現世で死んでも来世がある   作:瘧草

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いやー、小説を書くモチベが落ち始めました。



第六話 人外の誕生

見慣れない天井を目の前に俺は戸惑っていた。

いや、正確には見たことがある。一度だけではあるが。見慣れないだけであって見たことがないわけではない。

真っ白な天井…何処までも続いていそうな…そんな解放感のある白い天井。いや、天井という表現も間違っているのだろうか?

そしてもう1つ俺の視界に入っている奴がいる。そいつはせっせと何か運んでいる。俺の右隣を段ボールを両手で持ちながら建物と建物を行ったり来たりしている。

俺はそいつの足首をタイミングよく掴み転ばせる。

そいつは段ボールを持っているため顔面を強打したようだった。

 

「おい、てめぇこれどう言うことだ?なんで俺ここにまた居んだよ」

「起きてるなら普通に声掛けてくれないかな。両手塞がってんの分かる?顔が痛いだろ」

 

と、前回のように不愉快な声で応答をするのは性別不明の自称神様である。

 

「顔が痛い?痛いの痛いのフライアウェーイ。治ったろ、俺の質問に答えやがれ」

「そこまでやる気のないおまじない初めて聞いたよ。それからそろそろ足首離せ」

「やなこったこの状態で聞き出す」

 

俺は自称神の足首を掴み、自称神は俺に足首を掴まれ、両方とも寝転がった状態で話し合うことになった。

 

「はぁ…まあいい。今度は何が疑問なんだ」

「俺が『また』ここにいる理由だ」

「死んだんだろ、頭使わなくても分かる疑問だろそれ…なんでこんなやつに託しちゃったかなぁ」

「えぇ…俺また死んだの…」

「そだねー。そんなの猿に聞いても分かるねー。…足から手を離すほどショックだったのかよ」

「んじゃ疑問増えたわ、俺はなんでまたここに居んの?」

「さっきの疑問と同じじゃn「そうじゃなくて死んだからもう閻魔様の所行ってもいいだろってこと」そう言うことか…」

 

いや、言葉が悪かったとも思うがこいつも馬鹿なんじゃないのか?神様ってもっと話が伝わるもんだと思ってたよ。こいつは別として。

 

「いやぁ、お前死なないぞ?永遠に俺の道具として働いてもらうから」

「……あ?」

「あ、永遠じゃないな半永久的だな」

「そこじゃねぇよ!!お前の道具として半永久的に俺生かされんのか!?」

「そういってる。俺はお前に託したんだよここの防衛を。それなのに託した男がこうも馬鹿だと自分の不甲斐なさに落ち込むわ」

「なんで俺は半永久的に生きてられんだよ…。教えろよ!!」

「俺が運んでるもんあったろ。その転けたときに落としたそれだ。」

 

そう言いながら段ボール箱を指差す自称神。

 

「開けてみろ。理由が分かる」

「驚かす要素ないよな、なんか突然出てくるとか」

「無い。が、驚きはするだろうな」

 

何が入ってんだよ。俺は寝転がっていた状態から立ち上がり、恐る恐るその段ボール箱を開けた。

そこにはこの世のものとは思えないほど赤黒い肉塊があった。

その肉塊は少し脈打っている。が、心臓ではない。心臓にしては大きすぎる。サッカーボール位の塊。

そして段ボール箱の底には血が波をたてるほど溜まっているのに外に染みだしてはいない。

それを見たとき吐き気を催し、俺は地面に吐瀉物を撒き散らした。

 

「おいおい、大丈夫か?」

 

自称神は俺の背中を擦りに来た。

その手はとても小さいながらも触られていると安心感があった。

 

「なん、なんだよこれ。悪趣味にもほどがある…」

「いやぁ、これお前の元になるから慣れといた方がいいぞ。」

「俺の…元?」

「お前が半永久的に復活できるのはこの肉塊があるからだ。一応お前の体の一部…下半身が無くなったとか上半身が爆散したとか自分の体が木っ端微塵に飛び散ったとかならすぐにここに戻って来て、5分間ここで休憩をしてから、お前の部屋に直接輸送される─」

「─腕飛んだとか足飛んだとかなら一応自分からここに来るかあっちにとどまっとくとかは決めれるはず」

「俺はあっちで小指が千切れただけなのになんでここにきてんだ?」

「それは血が出すぎたための出血多量だな

簡単に言うと、もう自分で自由に動けないような大怪我で死んだらこっちに強制的に来させられる。死んでないときはあっちで死ぬまでもがいてろ。痛いだろうけどがんばれー。

逆に腕が無くなったりした怪我の場合一番の死因はショック死、その次に出血多量って感じたな。小指とかちっさなもんがなくなるくらいならあっちでどうにか生きてると思う」

 

もう…訳がわからん……。死んだり死ななかったりすんのか俺は。あ、涙出てきた。なんで俺だけこんなことしなきゃならないんだよ。

 

「はぁ…元気出せって。これまで以上に楽しくて危険が伴う緊張感のある人生になるからさ」

「うぅ…。質問…いいか?肉塊に…ついて全く説明されてなかったんだけど…それはなんか意味あんの?」

「あ?あぁ、説明忘れてたか?大怪我の場合はもう人間として活動できなくなるからこっちでお前の体作ってるんどけども、まぁスペアとでも考えてくれ。そのスペアを作るための細胞かな?あれは。それを今量産してるからそれの中にお前の魂突っ込んで輸送するって感じだな」

 

「もうだめだ…俺、人外になった。なんでお前はあの物体を把握できてないんだよ。俺の魂ってなんだよ。人の体で人体実験的なもんすんなよ!!」

「把握できてるけど全ては言えないって感じだな。お前の魂ってのはお前が死んだときに体から解放されるんだが、それをここでできるスペアに突っ込んでお前を蘇生…意味は違う気がするが蘇生でいいや、まあなんやかんやしてあっちに戻す。深いことは気にすんな、そういうのは体験して分かればいいんだよ。それと嫌がってるけどもうお前一回蘇生してるからな。っとそろそろ5分だな。

ウ~ン。お前の体まだ生きれそうだな。少しここで待ってろ。お前生前に妹にメールしてたっぽいし妹はそれに気づいてこっちに向かってるわ。ここで俺と雑談でもしとくか?」

「わかった…雑談する。けど少しの間だけ一人にしてくれ」

「あいよー」

 

昔から俺は大きな変化に弱い。心が追い付かなくて自分が何故生きてるのかとか哲学的なことを考えて余計自分で追い詰めてしまう。

それが出来ないほど今は追い詰められている。追い詰められてるはずなのに逆にわくわくしてきてる。訳がわからない。

今大事なのは死ねないってことと、むうの話と自称神の話の食い違いと、むうの暴走についてなんだよな。

死ぬときって辛いんだろうなぁ…いやもう二回死んでるらしいけどさ。

神と妖怪が敵同士だから相手の悪いことしか言わないんだろうなあ。

むうが暴走したことについて深く考えてもなかったや。

あの時のむうは本当に怖かったなあ。

全く話纏まらんや。はぁ…これからどうするかな。人としてもう生きていけないしな。

 

「お前なぁなぁうるさい。考え纏めてから喋れ」

「声に出てた?それならすまんかった」

「お前の疑問、一から解いていってやるよ」

「長くなる?ボーッとしとく」

「はー、しっかり聞いてろ。お前の今後に関わるかもしれんからな。話せないところは話せないけど」

「なんだよそれ」

「それは生きていけば分かることだから自分で探っていく楽しみができるぞ」

「めんどくさい」

 

俺の一言を無視して自称神の長い長い、校長の話位長い疑問解消の時間がやって来た。

 

 

数十分後ついに話が終わった。

簡単にまとめると

1つ目の疑問・・・死ねないことについて。

この疑問は簡単だったようで、ただ隠し通せればいいだけの話のようだ。いや、もう俺死んでてそれが夢に見つかりかけてるんだけどさ。

2つ目の疑問・・・むうの話と自称神の話の食い違いについて。

この疑問は神と妖怪は犬猿の仲だから話が食い違っていても何ら不思議はない、っと言うことだった。

何故妖怪を殺しているのかを聞くと黙秘すると言って話を続けられた。黙秘すると言うってことは理由を知っていると言うことになるはずだ。まあこいつが話さないなら深入りするつもりもないけど。しかし俺はその場合妖怪側に付くけどね。

3つ目の疑問・・・むうが暴走したことについて。

これは理由は知ってるが言いたくないとのことだ。これに関してはそれ以上話すなときっぱり言われてしまった。

そう言われれば聞きたくなるものなのだが、何処と無くしょんぼりしてたからやめておいた。

こいつとむうは肌が真っ白な白子…こいつらまさか兄弟的な何かじゃないだろうか。そんなことあったら笑い話である。

 

「うーい、お前と話し込んでたらいつの間にかお前の死体が救急車に連れられて病院行ってたわ」

「死んでるのに病院に運んでくれる救急車ってなんだよ…」

「付き添いでお前の妹がいるぞ、携帯で誰かに掛けてる」

「母さんかな?まあいいや。俺あの体に戻してくれ」

 

すると自称神は何を言ってるのか分からないというような顔をして俺に現実を突きつけてきた。

 

「出血多量で死んでるって言ってんのに今戻っても血がなくて死ぬだろ馬鹿か?」

「戻れるんだよな、俺は」

「血が必要だね~。果たして医者は死んでる相手に血を分け与えてくれるのか!?次回に続く」

「次回ってなんだよ!俺あの体に戻れないのか!?」

「はぁ…ここに誰がいる?俺は神だぞ?血ぐらい噴き出すほど生成出来るっての」

「それじゃあ早くそれやってあそこに還してくれ」

「頼む態度じゃないな~」

「なんでこんなや「ん~?」お願いします」

 

すると自称神は上機嫌になりその上機嫌のまま目を瞑りだした。

しかしその上機嫌もいつまでも続かず、その顔はどんどん暗いものになっていった。

 

「どうした」

「いや、やり過ぎちゃった…。お前の指から血がブシャァァァァって出てきた。地獄絵図だ…」

「地獄絵図だ…じゃねぇ!!何してんの!?病院が赤十字から紅十字になっちまうだろ!!」

「全く上手くない。14点」

「生々しい採点すんなよ…」

「あ、今の得点高い。17点」

「基準はなんだ、基準は」

 

そうこうしている間にもスプラッターワールドは広がっていっているはずだ。

 

「その血って止められないのか?」

「止めれるに決まってるだろ。言われる前に止めてるっての。ついでにお前の還る準備も整えといたからいつでも還れるぞ」

「よし来い」

「……は?」

「ん?前みたいに背中叩くんじゃないのか?」

「あぁあれはやりたかったからやっただけであって俺が還ることを止めない限り五分後には完璧に還ってるぞ」

「と、言うことは…お前は今俺が還るのを止めていてそれを解除すれば勝手に戻れると。つまりそういうことだな?」

「正解、偉いね」

 

つまり俺は前回、しばかれる意味はなかったと…こいつが今ニコニコしてるのが本気で腹立たしい。一発しばいておく。

 

「んで、早く還してくれ」

「あいよ、前も言ったけどここでの記憶はここに帰ってきたら思い出すけど大事なところ以外はあっちでは思い出せないから気を付けてな」

「その注意書みたいなのも大事なものにしっかり入れといてくれ」

「わかった。じゃ、これから始まる楽しい楽しい人生を存分に楽しんできてくれ」

 

そう言い終わると自称神はブツブツ何かを一瞬呟いた。

それを聞いたとたんに眠気が一気が襲ってきた。

 




第六話読んでいただき有り難うございます。

契が死んだ時の対処はこれから変わる場合がありますので、大雑把に死んで五分したら生き返るって考えていてもらえれば大丈夫です。
次回も読んでいただければ幸いであります
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