失われた欠片   作:ガイアプロローグ

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約1年3ヵ月ぶりの更新です!待ってくれた人には感謝しかないです!


めぐり奪還編
第37話 鉄の意志を斬る!


人が次第に朽ちゆくように国もいずれは滅びゆく…千年栄えた帝都すらも今や腐敗し生き地獄。人の形の魑魅魍魎が我が物顔で跋扈する。天が裁けぬその神(悪)を闇の中で生きゆく者達、異界の者達、自由を求める者達が腐敗し続ける世の中を始末する!

 

 

 

 

アカ斬るサイド…

 

夜、チェルシー達はみんな帝都から遠く離れた高地に飛ばされていた。

 

アカメ「…うっ…ここは?」

 

アカメは起き上がる。周りには異界の中に入っていた者が全員倒れていた。そして…

 

カサッ…

 

草むらの方から1匹の狼の危険種が出てきてこちらを鋭い眼光で睨みつけてくる。だがアカメは…

 

アカメ「…ちょうどいい、腹が空いていたんだ」

 

危険種「グウォォォ!」

 

危険種はアカメに向かって噛み付こうとするが、アカメは余裕のある表情で最低限の動きで回避して…

 

アカメ「はぁ!」

 

アカメはその危険種に向かって回し蹴りをして首の骨を折って絶命させた。

 

アカメ「…どうやらこいつだけみたいだな、みんなを起こすか」

 

 

 

 

そしてアカメは全員を起こす。だがチェルシーと京華は目覚めなかった。

 

タツミ「アカメ…チェルシーは…」

 

沙希「…けーちゃん」

 

アカメ「大丈夫だ…チェルシーも京華ちゃんも寝てるだけだ、恐らく異界を開けて通った時に大分体力を持ってかれたんだ」

 

そう言ってアカメはチェルシーをお姫様抱っこする。

 

セキザクラ「っ!アカメ…」

 

アカメ「なんだ?」

 

セキザクラは顔を赤くして言った。

 

セキザクラ「よく平然と…できるね…」

 

アカメ「?…どういうことだ?」

 

するとマインが小声でセキザクラに言う。

 

マイン「チェルシーを抱きたいんでしょ?」

 

セキザクラ「っ!…そんなことはっ!」

 

マイン「顔赤いわよ?」

 

セキザクラ「っ!」

 

そう言われてセキザクラは顔を隠してしまう。

 

マヴァール「アカメ!俺も俺も!」

 

アカメ「近寄るな変態」

 

ドストレートな発言に落ち込むマヴァールであった。

 

マヴァール「ガーン」

 

涼木「ですよね…」

 

そして雪乃はアカメの後ろで死んでいる狼の危険種を見て言う。

 

雪乃「…あれは…狼…なの?余りにも大きすぎる気がするのだけれど」

 

ラバック「あれは危険種だな」

 

結衣「きけんしゅ?」

 

ラバック「俺達の中では君達で言う、動物ってところだな」

 

いろは「動物⁉︎…う〜…いろは怖い」

 

ラバック「心配するなよ?アジトに着くまでは俺達が守ってやるからよ」

 

ラバックはいろはに手を差し伸べる。

 

いろは「何ですかあなたも口説いてるんですか⁉︎アジトに着いたら守ってやったから褒美に壁ドンしてー」

 

ラバック「待て?何でそんな展開になる⁉︎俺にはナジェンダさんって言う美しい人がー」

 

するとマインがラバックを見つめてくる。

 

マイン「…」

 

ラバック「な…何だよ?」

 

マイン「前から気になってたんだけどさ、ラバは何でボスの事をナジェンダさんって呼ぶんだろうなぁ〜って思ったのよ…何で?」

 

ラバック「別にいいだろ、俺はナジェンダさんの事…好きなんだよ」

 

八幡「(ナジェンダ?…眼帯してる人だったっけ…多分)」

 

マイン「でもまだ告白してないわよね?」

 

ラバック「いや…するさ、全部終わったら」

 

すると義輝がラバックに言う。

 

義輝「ラバック!お主が言うにはそのナジェンダと言う者はどれほどの美しさなんだ⁉︎」

 

ラバック「義輝、美しいのはわかるが俺からナジェンダさんを奪うのは無しだからな」

 

そしてアカメが言う。

 

アカメ「タツミ…そこにいる狼は今日の夕飯だから持ってくれ」

 

タツミ「お、おう…でもこいつ何処から?」

 

アカメ「草むらから出てきたから倒して置いた」

 

マヴァール「流石だアカメ!」

 

大志「(マヴァールさんの妹さんってそんなに強かったのか?カッコイイ!)」

 

大志は内心でアカメの強さに気づいた様子。そして京華を抱えている沙希は…

 

沙希「でもアカメ…狼って食えるの?」

 

アカメ「多分食える」

 

沙希「(多分⁉︎)」

 

そんな風に話していると、アカメ達の前の方から一人のフードを被った女がだんだんと近づいてくる。

 

 

 

アカメ「…(誰だ?)」

 

タツミ&雪乃&いろは「っ!」

 

八幡「お前らどうした?」

 

雪乃「あのフード…」

 

タツミ「間違いない!…あの時の女だ!」

 

いろは「あ…あ…」

 

タツミと雪乃はその方を見るが、いろはは腰が抜けてしまった。

 

マイン「あんた大丈夫?」

 

いろはは頭を抱えてしまう。

 

いろは「そそ…そんな…何でこんなタイミングで…」

 

いろはは身体中が震えてしまう。そしてマインがパンプキンをフードの女に向ける。

 

マイン「止まりなさい!さもないと打つわよ」

 

女「…あら〜久しぶりだね?偶然かな〜」

 

マイン「止まりなさいって言ってるのよ!話聞いた⁉︎」

 

女「怖い子だね〜今日は戦闘をしに来たわけじゃないわよ?話をしに来ただけだよ?」

 

そして女はアカメ達の前まで来ると足を止める。

 

マイン「…」

 

アカメ「マイン…今は下ろせ」

 

マイン「でも⁉︎」

 

アカメ「今ここで戦闘をしても意味がない気がする…これは罠かもしれない…」

 

マイン「…わかった、アカメを信じるわ」

 

マインはパンプキンを下ろす。

 

女「私も単細胞ではないわ、こうも人数が多いと戦闘はしないわ〜」

 

アカメ「…話とは何だ?」

 

女「大した事ではないわ…報告をしに来ただけよ?」

 

雪乃「報告?」

 

すると女は口を開いてとんでもない事を言い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女「チェルシーって子に能力を与えた人の名前…知りたい?」

 

アカメ達「‼︎」

 

そして女はアカメの耳元で囁いて言った。

 

女「無双神雑だよ…」

 

アカメ「っ!…お前は…誰なんだ?」

 

そしてその名前をアカメ以外に聞いていた者がいた。

 

セキザクラ「…何で…わざわざそんな事を⁉︎」

 

女「あなたは革命軍の一人かな?それも…第三革命軍の…」

 

セキザクラ「何を知ってるの?」

 

女「それは内緒だよ?」

 

セキザクラ「何処にいるの…答えて‼︎」

 

セキザクラは必死に訴えるが女はセキザクラの口に指を当てて言う。

 

女「声が大きいよ?」

 

セキザクラ「…くっ!」

 

沈黙の中で雪乃が言う。

 

雪乃「もしかして、由比ヶ浜さんの記憶が無くなっているのもその人が?」

 

女「…その内わかるよ?…じゃあ私はそろそろ時間だから帰らせてもらうよ」

 

するとタツミが呼び止める。

 

タツミ「待て!…最後にあんたの顔…見せてくれないか?」

 

女「…何故?」

 

タツミ「…見たいからだ」

 

タツミは何故なのか…女の正体が気になっていた。だが女は…

 

女「…駄目だよ?人には知りたくない事もあるからね?」

 

タツミ「っ!待ってくれ!」

 

そう言って女は草むらの中に消えて行った。そしてタツミは追いかけようとするがマインが止める。

 

マイン「駄目よ!…深追いは自滅同然よ」

 

タツミ「…くっ」

 

アカメ「さっきの女は後回しだ、それよりも早くアジトに戻るぞ!」

 

 

 

アカメがそう言うと全員アジトの方に急いで戻る。そしてしばらく走るとナイトレイドのアジトが見えてきた。

 

マヴァール「アジトだ!」

 

そしてアカメ達の足音に気づいてナジェンダと第三革命軍のリーダーが中から出てきた。

 

ラバック「ナジェンダさん!無事か!」

 

ナジェンダ「っ!お前達こそ無事か⁉︎」

 

アカメ「あぁ!全員いるぞ!」

 

ナジェンダ「よかった…」

 

???「戻って来たみたいだな、セキザクラ」

 

セキザクラ「ベルさん!」

 

こうしてアカメ達はナジェンダ達と合流を果たした。その一方…

 

 

 

 

 

女「はぁ…はぁ…ぐっ!」

 

女は林の中で額に手を当てて座り込んで苦しそうにしていた。

 

女「最後に…はぁ…はぁ…またタツミに…会えて良かった…はぁ…っ!…はぁ…っ!…自我を失う前に…伝えられ…た」

 

そしてそのまま女は倒れた。

 

場面は戻って、アカメ達はナジェンダ達に今までの事を話した。

 

ナジェンダ「ではそこにいる異世界の者達は、協力者と見ていいんだな」

 

アカメ「大丈夫、みんな信じれる者達だ」

 

ナジェンダ「そうか…」

 

ナジェンダは一安心した。すると第三革命軍のリーダーであるベルが…

 

ベル「だが見たところ、そいつらはあまり強いとは言えないな…大丈夫か?」

 

セキザクラ「心配しなくて平気ですよ、みんなこれから強くさせますから!」

 

するとタツミがナジェンダに聞く。

 

タツミ「ボス…兄貴は?」

 

タツミが聞くとみんなの雰囲気が少し暗くなる。するとレオーネが口を開く。

 

レオーネ「タツミ…こっちに来な」

 

タツミ「?」

 

レオーネはブラートの部屋の中にタツミを入れる。ベッドの上には体の一部が鉄の様な物にされていたブラートが仰向けに倒れていて、第三革命軍の一人、アリメナと言う人物が椅子に座っていてブラートを診ていた。

 

ブラート「…タツミ…戻って…きたか?」

 

タツミ「っ!…兄貴!」

 

ブラートは喋るのがやっとなくらいだった。

 

ブラート「…すまねぇな…こんな無様な、姿…見せる事になっちまっ…た」

 

タツミ「兄貴…どうしてこんな姿に!」

 

するとアリメナが伝える。

 

アリメナ「ブラートさんは…あの鉄人間と言われている人物と遭遇して交戦したみたいなの…そして帰って来た時は…この様な姿に…」

 

タツミ「鉄人間?…今何処にいるんだ⁉︎」

 

レオーネ「タツミ…まさかだとは思うけど今からそいつを倒すとか言わないよな?」

 

タツミ「…」

 

レオーネ「気持ちはわからないわけじゃないよ…だけど居場所も特定できてないし、それに実力不足の新人が行った所で返り討ちに遭うだけだよ?」

 

タツミ「ぐっ…ちくしょう!」

 

タツミはその言葉を聞くと、悔しさで歯ぎしりしながら拳を握る。そしてブラートが伝える。

 

ブラート「タツミ…」

 

そう言うとブラートは無理矢理体を横にしてインクルシオの鍵を取り出す。

 

アリメナ「っ!駄目ですよ!安静にしてください!」

 

 

 

ブラート「こいつを…インクルシオを…お前に託す…!」

 

タツミ「っ!…兄貴⁉︎」

 

ブラート「俺は…これから先…戦えなくなっちまいそうだ!…だが…ら…鍛えたお前に…なら!…インクルシオを…使いこなせる筈だ!」

 

レオーネ「ブラっち!それはまだ早すぎるってー」

 

ブラート「レオーネ…タツミは…今まで…呑気にただ過ごしてた…わけじゃねぇぜ…俺にはわかる」

 

レオーネ「…」

 

タツミ「兄貴…」

 

タツミは涙声で言う。そしてブラートは…

 

ブラート「はぁ…はぁ…言っただろ…いつ報いを受けるか…わからねぇ…て…」

 

ブラートはタツミの手にインクルシオの鍵を差し出す。そしてタツミはそれを手に取る。

 

ブラート「最後に…俺の目の前で…お前のインクルシオを…見せてくれ…ないか?」

 

タツミ「っ!兄貴!…最後だなんて…言わないでくれよ!」

 

ブラート「…泣くな!…お前も…わかってるだろ⁉︎」

 

タツミ「…」

 

ブラート「タツミ…叫ぶんだ…!」

 

タツミ「っ!」

 

そしてブラートが強く言う。

 

ブラート「叫べ‼︎タツミ!…熱い魂で‼︎」

 

タツミはブラートの返答に答える様に叫ぶ。

 

 

 

 

タツミ「インクルシオォォォ‼︎」

 

タツミが叫んだ瞬間、タツミの背後から鎧を纏った竜が出現した。それを見た瞬間、アリメナとレオーネはタツミから少し離れて再度タツミの方を向く。

 

レオーネ「っ!」

 

アリメナ「っ!(これが…インクルシオ⁉︎…なの⁉︎)」

 

そして鎧を纏った竜の形が少しずつ変わっていく。

 

ブラート「っ!(鎧が…タツミの動きやすいように形を変えている!)」

 

ブラートは内心驚きが隠せないでいた。

 

ブラート「(そうか…タツミ…お前の思いがインクルシオを進化させているのか⁉︎)」

 

そして煙が晴れると、そこにはインクルシオを纏った姿のタツミが真っ直ぐに立っていた。

 

タツミ「…」

 

アリメナ「…」

 

レオーネ「タツミ…お前…」

 

ブラートはその姿を見て微笑む。

 

ブラート「…成功だ…」

 

ホッとした瞬間、ブラートの体の一部にある鉄の様な物がブラートを侵食し始めた。

 

アリメナ「っ!」

 

レオーネ「ブラっち!」

 

タツミ「兄貴!」

 

ブラート「…(どうやら…俺の役目は…果たせた…みたいだ…それだけ維持出来るなら…確実に俺を…超えれる筈だ!…だから…お前のこれからの人生…俺が去った後も…最後まで見届けてやるからよ…どこまでも駆け抜けろ…タツミ…後のことは…任せ…た…」

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてブラートは最後の一言をタツミに聞こえる様に言い…全身が鉄の様に硬くなり…静かに目を閉じた。タツミはインクルシオを解除して、安らかな眠りにつく様なブラートの顔を見る。

 

タツミ「…兄貴…見ていてくれ!…俺が絶対、今の帝国を変えるところを!」

 

そしてタツミはインクルシオの鍵を背中に背負い、アリメナとレオーネと共にブラートの部屋を出る。出来るだけアカメ達には顔を見せないように…




・ブラート
ナイトレイドのメンバーの一人でありナイトレイド最強の一人。軍人時代の頃は"100人斬りのブラート"という名で知られていた。元は三獣士の一人リヴァの部下だったが帝国の闇を知り、革命軍に身を置く。新しく仲間になったスサノオては仲が良く、タツミとマヴァールの師匠でもありタツミからは兄貴と、マヴァールからはハンサムと呼ばれていた。チェルシー達が異界にいる間に鉄人間と遭遇し戦闘になるが致命傷を負い、異界から戻ってきたタツミにインクルシオを託して眠りにつく様に体全体が鉄になって死亡した。




ナイトレイド残り10人。
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