【更新停止】今を生きて、明日を歌う為に   作:青川トーン

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君はコックピットを狙うフレンズなんだね!

で、初投稿かぁ!


雑踏に混沌とする

 

歓迎会を明日歌は一人、離れた場所から見ていた。

 

 

立花響、天羽奏のガングニールを継ぐ者、二年前のライブで救われた者であり、同時に生き残った事で世界に謂れ無き悪意を叩き付けられた者。

 

いくら引きこもりな明日歌でもあの惨劇の生存者に対する世界の悪意は知っていた。

 

――立花響は翼さんの友達になってくれるだろうか?翼さんを恨んでいないだろうか?大丈夫だろうか?

 

――翼さんは彼女を受け入れられるだろうか?奏さんのガングニールを継ぐ事を認められるだろうか?

 

明日歌は自身ではなく、風鳴翼が立花響とどう関わるかだけを一人考えていた。

自分を数に入れない対人関係がボロボロな人間の典型例である。

 

 

「行かないんですか?真琴さん」

 

「……彼女と翼さんが仲良くできればいいですね」

 

「真琴さんは……」

 

「私は……ダメです」

 

緒川慎次、歌手としての風鳴翼のマネージャーであり、二課の切り札(OTONA)の一人。

 

翼の人間関係の範囲があまりにも狭すぎる上に日常コミュニケーションスキル(友達のいなさ)や生活能力の低さを心配して明日歌と引き合わせる事に賛成した一人であるが故に、現状の二人の不健全な関係もしっかり見守っている。

 

その上で現状に特に口出しをしないのは、二人の精神的な成長の為にこれを乗り越える必要があると信じているからである。

 

ただ……

 

「……翼さんの事を大事に思ってくれるのは嬉しいんですが、あなた自身も大事にしてください」

 

「翼さんが幸せになってから考えます」

 

心なしか前より心配事が増えたのは気のせいか、それは本人のみぞ知る。

 

 

そんな端から見ている二人の前で遂にガングニールの少女と天羽々斬の少女の初めての本格的対話が始まる。

 

「き……君が立花響か!」

 

「あっはい……!私が立花響です!好きなものはごはん&ごはんで彼氏居ない歴=年齢で……」

「私は風鳴翼!苦手なものは片付けに始まる家事全般!最近はちょっと疲れぎみだ…」

 

翼が明日歌に起因する疲労のせいかテンションがおかしくなっていたおかげで二人の関係の始まりは大分いい感じとなっていた。

 

「よかった、これなら大丈夫そうですね真琴さん」

 

「はい、でも私が死んでも大丈夫になるのはもう少し先そうですけどね」

 

安心した側から不穏な事を呟く少女に忍者は疲れた苦笑いをするしかなかった。

 

「だから自分を大事にしてくださいって……」

 

真琴明日歌、つくづく掴み所がなくふわふわした少女であった。

 

 

「それであそこにいるのが、私の仲間で同居人の真琴明日歌だ……少し……その……変な奴だが彼女とも仲良くしてあげて欲しい」

 

「へ……変なんですか」

 

「……ああ、私ですらちょっと変に思うくらいは」

 

しかも風鳴翼をして変な奴呼ばわりされるあたり、真琴明日歌は真に変な奴だった。

 

◆◆

 

フフフ……パーティーなんて人生で二度目、どうすればいいのかわからず翼さんの事を考えて逃避してたら囲まれて逃れられないようにされてました。

 

「えっと……真琴明日歌さんですよね!」

 

そういう君は立花響だろう、知っています。

 

「まあ、そうですけど何か……」

 

「あの時は助けて頂いてありがとうございます、それとあの時の質問ですけど……」

 

律儀な子ですね、お礼なんて……というか質問って何かしましたっけ……?

 

「?」

 

「私、前はいませんでしたけど今は少し居ます」

 

ああ、フェストゥム式挨拶ですか……。

 

あ、これは使えますね!

 

「そうですか、なら翼さんと仲良くしてあげてください……あの人の側に居てあげてください……居ない私よりも……」

 

私は今はここにいませんので翼さんの方に……。

 

「翼さんにもそう言われました、やっぱり二人は仲がいいんですね」

 

ええ……翼さん逃げよったな……やはりぼっちにはこういうテンションが高い太陽みたいな子は天敵……!

それに違うんだ……仲がいいというよりは……

 

「……私が一方的に縛り付けてしまっているだけです、だからその呪縛から翼さんを、貴女が解き放ってくれる事を……期待してますから」

 

私が翼さんを縛り付けてしまってるだけ……なんです。

 

今は貴女だけが私の希望なんですよ、立花響。

 

私はもうダメです、翼さんが大丈夫になったら隠居するか引退します。

 

ノイズとの戦いに今さら手が震えて仕方ないのですから。

 

◆◆

 

拠点に連れ帰って大丈夫そうな融合症例きたわね……。

 

ええ……連れ帰って実験したいのに絶対ろくな事にならなさそうなもどかしさからやっと解放されるわ……。

 

そうと決まれば、クリスとアリーに拉致させましょう……!

 

作戦実行はそうね……何時にしましょう……?

 

 

さて、なにやら居辛そうにパーティー会場から逃げ出そうとする真琴明日歌の邪魔をしてやるとするか!

 

「あら、アスカちゃ―」

 

「……君は知るだろう、世界はいつだってこんな筈じゃなかったに満ち溢れてる事を」

 

えっ……

 

何いまの不穏な発言は……

 

ええ……

 

何よ本当にもう……

 

不安になってきたじゃないの!そういうのやめろよ本当に!

 

おのれ真琴明日歌!

 

 

◆◆

 

こんな筈じゃないのに!もっとパーティーって楽しいと思ってたのに!

 

ぼっち気質が私を苦しめるんですね!

 

やっぱ人が多いのつらい!もうかえる!




まるで最後の希望の光と見間違う(ビッキー)
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