フリード(転生者)がいくよぉ〜(ゲス顔)   作:球磨川穂花

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折れた聖剣の数々と退魔師神父
フリード君『折れた聖剣』を集める①


~駒王町教会(夜中)~

 

神に祈りを捧げるはずの教会はピリピリしていた。それもその筈今可笑しいことを言っている

 

「突然ですが、アンタら殺しまーす」

 

「右に同じです。」

 

冗談だと、最初は思った聖職者達。何せ、少しの間とはいえ仲間の関係を築いていると思っていたから。

 

「死をプレゼント・フォーユーだよん。黒雪(ダークスノウ)

 

そんな事を思っている聖職者達の隙をついて、魔法を発動する。フリードの手のひらに、死の塊が集まり、それを空に向けて放つと、雪のように死塊が聖職者の元に降り注ぐ。触れば即死に至るという事を知らない聖職者達は次々と黒い雪のようなものに触りその瞬間に全身が黒くなり絶命していき、あっという間に残り一人だけになってそこでようやく、魔法発動を辞めるフリード。

 

「貴様らぁ!!裏切るのかフリード、一誠よ。」

 

位が少し高めの神父がフリードと一誠に問を投げかける。そもそも、はぐれ神父の存在を忘れていたこの教会の連中は、当然フリードが聖剣計画の生き残りで、多くの関係者を殺してきたということも知らないわけで、少し頭が可笑しい男とそれに何故か付き従っている美女を教会本部から送られてきたとしか考えてなかった。

 

「裏切るも何も、そもそも仲間な

訳ないじゃないっスか〜」

 

そう言うとフリードの片手には、大戦時に折れた聖剣エクスカリバーを錬金術師がそれぞれ、七つの特性をに分けた七本の聖剣のうち、コカビエルが奪ったエクスカリバー三本の1つが持たれていた。

 

「なんだと....それでは、何の為に我らを殺す?」

 

「其れこそ、君ちゃんが知る必要ないよん。」

 

「そうですわね。ドライグ」

 

一誠の腕に『赤龍帝の篭手』が現れて一誠がしたい事を先読みして行動に写す。

 

『Boost!! Boost!! Boost!! Boost!! Boost!!』

 

「流石ですね。ドライグ」

 

『transfer 』

 

5度の倍加の後に、すかさず譲渡の力を発動して、その力がフリードの持っている聖剣に譲渡される。

 

「バイチャラば!!」

 

聖剣に凄まじい力が集まり、それを何のためらいもなく教会の神父達に向けて放つ。

 

「────ッ!」

 

恨み言何一つ言えずに、とある教会の聖職者達は、聖剣の一撃を受けて塵も残さずに消えていったのであった。

 

「やりましたね、旦那様♪」

 

「そうだねん。これで、取り敢えず指示された駒王町にある教会は殆ど潰したんじゃないかな〜」

 

勧誘された日から幾らか経った。そんな時に、フリードと一誠にコカビエルともう一人から指示された内容は、駒王町にいる邪魔な聖職者達を殺して来いというものだった。今までの他の教会でも教会自体にになんの思いもない一誠とフリードは、味方のふりをして今回のように裏切って殺してきたのだ。

 

「旦那様、『聖剣創造』と、コカビエルさんが奪ったその聖剣三本を混ぜてみては如何でしょう。」

 

「おっ、そうだね。」

 

聖剣創造の時に使う魔法陣に折れた聖剣三本を融合させると、眩い輝きを放ったあと、特に不具合もなくあっという間に、融合したのであった。ちなみに、何故『聖剣創造』と折れた聖剣エクスカリバー三本の融合が成立したかというと、同じ聖剣の波長を持つもの同士だったので結果的に成功した。

まぁ、それでも普通は融合が成功する確率は低いが....

 

「やりましたね、旦那様。これで残りの折れた聖剣を集めれれば、目的達成ですね。」

 

「うん。それじゃあ、コカビエルの

旦那の元に戻りますか〜」

 

「はい!」

 

そして、ちゃっかり『聖剣創造』で、本物に劣らない折れた聖剣エクスカリバー三本を創り出した。そして、それを、融合させたせいで、返せなくなってしまったので(まぁ、元より本物は返す気なかったが....)渡された本物の代わりにコカビエルともう一人に最終的には渡そうと思ったフリード。

 

「ヒィィィ!!に、逃げないと」

 

外に出ていて、教会に戻ってきたところ、フリードと一誠によって仲間が一人残らず殺されたところを隠れて見ていた聖職者の一人が声をあげながら逃げ始める。もちろん、その声は二人に聞こえている訳であり....

 

「一誠ちゃん♪」

 

《なるほどな、中々面白そうだ》

 

「わかりました。それではその方向

でいくとしましょうか。」

 

《やれやれですね。まぁ、良いですけど....》

 

逃げ始める聖職者を凄い悪い顔をした二人が今まさに追い始める。聖職者が助かったと思った時くらいに殺そうと考えるフリード君の考えをアイコンタクトだけで理解する一誠。そして、二人がすることが分かり、それに呆れるドライグと賛成するアジさん。

 

「それじゃあ、追いますか〜」

 

 

~それからしばらく~

 

外は益々暗くなり、変な不気味さが駒王町全体から感じられる。

 

「はぁ....はぁ、此処まで来れば大丈夫だろ。」

 

フリードと一誠から完璧に逃げられたと思い込んでいる生き残りの聖職者は足を止めて歩き始める。

 

「でも、まさか俺以外みんな殺されるなんてな。

これからどうすれば良いんだよ....」

 

元々、教会本部からこの駒王町教会に左遷されてしまっており今更教会本部に戻ることなど許されるはずもないので、これからの暮らしをどうすればいいか、全く以て分からないという今の状況。

 

「鬼ごっこは終わりですかい?」

 

「まままさか!?」

 

聞き覚えのある声に、もしかしたら気のせいだったかもしれないということを考えて恐る恐る後ろを向くと其処にはいた。教会の連中を一人残らず殺してきたブリーチとその連れである一誠が。

 

「ハロ〜♪それならそろそろ逝っちゃいなよYOU。」

 

「ま、待ってくれ。よ、要求はなん────」

 

「うるさいなぁ〜死になよ。」

 

眠くなってきたフリードは聖職者に最後まで喋らせずに、聖剣で真っ二つにして殺すのであった。

 

《これで仕事終わりだな。

コカビエルの元に帰るのだろう。》

 

「そうだよん。一誠ちゃん、帰ろっか」

 

「はい!旦那様。」

 

二人仲良く手を繋ぎながら、コカビエルともう一人の協力者が待つアジトへと歩きながら向かう。

 

《はぁ....私の胃がキリキリと痛みますね。》

 

母親替わりのドライグさんは、息子と娘の破天荒な所に胃を傷め始めるのであったとさ。そして、その時!!

 

「....魔剣創造(ソード•バース)

 

騒ぎを聞きつけて隠れてみていたとある人物がそう唱えて剣を地面に刺した途端、フリードと一誠に対して無数の魔剣が地面から現れて攻撃を開始する。その見覚えのある神器によって造られた魔剣を見て口を楽しそうに歪めながら、迫り来る魔剣をフリードは持っていた聖剣でたたっ斬り、残りを一誠が聖槍の波動で消滅させた。

 

「隠れてないで、出て来なよクソ悪魔ちゃん。まさか、今更シャイボーイになったわけでもないでしょ??」

 

《ほう、あの剣士か。凄まじい殺意を感じるぞ》

 

「相変わらずの減らず口を叩くね君は。」

 

フリードの呼びかけに、暗闇から出てきた人物はグレモリー眷属の一人にして、聖剣計画の被害者でもある木場祐斗だった。しかしながら、その瞳は酷く荒み濁った目であり、まるで復讐心に心を奪われている者のようだが....

 

「誰かと思えば、あの時のイケメン君じゃないっスか。俺ちゃんお手製魔改造毒竜(ヒドラ)ちゃんの毒食らって重症っぽかったけど、すっかり治ったんだね。」

 

「うん。御蔭様でこの通り治ったよ。それで、この街に最近帰ってきたんだ。」

 

「ふーん、それで用事は何かな?手短に頼むわ」

 

「ふふふ、なに簡単な用事だよ。」

 

木場はそう言って、魔法陣を展開してそこから魔剣創造で創り出した魔剣を右手に召喚してフリードに向ける。

 

「君の持っているその聖剣を壊させてもらおう!!」

 

そう言いつつ、持ち前のスピードで斬りかかる。

 

「遅いねぇ〜」

 

斬りかかる木場の剣を聖剣創造で

創り出した聖剣でガードする。

 

「それが、本物か確かめさせてもらおう。

────光喰いの魔剣(ホーリーイレイザー)

 

右手に召喚した魔剣を一度消して、光喰いの魔剣を召喚する。前に戦った際に光の剣の光を吸収することで、破壊した魔剣だ。フリードの持っている聖剣が本物であるならば、光喰いの魔剣の力をもってしてもそう簡単には壊れないと予想しての行為だった。

 

「喰らいつくせ、聖なる剣を!!」

 

光喰いの魔剣から闇の霧が発生して、斬り合っているフリードの聖剣へと向かい喰らい尽くそうとするが....

 

「飴玉よりも甘いよん。聖剣よ!!」

 

その煙を聖剣が持つ光で浄化をして逆に光喰いの魔剣を聖剣で斬り壊した。

 

「こんなもんかい?イケメン君よぉ〜」

 

「フン、小手調べさ。本当に聖剣じゃなかったら君だけを斬り殺すだけになるからね。」

 

「ならやってみたら?

まぁ、死ぬのは君ちゃんだけどね。」

 

「お望み通り!!」

 

両手に魔剣創造で創り出した魔剣を持って再び殺す気で斬りかかる。

 

「頼みますぜ、天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)ちゃんよ。」

 

木場のスピードに元々難なくついていけるフリードの速度が、天閃の聖剣によりさらにアップして去り際に2度斬りつける。

 

「くっ!そう簡単にはいかないな。」

 

「あ、そう言えば忘れてた。この聖剣ちゃんはクソ悪魔ちゃんに対して絶大な威力を誇るんでヤンスよ。」

 

「知ってるさそんなこと。ずっと昔からね....」

 

「そうだよね。俺ちゃんと同じ聖剣計画の生き残りで同じ風に聖剣に恨みを持ってるんだ。知ってて、当然だよね。」

 

「それは、どういう「ドラゴンスマッシュ!!」え?」

 

フリードが実は自分と同じ聖剣計画の被害者であり、生き残ってしまったが故に、仲間の復讐の為に聖剣を追い求めてきた的な発言にひどく困惑する木場はすかさず質問する。しかし、乱入者の無粋な助けによってその声は遮られてしまった。

 

「大丈夫か!木場。お前の様子がおかしいから付けさせてもらったら、まさかお前がいるとはな。久しぶりだな!!フリード。ん?....お、お前は!?」

 

乱入者の名は兵藤誠。未だに自分がオリ主だと思っており、自分にだけ主人公補正が備えられているなんて思う愚か者が現れたのだ。もちろん、木場の様子が可笑しいのも原作を見ているから知っており、フリードにリベンジするという意味も込めて木場を追跡していた。

 

「お久しぶりですね。兄さん?」

 

「馬鹿な!?まだ生きていたのか、一誠」

 

フリードだけならば、修行してきた自分と木場で倒せると思っていた誠はフリードの隣にもう一人イレギュラーの存在が居る事に疑問を持ちながら注意深く見て、自分が転生特典で立場を奪われた少女がいた事に酷く動揺を見せ始める。

 

「はぁ、屑が一誠ちゃんの名前呼ぶなよ....殺したくなるだろうが。」

 

「俺をあの時と同じと思うと痛い目見るぜ。」

 

「誠くん、駄目だ。奴は聖剣を持ってるんだよ。」

 

「俺の禁化(バランスブレイク)でなら防げる。」

 

「じゃあ、始めましょうか〜皆さん。

────来い、千本桜弐式(にしき)

 

聖剣創造により、日本刀型の聖剣を創るフリード。その刀はとても聖剣と呼べるかどうか疑わしい位に聖剣らしくない禍々しいオーラを纏う聖剣だったのだ。

 

「一誠ちゃんは、兄貴とやってきなよ。」

 

「ありがとうございます、旦那様。」

 

そう言いつつ、誠を連れて何処かに転移していく一誠。

 

「さぁ、これで話し合いが出来るな。」

 

「巫山戯るなぁぁぁ!今更話すことなんかない。その禍々しい聖剣も僕が壊す。」

 

フリードと話すことはないと言いながら、新たに出て来た聖剣を見つめて殺気をあげて斬りかかる。

 

「しょうがないな、じゃあ話せる様になるまで存分に剣術のみで戦ってあげるよん。」

 

千本桜を構えて向かってくる木場の魔剣を防ぎ逆にダメージを与えようとするが

 

「舐めるな!!」

 

新たに創った剣を地面から出現させてフリードの足を狙う。あわよくば、負傷を狙っていたがそんな簡単に行くわけもなく....

 

「中々良い判断だ。だが、その程度では....」

 

空中に飛んで、足を狙う魔剣

を避けるフリード

 

「普通は飛ぶよね。魔剣創造•限界突破(ソード•バース•リミットブレイク)!!」

 

木場の魔剣創造は、魔剣を最大で地面に生やすことは出来た。しかし、どうしても空に向けて大量に魔剣を展開することは叶わなかった....いや、叶わないというよりは木場自身が諦めていたのだ。空に出してもただ落下していくのみだと思いこんでいたのだ。

 

「えぇ!?マジですかい....(成長し過ぎだろ)」

 

しかし、昔ならともかく今の木場自身が願えば自ずと神器はその思いに応える。その結果、魔剣創造の際に使用する魔法陣を複数空に展開することで、大量の魔剣が地面に落ずに空に浮かぶことが出来るようになったのだ。

 

「さぁ、僕の魔剣達よ。フリードに向かって飛んでいけ!!」

 

主の意志に応えるように、一本一本の魔剣がものすごいスピードでフリードの元へと向かった。あっけに取られている間にわずかに残された魔法発動タイミングを失うフリードに向かってくる百を超える魔剣の大群全てを切り伏せることは不可能だと傍から見れば思うだろう。

 

(────卍解)

 

フリードが千本桜Ⅱを下に落とす様な動作をとって唱えた瞬間大量の魔剣がフリードの元へと降り注ぎ爆発が起きた。魔剣が大量にフリードに突き刺さったと思い魔剣創造発動を解く。

 

「これで....流石に....」

 

魔剣創造•限界突破(ソード•バース•リミットブレイク)を成功させたが、その代わりに体力を殆ど持ってかれて、杖替わりの魔剣で手を支えなければ今にも倒れそうな木場。

 

「中々やるじゃん。後輩ちゃん。

あぁ、そうだ!戻れ千本桜弐式(にしき)。」

 

「馬鹿な、無傷だって!?」

 

爆風の中から現れたフリードは木場の言う通り無傷だったのだ。少しの傷も見られない。そして、フリードの周りに漂っていた桜のようなモノがフリードが差し出した手のひらに集まり元の千本桜弐式(にしき)に戻るのだった。

 

「さぁ〜てこれでゆっくり話せるな。」

 

そう言いながら、笑うフリード。

 

 

 

~誠と一誠side~

 

「謝るなら、許してやるよ一誠。」

 

「下らないですわね。とっとと終わらせたいので構えてくださいよ。」

 

「....良いだろう。ならば、オリ主の俺の力を得と味わうがいい!────禁化(バランスブレイク)

 

発動した赤龍帝の籠手が赤色で所々に緑の宝玉が装飾された龍の全身鎧へと変化した。

 

「『これが、赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)だ。』」

 

鎧を全身に纏っているので少し曇ったような声を出しながら一誠を挑発する誠。

 

「ふふふ、それなら私も力を見せましょう。

────『黄昏の聖槍』&『赤龍帝の籠手』よ禁化(バランスブレイク)をお願いします。」

 

《了解です。一誠》

 

赤龍帝の籠手と黄昏の聖槍が混ざり合い、

誠の鎧とはまた独自の進化を遂げた

禁化を発動する一誠。

 

「『馬鹿な!?赤龍帝の籠手だと』」

 

誠が狼狽えてる間に一誠を光が包み禁化が発動する。

 

「『真なる赤龍聖帝の神鎧(ブースデット•ヤハウェ•スケイルメイル)

 

光が晴れると、黄昏の聖槍が混ざり合ったことにより赤くなり一誠の左手に持たれ、赤龍帝の鎧が神々しい輝きを魅せ、幾つかの果実のようなものが背中に乗せたような姿になった。

 

「『さぁ、兄さん。覚悟してくださいよ?』」

 

 


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