失われた欠片   作:ガイアプロローグ

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第32話 人の痛みを彼は知る。

俺ガイルサイド…

 

アカメとマインは街中でタツミとマヴァールを探していた。

 

アカメ「(何処まで行ったんだ…あいつら)」

 

マイン「全く世話が焼ける奴等ね!何で勝手にいなくなるのよ!」

 

そう言ってマインはスカ◯ターの様な物をつけて辺りを見回す。

 

アカメ「いや…勝手ではないのだが」

 

 

 

アカメとマインはひたすら街中を歩いて探し回る。場面は変わり、雪乃達は…

 

隼人「…な…誰だ?…お前は?」

 

マヴァール「悪いな…取り込み中に乱入しちまって、だけど君…さっきのは良くないぜ?」

 

隼人は手で振り払おうとするが、全く腕が動かない。

 

隼人「その前に離して欲しんですけど?」

 

マヴァール「ん〜…その前にさっきこの子に何しようとしたんだ?それを話してからだ」

 

隼人「何を?あんたは誤解してませんか?俺はただ肩に手を軽く乗せようとしただけです…それに結衣は俺の同級生です…当然でしょ?」

 

そしてマヴァールの後ろからタツミが走ってきた。

 

タツミ「マヴァールさーん!速すぎるっすよ!」

 

マヴァール「あ…ごめん、なんかトラブルみたいな現場見ちまったからついな?」

 

タツミ「ついって…あ」

 

雪乃「タツミ君⁉︎」

 

タツミ「ゆ…雪乃さん、それに結衣?」

 

結衣「え?」

 

隼人「くっ…(何であいつまでここに!)」

 

マヴァール「ん?そこの黒髪ロングの女の子が雪乃ちゃんって言うのか?すまんな…なんかタツミが気になってるみたいだから来ちまったよ」

 

タツミ「なっ!マヴァールさん⁉︎」

 

雪乃「タ…タツミ君…」

 

雪乃は下を向いて顔が少し赤くなる。

 

隼人「なんだよ?僕を省くなんていい度胸してるなあんた」

 

マヴァール「省く?俺がいつお前を省いたんだ?」

 

隼人「…」

 

マヴァール「まだ答えを聞いてないんだぜ?」

 

隼人「答え?さっき言ったはずですよ?手を軽く乗せようとしただけだって…」

 

マヴァール「違うな、雪乃ちゃんと結衣ちゃんがまだ言ってないって事だよ」

 

すると結衣が口を開いた。

 

結衣「うん…そう、そうだよ⁉︎葉山君はただ私の肩に手を乗せようとしただけだよ?」

 

何故か嘘をついてしまう結衣。

 

マヴァール「本当か?」

 

隼人「これで分かったでしょ?あんた…僕を責めてるみたいだけど、失礼にも程があるよ!」

 

腕を振り払い、隼人がマヴァールに向かって言うと雪乃が話し始めた。

 

雪乃「…あなたがそう言う資格があると思っているの?」

 

隼人「…え?」

 

雪乃「私が病院から出た時からずっと後を追ったり…平気で人を見下す様なあなたが人を責める資格なんてないわ…それに言ったはずよ…私の前に二度と現れないでって…それなのに…それなのに…どうしてわざわざ私に姿を見せるの?」

 

隼人「…」

 

結衣「?」

 

雪乃「どうしてなの?…」

 

隼人「…」

 

すると隼人は突然…

 

 

 

 

隼人「…ハハハ…変わらないね…相変わらず君は」

 

タツミ「…」

 

隼人「何度も言ってるけど、僕はただ君に振り向いて欲しいだけなんだよ…それだけで僕はいいんだ!だから他の奴等の所になんか行かないでくれ!…そしたら俺もこんな真似は二度としないから!」

 

雪乃「…断るわ!」

 

隼人「…そうか…結果は変わらないんだな…」

 

 

隼人はポケットの中に手を入れた。

 

 

 

 

 

 

隼人「だから…全部忘れて…楽になろうよ?そして僕たちだけで新しい人生を探そうよ?」

 

隼人は爆弾に似た様なものをポケットから取り出す。すると周りにいた一般の人達は悲鳴をあげて逃げ出す。

 

一般人「爆弾だ!爆弾を持ってるぞ!逃げろぉぉぉ!」

 

雪乃「っ!…まさか!」

 

結衣「っ!」

 

タツミ「っ!お前!」

 

マヴァール「…」

 

隼人「…どうしたみんな?怯えてるのか?」

 

だが一人、動揺しない者がいた。

 

マヴァール「…それだけか?」

 

隼人「…え?」

 

マヴァール「そんな脅しが通じるとでも思ってるのか?」

 

隼人「ハハハ…焦ってるのか⁉︎僕は本気だぞ⁉︎いつでも爆発させる事は出来るんだぞ⁉︎もしかして爆弾を奪う気かい?無駄だよ無駄!この爆弾は僕の好きなタイミングで爆発させる事が出来るんだ!奪ってみるならやってー」

 

マヴァール「お前にそんな覚悟があるのか?さっきから身体中、震えてるぜ?」

 

隼人「うっ!うるさい‼︎お前たちが邪魔しなければこんなことなんてしない予定だったんだ!僕と雪乃ちゃんの間柄を邪魔するから…邪魔なんてしたからこうなったんだ!」

 

マヴァール「…じゃあ…押せよ」

 

全員がマヴァールの方に顔を向ける。

 

全員「っ!」

 

マヴァール「本物の爆弾ならスイッチもあるんだろ?スイッチ出して押せよ」

 

タツミ「マヴァールさん!何言ってるんすか⁉︎本物だったらここだけじゃ済まない!」

 

マヴァール「タツミ…ちゃんと考えてあるから安心しろ」

 

タツミ「…」

 

マヴァール「…」

 

隼人「はぁっ!はぁっ!…」

 

すると隼人はもう片方のポケットから爆弾のスイッチを出した。

 

タツミ「あいつっ!」

 

マヴァール「何だよ…ちゃんとあるじゃねぇか」

 

隼人「あ、あんた…相当頭がいかれてるよ!この状況見てみろよ!周りの人達の悲鳴!手に持ってる爆弾!それを起動させるスイッチ!普通は逃げるか腰が抜けるかのどっちかだろ‼︎なのにっ!なのにあんたは何で向かってくるんだよ!」

 

マヴァール「…普通じゃないからだよ…俺はな」

 

隼人「…どう言う…事?」

 

マヴァール「そんなのどうでもいいだろ?…それよりも早く押せよ?」

 

隼人「…」

 

マヴァール「どうした?怖気ついたか?」

 

隼人「はぁ…はぁ…」

 

隼人はマヴァールの姿を見て身体中、震えが止まらないでいた。そして…隼人がスイッチを落としてしまった瞬間だった。

 

一方アカメとマインは街中を走って逃げている人達を見て違和感を感じた。

 

一般人「爆弾だぁぁ!逃げろぉぉぉ!」

 

アカメ「この大人数で走っているのは爆弾が原因か」

 

マイン「そうは言ってもそんなの何処にあるのよ…爆弾なんてー」

 

マインが言いかけた瞬間、少し離れた場所から大爆発の音が聞こえた。

 

ドゴオオオオォォォンッ!

 

マイン「…え?」

 

アカメ「っ!行くぞマイン!」

 

マイン「えっ?わぁああああぁぁ!離してぇぇ!」

 

アカメはマインの手を引っ張って走った。場面はタツミ達に変わる。爆弾はマヴァールが瞬時の判断で遥か上空に投げ飛ばして全員無事だった。

 

雪乃「…」

 

結衣「…」

 

タツミ「…」

 

隼人「…よかった…助かった…」

 

マヴァール「…よかった?…助かった…だと?」

 

マヴァールは隼人の顔に一発拳を叩き込む。

 

ドゴッ!

 

隼人「ぶっ!」

 

隼人は倒れ込む。そしてマヴァールは隼人の襟元を掴む。

 

マヴァール「よくもそんな台詞が一番に出てきたな…おい」

 

タツミ「…」

 

マヴァール「…お前こそ、この状況見てみろよ…もしあの爆弾がこの場所で爆発してたらお前だけじゃない…多数の人が犠牲者になってたんだぞ…そこまでして自分の物にしたいのか!」

 

雪乃「…」

 

マヴァール「お前は…多くの人を殺めてまで自分自身に見て欲しいか!あぁ!」

 

隼人「…」

 

マヴァール「…覚悟もない奴が、武器なんて持つ資格なんてねぇぞ…わかったらさっさと俺らの前から消え失せろ」

 

隼人「…」

 

マヴァールは隼人を突き飛ばす。隼人はその後しばらく放心状態だった。

 

マヴァール「…タツミ…俺は先に戻ってるよ」

 

タツミ「…マヴァールさん」

 

タツミは何かを察した様に了承した。そしてマヴァールはチェルシー達の場所に戻って行く。

 

タツミ「…(もう隠しても駄目かもな…)」

 

タツミは雪乃に本当の自分を伝える事にした。

 

タツミ「雪乃さん」

 

雪乃「…」

 

タツミ「信じてもらえるかわからないけど…本当の事を話すよ…実は俺達…殺し屋なんだ、でもここの人達を殺すわけじゃないんだ…元の世界にいる悪人達を殺す殺し屋なんだ…だから…ここから先はもう…他人であって欲しい…すまない!」

 

タツミは背中を向けてマヴァールと同じ方向を向く。

 

タツミ「…さよなら…雪乃さん…あなたの幸せを遠くで祈ってます…」

 

タツミはそのまま、振り返らず前に歩き出す。ただ、ただ前に…すると

 

 

 

ギュッ!

 

タツミの背後から雪乃が抱きついてくる。

 

雪乃「…」

 

タツミ「…離してくれ」

 

雪乃「…嫌よ…タツミ君…」

 

タツミ「…雪乃さん…俺達はそろそろ帰らないと駄目なんです…だから離してくれ…頼む」

 

タツミは少し涙声になっていた。そして雪乃も…

 

雪乃「…嫌…行かないで」

 

こちらも若干涙声になっていた。

 

雪乃「あなたがいなくなったら…私が悲しくなるから…行かないで」

 

タツミ「…雪乃さん…俺も…出来れば一緒にいたい…ずっといたい…」

 

雪乃「っ!だったら尚更!」

 

タツミ「でも!…駄目なんだ!…向こうでみんなが待ってるから…それに、俺のいる世界は…この世界と比べて生きているだけでも精一杯な世界なんだ…だから来ないでくれ!」

 

タツミは強引に振り払い、走って行く。

 

雪乃「っ!…タツミ君‼︎」

 

タツミ「…くっ!…(ごめん!でも駄目だ!これ以上は巻き込めない!だから忘れてくれ!)」

 

タツミはひたすら走る。前に…ただ前に…走ることだけを考えて走り続けた。その一方、アカメとマインはマヴァールと合流していた。

 

マイン「馬鹿っ!何処まで行ってんのよ!」

 

マヴァール「あはははは…悪い!充分に反省はしているよ?アカメ」

 

マイン「私にもでしょ!」

 

アカメ「…兄さん、タツミは何処だ?」

 

マヴァール「なんか腹が痛いとか言ってたから先に戻ってきた…うん!」

 

アカメ「置いてくなよ…」

 

アカメは呆れた表情をして言った。

 

アカメ「所であの爆発、兄さんも見たか?」

 

マヴァール「あぁ…俺も驚いたけどなんか作業員がいて打ち上げ実験をしていたら失敗したらしい…(嘘です!本当は葉山って奴が爆弾を持ってたから俺が弾いてそのまま上空で爆発した爆弾なんだけどな…)」

 

アカメ「打ち上げにしてはすごい爆発力だった気がするのだが」

 

マヴァール「それはそうさ、核を打ち上げてるんだから〜(核じゃなく爆弾だけど)」

 

マイン「方向からしてタツミ…無事なの?」

 

マヴァール「大丈夫さ、だって空中で爆発しただけだから」

 

マイン「ふ〜ん」

 

マヴァール「俺は嘘なんて言ってませんよ〜」

 

マイン「ふ〜ん」

 

マヴァール「…信じてないだろマイン」

 

アカメ「…あ」

 

アカメ達はタツミの姿を見つけた。

 

マイン「あっ!タツミ!遅いわよ!」

 

マヴァール「…(タツミ切り替えろ、アカメとマインに怪しまれる)」

 

マヴァールは軽くタツミに頷いた。タツミもそれに気づいて表情を戻そうとするが…

 

マヴァール「大丈夫だったか?」

 

少しボロを出してしまったマヴァール。

 

マイン「?」

 

アカメ「どうかしたか?」

 

タツミ「あ…いや…」

 

マヴァール「いや〜爆発から逃げ切れて安心したぜ!死ななくてよかったよかった〜なっ?タツミ」

 

マヴァールは無理矢理切り替える。

 

タツミ「あ…あぁ…死ななくてよかったぜ」

 

アカメ「…無事ならよかった、早くチェルシー達がいる場所に戻るぞ」

 

そしてアカメ達は急いでチェルシー達のいる広場に戻るのであった。




次回、自給自足の生活。
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