知識と魔法は使いよう   作:ミカンコーヒー

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(・ω・)ノやあ


3.八雲紫との邂逅

「初めまして、災厄さん。私は八雲紫と申すものですわ」

 

空間の裂け目から出てきた大妖怪は手に持っている扇子で口元を隠しながら、そう名乗った。

 

八雲.....紫......?

知らない子ですね。

 

てか、災害さんってなんや。俺はそんな名前じゃないし。

まあ、名前無いけど。

 

それより、やばいって。なんか知らないけど、あちらさん殺気ビンビンだって。

今まで何回か大妖怪やら強い力を持つなんかやらと会ってきたが、この手のやつは戦えやら、殺すやら、喰わせろやら碌なやつがいない。

俺も最初のうちは腕試しや魔法の実験とかで相手をしていたが、最近はそれすらも面倒になってきた。

 

なので、そんな奴らが来たときのためにある魔法を開発した。

それは転移魔法だ。これは、視界に入る範囲の短距離転移から正確に思い浮かべた場所や、座標さえ分かればどんな長距離でも移動できるものだ。

イメージとしては某少年漫画の瞬間移動みたいな感じ。

これで、どんな相手でも大丈夫。無駄な争いはしない主義なんだ。面倒な事からは逃げるに限る。

 

「突然ですが、貴女には私の式になってもらいます」

 

ちょ、ちょっと人が説明してるのに話を進めないで下さいます?

で? 何? 指揮? 俺は音楽は苦手なんだ。え? 違う。

ああ、式ね。式神のことね。いや、本当に突然ね。

 

初対面で、いきなりそんなこと言う人はちょっと.....ね?

答えはNO。絶対嫌だね。

 

誰かの下に付くつもりもないし、第一に人に何か頼むときはそれ相応の態度が必要だろう。

こういうキャッチセールスみたいな奴は無視するに限る。

っことで、あばよ~、とっつぁん~ 転移っ!

 

 

 

 

 

※※※※※※

 

 

 

 

 

「嫌だと言うなら力づ――――」

 

紫が話している途中で目の前にいた少女の姿が忽然と消えた。

 

「.......え?」

 

いきなりのことで一瞬呆けていたが、我に返ったときにはもう遅い。

彼女の居たところには何も残っていない。紫はまんまとしてやられたのだ。

 

「~~~~っ! なんなのよ一体ーーっ!!」

 

そこには一人叫ぶ紫だけが残されているだけだった。

 

 

 

 

 

※※※※※※

 

 

 

 

 

「危ない、危ない。やっぱり転移魔法は便利便利」

 

今頃、八雲紫は一人取り残されているだろう。哀れなり、八雲紫。

 

転移魔法で飛んできたのは、俺が初めて目を覚ました場所だ。

なぜこの場所にしたかと言うと、特に理由は無い。

何となくまた来たかったから?

 

まあ、それはいいとして。これからどうしようかな~?

変な奴に目を付けられたっぽいし、しばらく隠れてよっかな?

今までの経験上、もう追ってこないと安心していたが、それは間違いだった。

 

「見つけたわよ、こんな所に居たのね。もう逃がさないわよっ!」

 

また空間の裂け目から八雲紫が出てきた。

え? 早くね? 

何あれ、凄い便利な能力?だな。

 

というか、まだあきらめて無かったし。

どうやら今回の奴はしつこいようだ。

 

「うわ、どっから湧いていてきやがった。これだから妖怪は嫌なんだ。どっからでも湧いてきやがる」

 

「虫みたいに言わないで頂戴っ!」

 

俺はしつこい奴は嫌いなんだ。仏の顔は三度までだが、俺の笑顔は二度までなんだ。

そんなにしつこいとヤッチャウヨ..... 

 

「さあ、大人しく私の式になりなさい」

 

「断る。初対面でいきなり式になれとか強引にも程がある。そんな奴にくれてやる義理も何もない!」

 

「そ、それもそうね。ごめんなさい、私がどうかしていたわ」

 

お? なんか急に態度が変わった。自分の非をきちんと謝れる奴はいいやつ。

いきなりでむかついたが、気にもなるし話だけでも聞いてみよう。我ながらちょろい気がする。

 

「まあ、謝るならいいよ。というかなんで俺なの? ほかにもっと良い奴いるでしょ」

 

「貴女じゃなきゃ駄目なの」

 

なにそれこわい。初対面でいきなり、あなたじゃなきゃダメなの宣言ですか。

いやね、求められるのは嫌じゃないけど、初対面だし...ねぇ...?

 

八雲紫は真剣な眼差しで俺の方を見ている。これは何か訳ありなのかな。

そう聞くと、八雲紫は思案顔になり少し俯いていたが、顔を上げるとパチッと口元を隠していた扇子を閉じ、指を立てながら理由を話し始めた。

 

「理由は二つ。一つは強いから」

 

「それこそ俺である必要は無いはず」

 

「確かにそうだけど待って頂戴。大事なのは二つ目だから。その前に、一つ聞きたいことがあるわ」

 

その言葉と共に、真剣な表情になる八雲紫。しかし、その瞳は不安げに揺れている。

そんな八雲紫を見ていると質問の内容と、どうして俺にこだわるのかがとても気になった。

 

そして同時に妙な確信めいた何かが俺の中に生まれる。

なんてこと無い。ただ、何かが変わる。きっと俺の中にあるものを変える何かが起きる。そんな予感がしただけだ。

 

俺は何も言わず紫の言葉を待った。紫はそれを肯定と取ったのか、一拍間を置いた後に何かを決意したような顔で口を開いた。

 

「貴女は、人間と妖怪の共存が可能だと思う?」

 




(*・ω・)ノシまたね
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