザードンへと向けた。

 

「リザードン!【かえんほうしゃ】だ‼︎」

 

「グォォォ‼︎」

 

「ベェアア!!!」

 

 リザードンの火炎放射がツンベアーに向かって放たれた。

 

「【ドラゴンクロー】‼︎」

 

 火炎放射からの連続攻撃。続けてリザードンは龍のような鋭い爪のように具現化されたパワーエネルギーを纏った爪でツンベアーに攻撃を仕掛ける。

 すると、なんとか耐えたツンベアーは大きく息を吸い込み始めると、光り輝く白いエネルギーを口一杯に広げ始めた。その光りの輝きは【れいとうビーム】の比ではない。

 

「危ない!あの技は【ぜったいれいど】よ!!!」

 

「リザードン!【かえんほうしゃ】‼︎」

 

 ツンベアーは一撃必殺の絶対零度をリザードン目掛けて放った。氷タイプの技ではあるがこの技に相性など関係ない。喰らえば炎も凍らせてしまうぐらいの威力を発揮する一撃で戦闘不能とさせる技だ。リザードンも火炎放射で絶対零度に対抗する。両者の押し合いが続いたのだが、リザードンに軍配が上がる。リザードンの火炎放射はそのままツンベアーの絶対零度を打ち消すと同時にツンベアーに火炎放射を決めた。

 

「す…すごい」

 

 相性は有利とはいえ、異常なほどの強さを誇るサトシのリザードンにアイラは口を開けながらその戦いを呆然としてしまった。

 

「今だ!ツンベアーを抱えて飛べ!!!」

 

 接近したリザードンはツンベアーを抱きかかえるとそのまま上空へと飛び始めた。今までのダメージと飛び上がるリザードンのスピードによって生まれた風圧に身体中を押さえ込まれたツンベアーに抵抗する力が働かなかった。

 

「リザードン!【ちきゅうなげ】だ!!!」

 

「グォォォォォ!!!」

 

 そのままリザードンは地球の輪を描くように回り始めるとそのまま一気に急降下し、そのまま地面へと叩きつけた。

 叩きつけられた衝撃による発せられた地響きがリザードンのパワーを思い知らされる。そのままツンベアーは立ち上がることはなかった。勝利を確信したリザードンは勝利の火炎放射を放つ。

 

「決まった!」

 

「やったな!リザードン!」

 

「グゥオ‼︎」

 

 ツンベアーを倒したサトシ達はツンベアーの元へと駆け寄った。

 

「このツンベアーは一体何だったんだ」

 

「すぐに保護した方がいいわね」

 

 アイラはモンスターボールを取り出すとツンベアーに向けて開閉スイッチを押さえようとボールをかざす。その時、何処からか飛んできたポケモンによる攻撃がサトシ達を襲い始めた。

 

「きゃあ!!!」

 

「な…なんだ!」

 

 技が飛んできた方へと目をやると、そこにはツインテールに縛ったピンク色の髪をした女を先頭に同じ戦闘服を身につけた大勢の集団が現れた。

 

「とんだ邪魔してくれたわね。貴方達」

 

 見るからに敵意を示している相手にサトシとアイラはポケモン達を前に出す。目の前の奴らは何者なのかも分からない。

 ただ、感情には出てはいないが、アイラの視線や呼吸音から何処ともなく怒りを感じていた。一緒になって身構えるサトシの目には彼女がそう写っていた。




 番外編はあと2話ぐらいで終わらせる予定です。
それでは!
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