オウガテイルになったんだが 作:腹ペコ
考えないで感じてますので
取り敢えず近くのひび割れたような壁に突撃したら普通に痛かった。
アラガミも痛みは感じるんだなぁ...などと現実逃避気味に考える。
どうやら自分は堕天種でもヴァジュラテイルでもない普通の!ノーマルな!オウガテイルのようだ。尻尾に気合い入れて振っても出たのは普通に針だけだった。こんなんでどうやって生き残れというのか。
さっき壁に突撃した時もヒビが広がっただけで崩れたりはしなかった。あまりにも弱すぎる.....が、しかし言い訳をさせて貰うと実のところ腹が減ってあまり力が出ないのだ。晩飯を食べ損ねたからかそれとも産まれたばかりだからか。
オラクル細胞の集合体であるアラガミは何でも食べる。まあアラガミにより偏食傾向はあるが基本何でも食べられる。無論オウガテイルも。
この足元にある地面。これだって食べようと思えば食べられるだろう。美味そうかと聞かれれば不味そうとしか返せないが。
canとlikeは違うということだ。食べることのできる虫はいるが好き好んで食べようと思うだろうか?自分は無理だ。他に食べるものがないのならばまだ考えるが....とにかく土・コンクリは最終手段としよう。
であれば何を食べるか?ゲームでも最初のムービーでオウガテイルの群れがヴァジュラを食っていた。
・・・そういうことである。どこか適当な群れを見つけて
ひと狩りいこうぜ!
と声を掛けなければならない訳だ。1人で、いや1匹で狩れる獲物などここにはいないだろう。ザイゴートとか飛んでるし、コクーンメイデンならまだ...いや、だとしても美味しくなさそうだ。それこそ虫を食うのと同じ気がする。
それに1匹だけだと神機使いの格好の餌食だ。新人の教育に使われて終わりである。そうじゃなくても腹を減らした中型以上のアラガミにはあっという間に喰われる。
そういう意味でも群れに入るだけで安全性はグッと高まる。他を見捨てて逃げることだって可能なのだ。なんと群れとは素晴らしいのか!動物の知性に感銘を受ける。
さて取り敢えず方針は決まった。まずオウガテイルの群れを見つけることだ。堕天種とかヴァジュラテイルは正直同族扱いしてくれるか不安なので自分と同じノーマルなオウガテイルを探そう。
なにアラガミ激戦区と言われる極東支部だ、群れなどすぐに見つかるだろう。
「グラァルルルルルル.......」
激戦区ということはアラガミの数自体が多いということだ。もう少し隠密に出来れば良かったな、ははは。
目の前にはヴァジュラはギラついた目でこちらを見ている。今にも飛びかかってきそうだ。メチャ怖いのだが。こちらが出来る攻撃は飛びかかりと針飛ばしだが....前者は完全に自殺である、可能性があるとすれば針飛ばしか....?
とにかくやってみることだ、やってみなくては分からない。就職してみなければ分からないこともあると自分は身をもって知っているじゃないか。
「グルァァァ!!」
飛びかかる寸前、過去に結合崩壊させまくったその顔面に針を飛ばす。大したダメージはないが大きく怯ませることに成功した。その隙にさっさと反転して逃げ出す。上手く潰せたようだよし、ラッキー!
《この吉良吉影に運は味方してくれているッ!!》
自分が狙ったのはヴァジュラの目である。単純な話目が見えなくては何も出来ない。ヤクシャやコンゴウのように聴覚が鋭ければ不味かったがヴァジュラにそんな様子はなかった。まぁ昔のゲーム情報ではあったが合っていたようで良かった。
周りが見えずに電撃を放出して暴れまくる前に自分は脱兎のごとく走り去った。