【更新停止】今を生きて、明日を歌う為に   作:青川トーン

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虹の花が咲く

 

 イカロス、アスカの体は蝋の様なモノで出来ていた。

 

 それ故か、切っても斬っても直ぐに再生する。

 

『無意味と言った!』

 

 蝋の中からは天羽々斬の刃が飛び出すがそれを翼は避ける。

 

「……だとしてもだ!」

 

 風林火斬、炎を纏った一撃がイカロスの腕を斬り落とす。

 

「てめえはだけは!何としてもぶっ潰す!」

 

 そしてクリスのイチイバルの矢が次々と突き刺さり。

 

「これはセレナの分!」

「これはマリアの分デス!」

 

 ザババの刃がイカロスの体を切り刻んでいく。

 

 しかし、イカロスは倒れない。

 

 誰からも望まれないとしても、救いたいという願いで立つ、「アスカ」は倒れない。

 

――厳しくなって来ました、ですがこれからです……!

 

『来い、ネフィリム!!』

 

 フロンティアの起動の為にとして使っていたネフィリム、もう外してもシステムを動かしていくだけのエネルギーは十分に得られたので、使い方を変える。

 

――ごめん、私と一緒に地獄に付き合って貰うね、ネフィリム

 

 

「なっ……」

 

 イカロスとネフィリムはその姿を泥の様に融解させ、融合する。

 

 本来ならあらゆる聖遺物は一方的にネフィリムに食われるだけであるのだが、長い時間をかけてイカロスの欠片を馴染ませて来たが故に、アスカの強い意思が故に、ネフィリムとの同化を完全で、万全なモノとする。

 

 それは神々しき黄金の巨人『ネフィリム・フェストゥム』

 

 当然ながらアスカのイメージに引っ張られた外見なのでほぼフェストゥムであるが。

 

 

「マリア……一旦逃げるデス!」

 

 その巨体が暴れれば、生身のマリアはただではすまないと切歌はマリアを抱えて、戦場に背を向ける。

 

「待って切歌!セレナが……」

 

「もう、セレナはいない……デス」

 

 セレナの身体を持っていくだけの余裕はない。

 

 ネフィリム・フェストゥムの重量に床が崩落して、セレナだったモノは奈落へと落ちていく。

 

「見てくれが派手になった所でッッ!」

 

「的がデカくなっただけじゃねえか!!」

 

 翼の斬撃、クリスの砲撃、対巨体用の攻撃が炸裂するが、まるでびくともしない。

 

『足掻くな、これよりこのネフィリムは反物質炉心となり、この星を焼き尽くす、全ての抵抗は無意味だ』

 

 事実、反物質ではないのだが凄まじいエネルギーを持ったネフィリムが爆発すればとてつもない被害が出るだろう、しかも現在進行形でネフィリムのエネルギーは増大している為にやがては本当に地球を焼きかねない。

 

「マリア……ここで待っていて欲しいデス」

 

 その頃、戦場の反対側に切歌とマリアは居た。

 

「随分と頑丈でおっきいデスがそれだけデス、セレナの仇は必ずとるのデス、だからマリアはここで待っていて欲しいデス」

 

 圧倒的なパワーで猛威を振るうネフィリム、しかし切歌には勝算があった。

 

「アイツの魂(タマ)を殺(と)ってやるのデス」

 

◆◆◆◆

 

 鞭の様に伸びるネフィリムの腕、切り結んだ翼の腕から力が抜け、天羽々斬の刃は砕ける。

 

「力が、吸われる!?」

 

 そして巨体に押しきられて刃は砕ける散り、翼は地面に叩きつけられる。

 

 そこに追撃の様にネフィリムが腕を降り下ろす、がミサイルの雨がその動きを止める。

 

「掴まって」

 

 そして調が、地面にめり込んだ翼の手を掴んで引っ張る。

 

「くそったれ!こっちをみやがれ!」

 

『無意味、無価値、無駄死に』

 

 ネフィリムの肩が開き、エネルギーが収束し、レーザーとして放たれる。

 

「リフレクタぁあああ!」

 

 それをイチイバルのリフレクターで防ぐクリス、しかし本人が無事でも足元の地面は熱せられて爆発。

 

 衝撃でクリスは吹き飛ばされて遺跡の壁に叩き付けられた。

 

『これで終幕だ』

 

 再びレーザーを放つ為にエネルギーを収束させるネフィリム。

 

 だが新たな歌声に、一瞬止まる。

 

――来ますか、ガングニール!立花響!

 

 右肩のレーザー砲に向けて一直線に拳が突き刺さり、爆裂。

 

 ネフィリムはバランスを崩して後ろに倒れる。

 

――よかった、来なかったら……また演技で誤魔化さなきゃなりませんでしたよ

 

 内心アスカは手札を温存できる事に感謝しつつも、熱光を纏った立花響を見下ろす。

 

――とはいえ、様子がおかしいですね……

 

――あの子、オーバーヒートしてるわよ

 

――えっ

 

 フィーネの指摘にアスカの背筋に冷たいものが流れる。

 

――もしかして私みたいに融合がうまく行ってない?

 

――そもそもお前がおかしいだけだ

 

 

 事実その通り、響はガングニールとの融合に耐えられず、爆発寸前のエネルギーを抱えていた。

 

 

 

 アスカが望む最善の結末はまだ遠い。

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