俺ガイルサイド…
現在の時刻は23:30。冷たい風が吹いていた頃、ある公園のベンチでマインは震えながら自分の帝具パンプキンを抱いていた。
マイン「さっ…寒い(もしかしてアカメやタツミ達もこんなだったりするのかな?)」
マインはそんなことを言いながら、じっとしていた。だが外は寒く、ずっと同じ場所にいるのは危険だと判断しマインはどこか暖かい場所を探し始める。
マイン「はぁ…はぁ…どこか、宿みたいな場所があるはずっ!」
マインはそう願いながらひたすら夜の街を歩く。だが歩いても歩いても、宿らしいものが見つからない。あるとしても他人の家やコンビニなど、自分が一晩過ごす事が出来ない所ばかりだった。それにマインは、お腹が空いていたため、体力の消耗が激しかった。
マイン「はぁ…はぁ…くっ!(やばい…めまいまでして来た…でもこんな所で死ねない!死にたくない!まだ…タツミにも会っていないのにっ!)」
だがマインはそれでも歩き続ける。歩き続けると脳内でタツミが浮かぶ。
マイン「タツ…ミ…あんた…死んでないでしょうね!…ここまで…来たんだから、死んでたら…承知しない…わよ!」
マインはあまりの空腹感で衰弱しかけていた。
マイン「…はぁ…はぁ…(もう…駄目だ…)」
マインはそのまま、その場にうつ伏せに倒れ込む。
ドサッ!
マイン「…(私…こんな死に方するの?まだ…元の世界で…勝ち組になっていないのにっ!…)」
マインは歯ぎしりをした後、体力が尽きたのか…そのまま目を閉じてしまった。
目を覚ますと、病院のベッドの上に寝ていた。マインはギリギリの所で誰かに助けられていたのだ。
マイン「…(ここは?)」
マインは細い目で自分の腕を見ると、針の様な物が刺さっているのが見えた。点滴というものだ。
マイン「…(私…誰かに助けられたの?)」
首を動かして辺りを見回すが誰もいない。いるのは自分と同じく、ベッドの上で寝込んでいる人達の姿だけだった。自分のベッドの隣の椅子には自分の帝具パンプキンが置いてあった。
マイン「っ!(私の帝具!よかったぁ〜失くしたら大問題になってた所だったわ〜)」
病室の扉が開くと、看護師がマインの所に来る。
看護師「調子はいかがでしょうか?」
マイン「えっ?…大丈夫だけど、あんた誰なの?」
看護師「この病院の看護師です」
マイン「看護師…あっ!あのさ、私を助けてくれたのって誰なの?」
看護師「…今はもう帰ってしまいまして〜ここにはいませんけど」
マイン「…そうなんだ」
看護師「ねぇピンクちゃん」
マイン「誰がピンクちゃんよ!マインだマ・イ・ンッ!」
看護師「マインちゃん…お腹空いてないかな?」
マイン「えっ?まぁ〜ちょっと…(なんか馴れ馴れしいんだけどこいつ)」
そう言うと、看護師はリンゴをマインに渡す。
看護師「もし食べたかったらどうぞ」
マイン「あっありがとう…」
看護師「今夜はここでゆっくり休んでね?明日の朝には退院出来ますので」
マイン「…よかった〜(タツミ、もう少しで会えるから待ってなさい!)」
その後、看護師は他の患者に呼ばれてマインの元から離れていった。マインはよっぽど腹が空いていたのか、リンゴを5分程で完食し再びベッドの上に寝込む。
マイン「…(朝になったらみんなと会えるかな?)」
マインはそう思いながら今夜を病院の中で過ごしたのであった。一方、マインを助けてくれた本人はと言うと…
姫菜「優しいよね〜優美子は…」
優美子「あ、あーしはただあんな所に倒れてたら迷惑だったから運んだだけだし!」
姫菜「あはは!バレバレだよ〜優美子、顔赤くなってるよ?」
優美子「その話はいいから!…帰るよ!」
二人はそう言いながら、それぞれ自宅に帰っていくのであった。
一方、ラバックはある学生の自宅にいた。
ラバック「すまないな、勝手に上がっちまって」
???「なんのなんのっ!我が良いと言ったのだ!気にするな友よ!」
ラバック「お、おう(フレンドリーな感じだな〜いつあんたと友達になったの?俺はアカメ達と八幡の居場所を知りたいんだが…まぁ明日でもいいか)」
???「それよりお主の名を聞いていなかったな、何と言うのだ?」
ラバック「俺はラバックだ、よろしく」
???「ラバック…なるほど、良い名前ではないか!」
ラバック「それはどうも、あんた結構親切なんだなぁ〜」
義輝「あんたではない!我は剣豪将軍っ!材木座義輝だ!わっははは!」
義輝は大声で自己紹介をする。
ラバック「剣豪将軍?とてもそうは見えないんだが」
そう言うと隣の人が窓を開け…
近所の人「うるせぇぞ!何時だと思ってんだ!さっさと寝ろ!中二病!」
そう言うと窓を思いっ切り閉める。
ガタッ!
義輝「…」
ラバック「…まぁ落ち込むなよ?昼間になれば言われはしないと思うからよ」
義輝「…そうだな…じゃあ一緒にゲームでもするか?」
ラバック「ゲーム?(俺の話聞いてた?)」
義輝「そうだ!こういう時はゲームをすれば気分も良くなるからな!」
ラバック「?」
そう言うと義輝はテレビの電源を入れ、ゲーム本体に電源を入れて二つのコントローラを取り出す。
ラバック「(何か俺がいた世界よりも全体的に進化しているなぁ〜)」
義輝「さぁラバックよ!我と勝負だ!」
テレビの画面からすると、スト◯ートファ◯ターの様な2D格闘ゲームの様だ。それを見たラバックは…
ラバック「…すげぇ!」
義輝「おお!お主もこの格闘ゲームの凄さが分かるか⁉︎」
ラバック「おぉ…面白そうだ!腕がなるぜ!」
義輝「ならば改めて…勝負だ!ラバック!」
ラバック「おうよ!」
ラバックは義輝に操作方法を教えて貰った後、今夜は楽しく格闘ゲームをするのだった。
その一方、自宅の方向が反対だった涼木と別れた雪乃とタツミはそれぞれ自宅に戻ろうとするのだがタツミは家自体が無い為、結衣の家に泊めて欲しいと言ったが母親に『ごめんね、今日は結衣も疲れているみたいだからゆきのんちゃんと一緒に帰ってあげて?』と言われてしまった為、今日は雪乃の家に泊まることになった。
タツミ「雪乃さんって、一人なんですか?(この部屋の家賃高そうだな)」
雪乃「えぇ…そうだけれど、どうかしたの?」
タツミ「あっいやっ!ちょっと…(こんな所マインとかに見られたら即修羅場になりそうだな…考えただけで怖い!)」
タツミはあまりにも緊張してしまい固まっている。何故ならば、異性と二人きりで同じ部屋にいるのだからだ。その時、雪乃は下を向いて言う。
雪乃「しょうがないでしょ?…涼木君は家庭の事情で泊めるのは難しいと言っていたのだから…」
タツミ「た、確かに言ってましたね…(おいおいなんなんだこの展開、予測していないぞ!駄目だぁぁ!異性と二人きりってあの時の事を思い出しちまう!やばい!心臓の鼓動がいつもより早い気がぁ!)」
タツミが心の中で言っている"あの時の事"とは、自分がいた世界で一度あのドS将軍に無理矢理に連行されてその部屋で二人きりで寝てしまった時の事である。それを思い出すと心臓の鼓動が早くなり余計に緊張してきた。
タツミ「…(おぉぉおお落ち着け!何考えているんだ俺は!そんな事はもう無い筈だ!)」
タツミが色々と妄想していると、雪乃がタツミに言う。
雪乃「タツミ君…あの時は一色さんを見つけてくれてありがとう」
タツミ「…え?…あ…あぁ…それはどうも」
雪乃「…私、先にお風呂入るわね」
タツミ「あ…はい」
雪乃はそう言うと浴室に入る。
ガタンッ!
タツミ「…(結衣の事、今は言わない方がいいかもしれないな…)」
タツミは雪乃の様子を見て結衣の様子についての事を後にした。
タツミ「あぁぁ!だけどやっぱり雪乃さんと同じ部屋にいるってめっちゃ嬉しいけど、その反面に緊張が止まないってばぁ!」
タツミは床で頭を抱えながらゴロゴロしながら興奮らしき緊張が止まらなかった。
浴室…雪乃は風呂に浸かっている時、一色を病院に連れて一色の母と話していた時の事を思い出していた。
回想↓
雪乃「奉仕部の部長、雪ノ下雪乃です」
一色(母)「あなたが部長ですか…」
雪乃「はい」
一色(母)「…はぁ…何故こんな事になるのかしら?」
雪乃「…すいません」
一色(母)「いいえ、あなたに言っているんじゃないの…奉仕部の担当の人に言っているのよ?」
雪乃「…(平塚先生の事?)」
一色(母)「いろはは何も悪くないのに、何故こんな痛々しい傷をつけられないのいけないのっ!」
一色の母は急に顔つきが鬼の様になり、雪乃を見ながら怒鳴り始める。
雪乃「…(平塚先生ではないと思うわ…あの人が生徒に対してそんな事をする筈がない…いいえ、出来ないわ)」
一色(母)「…あなたはどうなの?奉仕部の部長なのだから、いろはに傷をつけた担当を責めるのは当然でしょ⁉︎」
雪乃「…え?(この人いきなり何を言っているの?それに何故、平塚先生が犯人という前提になっているの?)」
雪乃がそう思っていると、涼木が一色の母に言う。
涼木「ちょっと待って下さい!何で平塚先生がやったって決めつけてるんですか!幾ら何でもそんな事は有り得ないですよ!」
一色(母)「黙りなさい!あなたには何も質問していないわ!」
涼木「…すいません」
涼木が謝ると雪乃が言う。
雪乃「…一色さんがこのような事態になって悲しいのはわかります…ですが、根拠もなく平塚先生が一色さんを襲ったと思い込むのは間違いだと思います…なので先生を責めるのは間違いだとー」
ベチンッ!
一色の母が雪乃の左頬を引っ叩く。
涼木「っ!何てことするんですか‼︎」
涼木がそう言って前に行こうとすると、雪乃が涼木の前に手を出し首を軽く横に振る。
涼木「先輩…」
一色(母)「もう…二度といろはには近づかないで頂戴…いいえ、私が近づけさせないわ!」
回想↑
雪乃「…私は…一体どうしたらいいの…」
雪乃はこれから先の奉仕部の事を不安に思いながら、風呂を上がる。
次回、翌日の朝日が昇る。