【更新停止】今を生きて、明日を歌う為に   作:青川トーン

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『止まるんじゃねぇぞ』とばかりに筆が進むので連投状態です、多分今日はこれで最後じゃないですかね?


天使の唄

 

 セレナ……もといアスカの天使認定事件から3日、一応予定されていたライブは開催され、フォニックゲインは大量に回収された。

 

 どうにもアスカの特性が『増幅』らしく、そこにいるだけでフォニックゲイン生成量が通常の3倍になったり、アスカが近くにいるとリンカー無しでもギアの負担が減ったり、技の威力が馬鹿みたいにあがったりでとにかく『フロンティア起動計画』は大きな進捗を見せた。

 

 だが肝心のフロンティアの封印を解く『神獣鏡』の運用や、フロンティアの機能を制御する方法については進んでいなかった。

 

 だがそこに聖遺物研究のプロであるウェル博士の存在を思い出したナスターシャがアスカでウェル博士を引き込もうと提案。

 

 提案は可決されてしまった。

 

 

 がウェル博士は現在日本、特異災害対策機動部二課へ出向中であり、引き込むには少し時間が掛かる――だがここで活きる事となったのが二人の『Heaven_and_Earth』としての活動、かつてのフィーネからの情報で風鳴翼が装者であるという事は判明している。

 

 合同ライブで大量のフォニックゲインを入手、そして二課の装者(諜報員の情報では現在三人)とFISの装者をぶつけ更にフォニックゲイン入手という二段構えの作戦が立案された。

 

 可決してしまった。

 

 そうしてトントン拍子でアスカのあずかり知らぬ場所で帰国が叶う事となった。

 

 そして当の本人はというと。

 

「大丈夫だよねえさん、私は何処へもいかない」

 

「……セレナ」

 

「ほら、シチュー作ったから食べて?」

 

 セレナ(アスカ)が自分の手の届かない存在になると滅茶苦茶落ち込んでライブ終了後から鬱状態であったマリアの介護をしていた。

 

「セレナぁ……」

 

「ねえさん……」

 

 こう保護本能を刺激されたのか、とにかくチョロさ爆発したアスカは今までの借りを返すといわんばかりにマリアの世話をしていた。

 

――まるで ダメな マリア

 

 その様子を見ていた調の脳裏にそんな言葉がよぎった。

 

「マリア……あれじゃどっちが姉かわからないデス……」

 

 切歌の言葉は最もだった。

 

 そんなこんな、割りと変わらないセレナ(アスカ)の近況だった。

 

 

―――――

 

 一方で、日本。

 

「はぁっ!!」

 

 響が竹を手刀で横に切り裂く。

 

「ふぅ……」

 

「おつかれさま、響」

 

 周囲にはバラバラに切り裂かれた竹が積み重なり、一息ついた響に未来が水筒を差し出す。

 

「ありがとう、未来」

 

「どういたしまして」

 

 フィーネとの決戦、ぶつかりあう武術の中で何かが目覚めた響は近頃こうやって修行をしていた。

 

――目指すは倒す『戦闘術』ではなく、守る『防衛術』。

 

 そんな響を近くで支えるのは未来、近頃なにかと元気な響の姿にご機嫌である。

 

「そういえば今度また翼さんがライブをするって言ってたよ響」

 

「私も聞いたよ、じゃあまたクリスちゃんの所に集まって皆で見よっか」

 

――アスカさんが居なくなってもうすぐ半年、確かにまだ悲しみは残っているけれど進んで行かなくちゃ。

 

――もう何も奪われないために。

 

 

 響の中ではアスカの死はトラウマと同時に戦う覚悟となっていた。

 

 

 

 二度と負けて失わない為に、今出来る事をする。

 

「そろそろ帰ろっか、未来」

 

 たった1日で竹林の5分の1ほど伐採して、二人は帰路につく。

 

 

 同じ頃、クリスはペンを片手に一枚の白紙と向き合っていた。

 

「歌うのは楽なのにいざ書くとなるとわかんねぇな……」

 

 クリスは今『作詞』を行っていた。

 

 それはアスカの遺品整理の際に見つけた一冊のポエムノートが切っ掛けだった。

 

 ポエムノートは二冊あり、一冊はアスカの妹が回収していったが、もう片方はクリスが回収していた、本人が知ったらきっと爆発してしまうだろう。

 

『翼、あなたは私を綺麗な世界へと連れてきてくれた大切な人』

 

『響くその歌声、あなたをまるで最後の希望と見間違えた』

 

『雪の様に白いのに、あなたとの時間はとても暖かくて』

 

『青空の美しさを語れるあなたと出会えて、私はよかった』

 

 内容としてはその日あった事や会った人を主題としたモノで、とにかく聞いてるだけでこっ恥ずかしい奴ばかり、しかしクリスはそれを良いものだと判断。

 

 自分もポエムを作ってみようとなったのだ。

 

 

「『君がくれた明日、私は君を歌う』……うーん……あまりしっくりこねえ……」

 

「何をしている、雪音」

 

「いや、ポエム考えてんだよ……アスカのポエムを見てアタシもやってみようかと思ってな、あんたもどうだ翼?」

 

「…………ゆきね、そのぽえむのーとは……ひとにきかせたり、みせたりするものではない」

 

「えっ」

 

 凄まじくいたたまれない表情をする翼、固まるクリス。

 

 現在クリスはアスカが居た部屋を借りている状態、つまりは翼と同居しているが、この後気まずさで一週間ほど部屋から出なかったそうな。

 

 一つの惨劇は未然に回避された、だがアスカのテクニカルポエムノートは……この後二課装者全員に読まれた。

 

 

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