【更新停止】今を生きて、明日を歌う為に   作:青川トーン

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好き勝手な展開は二次創作の特権


焼き尽くす暴力と、流星

 

 フィーネとクリス、イカロスとイチイバルがネフシュタンとガングニールを纏ったアリーと対峙する。

 

 まず駆け出したのはアリーだ、先手必勝とばかりにファングを放つ、ネフシュタンは完全聖遺物故にそこまで消耗しないがガングニールが『時限式』故に時間が経てば経つ程に不利となるからだ。

 

「させないわ!」

 

「させっかよ!」

 

 フィーネはフェザーミサイルを放ち、ファングの軌道を封じ、クリスはアリー自身の動きを封じる矢を放つ。

 

「そうこなくっちゃね!」

 

 ファングは纏めて撃墜される、矢は命中する、しかしアリーは止まらない。

 

 ガングニールが展開して砲となり、炎が揺らめく。

 

「食らいなよ!」

 

-テルミット・ブレイズ-

 

 圧縮した地獄の業火が放たれる。

 

「クリス!跳びなさい!」

 

 即座にイカロスの飛行機能で高度を上げるフィーネ、続いて跳躍するクリス。

 その直後、屋敷は爆炎に包まれた。

 

「やべえ……」

 

 絶唱にも届きそうなトンデモ威力に思わず呟くクリス、その手をフィーネと繋ぎ、ぶら下がりながら目下の惨状を見下ろす。

 

「設備に誘爆したわね……まったく随分痛い損失だわ」

 

 アリーが自爆したなどという甘い考えはない、少し離れ、開けた場所に二人は降り立ち構える。

 

 アリーのあの技が一番危険なのは市街地や林の様な燃え移るモノがある場所と避けられない閉所、ある程度開けた場所で避ければ問題ない。

 

 が、開けた場所に陣取るという事は、同時に上から丸見えというリスクも背負う。

 

 赤い光に二人が上を見上げれば降り注ぐのは『炎の流星群』

 

 

「まずい!」

「やっべぇ!?」

 

 クリスはガトリングとミサイル、フィーネはフェザーミサイルとレーザーを総動員して流星群を迎え撃つ。

 

 そして爆発と共に小さくなった炎が降り注ぎ、周囲は地獄と化す。

 

「おかしいわ、これだけの炎……ガングニールのギアだけでは無理があるわ」

 

「ネフシュタンと合わせてもか?」

 

「……合わせ…?まさか……!」

 

「そうだよ、そのまさかだよ!」

 

 土煙を巻き上げ着地したアリーの右手にはガングニール、左手にはソロモンの杖、そして腰に下げた『紅の剣』

 

「新しい依頼主は随分と気前がよくてね、他の完全聖遺物を起動させるのを条件にくれたんだよ……この完全聖遺物『レーヴァテイン』をね」

 

 柄ですら生身の人間が触れれば瞬く間に炭と化す為に全く使えない――と判断されていたそれも同じ完全聖遺物の鎧を纏った戦闘狂にはいいオモチャだった。

 

「完全聖遺物三つってふざけんじゃねえぞ……」

 

「ええ……さすがに侮っていたわ……」

 

 思わずフィーネもクリスも冷たい汗が流れ、腰が引ける。

 

 持たせるべきでない者に過ぎた力というべきか、圧倒的な暴力だった。

 

 

 

 一度勝てないと後退れば、戦況はただ悪化の一途、痛みに耐えて戦う消耗戦。

 戦力は歌二つ、敵は三つの完全聖遺物に加えて歌一つと無限のノイズ。

 

 だが、その時。

 

 クリスは今『聞こえない筈』の歌声に空を見上げた。

 

 

 夜空を行け、行け、往けと一つの流れ星、二つの光が枝分かれて、新たに二つの歌声、合わせて三つ。

 

「クリス、あなたつけられてたわね……でもまあ……それがまさかプラスになるなんて予想外ね……」

 

「もう会うこともないと思ってたのにな……」

 

「本当に……いつも私の想定を滅茶苦茶にしてくれるわね」

 

 炎舞う戦場に青き剣、黄の拳、白の羽がそれぞれ舞い降りた。

 

 

 

 

「助けにきたよ、親友!」

 

「アスカ……!」

 

 エメラルドのブレスレットを右腕に嵌め、少女……アスカは笑う。

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