貴様ら程度に!
水晶から前話の戦いを見ていたジルドレは、歯軋りが止まらなかった。
薪の王という、別世界の強者。
それなのに、あやつら
今の時間はジャンヌはぐっすりと寝ているものの、奴らは消さねばならない!
セイバーも、あっさりやられた!もはやランサーとアサシンを出す他ない!
「ランサー、アサシン」
私が一声掛けると、二人のサーヴァントがどこからともなく現れた。
「何の用でしょうか」
ランサーは得物のランスを携えている。
「ランサー、白いジャンヌと一行を消せ。貴様ならば容易いであろう?」
「ジルドレ、何用だ?」
フードを被った青色が主体の装束をしたアサシン。
はっきり言って、コレは当たりと言っていい。
「アルノ・ヴィクトル・ドリアン。まさかフランスのアサシンだとはな」
それも、フランス革命の中核にいた人物だ。
アーサー王といえども、こいつには手間取ることだろう。
「では、アサシン。バーサーカーを殺した者達を静かに殺してきてくれるか?出来るであろう?」
「それしか出来ないなら、私はそれをするとしよう」
「何も罪のない者達を殺すとはな」
バーサーカーとやらにされているせいで、思考回路が若干鈍る。
俺だって、なぜこの様な奴らに召喚されたか分からないな。
ただ、やることをやる。
それは揺らぎはしない。
「安らかに、眠れ」
ファントムブレードを構え、焚き火の前で寝ている男の頭に照準を合わせる。
「ヴィヴラフランス、アルノ」
後ろを急いで振り向くと、そこには。
「マリーアントワネット!」
何故、コイツは首を切られて確実に死んだはずなのに!
「あなたから見たら私は死人だものね、それに貴方はナポレオン側となったようだし、なにより私も悔いはなかったの。だって、人民の為に死ねたのだもの」
ペラペラと、分かったような口を!
「もういい、死んでもらおう」
アサシンブレードを作動させ、マリーアントワネットの首元を穿とうとする。
「私を守ってくれる騎士様は先程消えてね。でも、貴方のように、フランス国民から殺されるのなら本望よ」
何故、そのような目ができる!
「っがぁ!」
そして、マリーアントワネットの白い首元に刃が刺さり鮮血の花を咲かせた。
終わりだ、これで。
「コブっ、うん、アルノ。騙し、げほっ、たのよ」
何を?
「感謝致します。マリーアントワネット殿。安らかに眠ってください」
どこか違和感のある俺の右胸には
容赦なく暗黒色の槍が肺ごと貫いていた。
「私のマスターは寝不足でな。邪魔者には死んで頂こう」
マリーアントワネット、今日会ったばかりだというのに、喜んで生け贄囮を引き受けてくれた。
彼女と一緒にいたサーヴァントはあるサーヴァントに踏み潰されたらしい。
踏み潰されるとは、どんなサーヴァントか気になるものだな。
だが、今日は夜も遅い。
寝ることとしようではないか。