オウガテイルになったんだが 作:腹ペコ
人間 「」
オウガテイル『』
腰を抜かし怯えた目でこちらを見ている女性。仲間からの視線が痛い。
いや、待て待て待てこれは仕方ないんじゃないか!?
目の前に突然アラガミが現れたらそりゃ驚くだろうし怖いだろう。ゴッドイーターならまだしも丸腰の普通の人間だったら何も出来ずに食われるだけだ。自分だって同じ立場だったらそうなる。それにここは恐らく...
「こっちだ!この野郎!」
と、石を投げつけられる。この女性から注意を逸らそうとしているようで、勇気ある男性だ。おじゃま虫のようであるし自分たちは出ていくとしよう。
『いい場所だと思ったんでやすけど...』
ここは人間たちの家みたいだしな。周囲の木は触れたアラガミに反応して襲いかかるから確かに人間にとって安全なんだろう。自分たちも抜ける時はメチャクチャ神経使ったし。
『一緒に住めるように頼めないんですか?』
言葉が通じないからな。話してるのは日本語だから聞くのはできるが...
『確かに人間が何を言ってるか分からないな』
『話す以外にないんですか?動きとか』
うーむ、言葉を話すためには声帯がないとな。食べればオラクル細胞が勝手に覚えてくれるかもしれないが。
「た、助けて....」
「クソ!こっち見ろってんだよ!」
やめた方がいいよなぁ...それに普通のアラガミが人間を食っても喋れてないし。
ふと気付くと足元が濡れている。どこからなのか辿って見ると、どうやら女性の方からのようだ。・・・いや何も言うまい。自分が全面的に悪い。
『おー!これ足跡つけられますよ!面白いですね!』
『足跡つけたら他のアラガミにバレるだろ』
『いやいや、あえてそれを囮にして・・・』
足跡、そうか何で今まで気付かなかったんだ!いや試す機会もなかったから仕方ないと言えば仕方ないが...
女性には申し訳ないがもう少し近づかせてもらう。気絶しないでくれよ...
「ひっ...」
そうして片足立ちになり浮いた足、爪で文字を書いてみる。バランスを取るのが大変なので真っ直ぐ線を引くのが難しい。四足歩行だったらまだ安定するんだろうが...
「・・・?」
『?』
自分以外の全員が不思議そうにしている中、ガリガリと地面を削る音だけが響く。
少ししてなんとか文字になった。これで日本語読めなかったらもうどうしようもなくなるが....
「こん、にちは...?」
読めるようだ。ロシアやらドイツやら世界各地からゴッドイーターが来るため実は英語で話してましたなんてことになってたらどうしようもなかったところだ。外の人間、日本人だからかもしれないが、とにかく助かった。
またガリガリと文字を続けた。
「ここに、すまわせてくれませんか?」
「ど、どうしたんだ?」
と男性の方も近づいてきた。こちらから視線を外さず女性に話しかける。
『ボス何してたんです?』
男性がビクリとするが気にせず答える。
文字を書いてたんだ。コミュニケーションの一種で、筆談ってやつだな。
『はぇ〜すっごい〜』
『何書いてるかさっぱりだ』
『覚えたら何かと便利そうでやすね』
まぁ機会があったら教えるさ。それよりこれに対してどう反応するかなんだが...
「お前ら、言葉が分かるのか...?」
望みが見えてきたようだ。
オウガテイルは話してる時、人間からすれば唸り声とか鳴き声とかそんな感じに聞こえてます。そりゃ普通ビビりますよね。