あの後2人は買い物を続け、夕食の材料を買い終わって家に帰り着いた。
「ふぅ、すぐ夕食の準備をするからお前は先に風呂を沸かしてから入っといてくれ」
「あっ、うん分かった」
そう言って少女は風呂に向かったが少女の顔にはいまだに陰りが見える。まるで何かに恐怖しているように
(昼間の一件が原因か?無理に聞き出してもだしどうしたものか・・・)
ランドオロスはそんなことを考えながら夕食の準備を進めていった。
その後少女が風呂から上がってきた後2人は夕食に入った。
「んじゃ食うか」
「うん・・・」
そういうが少女はなかなか料理に手をつけようとしない。
「どうした?食わないのか」
「・・聞かないの?」
「何をだ?」
「昼間の事」
「うーむ、まぁ気にはなるが無理に聞こうとは思わねえかな。そっちが話したくなったら話せばいい。それで終わりか?なら早く食わねえと冷めちまうぞ」
そう言ってランドオロスはオムライスを1口食べた。
夕食も終わりランドオロスが風呂に入ろうと思い風呂に向かおうとした時少女が声をかけた。
「・・ランドオロス」
「ん?何か用か?」
「・・話す気になったの。だから聞いてほしい」
「・・分かったが突然だな?」
「悩んで時間無駄にするぐらいなら一歩踏み出そうと思って」
「そうか」
そう言ってランドオロスはもう一度食卓のイスに座る。
少女は恐怖していた。自らの事を知られることを。自分が嫌われそして自分が孤独になることが。そして少女は最初から嫌われ、遠ざけられるぐらいなら自分から離れることを選択していた。だが目の前の男、ランドオロスはいくら離れようとしてもこちらに近づいてくる。いくら離そうとしても離せない、逆に自分にどんどん近づいてくる。それを続けていくうち少女はその男の事を信じたくなっていた。
(これを話せばランドオロスに嫌われるかもしれない。でも信じたい。彼のことを・・)
そして決心を決めた少女はついに口を開けた。
「ランドオロスは異世界人って信じる?」
返ってきたのは頭に?マークを浮かべたような彼の顔だった。
「異世界人・・ってなんだ?」
「そのままの意味よ。私は元々この世界、グリューネシルトとは別の世界で生まれて、ある日この世界に来たの」
「ふむふむ、よく分かんねえがまあ話を続けてくれ」
「私は元々ダークネス・エンブレイスっていう世界に生まれたの。でもある日気がついたらこの世界にいてそれも運悪く軍の施設内にとばされて、それで第4前線部隊の人に見つかって」
「追いかけられた」
「うん。それで何とか逃げ回っていたんだけど捕まりそうになったの。それで怖くてつい魔法を使っちゃったの・・途中で倒れちゃって捕まっちゃったけどね」
「魔法ってのは?」
「ダークネス・エンブレイスはグリューネシルトとは違って科学力はそこまで発達していなくて、逆に魔法が発達した世界なの。魔法は自分の中に流れる魔力を使って現実では到底起こりえないこの世の神秘を現出・・・例えば炎を出したり、怪我人を何もない状態から回復させたりすることができるの。そして魔力は空気中の成分を体に取り込むことで回復できる、だから使い方によってはその攻撃の手を休めることできずに、リロードの隙も作らずに遠くから攻撃できる。そして第4前線部隊の奴らはその半無限性に目をつけて強引に私を引き入れたわ」
「それであいつらはお前のことを知ってたわけか、だがそれならもうちょい待遇良くてもよかったんじゃねえのか?初めて会った時といい昼間といい」
「ううんあいつらは私の魔法という力に恐れて、それで力で従わせようとしたの。私が反抗しないように。何か私があっちの気に食わない行動を起こそうとしたら遠慮なく殴ってきたわ。そのうち私の魔法の力が弱まっていって、それに気がついたら今度はことあるごとに理由をつけて暴行を加えてきた。今は魔法も使えなくなってなすがままに受け入れるしかなくなったわ」
「・・・」
「辛かった、拠り所の1つだった魔法はここでは恐れられ忌み嫌われて、私が元の世界で当たり前のようにみんなが目標の通過点として目指していた魔女っていう存在はここではただの化け物としての呼び名で、そんな時あなたに拾われたの。でも私の事を話せばまた嫌われる、捨てられるそう思って、」
そこまで少女が口にした時、突然ランドオロスは立ち上がった。
「おい、今すぐ1枚羽織ってこい。外は寒いからな」
「・・ランドオロスも私を捨てるの?」
「捨てる?まさか、お前に今から面白いもんを見せてやるのさ!」
「面白いもの?」
「ああ!」
「一体何を・・」
「決まってんだろ?お前が使えるってんなら俺にできねえことはねえ!見せてやるよ
俺の魔法ってやつをよ!」
次回第1章最終話(予定)です。(予定)だから仮に終わらなくても裏切ったことにはならないね!