近いうちに本編更新再開します。
今朝、真琴明日歌は静かにいなくなっていた。
病院のベッドには翡翠色の砕け散った欠片だけが遺されていて、死因は聖遺物-シンフォギア『イカロス』との同化現象の臨界点を迎えた事だった。
神獣鏡によって聖遺物を除去された立花と違い、長く侵食されていながらここまで生きられたのは奇跡だったと、エルフナインは言った。
その奇跡もアンチリンカーやアルカノイズの解剖による部分も多く、彼女が戦い続けた結果で、ある意味では彼女の一生懸命が実を結んだのかもしれない。
だが、私は納得などしていない。
昨日、別れ際にアスカは『また明日』と言ったんだ、だからこんな……こんな最後は嘘だ。
砕けた欠片を握りしめて、まだ今朝のままの病室で独り。
涙など、涙など流すものか、と強がる私の目に、彼女が使っていた携帯端末が目に入る。
そこには一件のファイルが残されていて、私はそれを開いて――
――これは私の未練であり……出来れば翼さんにだけは聞かれたくないので、そこの所はお願いします。
…………これを聞くとき、私はもうこの世には居ないのでしょう。
幼くして取り込んでいた聖遺物の影響で体が弱く、20まで生きれるかさえ分からず、夢もなく、望みもない私が『死にたくない』と未練を得れたのはある意味幸せかもしれませんし、不幸かも……いえ……でもまあ……最後の方はとても幸せでした。
まずその事で、二課の皆さんにも……今は亡き櫻井先生……フィーネにもまた感謝です。
おかげでシンフォギア装者となる事が出来、翼さんと出会えるきっかけとなったのですから。
……ええまあ多分皆さんお気付きでしょうが私は翼さんが好きです、愛してます、知らぬは当人だけ、全くもって鈍いですよね、ラブソング歌うくせに……まあまたそこも可愛いのですが、この間なんて『翼さんの恋愛的に好きな人物像は?』なんて聞いたら顔真っ赤にして誤魔化しやがりまして、それも結局聞けず仕舞いでしたね。
……私の未練は翼さんにこの想いを伝えられない事です。
決してフラれる事が怖い訳じゃないんです、例え愛されなくても私が翼さんを想えていれればそれだけで十分です、けれどもし翼さんと相愛になれたとしても……私に残された時間はもう無いのですから、翼さんを縛ってしまったらと思うとそれこそ、死にきれません。
だから私はこの未練を抱いて翼さんを愛する友として死んでいきます。
後の事は任せましたよ皆さん。
こういうの、出来れば遺さないのが一番だけどそんなに私は強くないのですよ。
どうせ聞いてしまってるのでしょ、翼さん。
防人としての生き方もいいですが、人としても幸せに生きてください、それが貴女に贈る最後の言葉。
ありがとう、さよなら。
愛してます。