失われた欠片   作:ガイアプロローグ

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こんな家庭があると温まる…そんな感じです。


第16話 一般的な日常程、素敵な一日を送れる家庭はない!

俺ガイルサイド…

 

夕方になり、沙希が自宅に戻ってくる。

 

沙希「ただいま!」

 

沙希が言うと、マヴァールが迎えに来る。

 

マヴァール「おっ!サッキーお疲れ!」

 

沙希「あ…(まだサッキーなんだ…いや一生かもね)」

 

沙希は鞄からある食べ物が入った袋をマヴァールに渡す。

 

沙希「ほら、昨日あんまん欲しいって言ってたから…」

 

マヴァール「おっ!ありがとうなサッキー!」

 

沙希「さてと、夜ご飯の準備をするからけーちゃんの相手してくれる?」

 

すると、マヴァールが沙希に言う。

 

マヴァール「そうだ!今日はアカメが肉料理を作ってくれたんだ!」

 

沙希「あれ?アカメが?」

 

沙希は台所に向かって行った。そこにはアカメとマヴァールが買ってきた鶏肉がそのままの形で丸焼きで皿の上に乗っていた。大胆な料理に沙希は目を丸くした。マヴァールは沙希の表情を見て苦笑いした。

 

マヴァール「あはは…どう…かな?」

 

沙希「…(そのままで⁉︎肉を切らないでそのまま皿に盛り付けるなんて…なんて大胆な料理、いやこれ…料理?肉を焼いてそのまま皿に盛り付けてるだけだよね?正直言うと…でも買い物までさせちゃったし、折角作ってくれたから文句は言えない)」

 

マヴァール「流石にデカすぎた?」

 

沙希はアカメの方に視線を向ける。アカメと京華はお互い抱き合って一緒に寝ていた。まるで姉妹の様に…沙希はそれを見て微笑んだ。すると大志が沙希達の所に来る。

 

大志「姉ちゃん…二人共まだ寝たばかりなんだよ」

 

沙希「そうなの…ん?」

 

台所の方からグツグツと音を立てていた為、沙希は台所の方へ向かう。蓋を開けて見て見ると、肉のタレが入っていた。

 

沙希「あっ…(作ってたんだね)」

 

大志「でもアカメさん、結構料理が上手いんだよ!もしかしたら姉ちゃんと並べるかもしれないし」

 

沙希「まぁ…そう…かな」

 

沙希はそう言いながら、ガスの元栓を閉める。料理の続きは沙希が担当して、ボリューム満点の鶏めし丼が完成した。沙希達がテーブルの上に完成した鶏めし丼(人数分)を置くと…

 

アカメ「ん…いい匂い」

 

アカメが起き上がり半目開けながら鶏めし丼の方に顔を向けた。

 

マヴァール「流石アカメ、肉に対しての反応が早いな!」

 

アカメ「…肉」

 

沙希「…マヴァール、今アカメ…寝ぼけてる?」

 

沙希が問うと、マヴァールはアカメに質問をして見る。

 

マヴァール「アカメ…兄の名前はな〜んだ?」

 

アカメ「…肉、美味そう」

 

沙希「…呆けてるね」

 

沙希は苦笑いしながら言う反面、マヴァールは壁際に向かって頭を下げて落ち込んでいた。

 

大志「マヴァールさん⁉︎どうしたんすか?」

 

マヴァール「ほっといてくれ…」

 

義妹であるアカメに名前を間違えられたマヴァールはショックが大きかった様だ。

 

沙希「いや呆けてるだけだからね⁉︎大丈夫だって…」

 

マヴァール「肉美味そう…そうか、今日から俺はアカメにニクウマ・ソウて呼ばれるのか?」

 

沙希「(誰?)」

 

マヴァールが小さい声で言うと、大志が慰める。

 

大志「マヴァールさん、大丈夫ですよ⁉︎アカメさんは普通に呆けてるだけですって」

 

マヴァール「それは分かってるけど、なんか悲しい…」

 

マヴァールが落ち込んでる間に、アカメは完全に目を覚まし鶏めし丼を食う。

 

アカメ「っ!美味い!」

 

沙希「はは…ありがとうアカメ、でもアカメも料理が上手いんだね」

 

アカメ「ん?そうか?」

 

沙希「肉も美味しいけど、タレも〜結構いい味してたよ?」

 

アカメ「あ…ありがとうな」

 

アカメが話していると…

 

マヴァール「アカメ、俺の名は?」

 

アカメは振り向き…

 

アカメ「何言ってる?兄さんだろ」

 

マヴァールはその言葉を聞いた瞬間、表情が笑顔になる。

 

マヴァール「良かった…正気に戻った!」

 

アカメ「…面倒いなぁ…」

 

沙希「…(アカメ、大変だね)」

 

余りにもマヴァールのテンションが変わる為、アカメは疲れていた。それを見ていた沙希はただ苦笑いするしかなかった。その後、スヤスヤと寝ていた京華が起き出して京華も皆んなと一緒に鶏めし丼を食べた。

 

 

 

そしてその日の夜、マヴァールは沙希から貰ったあんまんを食べていた(大志と京華も一緒に)。アカメは沙希に「少し外の空気を吸って来る」と言って一人で家の外に出ていた。

 

アカメ「…(明日にはそろそろここを出ないと、流石に迷惑をかけてしまうな…それに早くタツミを探さないといけない!みんな…今頃大丈夫なのだろうか?特にチェルシー、今一人で悩みに苦しんでいないか?どうか無事でいてくれ…)」

 

外で仲間達の事を心配していると、アカメから見て道路の左側からピンク色の服を着ている人物がキョロキョロしながらこちらに近づいて来る。余りにも目立つ色だったのでアカメが直ぐに気付く。

 

アカメ「…マイン?何であんな所に?」

 

アカメがマインの方向に歩いて近づく。するとマインがこちらに気付いて振り向く。

 

アカメ「マイン…何でこんな所に」

 

マイン「アカメっ!タツミは見つかった⁉︎」

 

アカメ「いや、まだだ…私から見ると、二人目だ」

 

マイン「二人目?後一人は?」

 

アカメ「兄さんが今あの家の中にいる」

 

マイン「あっそう言うことね」

 

アカメ「…もしかしたら、ナイトレイド全員この世界にいるって事になるのかもしれないな」

 

マイン「う〜ん…私から見るとあのゲートの中に入ったのは、アカメとマヴァール、ラバックしか見てないけど…」

 

アカメ「そうすると、まずはタツミとラバック、それかチェルシーと合流しないとならないな…だが何処にいるのかすらわからない」

 

アカメは二人の手掛かりがない為、悩んでいた。するとマインが…

 

マイン「ねぇ、アカメ」

 

アカメ「ん?どうした?」

 

マイン「合流するのはいいけどさ…どうやって元の場所に帰るの?」

 

アカメ「それは分からないが、まずは皆んなと合流するのが先だ!」

 

マイン「確かに…あれこれ考えるのもなんだから、そうよね!合流する方を最優先した方がいいわ!」

 

グゥ〜

 

マイン「…」

 

アカメ「…お腹空いているのか?」

 

マイン「ちっ違うわよ!私じゃないわよ!」

 

アカメ「だが他に誰もいないが」

 

マイン「うっ…」

 

アカメに図星を突かれる。

 

アカメ「そうだ!あんまんと言う食べ物があったはずだ!マイン、この時間だから今日はここに泊まろう!」

 

マイン「え?ちょっと⁉︎」

 

アカメがマインの腕を引っ張る(強引に)。その後アカメは沙希にマインのことを伝えると「あれ?この子は迷子?」と言われた。マインは「私そんな子供じゃないんだけど!」と回避しようとしたが沙希に、「素直になれば?」と言われる。

 

マイン「もう、何で皆んな私を子供扱いするのかしら?…ん?」

 

テーブルの方に視線を向けると、マヴァールが大志と一緒にあんまんと書かれた袋を手に持って奪い合っていた。因みに京華はテレビを見て笑っていた。

 

京華「あはは!」

 

マヴァール「大志くん、いい加減諦めたらどうかね?これは兄さんのあんまんだ」

 

大志「一つくらい良いじゃないですか⁉︎俺も一つでいいから食べたいですー!」

 

マイン「…あいつ何してんの?(喧嘩?)」

 

アカメと沙希が玄関から戻ってくる。

 

アカメ「どうした?」

 

マインがマヴァール達の方に指を指す。

 

マイン「なんか…あんまんの奪い合いしてるんだけど…」

 

沙希「はぁ…」

 

沙希が溜め息を吐くと…アカメがマヴァール達の方に行く。

 

マヴァール「た〜い〜し〜く〜ん!そろそろ袋が破けちゃうから離してねぇぇ⁉︎」

 

大志「いやですよー!そっちこそ離して下さいよー!」

 

アカメ「おい」

 

アカメがマヴァールの頭にチョップを繰り出した。

 

ガッ!

 

マヴァール「いでぇ!」

 

アカメ「少しは遠慮しろよ」

 

マヴァール「すいませんでした」

 

京華「あははは!」

 

アカメはマヴァールが持っている袋を大志に渡してその中から一つのあんまんを出してマインに渡す。因みに京華はテレビを見てまだ笑ってる。

 

アカメ「マイン、それがあんまんって食い物だ」

 

マイン「…」

 

マインはあんまんを手に持つと、匂いを嗅いでいる。

 

マイン「…美味しそうな感じだね…じゃあ…」

 

マインはあんまんを一口食べてみる。すると…

 

マイン「っ!何これ!美味しい!初めてよ、こんな美味しいの食べたの」

 

アカメ「そうか、それは良かったな」

 

沙希「まぁ〜スーパーで売ってたんだけどね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…深夜になると、二人きりになったアカメと沙希はテーブルに座っていた。その他の人は一足先に寝室で寝ていた。そしてアカメが話を切り出す。

 

アカメ「なぁ沙希…私が最初に着てた服乾いてるか?」

 

沙希「乾いてるけど?明日着たりする?」

 

アカメ「あぁ…それもそうなんだが」

 

沙希「?」

 

アカメが沙希の目を見て言う。

 

アカメ「沙希…私達は明日にはここを出ないと行けない!」

 

沙希「え?」

 

アカメの突然の言葉に沙希は驚いていた。だがアカメの目は真っ直ぐを向いていた。

 

アカメ「急で悪いが…色々と用事があるんだ…だから…明日にはここから出ないといけない」

 

沙希「…何か…大切な用事があったりとか?」

 

アカメ「詳しい内容は言えないが、どうしても行かないと間に合わなくなるかもしれない…だから…もうここには戻れないかもしれない」

 

それを聞いて、沙希は少し寂しそうな表情を浮か。

 

沙希「…そっか…少し寂しくなっちゃうなぁ…でもしょうがないことだね…」

 

アカメ「…すまない、こんな勝手な事言ってしまって…(これ以上、沙希達に迷惑をかける訳にはいかない!沙希達は一般の人達だ、厄介事に巻き込む訳にもいかない…だから…この選択が正しいかもしれない!)」

 

アカメは沙希に自分達の事を伝えると、沙希がアカメを優しく抱きしめる。

 

アカメ「っ⁉︎沙希?」

 

沙希「…」

 

アカメは沙希に抱きつかれた時、沙希が涙目になっているのが何となくわかったような気がした。だからアカメも…沙希を抱いた。

 

沙希「…ありがとう、一日だけだったけど…とても楽しかったよ…」

 

アカメ「あぁ…(こっちの台詞さ…ありがとな…沙希)」

 

アカメと沙希はその深夜、お互いを強く抱きあった。たった一日だけではあったが、アカメと沙希にとってはこの一日は…心に一生残る一日でもあった。アカメにとって、この温かい家庭は…忘れようとしても…忘れられないであろう。沙希は初めて自分と同じくらいの同級生の様な存在が、この家庭を更に温かくしてくれたことを忘れる事はなかった。




・川崎沙希(原作との異点)
俺ガイルサイドの人間であり、アカメ達を助けた川崎家の長女。雪乃や八幡が通っている学校と同じ学校に通っている。外見は少し怖そうな感じがするが、凄く優しい性格の持ち主であり、感動的な部分に弱い。後は面倒見が凄く良い。その為、大志や京華に良く懐かれている。後はアルバイトをしている。

次回、川崎家を出る。

因みにマヴァールとマインも明日、川崎家を出る事を知っています。次回はその前提で是非見てください
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