元中二病同士の青春ラブコメ?   作:いろはにほへと✍︎

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「中二病でも恋がしたい! ―Take On Me―」2018.01.06公開

なんと、中二病映画化!! これは本当ですよ!お調べください!
まさか3期の前兆……?! なんて考えながらずっとテンション高いです。
うわあああああああああああああ!
俺ガイル12巻もそのうち来るし最高すぎる!

アフターストーリーはもう少しお待ちください!
もしかしたらアナザーストーリーも?
こんにちは。これは1話のおかしな点を訂正して、若干書き加えたものです。あまり差はありません。正直にいうとテンション上がりすぎてついつい削除して再掲載するものです。
思い出したい、とか少しでもおかしな点を直したものを読みたい、という人ようです。
読まなくても問題ないです。話の流れ自体は変わっていません。


Days that can't see her fascination
げるぞにあんさす!


 花の都ちばも、二月に入るとすっかり冷えきっていた。

 雪はあまり降らないが、身を切るような風が時々吹く。俺はそのたびに身を捩らせて、暖房を求めた。

 今日は、雪ノ下の用事で部活が無くなり、授業を終えてすぐに駅に向かっていた。

 慣れていた自転車通学も限界で、電車に切り替えたのだ。

 Suicaで改札を越えてホームに出る。

 俺はあと十分ほど待ち時間があるのを確認するとベンチに座った。

 何気なく、空を仰ぐ。

 浮いている雲の間から顔を出す日差しに思わず目を細めた。

 冷えきって乾燥した空気を確かに照らしていて、なにか幻想的なものを感じた。

 ふと、頭に浮かんだ。

 奉仕部のこと、生徒会のことも落ち着いて、以前のような代わり映えのしない生活を送っている今。

 そんな今が結構好きで、某アイドルアニメ風に言うと、今が最高! だ。

 いや、別に、サンシャイン! があったり、おうち帰る! とか言い出すやつじゃないから。ホント、どんなことも乗り越えられる気がするよ。

 くだらないことを考えていると、大きな声が耳に入った。

 「リッカ! ホームでローラーシューズ使うんじゃない」

 ……ローラーシューズ?

 子どもかな? とつい振り返ってしまった。

 だが、俺の予想は全く当たらず、かすりもしなかった。

 居たのは、眼帯をした女子高生。怪我……というよりは「じゃおうしんがん!」とか叫んでるし、あれだよ。ほら、あれ。なんとか座と同じやつ。

 そして、もう一人は男だった。

 それなりの身長、それなりの顔。どこにでもいそうな男子高校生。

 そして、俺の中二病時代の盟友。

 嫌な予感を瞬間的に察して、俺は目を逸らし、立ち去ろうとする。

 だが、邪気眼系女子高生はそれを許さなかった。

 「勇太! あそこに刺客らしきやつが! まさか、プリーステスの追手?!」

 「こら、指を指すんじゃない」

 感じた嫌な予感は的中するようで、富樫はこちらに振り向いた。

 「すみませ――」

 言いかけて、止まる富樫。

 目が合った。

 流れる沈黙。

 既になれきったはずの沈黙は、今この場においては苦しいものでしかなかった。

 先に沈黙を破ったのは冨樫だった。

 「よ、よう。比企谷……。よ、よう。おう」

 「……よう……」

 おい、動揺しすぎだ。というか憶えていたのか。

 「か、彼女さんか……? 相変わらずだな」

 動揺している冨樫を窘めるように一言呟いて、問うた。

 「あ、ああ。いや違う! 今の俺は違うから!」

 「そうか……、未だに中二病……。俺は当然違うぞ。思い出すと死にたくなる」

 「……ああ、消えてなくなりたくなるな」

 「ということはお前、卒業できたのか」

 思わず訊ねる。冨樫はかなり重度な邪気眼系中二病だったのだ。

 「当たり前だ。お前も同じだっただろ。どうして俺だけ出来ないみたいに」

 「俺は、お前が激しすぎて少しずつ自覚していったからな。転校する頃にはほぼ治っていた」

 「そうか……。もうお互いにやめないか? 過去を掘り起こすのは。もう忘れよう」

 「そうだな、死にそう」

 「……そういえば、お前転校してどこいったんだ?」

 思い出したように冨樫が俺に問う。

 「ああ、まあそんな離れてねえよ。転校先でも中二病に絡まれたわ」

 本当にあいつは思い出したくないな。あれ……、なんて名前だっけ。確か……もり……もりさ……。

 「そうか、大変だったな……。俺は見ての通りだ」

 そう言うと冨樫は横の女子に視線を送る。察しろってことだろう。なんだこいつ、付き合ってるくせに。

 これからはもう会わないだろうと思って、お互いに話せているのだろう。

 だが、これ以上はやめた方がいいな。

 会うフラグが立ちかけてる。

 「勇太? 知り合い?」

 アホ毛が立った現役中二病患者の女子が富樫に尋ねる。

 「ああ、まあそんなとこだ」

 「まさか、ダークフレイムマスターが常に覚醒状態だったころの?!」

 ダークフレイムマスター、確か冨樫がなりきっていた……。

 ……可哀想だ。いくらなんでも。同じ元中二病患者として救いの手を差し伸べなくてはいけない。

 「ああ、ゲルゾニ……」

 「おい、本当にやめろ」

 富樫が手を俺の顔の近くにもってきて静止する。

 同時に、アナウンスが流れた。 

 「電車きたな。よかった」

 富樫が安堵の声を漏らした。

 「そうだな。じゃ」

 俺は一言呟くと一両目に乗ろうとしている二人から離れて、三両目に向かった。

 「ああ、もう会うことはないだろうけどな」

 冨樫の呟きが耳に入った。

 これはもう確定だな。

 

 ――フラグを踏んだらサヨウナラ。

 




それでは中二病映画化とまあ3期はないかなと思いますけど色々楽しみに待ちましょう!

次はアフターストーリーかアナザーストーリーで!

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