失われた欠片   作:ガイアプロローグ

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第33話 チェルシーはみんなと一緒にいると安心できる。

俺ガイルサイド…

 

チェルシーは未だ自分の能力を意識して発動させることが出来ないでいた。

 

チェルシー「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

ラバック「…(まずいな、この調子だと思ったよりも時間がかかるかもな…今見た感じだと7回が限界見たいだ)」

 

ラバックはチェルシーの修行を見て何となくそんな風に予想をしていた。

 

チェルシー「ラバ…ク…」

 

ラバック「チェルシー無理は良くない、少し休んだ方がいい(記憶がある頃のあんたはそんな無理する人じゃない筈だ!…と言いたいけど今は…別人なんだよな…)」

 

チェルシーはまた立ち上がって異界のゲートを開こうとするが…歪みすら出なかった。そしてチェルシーは再び膝をつく。

 

チェルシー「はぁ…っ!…はぁ…っ!」

 

ラバック「おい無茶はしない方がいいってー」

 

するとチェルシーは突然…

 

チェルシー「うっ!…がはっ!」

 

吐血をした。

 

ラバック「っ!チェルシー!大丈夫か!無理せずに今日は控えろ!」

 

ラバックの大声で少し離れていたセキザクラは振り向いて急いでチェルシーの所に走る。

 

セキザクラ「チェルシー⁉︎どうしたの⁉︎」

 

チェルシー「はぁ…はぁ…わた…し…なら…うっ!」

 

チェルシーはそのまま横に倒れ込む。

 

セキザクラ「っ!」

 

ラバック「おい…チェルシー?…チェルシー!」

 

チェルシーは胸を強く抑えていた。そしてセキザクラがそばに来る。

 

チェルシー「うっ!…ぐっ!…」

 

セキザクラ「どうしよう!このままじゃチェルシーが!」

 

ラバック「くそっ!…こいつはやばい!やばすぎるぞ!(どうしたらいいんだ⁉︎こんな時に何も出来ねぇなんて…何やってんだ俺!)」

 

セキザクラとラバックはまさかの事態に混乱しはじめていた。すると拘束されている大臣の息子が声をかける。

 

???「ハッ!…ザマァねぇな?俺にこんな屈辱的な事をするから天罰が下ったんだよ!」

 

ラバック「…黙ってろ」

 

ラバックは糸をきつく締める。

 

ググッ!

 

???「ああああぁぁっ!」

 

そしてそんな時、アカメ達が合流してきた。

 

アカメ「っ!チェルシー!どうした⁉︎」

 

アカメがチェルシーが倒れているところに走って向かう。それにつられて他の者も来た。

 

チェルシー「はぁ…っ!うぐっ!」

 

アカメ「何があった⁉︎」

 

ラバック「…自分の能力を無理して会得しようとしたら急にこんな状況になっちまって…」

 

マイン「血を吐くなんて…相当重症じゃない!」

 

ラバック「それはわかってる!…だけどここら辺じゃ病院も無いぞ!」

 

その時、チェルシーの震えている手がアカメの手を掴む。

 

チェルシー「アカメ…はぁ…はぁ…私は…大丈夫…だから…何処にも…行かない…で」

 

アカメ「っ!…(そうか…病院に行って他の者を巻き込むことを知った上で行かないのか…)」

 

セキザクラ「チェルシー…今日は安静にした方がいいよ…だからお願い…無理だけはしないで」

 

チェルシーは安心したのか…それとも疲れたのか、目を閉じて眠りについた。

 

ラバック「アカメちゃん…何で止めたんだ?」

 

アカメ「…みんな知ってるだろ?今のチェルシーが仮に暴走でもしたら他の一般人にも被害が及ぶ」

 

アカメはチェルシーの胸に耳を当てて確かめる。

 

アカメ「…安静にしていれば大丈夫だと思う」

 

チェルシーの呼吸は穏やかになっていた。その後はセキザクラがチェルシーの血の跡を綺麗に拭き取った。そしてマヴァールが言う。

 

マヴァール「…水を差すようで悪いんだけど…これから俺達、しばらくどういう形で食料調達した方がいいかな?…金も無いし」

 

全員「…」

 

一瞬、全員沈黙する。そして…

 

アカメ「…ならば、広場の川で獲物を捕まえる」

 

全員「…え⁉︎」

 

マヴァール以外の者はアカメの意外な言葉に声を漏らす。

 

マヴァール「さすがアカメだ!俺もそう言おうと思ってたんだ!」

 

 

 

セキザクラ「いや…冗談でしょ?」

 

アカメ「いや…本気だ、他に方法がない」

 

セキザクラ「まずいるの?食べれる魚が…」

 

アカメ「いるはずだ…ここの川は広いからな」

 

セキザクラ「それだけの理由⁉︎確証は?」

 

アカメ「潜ればわかる」

 

セキザクラ「無いんだ…」

 

二人の会話にマインが入ってくる。

 

マイン「アカメ、獲物はいいんだけどさ…生で食べるの?」

 

アカメ「…焼いた方がいいか?」

 

マイン「それはそうでしょ」

 

アカメ「そうすると材料が必要になるな」

 

そう言うとアカメは辺りを見渡す。そしてアカメは木材を探し始めた。

 

タツミ「アカメ?何処に行くんだ?」

 

アカメ「この広場で材料を見つけてくる、みんなは待っててくれ」

 

アカメはそう言うと広場を探索し始めた。

 

マヴァール「それじゃ俺も行こうかな〜」

 

アカメ「そうか…だが断る!」

 

どこかで聞いたような台詞を吐いて離れて行った。

 

マヴァール「ガーン…」

 

マヴァールはショックを受けてつい表情を声に出してしまう。

 

セキザクラ「…(このままだとしばらくサバイバル生活する羽目になるわ…どうしよう)」

 

セキザクラの顔は少し青ざめていた。するとラバックが話しかけてくる。

 

ラバック「セキザクラ…どうしたんだ?顔色が悪い見たいだけど…」

 

セキザクラ「あ〜…また自給自足の生活するんだなぁ〜って思ってたの」

 

ラバック「?」

 

セキザクラ「…小さい頃からそういう生活してきたから慣れてはいるんだけどさ…また自給自足になると思うと辛いかな〜って思っただけよ」

 

ラバックはセキザクラの話に首を傾げる。

 

セキザクラ「…ごめん、今のは忘れて?」

 

ラバック「お、おう…」

 

ラバックも察したのか、話を切り上げる。その時マインはセキザクラの方をずっと見ていた。一方、アカメは広場を歩き回って木材を探していた。

 

アカメ「…(小さい枝しか落ちて無いな…)」

 

アカメは出来るだけ大きい木材を探すが中々見つからないでいた。

 

アカメ「(山に行くか?…いやそうするとまた往復に時間がかかるな…)」

 

アカメが悩んでいると広場で遊んでいる子供達のサッカーボールがアカメの足元に転がってきた。

 

アカメ「ん?…なんだ?」

 

子供「そこの姉ちゃーん!ボールこっちに投げてー!」

 

アカメ「…」

 

アカメは軽くボールを投げて子供に返す。アカメはその後しばらく子供達がサッカーをしているのを見ていながら思っていた。

 

アカメ「…(いつか帝都もこんな感じになるといいな)」

 

自分達がいる平和な世界を少し想像をしていた。そしてその後、気持ちを切り替えて再度木材を探し始めた。

 

 

 

そして数分後、アカメは大量の木材を両手で持ってチェルシー達の所に戻って来た。

 

ラバック「何かすごい量で来たな…」

 

ラバックは若干引き気味でいた。

 

セキザクラ「何処にあったんだろう…その量の木材」

 

セキザクラは不思議そうに見る。そしてマインは…

 

マイン「…流石アカメね、ま、私ならその倍は運べるけどね」

 

少し上目線の反応だった。

 

タツミ「いや、マインじゃきついだろ?」

 

マイン「何よ?」

 

タツミ「だって…腕力なー」

 

マインは無言でタツミにパンプキンを向ける。

 

タツミ「…わかった!悪かったよ!だから下ろして⁉︎」

 

マイン「ふ〜ん…わかればいいのよ」

 

マインはパンプキンを置く。そしてマヴァールが川から出てくる。

 

マヴァール「ふぅ〜…2匹だけ獲れたぜ!」

 

マヴァールは魚を捕らえたが…

 

セキザクラ「え⁉︎…魚小さ⁉︎」

 

マイン「これじゃあこの先乗り越えるのはきつそう…ね」

 

そしてその日はタツミとマヴァールが交代交代で川に潜って魚を捕らえるが、合計で小さい魚4匹だけだった。そして夜になると、アカメが木材を利用して細かく切った木材と木材の摩擦で火をつけた。その時セキザクラとタツミはあまりの大胆な行動に唖然としていた。因みにこの日、チェルシーはずっと眠っていた。

 

 

 

翌朝、アカメ達は起床していた。そしてチェルシーは川の近くで水に反射した自分の顔を見ていた。

 

チェルシー「…(私…昔の私って…どんな風にみんなと接してたのかな?…今とは随分と違うような感じなのかな…それとも…変わらないのかな…でも今そんなこと考えても…意味なんてないよね…今は出来る事を精一杯やる…それだけ!)」

 

チェルシーは気持ちを切り替えてアカメ達の所に戻っていった。

 

セキザクラ「あ、チェルシー…体は大丈夫?」

 

チェルシー「うん!…あれだけ休んだから、遅れた分…取り戻すよ」

 

そして今日も再び、能力を会得する為に修行を開始する。




次回、極めろ!究極の能力。
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