ポケットモンスター let's goリーリエ! 作:アニポケ大好き主
時代の流れと同時に、ポケモン制度も大きく変わっていった。
まず一つ目はポケモントレーナーの資格についてだ。サトシが初めてトレーナーとして旅立つ頃は10歳からトレーナーになる権利を与えられていたが、他方からの野生ポケモンの加入のこともあってポケモンに対する知識や戦闘経験が身についてない状態で旅をさせることは危険行為と判断したポケモン協会は新たに
【ポケモン義務教育制度】
をつくることにした。これは全ての子供達が6歳になると、トレーナーになるにならないに関わらずトレーナーズスクールでポケモンの生態や技やタイプや特性。さらには戦い方や捕獲の仕方を学ばせなければならない教育のことである。そして9年間の義務教育を受けた生徒はトレーナーズスクールを卒業すると同時にポケモン取り扱い免許証となるトレーナーカードが発行されるのである。そしてようやくポケモントレーナーになる許可を得ることができるのだ。
二つ目は手持ちポケモンに関してのことだ。新人トレーナーが旅立つ際に所持するポケモンは最低でも二体所持しなければならないことも義務つけられた。それは途中で所持ポケモンが戦闘不能となり戦う手段がなくなった状態で、野生ポケモンに襲われる危険性を無くすためである。連れていくポケモンもある程度の戦闘経験を積んでいるポケモンと決められているので、トレーナーズスクールでは講義だけでなく実際にポケモンバトルをする授業も実施されている。もちろん新人用に渡されるポケモン達もポケモンバトルの訓練を受けたうえで新人トレーナーに渡すことになっている。こうして多くの新人トレーナーはトレーナーズスクールで一緒に学んだポケモンと各地方で渡される新人用ポケモンの二体を連れて旅に出ることが主となっている。
新人トレーナー達が安心して旅立ってもらうために、こうして改変されたのであった。
「うわぁぁ!可愛い!!!」
現れた新人用ポケモンにカノンは大はしゃぎである。ポケモン図鑑を持ってきたケンジと一体のフシギダネに連れられて カントーの新人用ポケモンの二体 フシギダネとヒトカゲが現れた。
あれ? 二体? と思ったリーリエはオーキド博士に聞いてみた。
「オーキド博士。たしかカントーの新人用ポケモンはあと水タイプのゼニガメもいると思うのですが...」
そう言うと博士は一瞬だけ困った顔を見せた。新人トレーナーとなるカノンとサトルの二人も事情を察したか。少し締まりのなくなった表情をしている。
「実はのう。カノンちゃんとサトルくんがくる前にもう一人の新人トレーナーが先に研究所を訪れたんじゃ。それで早く旅に出たいと言うから先に選ばしてしまったのじゃ。」
オーキド博士の弱々しい発言からして、かなり強引なトレーナーであったことはたしかだとリーリエは思った。
「まあ、あいつはスクールの時からそうだったもんね」
「カノンさん。お知り合いなのですか?」
「うん!同じクラスの同級生だよ。本当はそいつとサトルと三人でオーキド博士の研究所に行く予定だったんだけど〜」
「待っていられなくなって、僕たちに断りもなく先にポケモンを貰いに行って、先に旅にでてしまったところかな」
アハハと愛想笑いをするカノンと困り果てたサトルにつられてリーリエも愛想笑いで返した。
「まあ、そんなことよりポケモン選ぼっと!ほらサトルはやく!前に来なって!」
「うん。待ってよ」
「じゃあ、私はこの子!」
「てっ‼︎ 早くない」
サトルが二体の前に行こうとした直後、カノンはあるポケモンを抱えて君に決めた!とコールした。選んだポケモンはフシギダネだ。
「私はこの子にするから。サトルはヒトカゲで決まりダネ!」
当然、カノンがフシギダネを選んだとなると自動的にサトルはヒトカゲを手にすることになる。
「…まあ、カノンはもうすでに炎タイプのヒコザルを所持しているから。同じ炎タイプのヒトカゲを選んでしまうとパーティのバランスが悪いもんね。わかった。僕はヒトカゲにするよ」
すると、ヒトカゲは口から小さな火の玉をサトルの前に放射した。それに驚いたサトルは後ずさりした際にバランスを崩して、しりもちをついてしまった。それをみたリーリエとカノンは二人一緒におもわず笑ってしまった。
「いきなりなんだよ。ヒトカゲ〜」
「あはは…そりゃ、ついでみたいな感じで選ばれたから怒っちゃったんじゃなーい!」
「あはは… そうかもしれませんね!」
笑いすぎて涙が少し滲んできたリーリエとカノンに一体のフシギダネがお得意のツルを使ってハンカチを二人の前に差し出した。リーリエとカノンはお礼を言ってフシギダネからハンカチを受け取った。その紳士的なフシギダネを見たリーリエは新人用のポケモンではないことがすぐに分かった。
「このフシギダネはオーキド博士のポケモンなのですか?」
すると、オーキド博士はその質問に喜んで答えた。
「いや、このフシギダネはサトシのポケモンじゃよ」
「えっ! そうなのですか!」
そのフシギダネはサトシがカントー地方での旅の途中に出会ったポケモンであり、いままでゲットしたポケモンの中でも長い付き合いがあるポケモンだ。とても面倒みがよく、今は研究所のポケモンたちをまとめるリーダー的な役割を行なっている。新人用のポケモン達の面倒も見ているのもこのフシギダネだ。
「初めまして、フシギダネ。私はリーリエ!
サトシの友達です。こっちは私のパートナーのロコンです。」
リーリエの自己紹介と一緒にロコンもフシギダネに挨拶をした。フシギダネも二本のつるを伸ばしてリーリエの手とロコンの前足につるを巻きつけた。これがフシギダネなりの握手だそうだ。
カノンとサトルのポケモン選びも終え、研究所のみんなはジェームズが用意してくれた紅茶を飲みながらソファーに腰をおろしていた。
「リーリエもカントー地方を旅するんだね」
「はい!ポケモンジムを巡ってポケモンリーグに挑戦しようと思っています」
「僕たちと同じだね。僕とカノンもジムを回ってバッチをゲットして、ポケモンリーグに出場するつもりでいるんだ」
「するつもりじゃなくて、絶対に出るの!
ふふっ それじゃあ、私たちはライバルってことになるね」
「そうですね。まずは一緒にポケモンリーグに出れるように頑張りましょう」
「うん! そうだね! よっぉぉし!
お互いにがんばリーリエ!だね♪」
「が...がんば... リーリエ ですか?」
「うん! がんばリーリエ!」
「もぅっ‼︎ 何を言ってるんですか!カノンさん」
「わぁお!今度はおこリーリエだ!可愛い〜 怒ってる顔も可愛いよリーリエ!」
顔を真っ赤にして恥ずかしがるリーリエ。それを見てはさらにからかい続けるカノン。その様子をみてやれやれと思いつつ紅茶を楽しんでいるサトル。これから始まろうとする冒険に胸を弾ませている三人の新人トレーナーの図がそこにあった。
「ほほっ。これはみんな良きライバルが出たようじゃの」
この光景を微笑ましくみていたオーキド博士は紅茶を飲みながら言った。
【ライバル 同じ目標を持つもの同士 】
その言葉がリーリエのやる気を更に募らせていった。カノンもサトルもきっと同じ気持ちでいるであろう。
その直後、三人の情熱の炎を吹き飛ばすかのように研究所の庭のほうから大きな地響きが鳴り響いた。
その振動は研究所へと伝わり、持っていた紅茶がティーカップから溢れ落ちてしまった。かなりの衝撃であったことがわかる。
「何事でございますか!」
「なんや なんや!!! 何が起こったんや」
「博士!これは一体」
「分からん。とにかく行ってみよう」
博士の言葉を合図にみんなは研究所の中庭へと走りだした。
地響きが鳴った場所へ行ってみると、そこには円形型の大きなクレーターが出来ていた。大きさからみるとかなりの爆薬を投了されたのであろう。何者かの手によって。
「これは!これは!ポケモン研究家のオーキド博士どの お忙しい中失礼致しましたぞ」
リーリエたちの目の前にはおよそ15人ぐらいの黒の制服を身に纏った男女が立っていた。リーリエはその人達の制服に記されていた
【R】マークを見て、この人たちがどのような集団であるのか瞬時に理解した。トレーナーズスクール時代にも人間の言葉を話すニャースを連れた二人組とは何度も遭遇したことがあるからだ。
そうカントー地方のポケモンマフィア
ロケット団だ。団員たちはそれぞれモンスターボールを手にするとリーリエたちを威嚇してきた。
「悪いが、ロケット団のさらなる発展のためここの研究所にいるポケモンたちをすべて頂かせていただく。抵抗するのであればどうなるかわかってるだろうな」
他の団員たちも不敵な笑みを浮かべながらこちらを見下している。あの人数相手にどうすればいいのかと考えていたら、博士の助手を務めているケンジがリーリエたちの前に立ち、自分の腰のベルトに装着されたモンスターボールを取り出し博士の方を向いた。
「ここは僕がなんとか食い止めてみせます。
博士は子供達を安全な場所に避難させたあとジュンサーさんに連絡して下さい」
「無茶じゃケンジ!あの人数では一人では対処できん」
「ですが、このままでは」
博士の言う通りだ。ケンジ一人であの人数を相手にするのは無茶である。しかし、このままでは解決策が見つからないのも事実だ。
「ですが、このまま固まっていてはどうすることも出来ません。ケンジ様のおっしゃる通り、誰かがあの者たちを食い止めなければなりません」
そう言うと、ジェームズもモンスターボールを手に取りリーリエたちの前に立った。
「ジェームズ!」
「博士!ここはお任せ下さい!わたくしとケンジ様とでなんとか足止めします。早く」
二人の言葉にオーキド博士は止む得なく了承した。
「分かりました。お二人ともどうか無茶だけはせんように!」
「分かりました!」
「お嬢様たちのことよろしくお願いします」
「ジェームズ!無理はしないでください」
そう言葉を残しリーリエたちは研究所へと走り出した。
「ほう、どうやら やられてみねぇとわかんないようだな」
ロケット団員たちは一斉にモンスターボールを解き放した。
「行きましょう ジェームズさん」
「では、参ります」
二人もモンスターボールを投げ入れた。
「頼むぞ!ハッサム」
「お願いしますぞ! オドリドリ」
ケンジとジェームズを残し、リーリエたちは急いで研究所へと帰ってきた。だが、
「おっと!ジュンサーに応援を頼もうとしているけど」
「悪いが そうはさせない」
研究所の前には二人の男女が立ち塞がっていた。考えてみれば、任務を確実に遂行するためにあの団員たちをまとめている人物がいないってのは不自然であった。見るからに先ほどの団員たちとは違う空気を漂わせている。
「なんなの! あなたたちは‼︎」
カノンの質問に答えるかのように その二人組は名乗りをあげてきた。
「何だかんだと聞かれたら」
「答えないのが普通だが」
「「まあ 特別に答えてやろう」」
カントー地方といえばロケット団ですね。
まさかジムリーダーよりも先に出てくるとは自分も思いませんでした。
さあ、この二人組は誰でしょう?