オウガテイルになったんだが   作:腹ペコ

25 / 29


「やってくれたねヨハン」

「さて、何の事かな」

「彼らは人間とアラガミの共生、その可能性を示していた」

「フン...アラガミを倒し人々を守るのが我々の義務だ。知性あるアラガミなど危険でしかない」

「そうかい...それなら私は私で動く事にするよ」

「アラガミと共に生きるなど考えるだけ無駄だよ、ペイラー」

「果たしてそうかな...?」







スタンス

足音が聞こえた。我に返ると目の前には物言わぬ仲間の姿。

そうだ、まだ体が残っているという事はやられて間もないということだ。早く逃げなくては

 

 ゆっくりとこちらに近づいているのが分かる。余裕そうなのは多くのアラガミを喰らい任務達成だと思っているのか。それとも単に逃げられたから周辺を索敵しているんだろうか。

 どちらにしろ早く逃げなくては。こんな所でのんびり歩いている時点でゴッドイーターなのは間違いないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

○○○○○○○○○○

 

 

 

 

 

 

 

「ボスまだかな?」

 

「黙って待ってろ」

 

「まぁまぁ少しの辛抱でやすよ」

 

 ボスの指示通り適当な建物に3体で隠れている。ボクが入口側、後の2体がそれぞれ"まど"のある壁に待機している。ちなみに奥は行き止まりになっている。でも"まど"のおかげで隠れながら外の様子が分かるからボスが来てもすぐに分かるのだ。人間はこんな便利なものを作れるんだなぁ...いつかボクも何か作ってみたい。

 

・・・・・

 

 

 

 

「早く戻ってこないかなぁ」

 

「少しは落ち着けないのか」

 

 仕方ないじゃないか!ボスがいないと落ち着かないんだから!ボスの指示を聞いたりボスと話したりするのが良いんだよ!

 

「あれは...」

 

「ボス!?」

 

「ゴッドイーターか?」

 

 

 

もう一体の仲間が何か見つけたようだ。近づいて見ると

 

「ゴッドイーターでやす!」

 

慌てて体を伏せて物音一つ立てないようにする。

ボスはいつもゴッドイーターには気をつけろと言っていたけど...

 

 初めてゴッドイーターを見たけれどそんなに強くなさそうだ。だってヴァジュラみたいに大きくないしビリビリも出さない。その上硬い爪や牙もない。確かに持ってるギザギザの棒は痛そうだけど後ろから飛びかかっちゃえば倒せると思うんだけどな。

 

 

「行ったみたいでやすね」

 

「ふぅ....」

 

「今のゴッドイーターボクらで倒さない?」

 

「いやいや、ボスがいつも言ってるでやしょう?」

 

「だけど「やっと見つけたぞ」ボス!」

 

ボスが戻ってきた!見た所怪我もしていないみたいだ。早速ボスに訴えよう!

 

 

「ボス!ゴッドイーターを倒しましょう!後ろから飛びかかっちゃえば倒せると思うんです!」

 

 

「ん?あーまぁそうだな。確かにエリックとか上からだし、HPとかもないだろうし...」

 

 

何を言っているか分からないけれどイケそうだ!そもそも人間自体そんなに強くないんじゃ....

 

 

「けど自分は人間とは出来るだけ仲良くしたいんだ。そうでなくても関わりあいにならないとかな。普段から言っているがゴッドイーターひいては人間を襲うという事は人間たちから危険視されるという事だ。だからそういう事はしたくないしさせたくない」

 

「仲間が死んでもか」

 

と、ボクに厳しめだった仲間が言った。

 

「・・・そうだ。それを言ったら人間だってそうだろう。寧ろ人間の方が多く死んでる。直接的、間接的にも自分たちアラガミのせいである事がほとんどだ。そのアラガミである自分たちが文句を言える筋合いはないだろう」

 

 

「俺たちは人間を襲ってない!それどころか助けた事だってある!なのに....」

 

 

「人間からしたらアラガミは皆同じなんだ。ゴッドイーターからしたらすぐに倒せるようなオウガテイルでもそうでない人間からすれば恐ろしい存在だ。ようは自分たちがたった一体でヴァジュラと戦うみたいなもんだ」

 

ゴッドイーターじゃない人間ってそんなに弱いのか。じゃあなおさら襲ってもいいと思うけど...

 

 

 

「・・・何度も言うがアラガミは人間にとって恐ろしいものなんだ。いるだけで危険に思われる。それが群れで人を襲うとなったら他のアラガミより危険だと判断される。自分たちで例えれば近くに何十体もヴァジュラがいるようなもんだ。そいつらが絶対に襲わないとしても、素直にそのままでいられるか?言葉も通じない上に相手はいつでも自分たちを喰い殺せる。怖くてしょうがないだろう。自分たちは逃げるしかないが、ゴッドイーターは逆に倒す。それぐらいの力があるんだ」

 

 

 

なら言葉が通じれば一緒に暮らせるかもしれないのかな?

うーん全然想像出来ない....

 

「だったらなんでそんなに人間と仲良くしようとするんだ。それじゃ俺たちが人間に友好的にしても意味なんかないじゃないか!」

 

 

 

「そんな事はないさ、人間の中にも少ないが共存を考えている者もいる。それにやられたからやり返すってのはダメだろう。自分が言うのもなんだが群れがバラバラになったのは結局自分たちが弱かったからだろ。この世界は弱肉強食、それはおまえ達の方が分かっていたはずだが」

 

弱肉強食...弱いものが食べられ強いものが食べる、だったかな?ボスが以前教えてくれた言葉だ。ボクたちも確かに始めはそうやって生きてきたけど....

 

「まぁまぁ取り敢えずその辺にしやしょう。今はこれからどうするか考えた方がいいと思いやすよ」

 

「そうだな、取り敢えずこの話はまた後でな」

 

「・・・分かった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次話は2月頃になります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。