失われた欠片   作:ガイアプロローグ

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第1-3外伝 奇妙な赤子を看る!(後編)

アカ斬るサイド…

 

夕方、アカメ達は森の中に入って赤ん坊の親がいる大木の家にたどり着いた。

 

アカメ「ここか…」

 

チェルシー「言ってた通り…本当に元通りになってるね」

 

すると木の裏から赤ん坊の母親が現れて来た。

 

母親「来ましたね!それも…大人数で」

 

そして母親はチェルシーの方に視線を向ける。

 

母親「…連れてきたみたいですね?」

 

チェルシー「…私に何か用があるみたいだけど何?」

 

すると母親はチェルシーに近づいて来る。

 

母親「こっちに来てくれる?」

 

母親はチェルシーの腕を掴んでそのまま大木に向かう。

 

チェルシー「え?何?」

 

アカメ「おい…何処に連れて行く気だ?」

 

母親「昨日の事…私の家を切り倒した犯人の1人として説教をさせるので少し待っていて下さい!」

 

チェルシー「嘘…私だけ⁉︎」

 

母親「後はあなただけですからね!」

 

そして母親は高速で大木の中にチェルシーを連れて行く。それを見て怪しいと思ったアカメ達が追いかける。

 

アカメ「待て!」

 

だが突然周りの木が動き出してアカメ達を囲んだ。その間に母親はチェルシーを大木の中に入れて自分も中に入った。

 

チェルシー「っ!」

 

マイン「チェルシー!」

 

だが周りの木が邪魔をして攻撃をしてくる。

 

マイン「くっ!(邪魔ね!)」

 

マヴァール「木の危険種か…全員ぶっ飛ばしてやるぜ!」

 

ブラート「そうだな…こいつら直ぐに倒して助けるぞ!」

 

シェーレ「私も…皆さんの為にやります!」

 

アカメ「先ずはこいつらを葬る!」

 

 

その頃、チェルシーは母親に縄で拘束されていた。

 

チェルシー「くっ…何が目的?」

 

母親「これであなたたちは終わりね?フフッ…」

 

チェルシー「終わり?…どう言うこと?」

 

すると母親はテーブルに手を当てて言う。

 

母親「クゥウちゃんの居場所を吐きなさい!」

 

チェルシー「…あなたが言うクゥウちゃんは赤ん坊のことかしら?」

 

母親「知っている癖にその質問はやめて!…早く吐いて!」

 

チェルシーは目を閉じて言う。

 

チェルシー「…わかった…言うからこの縄を解いてくれる?」

 

母親「いいえ、それは吐いてからよ!」

 

チェルシー「別に何もする気無いんだけどな〜…駄目かな?」

 

母親「駄目に決まってるでしょ⁉︎あんた今どの立場でここにいるのかわかってんの⁉︎」

 

チェルシー「わかるわよ…共犯だからって事でしょ?」

 

すると母親は…

 

 

 

 

母親「…それだけじゃない…あなたは…あなたが直接、エスデスにクゥウちゃんを手渡したのをこの目で見たからよ!」

 

チェルシー「…恨んでるの?」

 

すると母親はチェルシーの言動を聞いてチェルシーの襟元を掴む。

 

母親「恨んでる?…ですって?」

 

チェルシー「…」

 

 

 

 

すると母親は急に人が変わったかの様に豊かな表情に変える。

 

母親「…フフッフフフフッ!…その反対よ…居なくなって清々したわ!」

 

チェルシー「っ⁉︎」

 

母親「正直言うと、あの子は…邪魔だった…とても人間とは思えないから」

 

チェルシー「…」

 

母親「だって他人を勝手に若返らせるのだもの…確かに最初は可愛いと思ったわよ?生まれてきた時はね…能力を知った時は驚いたわ…でも嬉しかった!そのおかげで私もこんなに綺麗な姿になれたから!…だけど喜べたのも束の間だった…あの子は…必要以上に私を若返らせようとした…クソガキにまでにしようとした!そのせいで私の能力は大半奪われたわ!…だから私は…あの子が眠りに入った隙に…この大木の枝の中に吊るした!そしたら私は…やっと自由になれた!こんなに嬉しい事はないわ!…そして怪物は今エスデスの元にいるから二度と会う事はない!」

 

母親はそう言うと満足感の溢れた表情を見せる。するとチェルシーは小声で言う。

 

チェルシー「…狂ってる」

 

母親「…え?」

 

チェルシー「…狂ってるって言ったのよ…あんたに」

 

母親「狂ってる?狂ってるのは怪物の方よ!何で誰も私の味方をしないの⁉︎」

 

母親はチェルシーの頬に平手打ちをする。

 

バチンッ!

 

チェルシー「うっ!」

 

母親「はぁ…はぁ…どいつもこいつも…何で私に肯定しないのよ!」

 

チェルシーは顔を母親に睨みつけて言う。

 

チェルシー「…肯定?…自分の子供を捨てた母親に肯定してって…おふざけが過ぎてるわよ…だったら…だったら最初から子供なんて作らないでよ‼︎子供が可哀想よ!」

 

母親「可哀想⁉︎怪物に可哀想って言葉を使う殺し屋なんていたんだね…どうかしてるわ」

 

チェルシー「どうかしてるのはあんたよ!」

 

母親「うるさい!」

 

再びチェルシーに同じ頬に平手打ちをする。

 

バチンッ!

 

チェルシー「うっ!」

 

母親「はぁ…はぁ…やっと手に入れた自由は奪わせない!」

 

すると母親は台所に行って、中から包丁を取り出して来た。

 

母親「わかってくれないなら…こうしてやる」

 

 

 

 

母親はチェルシーに包丁を向けようと振り向くが…そこには何故かチェルシーではなく縄が解かれているエスデスがいた。

 

母親「っ!こここれは…エスデス将軍⁉︎(何でエスデスがここに⁉︎)」

 

エスデス「これは何の真似だ?」

 

突然の出来事に固まる母親。

 

母親「も…申し訳ございません!ああ⁉︎怪我までしています⁉︎今すぐ治療しますので待っていて下さい!」

 

エスデス「その必要はないぞ?」

 

母親「え?」

 

するとエスデスは母親に近づいて抱きしめる。

 

母親「あ…あの…エスデス将軍?」

 

エスデス「そんなにストレスが溜まっていたのだな…私がそのストレス…優しく取り除いてやるぞ?」

 

母親「いや、そんな…将軍様に癒して貰えるなんてなんて贅沢なことを…」

 

エスデス「知っているとは思うが…私はイェーガーズのリーダーだぞ?民の意見を聞くのも私の仕事だ」

 

エスデスはそう言うと優しく背中を撫でる。そう言われて母親は目を閉じて言う。

 

母親「…ありがとうございます、将軍様」

 

エスデス「こうしているだけで、お前の辛さは伝わったぞ?」

 

プス…

 

その時、母親は首から細い針に刺された様な感覚がした。

 

 

 

 

 

母親「…え?」

 

そしてエスデスが煙と共に消えてそこからチェルシーが姿を現した。

 

チェルシー「…帝具使いってことを忘れていたわね?」

 

母親「…あ…あ…」

 

チェルシー「今までの報いを受けたと思いなさい…さよなら…」

 

そしてチェルシーは針を引き抜く。それと同時に母親はうつ伏せに倒れた。

 

ドサッ…

 

母親「わ…わた…しの…自由…が…ぁ」

 

母親はそう言うと涙目になりながら目を静かに閉じた。

 

チェルシー「…自由…か…最後まで自分が大事だったんだね…」

 

チェルシーは針についている血を払って、ガイアファンデーションの箱の中に針をしまう。

 

チェルシー「…赤子は助けるわ…」

 

去り際にそう言って大木の中から出て行った。

 

 

 

 

その頃アカメ達は周りにいた危険種を殲滅していた。

 

マイン「アカメ!そいつが最後よ!」

 

アカメ「任せろ!」

 

逃げる最後の危険種をアカメが一刀両断する。

 

アカメ「葬る」

 

ズバッ!

 

危険種「ギャアァァァ!」

 

そしてアカメは村雨を鞘に収める。

 

マヴァール「流石アカメだ!」

 

シェーレ「皆さん、チェルシーさんを早く探しましょう!」

 

シェーレがそう言うとチェルシーが木の裏から右頰が赤くなっているチェルシーが現れた。

 

チェルシー「お待たせ〜」

 

アカメ「チェルシー、戻って来たか?」

 

マイン「フッ!…中々やるじゃない」

 

シェーレ「無事で良かったです!」

 

マヴァール「やるじゃないか新人」

 

ブラート「マヴァール、あいつはあぁ見えてプロだが…」

 

 

 

 

 

そしてその後チェルシーはナイトレイドのみんなに今回の事を伝えた。

 

ナジェンダ「そうか…まさかその母親があの赤ん坊を育児放棄して私達に押し付けたって事か」

 

チェルシー「…少し違うけど…あの子の母親はろくでもない奴だったのは確かだったわ」

 

ナジェンダ「しかし珍しいな…」

 

チェルシー「え?」

 

ナジェンダ「お前が肉弾戦で勝負をしてくるとは正直驚いたぞ?」

 

チェルシー「えぇぇ⁉︎何を言ってるんですか⁉︎」

 

ナジェンダ「だってその頬を見ればわかるぞ?」

 

チェルシー「ボス…私をからかってるんですか?」

 

ナジェンダ「ははは…冗談だ、でも傷は手当てしないと悪化するかもしれないからな…スサノオ」

 

スサノオ「む?」

 

ナジェンダ「チェルシーの顔を手当てしてくれ」

 

スサノオ「承知」

 

そして何故かタツミが壁の隅で拗ねていた。

 

タツミ「出番が少ない気がするんだが気のせいか?」

 

するとブラートがタツミの近くに座って来た。

 

ブラート「すまんなタツミ」

 

タツミ「うおっ⁉︎」

 

タツミはブラートを見てずっこける。

 

ブラート「でも次に依頼が来た時は俺と二人きりで行動しないか?」

 

タツミ「え…二人きり?(そこはみんなでって言ってくれよぉ⁉︎)」

 

すると部屋からレオーネが疲れた顔でラバックを抱えて出てきた。

 

レオーネ「あ"あ"あ"ぁ"…ボス…そろそろ変わってくださいよぉぉ…」

 

ラバック「な〜な〜」

 

ラバックはナジェンダの方を見て両手を伸ばす。

 

ナジェンダ「はぁ…」

 

マヴァール「まだ赤子だったのか⁉︎」

 

するとアカメが言う。

 

アカメ「…明日…今日行った木に行ってみるか?」

 

シェーレ「?…何か戻す方法を思いついたのですか?」

 

アカメ「…確信は持てないが、ラバックを連れて行ってみる」

 

ナジェンダ「…だが可能性はある様だな、いいだろう…明日の朝、ラバックを連れてって再び向かってみよう!」

 

レオーネ「え?ボスも行くの?」

 

ナジェンダ「…あの木には人がいないからな、それに私にはスサノオがいる!だから大丈夫だ」

 

レオーネ「なぁボス…そこに危険種はいます?」

 

アカメ「すまんレオーネ…粗方倒したからいないと思うぞ」

 

チェルシー「…」

 

チェルシーはスサノオに治療されながら一人悩んでいた。それに気づいたマインが話しかける。

 

マイン「どうしたの?随分と深刻な表情してるけど…」

 

チェルシー「ねぇアカメちゃん、昨日赤ん坊はラバックの部屋で寝ていたんだよね?」

 

アカメ「あぁ…そうだが」

 

チェルシー「その赤ん坊を連れ戻してラバックを元に戻すことは出来るのかな?」

 

マイン「っ!チェルシー…まさかあんた、エスデスから赤ん坊を連れ戻しに行くつもり?」

 

チェルシー「私のガイアファンデーションの能力なら気づかれずに接近できるわ…だから明日行ってみようと思うの、それに無策で突っ込んで行く程…私は馬鹿じゃないわよ?」

 

そう言うとチェルシーはタツミの方を見る。

 

タツミ「…まさか…」

 

ナジェンダ「大体はわかった…明日手配書が回っていない者達で赤ん坊を取り戻せ!それ以外の者は私と一緒にラバックを連れてあの大木に向かう!」

 

レオーネ「そうするとまた明日ウチらは偵察って事になるみたいだなタツミ」

 

タツミ「姐さん…なんか震えてないか?」

 

レオーネ「最近偵察が多くて早く危険種か外道な奴を殴りたくてうずうずしてんだよぉぉ…!」

 

アカメ「レオーネ、少し落ち着け」

 

レオーネは武者震いをしながらタツミに言う。それを聞いてタツミは汗を大量にかく。するとマヴァールがレオーネの肩に手を置いた。

 

マヴァール「まぁまぁレオーネ、今日はもう依頼もないし一緒に酒飲もうぜ?」

 

するとレオーネは…

 

レオーネ「おぉ!マヴァール!そうだな!酒飲んで明日に備えようじゃないか?」

 

マヴァール「おうよ!」

 

そして二人は上機嫌で台所に向かって酒を取りに行った。

 

アカメ「スーさん!夕食の準備…今日も手伝うぞ?」

 

スサノオ「うむ!いいぞ」

 

チェルシー「アカメちゃん、偶には野菜料理にしてくれると助かるんだけど〜駄目かな?」

 

アカメ「…すまん、今は野菜が無いんだ」

 

スサノオ「染みるぞ?」

 

チェルシー「え?」

 

スサノオがチェルシーの頬に薬を染み込ませた綿を当てる。

 

チェルシー「うっ!(痛っ!)」

 

スサノオ「我慢しろ」

 

ナジェンダ「ふぅ…明日もまた大変な一日になりそうだな」

 

マイン「そうね…」

 

マインはそう言うと自分の部屋に向かって行った。

 

 

 

深夜、マヴァールとレオーネはソファーで鼾を立てて寝ていてみんなはそれぞれ自分の部屋で寝ていた。そしてアカメは一人外に出て夜風を浴びていた。

 

アカメ「…(クロメ…今頃どうしているんだ?)」

 

夜空を見上げながら一人で心の中で呟いていた。するとシェーレがアジトから出て来る。

 

シェーレ「メガネ〜メガネ〜」

 

アカメ「?」

 

シェーレはメガネを探していた。そしてアカメはシェーレの所に行く。

 

アカメ「また失くしたのか?」

 

シェーレ「あ…その声はアカメですか?すいません…私のメガネは何処ですか?」

 

アカメ「…私が探すから部屋に戻って寝ていいぞ?」

 

シェーレ「アカメ…優しいのですね…すいません」

 

そしてアカメはシェーレの手を取ってシェーレの部屋に入ってメガネを探す。するとシェーレのメガネはベッドの上に置いてあった。

 

アカメ「あったぞ?」

 

アカメはシェーレにメガネを渡す。

 

シェーレ「ありがとうございます」

 

ラバック「すぴ〜…すぴ〜…」

 

そこにはシェーレのベッドの上で寝ているラバックがいた。

 

アカメ「ラバックも一緒だったか」

 

シェーレ「はい…今はまだ赤ん坊ですから私の部屋で一緒に寝ることにしたのです」

 

アカメ「…優しいな…シェーレは…」

 

そしてアカメはシェーレの部屋を出て自分の部屋の中に入ってベッドの上に寝そべる。

 

アカメ「…」

 

アカメは枕を抱いてそのまま眠りについた。

 

 

 

翌朝、アカメは太陽の光が目に当たって目を覚ました。すると横にはレオーネが座って見ていた。

 

レオーネ「おはよう親友!」

 

アカメ「?…レオーネ?どうしたんだ?」

 

レオーネ「いや〜アカメが珍しく寝坊していたからついつい眺めちゃったよ?」

 

アカメ「寝坊⁉︎…まさかもうみんな起きているのか?」

 

レオーネ「まぁ焦るなって、まだ早朝だよ?」

 

アカメ「…何時だ?」

 

レオーネ「8時だよ?」

 

アカメ「…ギリギリだな」

 

そしてアカメは支度をしてみんながいる場所にレオーネと一緒に行った。

 

 

スサノオ「遅かったな」

 

アカメ「スーさん…手伝えなくて悪い」

 

スサノオ「構わん、それよりも飯が冷めるぞ?」

 

アカメ「は!…そうだな!」

 

その後からラバックを抱いているシェーレと寝ぼけているタツミ、髪を縛っているマインが集まって来た。

 

 

そして朝食を食べ終えたアカメ達は、ナジェンダから再び今回の件を伝えられる。

 

ナジェンダ「昨日も言ったと思うが、手配書が回っていない者達は赤ん坊を連れ戻して来る事だけを考えて行動をしろ!その他の者は私と一緒にラバックを連れてあの大木の場所に向かう!」

 

そしてアカメがみんなに言う。

 

アカメ「ナイトレイド…出動だ‼︎」

 

そう言うと全員アジトを出て、チェルシー、タツミ、レオーネの三人以外は大木に向かって行った。

 

 

 

その頃、エスデスは自分の鏡を見て少し驚いていた。

 

エスデス「何だ…この姿は?」

 

エスデスの全体的に幼女の様な姿に変わっていた。自分のベッドの上には元の赤ん坊がいた。

 

赤ん坊「あ〜あ〜」

 

そしてエスデスは赤ん坊の方に向かって行った。

 

エスデス「…(この赤ん坊…こんなに大きかったか?)」

 

赤ん坊は3歳児の子供くらいの大きさになっていた。そして…

 

赤ん坊「…ママ〜」

 

エスデス「⁉︎…話せるのか⁉︎」

 

赤ん坊「あーあー、ママ〜」

 

エスデス「…だがまだ単純な事しか喋れないみたいだな…立てるか?」

 

エスデスがそう言うと、赤ん坊は必死で立とうとするが中々立てないでいた。そして…

 

赤ん坊「う…うえぇぇええん!」

 

エスデス「…まだ早かったのか?」

 

そしてエスデスはブカブカのワイシャツを着ながら無から氷を生成して赤ん坊の口の中に入れる。

 

エスデス「これで泣き止め?」

 

赤ん坊「ん〜ん〜」

 

エスデス「しかし最初に発した言葉が…ママか?…じゃあ次は…タツミって言わせてみるか?」

 

そしてエスデスは時計を確認して、服を着替え用とするが…

 

エスデス「…何を着ればいいのだ?」

 

 

 

 

 

数分後、イェーガーズの本部でクロメ達は寛いでいた。

 

ボルス「みんな…お茶飲むかな?」

 

ウェイブ「ありがとうございます!ボルスさん」

 

クロメ「うん…頂くね」

 

ラン「では私も…」

 

そしてクロメ達はボルスのお茶を飲む。ルクリスとセリュー、スタイリッシュはそれぞれ別の所で休んでいた。

 

セリュー「コロ〜今日もパトロール頑張ろうね?」

 

コロ「キュウ!キュウ!」

 

ルクリス「しかしお前も変わっているよな〜」

 

セリュー「何がですか?」

 

ルクリス「元々名前がある帝具に新しい名前をつけるなんてさぁ」

 

セリュー「だってヘカトンケイルよりもコロって呼んだ方がこの子…喜んだんです!だからコロって呼んでるんです!それに可愛いって思いませんか?」

 

ルクリス「あぁ〜…そうか…まぁ別にどっちでもいいんだけどな」

 

そしてセリューはスタイリッシュに話をした。

 

セリュー「ドクター…十王の裁きのメンテナンスを頼みたいのですが…」

 

スタイリッシュ「ウフ…良いわよ、こっちに来て☆」

 

スタイリッシュは何故かルクリスにウィンクをしてセリューとコロと一緒に部屋を出る。

 

ルクリス「げぇ…気持ち悪りぃ」

 

ルクリスはそう言ってクロメ達の近くに座ってお茶を凄い勢いで飲む。

 

ルクリス「ぷはぁ!」

 

ウェイブ「どうしたんだ?」

 

ルクリス「気にするな…悪い夢見ただけだ」

 

ウェイブ「?」

 

そう言うと、クロメがルクリスの隣に座って来る。

 

クロメ「ルクリス、お菓子頂戴?」

 

クロメは両手を前に出す。そしてルクリスは…

 

ルクリス「そう言うと思って、ほらどうぞ」

 

ルクリスはクロメに袋詰めのお菓子を与えた。

 

クロメ「ありがとう」

 

ルクリス「朝食は大事だからな?(これでクロメもまた強くなるな)」

 

ウェイブ「クロメ、朝からお菓子だと栄養がしっかり取れないぞ?もっと海産物を食べろ」

 

クロメ「嫌だ…ウェイブみたいに磯臭くなる」

 

ルクリス「ぷっ!」

 

ラン「ルクリス、ここは耐えてください」

 

ルクリス「いやだって、磯臭くなるって…ぷっ!」

 

ウェイブ「えっ!俺そんなに磯臭い⁉︎」

 

ボルス「ううん、大丈夫だよ?」

 

ウェイブ「ボルスさん…救いはあなただけですよ」

 

そんな会話をしていると、扉が開いてそこからは幼女の姿になって赤ん坊を抱えているエスデスが来た。

 

エスデス「おはよう諸君!」

 

赤ん坊「おー!」

 

 

 

エスデスの姿を見てクロメ達は固まる。そしてしばらく静寂が続いて…最初に口を開いたのはルクリスだった。

 

ルクリス「…誰だお前」

 

エスデス「わからんのか?私だ、お前達の隊長のエスデスだぞ?」

 

クロメ「…」

 

ウェイブ「…え?」

 

ラン「…」

 

ボルス「…」

 

ルクリス「…エスデス様?」

 

エスデス「そうだ」

 

そしてみんなは「どうしてこうなった⁉︎」と言うような表情をするしかなかった。それから数分後、セリューとスタイリッシュもエスデスの姿を見てクロメ達と同じ様にしばらく固まっていた。

 

 

 

 

 

一方、チェルシー達は帝都の中の裏路地にいた。

 

チェルシー「私が変装してイェーガーズの本部に侵入するから、二人は帝国兵に成りきって上手く誤魔化して」

 

レオーネ「了解、新人」

 

タツミ「姐さん…あまりからかわない方が〜」

 

チェルシー「…じゃあ私の近くに来て」

 

するとチェルシーはガイアファンデーションを取り出して自分自身は小鳥に変身してタツミとレオーネは帝国兵に変身させた。そしてチェルシーはそのままイェーガーズの本部の方向に飛び立ってタツミとレオーネは裏路地から出てパトロールするふりをしながらイェーガーズの本部に向かって行った。

 

そして数分後、チェルシーはイェーガーズの本部の庭にたどり着いて様子を伺っていた。

 

小鳥(チェルシー)「…(まだ中で準備している見たいだね…しばらく見てみますかな)」

 

すると3分後、イェーガーズのメンバーが出てきたがエスデスの姿が見当たらなかった。チェルシーは野生の小鳥のフリをしてその場面を見ていた。

 

ルクリス「エスデス様は今、大臣に呼ばれていないから今日は俺が指揮をするぞ?…セリューとスタイリッシュは東側、ボルスとランは北側、ウェイブは南側で俺とクロメは西側をパトロールする…怪しい奴がいたら捕縛して俺に知らせろ、以上だ」

 

そう言うと、クロメとルクリス以外の者達はそれぞれの場所に散らばって行った。

 

クロメ「お兄ちゃん…パトロールが終わったら死体集めるの手伝ってね?」

 

ルクリス「わかってるさ…さてとさっさと済ませてクロメの戦力を補充しようか?」

 

クロメ「うん!」

 

そう言ってクロメとルクリスは帝都の西側に向かって歩いて行った。そしてチェルシーはその隙をついてイェーガーズの本部の中に入って行った。

 

その頃、宮殿の中には幼女の姿になっているエスデスが皇帝とオネストの前に立っていた。

 

皇帝「…しょ…将軍…そなたに一体何があったのだ?」

 

エスデス「申し訳ございません陛下、朝目覚めたらこの様な姿になっていたのは私も予測ができませんでした」

 

オネスト「ですが…帝具は使えるのですよね?」

 

オネストは不安そうな表情で問いかける。するとエスデスはニヤリと笑い…

 

エスデス「当然…この通り戦闘力は落ちてはいませんよ陛下」

 

エスデスは氷を生成して皇帝を安心させる。

 

皇帝「それはよかった!」

 

すると壁に寄りかかっていたナタマが皇帝に言う。

 

ナタマ「いいえ陛下…今の彼女では私にすら届かないと考えられますよ?なので今後は私にイェーガーズを率いらせていただきたいと思ってー」

 

するとエスデスは一瞬でナタマの首元に氷の刃を当てる。

 

ナタマ「っ!(いつの間に!)」

 

エスデス「小さくなったからと言って舐めていると直ぐに死ぬぞ?」

 

ナタマ「くっ…流石、帝国最強ですね」

 

オネスト「どうやら大丈夫でございますよ陛下…今のエスデス将軍でも十分に強いです」

 

皇帝「うむ!お前がそう言うなら大丈夫だな!」

 

オネスト「ところでエスデス将軍」

 

エスデス「何だ?」

 

オネスト「あなたが小さくなった原因はわかっていますかな?」

 

エスデス「…さぁな…だが大体の原因は分かっているぞ」

 

 

場面はエスデスの部屋で氷を咥えて寝ている赤ん坊に移る。そしてその窓から小鳥(チェルシー)が見ている。

 

チェルシー「(う〜ん…今はいないみたいだね…この一瞬は見逃さないわ!)」

 

そして小鳥(チェルシー)は窓から飛び去って再びイェーガーズの本部に入って、エスデスの部屋の前に来て変身を解除する。

 

チェルシー「ふぅ…今助けるわ」

 

チェルシーは部屋の扉を開ける。

 

赤ん坊「ん〜ん〜」

 

チェルシー「もう起きてたのね…さぁ早いうちにここから出るわよ」

 

チェルシーは赤ん坊を抱いて出来るだけ足音を立てずに早歩きでイェーガーズの本部から脱出する。するとそこには帝国兵が一人チェルシーを見ていた。

 

チェルシー「っ!(しまった!)」

 

帝国兵「侵入しゃー」

 

ドッ!

 

帝国兵「うっ!」

 

言いかけた所でその背後からタツミが帝国兵の首を剣の柄で殴って一瞬で倒した。

 

タツミ「ふぅ…間に合ったぜ」

 

チェルシー「タツミ!」

 

タツミ「姐さんも一緒だ!早くアジトに帰還しよう!」

 

チェルシー「わかった!」

 

赤ん坊「ん〜ん〜」

 

チェルシー達はレオーネが手を振っているのを見つけて合流して一般に紛れてアジトの方向に向かって行く。だがしかし…その三人を監視していた者が一人だけいた。

 

 

数分後、チェルシー達は森の中に入ってアジトに向かっていた。だが次の瞬間、チェルシー達の目の前の木が突然吹っ飛んだ。

 

バキッ!

 

タツミ「っ!」

 

レオーネ「まずい!何でバレた⁉︎」

 

チェルシー「…あれは!」

 

そしてチェルシー達の目の前から、将軍の一人であるナタマが出てきた。

 

ナタマ「やはりな…怪しいと思っていたよ」

 

チェルシー「ナタマ将軍!」

 

レオーネ「将軍級のリストに載っていたがまさかここに来るなんてついてないな…」

 

タツミ「だが、どうやら逃してくれそうに無いみたいだ!ここは突破するしかない!」

 

レオーネ「だけど他の奴はいないみたいだな…お前…単独で追って来たのか?」

 

ナタマ「まぁな…三人相手なら俺一人で十分だと思ってな…覚悟しろ!」

 

するとナタマは戦闘態勢に入る。そしてタツミとレオーネも構える。そしてチェルシーは赤ん坊を抱えて逃げる態勢に入った。だが何故ナタマがこの三人に気づいたのか?…それは宮殿の中からの出来事に遡る。

 

宮殿内…

 

ナタマ「くっ…流石、帝国最強ですね」

 

オネスト「どうやら大丈夫でございますよ陛下…今のエスデス将軍でも十分に強いです」

 

皇帝「うむ!お前がそう言うなら大丈夫だな!」

 

そしてその後、ナタマはエスデスと皇帝、オネストが話している間に宮殿から出ようとすると出口の警備兵に止められる。

 

警備兵「ナタマ将軍、どちらへ?」

 

ナタマ「外の空気を吸ってくる、通せ」

 

警備兵「承知しました」

 

将軍の権限なのか…警備兵はナタマを簡単に宮殿外に行かせた。そしてナタマはしばらく歩いていると遠くにあるイェーガーズの本部に目を向ける。するとそこにはチェルシーが赤ん坊を抱えて出て来たのを見えた。

 

ナタマ「ん?…何だ…」

 

ナタマは全将軍の中で、飛び抜けて視力が高く…チェルシー達の行動がハッキリと見えていた。そしてチェルシーがタツミとレオーネと一緒にイェーガーズの庭から出て行くのを見て全速力で追いかける。

 

ナタマ「ふん…(俺以外には通じただろうが、俺にはその行動がハッキリとわかる!その赤ん坊がエスデスを幼くした奴ならば…返してもらうぞ!)」

 

 

 

 

そしてナタマは全速力で先回りをして現在に至る。

 

ナタマ「その赤子…返してもらうぞ!」

 

そしてナタマはタツミとレオーネの攻撃を回避して空中からチェルシーに狙いを定める。

 

チェルシー「っ!」

 

ナタマ「もらった!」

 

すると背後からタツミが剣を握ってナタマに斬りかかろうとした。

 

タツミ「させるかぁぁぁぁ‼︎」

 

ナタマ「ふん、小僧め!」

 

ナタマはチェルシーの近くにあった木を利用して自分に遠心力を加えてタツミに回し蹴りを繰り出した。

 

ドガッ!

 

タツミ「がはっ!」

 

タツミは木を3本程貫通して地面に落ちた。

 

レオーネ「(隙あり!)」

 

獣化したレオーネが空中にいるナタマに攻撃をしようとするがナタマは即座に反応してレオーネの腹に蹴りを入れた。

 

ドゴッ!

 

レオーネ「ごふっ!」

 

チェルシー「タツミ!レオーネ!」

 

そのままレオーネは岩に激突する。だが直ぐにタツミ達は復帰する。

 

タツミ「はぁ…はぁ…」

 

レオーネ「将軍ってだけあって…やっぱ只者じゃないな」

 

ナタマ「ほう…まだ立つか?だが今はその赤子が狙いだ、通してもらおう!」

 

レオーネ「させるか!」

 

レオーネとナタマの拳がぶつかり合う。

 

レオーネ「…ふっどうやらパワーはこっちの方が上みたいだな!」

 

ナタマ「何っ⁉︎」

 

レオーネはそのままナタマを吹っ飛ばす。

 

レオーネ「今のうちに逃げろ!」

 

チェルシー「うん!」

 

チェルシーは赤ん坊を抱えて全速力でアジトの方に向かって行く。だがその目の前にナタマが現れる。

 

ナタマ「もう遅い!」

 

チェルシー「っ!速い!」

 

するとナタマの横からタツミが剣を構えて突っ込んで来た。

 

タツミ「おらぁぁぁぁ‼︎」

 

だがナタマは簡単にタツミの腕を掴んで受け流し背中に拳を入れる。

 

ドッ!

 

タツミ「がはっ!」

 

そしてタツミは木にぶつかって倒れこむ。

 

チェルシー「くっ!…」

 

ナタマ「さぁ寄越せ!」

 

チェルシー「いやよ…渡すわけにはいかない!」

 

そしてナタマの真上からレオーネが兜割りを仕掛けて来た。

 

レオーネ「喰らいな!」

 

ナタマ「甘いな」

 

ナタマは回避して指からワイヤーを出してレオーネの片腕の骨を折る。

 

グキッ!

 

レオーネ「ぐぁぁぁああ!」

 

タツミ「くっ…姐さん…ぐっ!」

 

ナタマ「次こそはー」

 

すると背後からナタマは攻撃の予兆を感じて回避するが肩にかすり傷が出来る。

 

ナタマ「…やるな…小僧め」

 

タツミ「極限まで殺気消せたと思ったんだがな…」

 

ナタマ「だが惜しいな…帝具を持ってるならまだしも…普通の剣では私の能力には歯が立たぬぞ!」

 

ナタマは再び指からワイヤーを出して攻撃するがタツミは回避してナタマの首元に狙いを定めて斬ろうとするが…

 

ガッ!

 

もう片方の手で攻撃を塞がれてしまった。

 

タツミ「くそっ!」

 

ナタマ「反応速度は中々…だが無駄だ」

 

ナタマはタツミの剣を払ってワイヤーをタツミの腹に突き刺した。

 

ザクッ!

 

タツミ「ごはっ!」

 

タツミは口から血を吐いた。

 

チェルシー「タツミ‼︎」

 

ナタマ「次は女、お前の番だ」

 

チェルシー「…(どうしたら…今の二人は動けない状態…)」

 

そう考えているとナタマは指からワイヤーを出してチェルシーの右脇腹にかすり傷を負わせる。

 

ザッ!

 

チェルシー「あぐっ!」

 

そしてナタマは二発目を放つが、チェルシーはギリギリで回避する。だがしかし…

 

ナタマ「その行動…読み通り」

 

ナタマは一瞬でチェルシーの腹を鷲掴みにして地面に叩きつける。

 

ドゴッ!

 

チェルシー「うぐっ!」

 

その衝撃でチェルシーは赤ん坊を手離してしまった。

 

ナタマ「帝国の戦力が減るのは困るんでな…これで終わりだ!」

 

チェルシー「駄目!やめー」

 

チェルシーが言葉を放とうとした瞬間、ナタマはワイヤーでスヤスヤ寝ている赤ん坊の首を一瞬ではねた。

 

スパ…

 

そして赤ん坊の首がチェルシーの真横に転がって止まる。

 

チェルシー「っ!」

 

ナタマ「これで…終わったな」

 

チェルシー「くっ!…あんた…何て事を!」

 

そしてナタマは倒れているチェルシーの左腕と腹部に容赦なくワイヤーを刺す。

 

ザクッ!ザクッ!

 

チェルシー「あう!うぐっ!…はぁ…はぁ…」

 

チェルシーは口から血を流す。

 

ナタマ「教えてやる…元々その赤子は危険種だ…そして今赤子は死んだ…これでこやつの能力は解除される…どういう事かわかるか?」

 

チェルシー「…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

ナタマ「まぁ始末できたから今頃言っても無意味か…話は終わりだ…次は怪しい貴様らを捕縛する!」

 

チェルシー「くっ!(ここまでなの?…私達は…)」

 

 

 

 

チェルシーは目を閉じて…死ぬ覚悟をした。だが次の瞬間…声が聞こえた。

 

???「私の仲間を傷つけてくれたみたいだな…」

 

ナタマ「っ!」

 

ナタマは相手の攻撃を瞬時に回避して距離を取った。

 

ナタマ「ちっ…貴様は…ナイトレイドのアカメか?」

 

アカメ「…」

 

アカメは物音を聞いて気づいて来た様だ。

 

チェルシー「…アカメ…ちゃん」

 

そして遅れてマヴァールとスサノオ、ブラートも援軍に来た。

 

マヴァール「まさかな…戦闘の音の原因が将軍の一人だったっはな…」

 

ナタマ「くっ!流石に分が悪いか⁉︎」

 

そしてナタマはワイヤーを出して一瞬で森から離れて帝都に戻って行った。

 

マヴァール「逃げやがったか⁉︎」

 

アカメ「兄さん…今はチェルシー達をアジトに連れて行くのを優先するぞ!」

 

ブラート「マヴァール…将軍はまた会った時で大丈夫だ!この位置ならアジトまではわからない筈だ」

 

マヴァール「…わかった…戻ろう」

 

そしてアカメ達は倒れているチェルシー達を運んでナイトレイドのアジトに戻った。

 

ナジェンダ「タツミ、チェルシー、レオーネ…何があったんだ!」

 

タツミ「う…」

 

マイン「っ!タツミ?」

 

レオーネ「…ここは…?」

 

アカメ「大丈夫だ、アジトの中だ」

 

ナジェンダ「スサノオ、三人を治療してくれ!」

 

スサノオ「承知した」

 

チェルシーとタツミは重症を負っていてとても立てる様な状態では無かった。レオーネは片腕を折られたが、数分後にはライオネルのおかげで元に戻っていた。そしてチェルシーとタツミがスサノオに治療されている間、レオーネが今回の事を全員に伝えた。

 

ナジェンダ「…ナタマと戦って例の赤ん坊は亡くなった…か」

 

レオーネ「ボス…すまない…ウチらの力不足だ」

 

アカメ「レオーネ、お前達のせいではない…相手は将軍の一人だった、でもレオーネ達は無事だった…私はそれだけでも十分だと思っている」

 

レオーネ「アカメ…お前は優しいな」

 

ラバック「あ〜?」

 

そして暗い雰囲気が漂う中、スサノオに治療されているチェルシーが目を覚ました。

 

チェルシー「ぐっ…う…」

 

マイン「チェルシー…目覚めたわね」

 

チェルシー「マイン…みんな…」

 

シェーレ「チェルシーさん…すいません…」

 

マヴァール「もっと早く来ていれば、防げたかもしれない…ごめんな」

 

チェルシー「言わないで…それ以上は」

 

チェルシーは右腕で自分の目を隠す。でもそれでもみんなはチェルシーが涙目になっている事は明白だった。

 

 

 

夕方、アジトの外には石で詰んだ様な小さい墓石の前でチェルシーは両手を合わせていた。そして拝んだ後花束を置き、ガイアファンデーションの中から二つの棒付き飴を墓石の前に置く。

 

チェルシー「…お母さんと…会えるといいね」

 

小声で言って墓石の頭を優しく撫でてチェルシーは墓石から姿を消してアジトに戻って行った。そしてマインはその場面をこっそりと見ていた。

 

マイン「…」

 

マインはチェルシーが中に入ったのを確認して、アジトに戻って行った。そしてナイトレイドのアジトを遥か上空から宙に浮いて見下ろしている二人の人物がいた。

 

???「やはりここにいたみたいですね?適正な人材が…」

 

???「…私の計画の第一歩がここから始まるよ?クリスハイト」

 

クリスハイト「流石です…"私達"の神様、いいえ…偉大なる神雑様」

 

神雑「大げさだよクリスハイト…では1週間後に私はここを訪れるとしよう…君はしばらく研究に専念して欲しい…新世界の創設の為にも君の力は私にとっても大きいからね…頼むよ」

 

クリスハイト「はい…神雑様」

 

そしてクリスハイトはその場から虹色の光に包まれて消えた。

 

神雑「…私の目に…錯覚などはないさ…」

 

そして神雑は黒いオーラに包まれて姿を消した。

 

 

その日の夜、宮殿の中ではナタマがオネストと一緒に食事をしていた。

 

オネスト「しかしそんな事があったとは、危うく恐怖で体重が減ってしまう所でしたよ?」

 

ナタマ「いいではないか?今日の出来事で新たにナイトレイドの奴らの顔はわかった…十分だとは思わないか?」

 

オネスト「…しかし…エスデス将軍はあなたの報告を聞いた時、あまりあなたのことを信じてはいなかった様でしたよ?」

 

ナタマ「好きにさせろ、何せその中には…あいつの恋人が混ざっていたんだからな」

 

 

エスデスの部屋…

 

エスデスは窓を開けて夜空を見上げていた。

 

エスデス「私はこの目で確かめるまでは…決してお前がナイトレイドの一人だという事は信じないぞ…タツミ」

 

そして帝都内では、アカメ、マイン、マヴァール、シェーレ、ブラート、ナジェンダの手配書の隣にチェルシー、タツミ、レオーネの手配書が新たに貼り出されていた。

 

 

 

翌日の朝、シェーレの悲鳴が聞こえた。

 

シェーレ「きゃあああ!」

 

マイン「シェーレ⁉︎」

 

そしてマインはシェーレの部屋に入るとそこには、裸になって元に戻って寝ているラバックの姿があった。

 

マイン「あ…シェーレ…ちょっと退いてね〜」

 

シェーレ「?」

 

そしてマインのパンプキンの騒音でラバックが勢いよく目覚めた。

 

ラバック「うおぉぉぉぉお!ななな、何だ⁉︎」

 

マイン「何だじゃないわよ!服着てサッサと自分の部屋に戻れこの変態!」

 

 

数分後、ラバックはいつもの格好に着替えてナジェンダの所に行った。

 

ラバック「ナジェンダさん!今日はいい天気ですね!」

 

ナジェンダ「ラバック!元に戻ったか?」

 

ラバック「?…ナジェンダさん、元に戻ったって?」

 

ナジェンダ「いや…わからないならいいんだが…」

 

ラバック「?」

 

ラバックは頭の上に?を浮かべる。そしてラバックは切り替えて言った。

 

ラバック「ところであの赤ん坊、何処に行ったんですか?ナジェンダさん」

 

ナジェンダ「…夜中に親が来て無事に親の元に帰ったぞ」

 

ラバック「…え?(これじゃあナジェンダさんからの褒美が…ない⁉︎)」

 

その後ラバックはしばらくその場で石像の様に固まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから1週間後、チェルシー、アカメ、マインはナジェンダから偵察部隊の依頼を受け、人気のない広場に危険種が出現したという情報を得てチェルシー達はその場所に向かっていた。

 

チェルシー「もうすぐ目的地よ、準備してね」

 

そして広場に着くと、そこには依頼にあったティラノサウルス型の危険種が眠っている姿が見えた。そして危険種はチェルシー達の気配を感じて目を覚ましてこちらを睨みつけた。

 

危険種「ギロッ!」

 

アカメ「気づかれたか、まぁいいだろう…今日は貴様を倒しに来た…覚悟してもらう!」

 

チェルシー「アカメちゃん、マイン…あいつの弱点は目だよ?後は噛まれない様に注意してね?歯に猛毒があるから」

 

アカメ「わかった」

 

マイン「任せなさい!私のパンプキンで楽にしてあげるわ!」

 

チェルシー「マイン…突っ込み過ぎは駄目よ?」

 

マイン「私を誰だと思ってるの?射撃の天才を舐めないでよね!」

 

アカメ「こいつを倒して、スーさんの昼飯を食べるぞ!」

 

その後、チェルシーの援護とアカメとマインの連携という作戦で、危険種に立ち向かうのだった。

 

人が次第に朽ちゆくように国もいずれは滅びゆく…革命軍、帝国軍らはここから更に激しい死闘を様々な国で繰り広げ、それは…歴史に大きく残る出来事になるであろう…だがこの時はまだ…世界の皆はそうなる事を知る由も無い。だがいずれ、知ることになるであろう…真の恐怖が世界に降り注ぐということを…




外伝1はこれにて終了です。外伝2も投稿予定していますのでよろしくです!
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