失われた欠片   作:ガイアプロローグ

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第23話 彼女達は迷路を渡り、チェルシーは決意する。

俺ガイルサイド…

 

建物の中に入った少年は、謎の人物と接触していた。

 

???「これだけか?足りないなぁ〜」

 

子供「もういいだろ!ママを解放してくれよ!」

 

謎の人物の隣には、衰弱している母親が縄で縛られていた。母親は掠れた声で言う。

 

母親「お願い…これ以上…息子を…巻き込まない…で」

 

???「ほう…まだ喋る気力が残っていたか?」

 

謎の人物は母親の目の前に来て頭を撫でる。

 

子供「やめろ!ママに触るなぁ!」

 

少年は謎の人物に飛びかかろうとするが、手だけで軽く弾かれる。

 

子供「うわっ!」

 

母親「っ!」

 

???「小僧、母親を助けたいだろ?…だったら次は金を…そうだな、10万程持ってこい!明日の15:00まで待ってやるからよ?」

 

母親「ゆ…と、だめ…」

 

子供「ぐっ…くっ!」

 

???「どうした?もうこの間にもタイムリミットが刻々と迫ってんだぜ?…母親が死んでもいいのか?」

 

母親「わた…しの、ことは…いいから…逃げて」

 

母親がそう言うと、少年は涙目になりながら建物から走って出て行った。

 

 

 

 

 

アカメ達はセキザクラがよく泊まっている宿を探していたが、その本人が余りにも方向音痴な為未だに辿り着いていなかった。

 

ラバック「また迷ったみたいだな…」

 

セキザクラ「おっかしいなぁ…ここを真っ直ぐに行けば辿り着く筈なんだけど」

 

ラバック「真っ直ぐの割には途中で何回か曲がった気がするのは気のせいか?」

 

セキザクラ「違う!そんなわけないわよ!」

 

マヴァール「俺ら今何時間くらい歩いたんだろうな…流石に疲れた」

 

マイン「はぁ…はぁ…だらしないわね〜男なんだからもっと頑張りなさいよ!」

 

マヴァール「いや俺チェルシー背負ってるんだぞ?その割にはお前も疲れてそうじゃねぇか?」

 

マイン「少なくてもあんたよりわね」

 

マヴァール「いやそれ俺の台詞だからな?」

 

アカメ「…セキザクラ…たどり着かなそうだな」

 

セキザクラ「うっ!うるさい!真っ直ぐに行けばある筈よ!それよりもチェルシーは大丈夫なの?」

 

アカメ「今は普通に寝てるみたいだ…」

 

チェルシー「スゥ…スゥ…」

 

マヴァール「いいよなぁチェルシーは…俺も今日は早く寝たい!だけどまずこの無限迷路から早く抜けたい!あっ!でも可愛い妹がいるから一生このままってのも悪くない!」

 

アカメ「はぁ…」

 

セキザクラ「…あいつ頭逝ってるのかな?」

 

アカメ「さぁな…もう何回も聞いてるから慣れてしまった」

 

セキザクラ「あぁ〜…そう」

 

アカメ達がその様な会話をしていると、一人の少年がアカメ達の隣を走って通り過ぎた。

 

少年「はぁ!はぁ!」

 

タツミ「…なんだ?」

 

アカメ「…(あの子供…公園で見た子と同じか?)」

 

アカメが子供の方を見ていると…

 

セキザクラ「どうしたの?」

 

アカメ「いや、何でもない…」

 

アカメ達は再び宿を探しに行くが、その数分後…

 

 

アカメ「セキザクラ…ここは何処だ?」

 

セキザクラ「…何処だろ」

 

アカメ達は宿ではなく、一般人が住む家に辿り着いていた。

 

タツミ「人の家だよな…(なんか見た事ある様な気がするんだが)」

 

マイン「ラバック…本当だったみたいね」

 

ラバック「だろ?」

 

マヴァール「これ…サッキーと同じ様な家だな…宿ではないけど」

 

アカメ「宿ではないが確かにそうだな」

 

セキザクラ「ちょっと!みんなして私をディスるのやめて!」

 

タツミ「ディスる?」

 

アカメ「…これは〜何て書いてあるんだ?」

 

家の表札を見てみると、そこには"比企谷"と書かれていた。だがアカメ達はその漢字が読めなかった。

 

タツミ「ん〜…読めねぇ」

 

セキザクラ「あんた達、そんな漢字も読めないの?それは比企谷(ひきがや)って読むのよ」

 

ラバック「比企谷…って⁉︎…まさか八幡の家か!」

 

セキザクラ「そうなんじゃない、まぁ〜私からしたらどうでもいいんだけど」

 

ラバック「まさかこんな所に住んでたとは…」

 

アカメ「…今日はここに泊まるか?」

 

セキザクラ「待って、何言ってんの?ここどう見ても人の家でしょ?」

 

アカメ「なら本人に許可を得る」

 

セキザクラ「あのね…何でも許可を得られる訳じゃないんだから、宿を探すよ」

 

セキザクラがそう言うと…

 

???「あの〜どちら様ですか?」

 

アカメ達の近くには、八幡の妹の小町が学校帰りで自宅の近くまで来ていた。

 

小町「何か困り事ですか?」

 

セキザクラ「あっごめん、今離れるから…ほら皆んな行くよ?」

 

アカメ達が立ち去ろうとすると、小町が言ってきた。

 

小町「あれ?そこにいるのはタツミさん?」

 

タツミ「なっ!(バレた⁉︎)」

 

小町「こんにちはで〜す!」

 

タツミ「お、おう(八幡とは真逆な性格だなこの子)」

 

アカメ「八幡の妹か?」

 

小町「はい、小町って呼んでもいいですよ〜」

 

アカメ「じゃあ小町、すまないが今日の夜だけでもこの家に泊めてくれると助かるのだが…いいかな?」

 

セキザクラ「駄目に決まってるでしょ⁉︎まだ会ったばかりの子に言っても許可を得れる訳ないじゃっ」

 

小町「あっ良いですよ?」

皆「え?」

 

意外な発言にアカメ以外は思わず声を漏らす。

 

セキザクラ「いいの⁉︎この大人数で泊まっても⁉︎」

 

小町「まぁ〜朝までなら大丈夫ですよ?」

 

アカメ「ありがとう!」

 

小町からの承諾を得たアカメ達は、比企谷家の中に入った。

 

セキザクラ「本当にごめん」

 

小町「いえいえもう遅い時間なので〜それに皆さん悪い人じゃないですし中に入れるのは当然ですよ!」

 

マヴァール「結構優しいなこの子」

 

ラバック「良い子過ぎて逆に心配だな…」

 

マイン「まぁいいじゃない?永遠に見つからない宿よりはずっとマシな方よ?」

 

セキザクラ「永遠は余計だから!永遠は!…数分歩けば着いてたわよ」

 

ラバック「いや、セキザクラの案内じゃ一生無理だな…」

 

セキザクラ「ラバック…二度と歩けない様にされたい?」

 

ラバック「ここは人の家だぜ?」

 

セキザクラ「くぅううっ!後で覚えてなよ!」

 

タツミ「ラバ…後で痛い目に合いそうだな…」

 

セキザクラとラバックが話していると、チェルシーが目を覚ます。

 

チェルシー「ん…?」

 

セキザクラ「あっチェルシー…ごめん…起こしちゃった?」

 

チェルシー「ううん…今起きた所だよ」

 

ラバック「降ろして大丈夫だよな…」

 

チェルシー「あ…ごめん」

 

ラバックはチェルシーを降ろして背伸びする。

 

セキザクラ「チェルシー…熱は大丈夫?」

 

チェルシー「うん…治ったみたい!」

 

アカメ「(本当に治ったのか不安だな…)」

 

そして、アカメ達は小町の案内でリビングのソファーに座る。小町は「夕飯は私が作りますのでどうぞゆっくりしてくださ〜い」っと言って台所の方に行った。

 

ラバック「さてと…後はどうやって元の世界に戻れるかだけど…あいつがここにいないとなると戻る方法が無いんだよな…」

 

セキザクラ「名前がわからないから…あいつじゃなくて黒マントで良くない?」

 

マイン「どっちでもいいけど、そいつを見つけ出さない限りは戻れないのよね」

 

マヴァール「そうだな…元凶を見つけない限り、俺たちは一生戻れないからな」

 

アカメ「それに…ナジェンダ達とまだ合流出来ていないしな…」

 

アカメがそう言うと…

 

チェルシー「…いないよ」

 

マイン「え?」

 

チェルシー「…この世界線に、他の人の気配は感じないよ…」

 

セキザクラ「もしかして、黒マントの能力で感じ取ったのかな?」

 

アカメ「確かに…あいつの能力を入れられたチェルシーならそれも可能かもしれないな…(あいつは簡単に異界のゲートをこじ開けるぐらいだ…その能力なら生体感知も可能だろうな)」

 

タツミ「そう思うとその能力、結構便利じゃないか?仲間の位置も分かるんだろ?もし逸れた時も役立つかもしれない」

 

セキザクラ「あんた…チェルシーを道具扱いするのやめてくれる?」

 

セキザクラはタツミに視線を向ける。

 

タツミ「チェルシーを道具扱いすることなんかする訳ねぇよ!…その能力のせいで体に負担がかかってるんだよな…」

 

マイン「…体に負担がかかるのは事実なんだよね?だってあいつが異界のゲートをこじ開けた時…チェルシーは凄く苦しかったみたいだから…」

 

すると、マヴァールが…

 

マヴァール「ん?」

 

ラバック「どうした?」

 

マヴァール「それだ!」

 

皆「え?」

 

マヴァール「なぁチェルシー」

 

チェルシー「?」

 

マヴァール「…ゲートを…開いてみないか?」

 

マイン「マヴァール!あんた正気⁉︎チェルシーはそのせいで負担がかかったのよ⁉︎」

 

マヴァール「だけど、他に戻れる方法があるか?」

 

タツミ「それは…」

 

マヴァール「チェルシー…お前は元いた世界に戻りたいか?」

 

チェルシー「…うん」

 

マヴァール「俺の推理だが…その能力を極めることが出来れば、異界のゲートを開くことが出来るんじゃないかと思うんだ」

 

セキザクラ「でもそれじゃチェルシーが…」

 

マヴァール「セキザクラ、今は黙って聞いてくれるか…」

 

マヴァールの真剣な表情を見てセキザクラは言葉を止めた。

 

マヴァール「チェルシー…お前の意見を聞いて判断したい、お前はどうしたい?」

 

チェルシー「…私は…」

 

チェルシーはそう言うと少し間を開けて…

 

 

 

チェルシー「私は元いた世界に帰りたい!」

 

アカメ「…」

 

チェルシー「仲間が分裂したままなんて…私は嫌だ!このまま何も出来ないで人の命が亡くなるのは嫌だ!…だから…私、この能力を極める!どんなに辛い事があってもみんなを救えるなら私は頑張りたい!」

 

マヴァール「…そうか」

 

チェルシーの本心を聞いて、マヴァールはそう言った。

 

アカメ「…わかった…そこまで言うなら異論はないよ…でもチェルシー、辛くなった時は私達が支えるからいつでも言ってくれ」

 

チェルシー「…うん!…ありがとうアカメ!」

 

ラバック「本人がそうしたいなら俺も賛成だな」

 

マイン「まっまぁ…チェルシーが言うなら私も賛成よ」

 

タツミ「今日は素直だなマイン」

 

マイン「か、勘違いしないでよね!現時点ではの話で出した答えなんだからね!別にまだこの世界のスイーツ食べてないからとかそう言う事じゃないからね!」

 

タツミ「それは反対派の意見だと思うんだが」

 

マヴァール「いやマイン…あんだけ帰りたがってた癖に〜」

 

マイン「う、うるさい!馬鹿!」

 

セキザクラは後ろを見て言う。

 

セキザクラ「私達の話…聞いちゃった?」

 

セキザクラはガラスのコップを持ってボーっと立っていた小町にそう言った。

 

小町「…大変ですね」

 

小町が言った時、インターホンの音が鳴り小町は玄関へと向かって行った。

 

ガチャッ!

 

小町「あっ!お兄ちゃんお帰り!」

 

八幡「おう…ただいま」

 

その頃、雪乃は道に迷ってしまい自宅に帰ろうとしていた。




次回、雪乃サイドへ…
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