あっそうだ、オリジナル作品も書き始めたのでもし宜しければそちらも……(ダイマ)
「わたし、大きくなったらキャロル姉ちゃんのお嫁さんになるー!」
――あの日交わした約束は
「あーえっと……キャロル姉さん……お久しぶりです」
「なんだアスカ、知り合いか?」
「あ、はい…翼さん」
――砕け飛び散ってバラバラバラになった。
「ぬぅうううう!!」
◆◆◆
キャロル・マールス・ディーンハイムは錬金術師である。
かつて偶然知り合った少女に心を奪われた錬金術師である。
その出会いは錬金術師同士の繋がりで聖遺物の取引を行った先、その錬金術師の娘は謎の病を患っており、それを治療する為の費用の為に、彼は溜め込んだ家宝を全てキャロルに売り払った。
その引き取りの日、車椅子に乗って黄昏ていたその儚げな娘に、心を奪われてしまったのだ。
それからだ、自らの命題の傍ら、時間が余ればその娘のカルテや健康診断の結果を取り寄せ治療案を考えていた。
そして時稀に、その娘に会う事もあった。
錬金術師であった彼女の両親はどうにもノイズ災害によって死んでしまったが、適当に理由をつけては彼女の家に訪れ、症状を見て、話をした。
しかしある日突然、少女の行方が掴めなくなる。
親族に聞けば何やら都会の病院に転院となったらしく、実際にその病院に行ってみる、しかしそこに彼女の姿はなく……。
ようやく彼女を見つけた時、彼女は自身の足で地に立ち、彼女の隣には知らない女。
「アスカ、アスカなのか!?」
「あ、キャロル姉さん…!」
「知り合いなのかアスカ?」
「はい、いつもうちに来てくれて私の話相手をしてくれたり、症状を見てくれてた人です!」
「と……隣の女は誰だ……」
「あ、えっと…恋び……親友の翼さんです」
錬金術師の耳は確かにそれを聞き逃さなかった。
「あ…アスカ……オレとの関係は遊びだったのかああああ!?」
「ええええ!?」
修羅場開幕。
「フフフ、子供の頃の「お嫁さんになる」を真に受けていたのか……」
「ん゛ん゛?付き合いはお前より遥かに長いからな、あれは本気だったとオレは確信してるぞ?」
睨み会う二人の女、翼とキャロル、アスカを巡って激突す!
「なあアスカ、なんで先輩とあの人睨みあってんだよ……」
当然の様にアスカにもたれ掛かりながらクリスが訝しげな声をあげる。
「その、私の幼い頃から面倒を見てくれてた人で……当時の私はまだ若く……」
「言ってもあなたまだ若いじゃない」
「マリア姉さん、そういうのじゃなくて未熟という意味で…」
「姉さんだとォ!?それにお前に寄っ掛かってる女は誰だァ!?」
「えーっと……マリア「姉さん」とクリスです……」
もはや噛み付く相手しかいない、恋敵があまりにも多い事にキャロルは目眩がする。
「確かにアスカ、お前は魅力がある、人を何故か引き寄せる魔性がな……だがその全てを受け止めるのはオレだ、そこのアイドルでも乳無しでも乳有りでもないこのオレだ!」
「ほう、それは私も同意見だ、そろそろ決着をつけるべき時ではないか、雪音、マリア」
「いいぜ、今日こそアスカをアタシのもんにしてやる」
「全く……争いばかりのあなた達に妹は渡せないわ」
「あわ……アワワワワワ……」
ここに第N次アスカ争奪戦が開幕した。
これはそんな世界。
この数週間後、ここに何故かサンジェルマンが加わる事になるが、今は誰も知らない。