メガネです。
ちゃっちゃと行きますよー?
対空機関銃の発射ボタンを押す。
後部に設置された試作の対空レーダーが回転し、キャベツが持つ魔力を探知。
それをシステムが追跡し、機関銃の銃口がキャベツを追う。
そして照準が合った瞬間、束ねられた銃身が回転。薬室に装填された7.62mm弾が高速で発射され、キャベツを撃ち落とした。
システムは撃墜の判断を下し、次の目標を迎撃し始める。
迎撃の速度はまだ甘いが、おおむね成功だろう。
一発で満足出来る兵器が出来るなど始めから思っていない。
武器と言うのは、失敗を繰り返し、洗練されることによって出来るのだ。
しかし今回のは、完成とは言えないが中々の物だ。
レーダーはしっかり目標の魔力を探知しているし、システムもしっかり機能、速度はまだまだだが命中率は悪くない。
ただ、若干動きに無駄がある。
おそらく、迎撃の優先度を決定するのに時間がかかっているのだ。
そして、せっかく稼働式で二門搭載したのに、二門共同じ目標を撃っている。
同時に二つの目標を攻撃させようと思ったのだが、今のシステムでは不可能らしい。
まあ、いきなりイージスシステムまがいな事が出来るわけ無いのだが。
「さて。俺も撃たなきゃな。」
機関銃の動作を確認した俺も小銃を持ち、参加する。
報酬も出るらしいし、明らかに人手が足りていない。
対空兵装を追加しようにも、これ以上大規模な物の生成は魔力的に無理だ。
「弾込めヨシ。安全装置ヨシ!」
弾倉を差しこみ安全装置を解除、セレクターを3、「スリー・ショット・バースト」にあわせた俺は、飛来するキャベツに向かって発砲。
すばしっこいが、動きは読めなくもない。あとは先読みして射撃するだけだ。
引き金を引くと、パパパンと小気味良い発砲音が響き、薬莢が三つ排出。
発射された三発の5.56mm弾の撃ち二発が飛来したキャベツに直撃し、貫通。落ちてきた。
そのまま俺は射撃を続ける……が
「ああ!弾切れがもどかしい!」
ただでさえすばしっこい上に空中にいる目標だ。
たかが30発弾倉の89式小銃では、すぐに弾倉が空になる。
そして弾倉を交換している間にキャベツはどんどん突破していってしまう。
非常に勿体ない。
「こういう時はあれに限るな。ジェネレート!」
生成したのは、5.56mm機関銃MINIMI。
それに三脚を取り付け、固定機銃のようにした物だ。
長いベルトリンクで繋がれた5.56mm弾が足元のアモボックスから伸びている。
その数400発。
異常に精密という訳ではないが、この状況、小銃よりは良いだろう。
引き金を引くとガガガッと発砲音がし、薬莢と共にベルトリンクが排出される。
89より反動が大きくて少し振られるが、三脚のおかげで精度は問題ないレベルだ。
空へ向かって掃射される5.56mm弾は次々とキャベツを堕として行く。
「カズマ!頼んだぞ!」
「おうよ!」
俺が生成した籠を背負い、大きな袋を持ったカズマが答える。
カズマは空中を自由に飛び回るキャベツに対する攻撃手段は少ない。
まあそれを言ったら駄女神に爆裂キチにドM不器用騎士ってのもあれだが、まあともかくカズマは俺が堕としたキャベツをせっせこ拾ってくれている。
まあ結構儲かるそうだし、ある意味カズマらしい。
(にしてもあいつら大丈夫なのか?)
俺としてはカズマよりも他の三人が心配だ。
女だからではなく、単純に危なっかしい。
カズマのように、弱くても自分を理解し、考える能力がある人間は良いのだが、他の三人は後先考えなさそうだ。けしてバカとは言わないが。
射撃のついでにチラッと様子をうかがうと、
アクアはキャベツに追いかけられていた。カエルと言い、アクアは魔物に好かれるのだろうか。
めぐみんは杖を持って立っている。爆裂魔法のタイミングでも計っているのだろう。
ダクネスは……言わなくても分かりそうだが冒険者の盾になり、キャベツに全身を打たれて嬉しそうだ。
ドMというのは、たとえ相手が野菜でも傷みをくれれば良いのだろうか。
……まあ、見た幹事目立った問題は無さそうだし、大丈夫だろう。
俺は射撃に集中することにした。