タイタンフォールが止められない!メガネです。
らき☆すたはいいぞぉ···········
らき☆すたはいいぞぉぉ·············
めでたく、俺は冒険者になった。
モンスターを倒し、ダンジョンに潜り、宝を見つける。
こんなロマン溢れるものなんて中々無いハズだ。
俺も男だ。そう言った物に興味が無い訳ではない。
むしろ大いにある。
そんな夢見る兵士、藍原上等兵(20)は、少しワクワクしながら、とりあえずの寝床となった馬小屋で一夜を開かし、ギルドへと向かったのだが。
「···申し訳ありません。現在、あなたにお願いできるクエストは無いんです····」
···ナンテコッタイ。
その後聞いた話によると、そもそもこの街付近にはあまりモンスターが居ないそうだ。
それで「駆け出し冒険者の街」なんて呼ばれるんだろうが。
まあつまり、元々そんなにモンスターは居ない。
しかもこの時期はモンスターがさらに少なくなる季節だそうだ。
様は、ただでさえ少ないモンスターが、さらに少なくなったワケです。
そしてモンスターが少なくなったからか否か、アホみたいに強いモンスターがあわられる様になったと。
···つーまーりー。
俺の様な駆け出しの普通なパッとしない冒険者の出る幕は、無いのである。
しかし俺は金が無い。
登録やらで既にお金は借りているし、これ以上借りる訳にはいかない。
するとどうなるか。
「おい!そこの新人二人!キリキリ動けッ!!」
「「はっ···はいっ!お頭!!」」
···こうなった。
様は、肉体労働だ。
―――
「アイハラミツキ!これ運べ!」
「はーい···うおっ、おもてえ···」
俺はここ一週間、同じ事をひたすら繰り返している。
馬小屋で朝起きて、ギルドで安いパンと牛乳飲んで、バイトして。
昼飯食って、仕事して、仕事が終わって。
魔法の練習と射撃の訓練して、帰って、風呂入って、飯食って、寝る。
もちろん少し変化はあった。
バイト先で、同じ日本人の転生者、「佐藤和真」と、その連れの(自称)女神、「アクア」と知り合い、仲良くなったり、
魔法を使った後の酔いが無くなってきたり、
魔法で、タバコを生成できるようになったりだ。
ちなみに、最初に会った転生者、「綿貫 芽依」は、色々なパーティーに引っ張りだこにされ、練習がてら、ダンジョンやらに行って、それなりに稼いでいるらしい。
···あっちの方が冒険してんなぁ···
そんな事を考えながらも、自衛隊で慣れた肉体労働をしっかりとこなしていく。
気がついたら時間になっていた。
「お疲れ様でーす。」
「お疲れ~」
「また明日もよろしく~」
すっかり作業服代わりになってしまったNATOの迷彩服の土を落とすと、俺は冒険者カード以外は持たずに、いつもの場所へと向かった。
―――
いつもの様に門をくぐり、いつもの道を通っていくと、木製の手作りの的が置いてある場所に着いた。
ここならば、遠慮なく発砲できる。
と、いうことで今日は、能力の実験をする事にした。
とりあえず俺は、頭の中で拳銃をイメージ。
「ジェネレート·スモールアーム、FNXフォーティファイブタクティカル。」
唱え終わると、俺の手の中に黒の拳銃が握られる。
FNX·45 タクティカル。
45口径弾を使用する、FNハースタル社製の自動拳銃だ。
俺はマガジンを確認するとスライドを後退させ、初弾を装填。
銃を握る左手を右手で包むようにし、サイトの照門と照星を合わせ、引き金を引く。
45口径特有の、強めの反動と発砲音が響く。
しばらく撃ち続けると、弾倉がカラになり、スライドがホールド·オープンした。
俺はマガジンを生成すると、FNXに差し、セーフティを掛けるとヒップホルスターにしまう。
···いつもならこれで終わりだが、実験はここから。
今日は、初の、「架空の銃器の生成」を行うのだ。
今まで生成した銃はすべて、「実在する銃」で、「俺が扱った事のある銃器」だ。
だが、エリス様は確か、創れる物には、実在しない架空の物も含まれる、と。
ならば試す他無い。
とりあえず、比較的魔力のコストの低い拳銃からだ。
おそらく、魔力の残量的にも、拳銃一丁創ったら間違いなく魔力がほとんど無くなる。
「ジェネレート·スモールアーム。スマートピストルMk4。」
イメージしながら詠唱が終わると見事、ゲーム、「タイタンフォール」に登場する拳銃、「スマートピストルMk4」、通称スマピが生成された。
スマピは、ゲームの初心者対策に作られた武器で、拳銃ながらプライマリウェポンだ。
特徴はなんといっても、「ロックオン射撃」だろう。
このピストル、相手に向け続けると相手をロックオンし、確実に当てる事ができるのだ。
プレイヤー相手だとロックオン時間が長くなってしまうが、AI相手なら直ぐロックし、倒す事が出来る。
俺はワクワクしながらスマピを構え、適当な所にちょうど見つけたでかいカエルに向ける。
······が、何も起きない。
···よく考えてみれば、ロックオンの表示やらは画面···キャラクターのヘルメットのディスプレイに表示されるものだ。
俺は今生身で、画面なんか無いし、キャラクターの様にヘルメットも被っていない。
そりゃ見えんわな··
俺はとりあえず、カエルに向かって適当に発砲。
狙いは本当にテキトーで、サイトを覗いてすらいない。
···が。
「···おっ?」
全弾命中。しかも大体が同じ所に着弾している。
見えないが、一応ロックオンは出来ている様だ。
が、正直これでは使えない。
ロックオン出来ているかわからないし、ついでにスマピは、非ロックオン射撃時の集弾性があまり良くない。
とりあえずは、FNXをセカンダリとして使う事にしよう。
そんな事を考えていた俺は、スマピを消し、ポケットから出した紙製の箱を振って煙草を一本出すと、くわえてライターで火をつけた。
―――
日課の練習も終わり、一服して休憩もした。
あとは飯を食って風呂に入って寝るだけだ。
肉体労働で汗をかいた俺は先に風呂屋へ。
「ほいよ。···あ、あとこれ預かっといてくれ。」
「ああ、アンタかい。お疲れさん。」
番台のばあちゃんに代金を払い、盗まれないよう89式小銃を預けると、脱衣場で汚れた迷彩作業服と汗を吸ったシャツを脱ぎ、ホルスターと、銃剣、水筒を吊った弾帯を外し、拳銃と共にカゴにぶちこむ。
全裸になり、首に認識票をかけただけの俺は、タオルを持って、浴場へと入る。
俺が道草食って遅れたせいか、人はほとんどいない。
が、見渡すと、頭を洗う見知った顔が。
「ようカズマ。今日は遅いな。」
「ああ、ミツキか。そっちもな。」
俺は椅子と桶をカズマの隣に置き、座る。
魔法で動かしているという水道に繋がった蛇口をひねり、桶にお湯を溜めると、頭から被る。
頭と体を洗っていると、カズマが話かけて来た。
「なあ、ミツキがこの世界に来たのって、俺より後だろ?」
「?ああ。女神様に、お前らしき人間の話を聞いたしな。」
「····でさ。」
「うん?」
「クエストって、受けた?」
「······いや。」
「······俺たちさ、異世界に来て、冒険者になって、魔王を討伐してくれ!って頼まれたじゃん?でもなんか、冒険者らしい事してなくない?」
「···俺の知り合いの転生者は毎日、ダンジョンやら討伐クエストやらに行ってるみたいだがな。」
「マジで?」
「マジだ。」
「「··············はぁ。」」
俺とカズマは同時に大きなため息をつく。
いろんなパーティーに誘われ、いろんな経験をしている芽依はともかく、俺とカズマ(とそれの連れの女神アクア)は、ずっとバイトで肉体労働だ。
せっかく冒険者になったんだ。どうせなら冒険者らしい事がしたい。
「···とりあえず、明日、ギルドでクエスト探して行ってみるか。」
「おう。じゃ、明日ギルドでな。」
体も頭も洗い終わった俺とカズマは脱衣場で着替え、それぞれ晩御飯の為に散っていった。
コナタカワイイヨメニコイ