【更新停止】今を生きて、明日を歌う為に   作:青川トーン

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(推奨BGM:ファフナーHAEのマークザイン出撃時のBGM)




激戦、少女が求めたモノ

 

 それは、クリスが弦十郎から背を向けた時まで遡る。

 

 二課には優秀な人材が揃っているのは既知の事実、その中でも隠密のプロである忍者、緒川慎次。

 

 彼はクリスを追い、フィーネのアジトを突き止めた、だがそこで見たのは米国スパイと完全聖遺物を纏った戦争屋、そしてシンフォギアを纏ったフィーネ……いや櫻井了子。

 

 その連絡を受けた弦十郎は『ここで戦いを終わらせる事』と『アスカの友を救う』選択をした。

 

 それ故、今ここに三人の装者が辿り着くに到ったのだ。

 

 

「助けに来たよ、クリス」

 

「アスカ……」

 

 手を取り合い、再会の喜びに一時ばかり浸る二人。

 

「三度目だ、今度こそ貴様を打ち倒してみせる」

 

「今日の僕はこれまでよりも強いぞ、君に勝てる道理はない」

 

 確固たる自信を持つアリーとそれを今度こそ打ち倒さんとする翼。

 

「了子さん、色々聞きたい事も、思う事もあります……でも今は、一緒に戦いましょう」

 

「……いいだろう」

 

 自分達の運命を滅茶苦茶にしたあのライブの惨劇、それがネフシュタンの鎧を強奪する為に仕組まれた事で、それを企てた本人が目の前に居る、それでも響は例え今だけでも手を取る事を選んだ。

 

『総力戦だッッ!』

 

 その場に居た者全ての声が重なる。

 

 5人の少女(若干1名も心だけは恋する乙女なので少女にカウント)が駆け出し、アリーが無数のノイズ軍団を召喚して自身も駆け出す。

 

 

 激戦の火蓋は切って落とされた。

 

 

「はああああっ!せいやぁあああっ!」

 

 まず特訓で身に付けた武術を駆使して先陣をきったのは響、打撃の衝撃波を貫通させ並んだノイズを次々と打ち抜き、巨大なノイズも軽々と投げ飛ばす。

 

 そこへ飛行ノイズが雨霰と降り注ぐが、そこをフィーネがレーザーでカバー、対空防御を行う。

 

「上は任せなさい、あなたはあなたにできる事をやればいい」

 

 しかし、フィーネが纏うイカロスに火力はない、大型装甲飛行型ノイズが二体、対空砲撃をものともせずに突っ込んでくる。

 

「響ちゃ……立花響!特訓で覚えたアレをッ!」

 

「はいッ!」

 

 つい櫻井了子を演じていた時のくせで呼び間違えながらもフィーネが叫び、響が答える。

 

「てやぁあああッッ!」

 

 よく踏み込んでブーストで響は跳躍、力の流れを集中、そしてノイズの内側に向けて拳を介して発散――それはうまく使えば爆発の衝撃さえも掻き消す『発勁』。

 

 哀れ、装甲ノイズは爆発四散、しかし仇討ちとばかりにもう一体の装甲ノイズが空中で無防備な響に襲い掛かる。

 

 だが、回転しながら飛行して来たフィーネがそれを『掌』で正面から迎え撃つ。

 

「私も受けていてよかったわ、特訓」

 

 回転のエネルギーが装甲内部でのたうちまわり、ノイズを構築する物質が内側から装甲を破壊し、爆裂。

――『螺旋』旧日本軍の軍鬼が開発した禁忌の技、現在では意図的にデチューンされたモノが主に伝わっていて櫻井了子が特訓で得たモノも劣化したモノだった。

 だがフィーネの頭脳は響の『ブースト発勁』から着想を得て、即興で改良して、本来の『威力』を再現。

 元よりシンフォギアシステム(FG式回天特機 装束)自体が『回転』をメインとする技術故に相性は抜群だった。

 

 ノイズ、最微塵と化す!

 

「なんていうか……美事ですね」

 

 思わず響も見とれる威力だった。

 

 

「ほら、見とれて無いであなたもやるのよ!」

 

「ええっ!?」

 

 二人がそんな異端技術(ブラックアート)と武術(アーツ)を合体させた新型武術(ブラックアーツ)を開発している頃。

 

アスカとクリスがノイズを大技で突破し、翼がアリーと切り結ぶ。

 

 戦争の狂気の中で異常な集中力を得たアリーでもこの状況ではファングを『脳波コントロール』できない。

 

 アスカとクリスがハンドガンで機械的に動くファングを的確に処理、ネフシュタンの鞭で腰にマウントされたソロモンの杖から、垂れ流し状態で召喚されつづけるノイズを処理し、翼の邪魔はさせない。

 

 そしていくら『人でなし』でも生物である以上、疲労はする。

 アリーの動きが少しずつ雑になっていく。

 

「く……ぐっ!!邪魔を……!」

 

「邪魔をするのが私達の仕事ですからッ!」

「徹底的にてめえの邪魔をしてやるッ!!」

 

 そしてクリスとアスカはダメージにはならなくとも、槍の刃や鎧の突起などにも銃撃を撃ち込む事でアリーのバランスを崩させようとする。

 

「安心して背を預けられる仲間がいると言うのは、いいものだなッ!!」

 

 故に翼は元の技術も相まって、次々とアリーに斬撃を与えていき、再生するネフシュタンがアリーの体を蝕む。

 

 

「レェエヴァティイイン!」

 そして堪えきれずアリーは打ち上げられた槍を手放して、レーヴァテインを構えようとする、その一瞬の隙。

 

 蒼き一閃が走る。

 

 ネフシュタンの鞭を切り裂いてソロモンの杖を弾き飛ばし、ノイズの出現が止まり、アリーの意識がそちらに向いた。

 

 慌てて気を取り直したアリーだが高く掲げられたレーヴァテインを振り下ろすよりも早く。

 

「てめえの負けだ」

 

 クリスが引き金を引き、銃弾がレーヴァテインを弾き飛ばす。

 

「終わりだぁッ!」

 

 そして翼の斬撃が、装甲もろともにアリーの胸を切り裂いた。

 

「馬鹿な……僕が……負けるッ……!?」

 

 二つの完全聖遺物を失い深手を追ったアリー、勝敗は完全に決した。

 

 




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