2人は街から少しばかり離れた丘に来ていた。2人がこんな場所に来ているのにはもちろん理由がある。
「ん、ここなら大丈夫かな」
「ランドオロス、何するつもり」
「何ってさっきも言ったじゃねえか。俺の魔法を見せてやるんだよ」
「無理だよ。ランドオロス魔力持ってないじゃん。魔力がなきゃ魔法は」
「使えないか?ハッハッハ、ならお前の驚く顔が今から楽しみだぜ!」
そう言いながらランドオロスは屈伸や伸脚などを行い体をほぐしていく。そうしてそれがある程度終わってからランドオロスは言った。
「お前の言う魔法ってのは自身の魔力を使って攻撃したりすんだろ?」
「う、うんそんな感じ」
「そして魔法を使うペース配分さえ間違えなければいつまでも攻撃の手を休めることなく攻撃できるっと」
「うん、それがどうしたの」
「なあに、なら俺の魔法には敵わないな!なぜなら俺の魔法はペース配分なんて考えなくても何発でも打てるんだからな!」
「え!?」
そんな魔法があるのか、少女は期待と疑念の二つが混じったような表情でランドオロスを見つめる。
「そう焦らずとも今見せてやるよこれが俺様の魔法だ!」
そういうとランドオロスは街とは逆の方向を向く。そして腕を引き
「オォォーラァァー!」
引いた腕を勢いよく振り抜いた
「インパクトォォーーー!!!」
ドゴォォォン
そんな大きな音と共に目の前に広がっていた森は衝撃を受けた部分が直線状に地面からえぐれ荒れ果てていた。
「な、なにこれ」
「フッ、これが拳を勢いよく振り抜くことでできる衝撃波で攻撃する俺の魔法《オーラ・インパクト》だ!不可視の力を使って遠くまで攻撃できるし手を休めることなく攻撃できる。どうだ!俺の魔法は!」
「・・・」
「これで俺も、えーと男だから魔男?ってやつになっちまったな!ハッハッハ!」
「・・ランドオロス」
「なんだ?」
「それ魔法じゃないよ」
「何!?お前が言った条件は満たしてるはずだろ!」
「いや、まず魔力が使われてないし」
「・・ハッ!」
「フ、フフ・・ねえランドオロス?1つ聞いていい?」
「ん?何だ?」
「なんでランドオロスは私なんかに構ってくれるの?全く面識もなかった私の事を」
「助けた理由か・・そりゃ困ってる人を助けるヒーローになるのが俺の夢だったからな」
「そっか」
そう言って少女はしばらく空を見ながら考える。
「マリー」
「ん?なんか言ったか?」
「マリー、私の名前よ。知りたがってたでしょ?」
「そりゃそうだがまた突然だな。どんな変化だ?」
「あなたなら信じられると、この世界でもあなたとなら生きていけると、そう思ったからよ」
「そうか、マリーか・・いい名前だな」
「ありがとう」
そう言う少女、マリーの顔には笑顔が浮かんでいた。
「ほう?笑顔もなかなか可愛いじゃねえか」
「へっ!そ、そのありがとう」
「どうした?顔赤いじゃねえか?」
「な、何でもないよ!」
ランドオロスは一緒に帰ろうとなおも顔を赤くしているマリーの手を取ろうとして、すぐさまマリーを抱き寄せた。
「ふぇっ!ランドオロス!な、なにを」
マリーがそう言った瞬間
パパパパパ
「!?」
突然銃声が鳴り響いた。しかしマリーには一切銃弾の嵐が降ってこなかった。つまりは
「ぐっ!」
「ランドオロス!?大丈夫!?」
ランドオロスがマリーをかばったのである。
「なんでいきなり」
「おやおや魔女の方には一発も当たらなかったか。だが魔女に肩入れする鬼には大ダメージだな。」
「!?この声は」
「よお、久しぶりだな魔女。この第4前線部隊隊長であるウェストロ・ツィカーデが直々に迎えに来てやったぜ」
そう言う一人の青年とその後ろに部下と思わしき男たちが20人ほど立っていた。
「なんで・・」
「ん?何か言ったか?」
「なんでこんなひどいことができるの!」
「ひどいこと?どこがだ?仇なす危険のある兵器が暴走しないように管理する。その兵器の暴走を助長しようとしている男を始末しようとする。何もおかしなことはないだろ?」
「チッ黙れよくそが」
そう言って痛みをこらえながらもランドオロスが2人の会話に割り込む
「ランドオロス!?大丈夫なの!?」
「筋肉がいい防弾ジャケットになってくれてな」
「貴様、この俺に対してずいぶんな物言いだな?」
「ああそうかい。ずいぶんついでに1つ質問だ。クリスの野郎はどうした?」
「クリス?知らねえよそんな雑魚はな」
「そうかい・・よくわかったよほら吹きの隊長補佐野郎!」
「な、な、貴様!絶対殺してやる!」
そう言ってウェストロは部下に発砲命令を出しランドオロスはマリーを抱えて森の中に隠れ銃弾の嵐から逃れる。
「くそ、どうしたものか」
「ランドオロス・・私を」
「明け渡してでも俺は助かれとかいう意見なら聞かねえぞ」
「っ!なんで!?あいつらの狙いは私のはずでしょ!私がいなくなればランドオロスは傷つかずに」
「・・いっただろ俺は誰かを守り、助けるヒーローに憧れてこの軍って世界に入ったんだ」
「それでもランドオロス自身が死んじゃったら元も子もないじゃん!」
「・・昔とあるガキがいたんだ。そのガキはちょっとした事故に巻き込まれて建物に閉じ込められた」
「?こんな状況で何の話?」
「その建物はぼろくてな助けに行こうものなら一緒に倒壊の巻き添えをくらう危険がある。そんな状況だったんだ。だから周りの奴も閉じ込められたガキ自身でさえ諦めた。だがとある男が無謀にもその建物にツッコミそして見事そのガキを救い出したんだ。その男にガキは聞いたんだ「なんで助けようと思ったのか?」ってな。そしたら男はこういったんだ「どんな人であれ不幸な目にあってはいけないんだ!不幸な目にあおう者がいるのなら命を懸けてでもそのものを守り救うのが漢の役目だ!」ってな。その言葉を聞いたとき俺はその男みたいなかっけぇヒーローって存在に憧れてなりたいと思ったんだ」
「ランドオロス・・」
「だからだよ、俺は俺の命に代えてでもお前を守ってやる。」
「でもこの状況でどうやって」
ランドオロスは少し思案しそしてマリーに告げる。
「・・・マリーよく聞け、この丘を少し降りた先に今は使われてないトンネルがあったはずだ。そこはガスが充満しているとかで少し危険だが抜けられれば街に出られる。少なくともあいつらの相手するよりかは安全に街につくはずだ。お前はそのトンネルを通って街に行ってこの通信機でダーマってやつに連絡しろ」
「ランドオロスは?ランドオロスも一緒に」
「駄目だ、一緒に逃げてもすぐにあいつらに追いつかれるだけだ。だから俺はあいつらを足止めする。」
ランドオロスは不安そうな顔で見つめるマリーの頭を撫でて言葉を続ける。
「安心しろ、ある程度時間を稼いだら俺もそっちに向かう」
「・・分かった」
そう言ってマリーは通信機をもって丘を降りていく。そんなマリーを見つめながらランドオロスはだれにも聞こえない声で呟く。
「ダーマになら安心して任せられる。だからまたなマリー」
そう呟いてランドオロスは丘を登っていきウェストロ達を見つける。
「ふん!くたばりぞこないが魔女はどうした?」
「マリーなんかいなくたって1人で勝てるって意味だよ!ほら吹き野郎!」
「ふん、ならまずは貴様から始末してやる。やれ!」
その言葉を合図にランドオロスと第4前線部隊の戦闘が始まった。
この作品はセガと角川に感謝の気持ちを、原作へのリスペクト5%程。その場のノリ30%と原作設定を捻じ曲げてもやりたいことをやろうとする作者のわがまま65%の配合でお送りします。