【更新停止】今を生きて、明日を歌う為に   作:青川トーン

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初日の出です。


空想に塗れた自由を求めて

蝋の羽根で空へと飛んだイカロスは蒼穹の美しさに我を忘れて、近づきすぎた太陽の炎に焼かれ落ちた。

 

ならば私は、どんな落ち方をするのだろうか?

 

◆◆

 

現実は創作より奇なり。

 

不吉なポエムを考えながらテクニカルに極めて普通の生活を送っていた筈が、古代の聖遺物の力で変身する正義の味方な組織に勧誘!?いつの間に私は漫画やアニメの世界に!?

 

冗談はさておき、人類もただやられてる訳ではなくきちんと進化するのだから遅かれ早かれノイズと戦う力が生まれるのは当然の結果ですよね。

 

でも歌から生まれる波動的パワーでノイズの防御力を奪うとか、エネルギーで武器を生み出すとかちょっと凄すぎる……つまりはあれか!?

『ノイズの実体化を妨げる因子を生成する!5秒待て!』だとか『波長を合わせて個体防壁を破って!』とか『武器が再生した!?』みたいなファフナー的なカッコいいアクションが!?

 

 

アクションが出来ませんでした……。

 

というか、予備の機体がありませんでした……。

 

ただ、私の足がこうなってる理由が不完全覚醒状態の『聖遺物』が私の中に入ってるせいだと教えて貰えました。

 

聖遺物は歌の力『フォニックゲイン』というモノをエネルギーとして動きます、フォニックゲインを作るだけなら誰でも出来るのですが、やはり個人差や状況などで左右されるようで。

 

私の場合は中途半端に起動していてエネルギーを物質に形成する機能だけが生きているという状態で自壊分解機能が起動していない、つまり体内に結晶が増え続けそれが体の末端から融合している……言ってしまえば同化現象を起こしてるという訳です。

 

 

現状、完全に起動させてしまう事以外に対処法がないのですが、前例の無い事なので最悪全身が結晶化して死ぬかもしれないそうです。

 

 

 

 

 

 

 

最高じゃん!

 

 

こう命燃やして生きようとしてる感だせるじゃん!

 

どのみち逃げていても症状がより悪化するだけ、ならば可能性に賭けるだけです!

砕け散るのは怖いですが恐怖よりもこうなんかロマンが勝ってしまいますね!

 

「やります、それが私の命の使い道になるなら」

 

同化してるなら、私の体の一部ならば制御できるはず!

 

そしてこの聖遺物で私用の「シンフォギア」システムをつくってもらうのだ!

 

 

◆◆

 

真琴明日歌、体内に完全聖遺物を宿し、不完全に目覚めたそれに命を削られている少女。

 

初めて出会った時に感じた印象は『仮面』。

 

資料に書かれた『暗く臆病な性格』を全く感じさせない明るい笑顔、だがその下から溢れ出た『諦め』が私には見えた。

 

 

だというのに、まるで違うのに、私は、何故だか彼女の姿に『奏』の姿を重ねた。

 

その時は何を馬鹿なと、自嘲したが。

 

奏の姿を重ねてしまった理由がようやくわかった。

 

「やります、それが私の命の使い道になるなら」

 

そういって彼女は何の迷いもなく、穏やかな微笑みを浮かべる。

 

その微笑みの下から溢れる飢えた獣のような『獰猛さ』

 

それが出会ったばかりの頃の、奏とよく似ていた。

 

 

『……私みたいに、いなくなってから悔やむのは苦しいですから』

 

 

これは私の想像だけれど、両親をノイズ災害で失ってから、彼女は全てを『仕方ない』と諦めて生きてきたのかもしれない。

 

だがノイズを殺せる手段を知って、再び彼女の心の火は蘇った。

 

きっと彼女は装者になるだろう、血を吐き、執念で力をモノにするだろう。

 

 

 

――そうして『また』彼女が燃え尽きるのを見届けるのか?風鳴翼

 

 

――……いや、私はもう奪わせない、もう何も奪わせるものか!

 

――ならばどうする?

 

 

これが、私の新しい戦いが始まった日だった。

 

◆◆

 

 

聖遺物起動の為のフォニックゲインを集める為に歌の練習を始める事になりました。

 

ええ……起動実験なんだからもっとこう……機械を繋いでウィーン!な感じだと思ったのに……。

 

「真琴……練習を始める前に言っておく」

 

とはいえまさかプロで装者としての先輩な翼さんから指導して貰えるとは……ちょっと感激である。

 

「なんでしょうか?」

 

 

「何があっても私がお前を守るから、私を信じてくれ」

 

ああ、奏さんを守れなかったの事を引きずって、今度は絶対守るって意気込みなんですか……!

 

まるで甲洋みたいだ……これは絶対守ってくれますね……間違いない!

 

根拠はない、だけど「Trust_you」です!

 

「翼さん……私のこの命、確かに預けます、だから私の事も信じてくれると嬉しいです」

 

私は人生で一番の笑顔で応える、この先何度も命を預けるような事になる(予定)、これは最初の一歩。

 

『第一次起動試験、開始してください』

 

――Trust_me.Trust_you.

 

翼さんの指示通りに声の出し方を工夫しながら歌う、意外とプロの歌い方って苦しいんだ……。

 

 

――こうして、私達の戦いの日々が始まりを告げる。

何もかもを犠牲にして、平和を求める為の戦いの日々が始まった。

 

 

 

うん、見事なポエムだ。

いい感じにテクニカルさ出てそうだ!

 

「音程が乱れている!意識を集中しろ!」

 

おおう、スパルタぁん……

 

 




本人
「命使って戦うとかかっこええやん!ちょっとやってみよ!」

外部のフィルター
『ノイズぶっ殺していいのか!たくさん復讐していいのか!おかわりもいいぞ!うめ うめ!』

翼さん
「まるで奏みたいだ……(勘違い)守護らなきゃ(使命感)」
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