GARO×艦隊これくしょん ~Iron blood Horizon~ 作:ジュンチェ
コラボ再開!! 感想お待ちしてます。
………い!…先輩!…先輩!
「……うっ…マシュ?」
…かん! ……しれ…
「司令官!」
「…え?」
慣れない呼び方に目を覚ました優牙……意識がはっきりすると、自分は初めて見る砂浜に海…晴れ渡る空…隣には見慣れないセーラー服の少女がいた。黒髪にはつらつと自分を『司令官』と呼んでいるが自分は彼女を知らないし、司令官とかそういう職でもない。
「良かった!中々、目を覚まさなくて心配しました…」
「…君は?」
「あっ!申し遅れました、特型駆逐艦一番艦『吹雪』です!よろしくお願いいたします、司令官!!」
吹雪…少女の名らしい。それにしても元気な娘だ……
優牙は頭をかきながら立ち上がるとサッと砂をはらい辺りを見渡す……取り敢えず、砂浜と海…遠目に港が見えるくらいだ。
「どうなさいました…?」
首を傾げる吹雪。さて……ここで、色々確認しなくては…
「……その…吹雪だったかな?俺を助けてくれたようだけど…?君は何者なんだ?」
「はい?私は司令の秘書艦…もとい初期艦ですよ。」
「…?」
なんだそれ?全然、覚えがない言葉が出てくる…。まず、彼女は何かしら勘違いをしているようだ…とにかく、訂正しておかねば…
「悪いけど…もしかして、人違いじゃないのか?」
「そんなっ!?だって大本営から新しく提督になるって通達が間違いなく…!」
「そもそも、俺…司令官とかじゃないし…君の勘違いだと思う。うん…」
「…ま、待ってください!?」
参ったな…頭をかく優牙。彼女が自分を騙そうとしているようには見えないしその分、必死に訴えてくる…出来ることなら傷つけないように片付けたいが……
すると、『そうだ!』と声をあげる吹雪。
「なら、鎮守府に来て頂ければ私の話が本当だって信じて頂けますよね!?そうだ、そうしよう!ついて来て下さい司令官!」
「お、おい…!?」
どうやら彼女は自分を鎮守府なる場所に連れていくつもりらしい…そして、思ったより力が強い!?優牙はズルズルと引きずられていき…取り敢えず、彼女についていく途中でマシュに出逢えるかもしれないと淡い期待を抱きながらついていくのであった。
★☆ ★☆ ★☆
「…は!?」
時を同じくしてアスファルトのクレーターにて目を覚ましたマシュ。バッと起き上がると海が見える…ここは港だろうか?
ここは何処…?優牙と剛の姿も見えないし、他に人影らしいものも無い。はぐれてしまったのだろう…
「…いたた。取り敢えず、先輩を捜さなくては……」
「………不幸だわ。」
「…? !!」
あれ?なんか立ち上がった足元に違和感がある…
下を向くとそこには巫女服らしき服のボブの髪型をした女性がブツブツと何か呟きながら倒れている!ま、まさか下敷きにしていたのか自分は!?と焦りながら飛び退いたマシュ。すると、女性はゆらゆらと立ち上がり不気味に『フフフ…』と微笑んでいた。
「…も、申し訳ありません!?」
「良いのよ別に。同僚は消えるわ、職場は変態に占拠されるわ…そして、落下物の下敷きになることぐらいいつものことだから。あぁ……不幸だわ。」
「あ、あの……っ」
やばい、目が死にかけてるこの人。独特の傾いた髪飾りといい白い肌といい美人の部類なのは間違いないのに、纏うオーラがあまりにも暗い…こんな良いお天気の陽射しも届かさそうなくらいな雰囲気である。
慌てながらフォローなり謝罪なりの言葉を探そうとするが彼女は気にも留めない。
「なんだか知らないけど、あんた艦娘?」
「はい?」
「取り敢えず、日本人じゃなさそうだから海外艦…でも、砲も機銃も無い……空母?」
「あ、あの……」
…と、思っていたら質問。かんむす?聞き慣れない単語に空母とか言われてもまるでピンと来ない。まあ、空母なら艦艇の一種というぐらいは流石にわかるが、何故に自分を見てそんなことを彼女は言うのだろうか?
「…すみません、そのカンムスってなんですか?」
「は?…それ本気で言ってる?どっかに頭でも打ったの?」
呆れられた。確かに自分は世間に疎い節があるのは自覚していたが会って早々の人に指摘されると胸にぐっとくるものがある。正直、凹む。
いや、ここはへこたれてても仕方ない。 優牙もいないし、頼れるのは自分のみ……しっかりしなくては…
「……じゃあ、あんた…もしかして魔戒騎士の仲間?」
「! 魔戒騎士をご存知なのですか!?」
「ええ。知らないもなにも、知り合いだし……」
ここで思いもよらない展開。彼女が魔戒騎士について知っているならば話は早い…うまくいけば優牙との再会もそれほど苦労しないかもしれない。早速、話を切り出してみるマシュ。
「私、黄金騎士に会いたいんです!名前は冴島優牙と言って……」
「あぁ、冴島ね。アイツでしょ……ん?」
しかし、山城は首を傾げる。マシュは何か変なことを言ったかと戸惑ったが…そんな彼女に確認するように問う山城。何か頭に違和感がある。
「上の名前が冴島?」
「はい……」
「キンピカの鎧?」
「そうです。」
「デッカイ剣を振り回す熊とゴリラを足して割ったようなやつ?」
「え!? 違います!先輩はそんな人じゃ…!?」
馬鹿な。優牙はそんなおっかない外見ではない…どちらかといえば優しく凛々しい好青年だ。それに、剣だって普通のサイズのもので大きいと形容されるには無理がある。
しかし、黄金の鎧を纏う魔戒となど牙狼以外あるのか?取り敢えず、『冴島』『金色の鎧』の条件だけは合致。続けて確認していくと…
「下の名前…ゆーがとか言った?」
「はい…」
「ああ、そう。『轟牙』なら知ってたんだけど…人違いね。」
最終的に条件が幾つか重なるだけの別人のようだが、これだけ重なれば無関係とは言えないだろう。宛もなくぶらぶらするよりかはこの僅かな可能性に藁にでもすがる思いで賭けてみるべきだ。落胆してなるものか…!
「あの!」
「うお!?なによ…」
「その、轟牙さんという方にあわせてもらえませんか!?もしかしたら、先輩の手掛かりになるかもしれないんです!」
「えぇ…。まあ、名前も似てるし親戚とかかもね。まあ、私も今アイツがどこにいるかは知らないけど。もしかしたら鎮守府にいるかも……」
ヒュルルル……ドオォォォォ!!!!
「「!」」
その時、不意をつくように砲弾が飛来し山城とマシュの目の前で炸裂した。咄嗟に、受け身をとると彼女たちは自分たちに迫りくる不気味なふたつの影を目にする…。長い黒髪の女のようで両腕からは柱のようにそびえる異形の砲台。山城は知っている…なんと言ったって自分たちはコイツらと戦うために存在しているのだから。
「深海悽艦!?」
★☆ ★☆ ★☆ ★☆
…ドオォォォォ
「!」
この爆発音を離れた場所で優牙たちも聞いていた…
「司令官!」
「行こう!!」
吹雪を連れ、駆け出す優牙。明らかにただごとではない…もしこの先にマシュがいるとしたら危険に巻き込まれているだろう。相棒の無事を祈りつつ、彼は先を急ぐ…
★☆ ★☆ ★☆ ★☆
……よりにもよって、山城とマシュの前に立ちはだかったのは深海悽艦・戦艦ル級が2体だった。黒づくめにロングヘアーの女性のようなボディだが両腕には身の丈以上あるやも知れぬ異形の砲台がそびえている。
深海悽艦とはこの世界において、人類の敵。まだ解っていないことも多いが強力かつ知能の高い艦種ほど人型に近く、時には人語さえ理解する個体もいる。今回のル級は雑魚にあたる部類といえど、危険度は高い上に片割れは赤いオーラを纏う上位個体『エリート』だ。硝煙をあげる砲台からして射ったのはコイツだろう。
対し、マシュは盾があるといえど山城は艦娘とはいえ丸腰。対処しようがない。
『ハズレタカ…運ノ良イ奴メ。』
『エリート、チャントネラッテ!!盾ノ娘ハ生ケ捕リナンダカラ!!』
エリートと通常ル級はジリジリとにじりよる。すぐさま、盾を構えてマシュが山城の前に立つ……そこへ、エリートの砲撃がまた飛んでき盾へ直撃。分厚い鋼の装甲の戦艦艦娘でさえ時に容易く貫き粉砕し大破へ貶める凄まじい威力の砲弾である。古の英雄の盾といえどたった1発受けただけで華奢な彼女の体は大きくよろめき、山城が慌て支える。
「お、重い…!!」
「無茶よ!ここは一旦、逃げないと…!!」
『逃ガスカ!!』
分が悪い。ここは退散しようとしたがさせまいと放ったル級の砲撃がマシュの足元に炸裂。鎧のおかげで消しとぶなんてことはなかったが、バランスを崩した彼女は倒れてしまう…おまけに劇痛で左足が言うことを利かなくなっていた。なんとか起き上がろうとするも追撃のエリートの弾が盾を主の手から奪いとる。
『サア、コレデオワリダ!!』
向けられる無慈悲な砲口。無防備なマシュを山城が庇い…そして…………
殺 ス
ーーォォオオオオ!!!!
『『!』』
その時、ル級たちは自分たちに向けられた圧倒的な殺気の前に振り向く!!
気がつけば、いつの間にか空には暗雲立ち込め雷鳴が吼え…稲妻が闇から歩いてくる『鬼』を照らす。斬馬刀を背負い、憤怒で鍛えられた眼光が自分たちを射ぬいた…
鬼………否、『鬼武者』。
冴島轟牙……これが彼の者の名だ。
To be continued.
★山城
不幸だわ。ガロ艦これのヒロインのうちのひとり。扶桑型戦艦二番艦で水上機運用が出来る航空戦艦艦娘。やたらと不幸な目にあいやすいためかネグラな性格だが精神は強い。巫女服に艦橋を模した髪飾りが特徴の大和撫子系美人。(尚、艤装は改)
★吹雪
優牙を司令官と呼ぶ艦娘。本人いわく初期艦なんだとか…
セーラー服にまとめた黒髪のはつらつとした少女。駆逐艦、艤装は未改修。
★不知火 剛
謎の魔戒騎士。優牙たちの手助けをするために現れたらしいがはぐれてしまう。
魔戒葉巻を愛用する。