GARO×艦隊これくしょん ~Iron blood Horizon~ 作:ジュンチェ
※関係ない方は申し訳ないです。
タグ忘れくらいなら、普通に忘れてますよぐらいで対応します。わざわざ規約コピペとか貼ってコレ決まりですからとか感想欄に書かなくていいから本当。文句あるなら直接、私へ直接メッセージへお願いします。
……火羅を狩る鎧の戦士『魔戒騎士』
…………その中で最高位の称号を受け継ぎながら凄まじき戦いから敵・味方から恐れられる男がいた
その名は『鬼武者』……冴島轟牙!!
【幼姫!】
時はうつろい、夜……
「しれいかぁぁぁぁぁぁん、無事でよがっだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
「ふ、吹雪!?ちょっ、汚…っ!?」
ホラー急襲から暫く、泣きじゃくる吹雪と再会した優牙は鼻水やら涙やらで汚れた顔で抱きつこうとする彼女の頭をおさえながらもこれを喜んでいた。
あれから、轟牙の独眼牙狼はホラーたちをたったひとりで大半を蹴散らして捩じ伏せてみせ窮地は脱せられた…。今は少し離れた海岸で一時ながら休息をとっている。
「私、わだし、司令官にもしものことがあったら!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!!」
「わかった、わかったから顔ふこうな?」
「先輩、こちらの方は?」
「ああ、この娘は『吹雪』。多分、サーヴァントだと思うんだけど……」
「はっ!? はじめまして、特型駆逐艦・吹雪型一番艦・吹雪です!も、もしかして司令官の奥様でありますか!?」
「へ!?」
いきなり何を言い出すんだこの娘は。面食らったマシュは顔を真っ赤にしてシドロモドロになるが、優牙が『マシュは大事な俺の後輩だよ』と笑顔で答える。
「そうですね、はい。私は先輩のサーヴァントで後輩です…。」
彼女も助け船に乗り、落ち着いたがその瞳はどことなく残念そうだった…。優牙はそれに気がつかなかったが……
と、ここで轟牙が咳払いをしてやってくる。
「…話をするぞ、お互いの今後についてだ。取り敢えず、魔戒騎士で潰しあってる場合じゃないようだ。」
山城も一緒になり、顔をつきあわす一同。さて、お互いに立場は違うし目的も違う…だが、置かれている状況はまず同じ。ここはひとつ、照らし合わせるべきだろう。
「お前らは人類の未来を守る魔術師の組織カルデアから来た…そして、現状はそこへ戻る手段を捜していると。悪いが、これについて俺たちは助けにはなれない。そんな組織も知らねぇし、人類が焼却されて滅んでるなんても信じられない。現状、俺らはピンピンしてるしな…」
「詳しい説明は通信が回復すればできると思うのですが…」
人類継続保証機関フィニス・カルデア。
まず優牙とマシュの目的は本拠地であるそこへの帰還…なのだが、カルデアの通信は全く機能していない。恐らく、ワイパーンを倒した時に発生した時空の穴(?)に吸い込まれた時にこちらを見失ったのだろう。帰還するにはあちら側から操作してもらわなくてはならないため自力でどうにかするのは無理に等しい。
そして、優牙たちからすればここは時間の歪み『特異点』だと思われるということだ。しかし、現地人である轟牙たちがどのようにおかしいなど実感がわかないのだ。
「もしかしたら、不知火さんなら何か…」
マシュはワイパーン討伐の時に出逢った魔戒騎士・不知火 剛を思う。間違いなく彼はサーヴァントであり、カルデアの事情を把握している節があった。彼ならばなにか知っていてもおかしくはないが…どうやらこちらもはぐれてしまった様子。途方にくれていると轟牙はある提案をする。
「お仲間のもうひとりの騎士か。なら、番犬所だな。あそこならそれなりに情報が集まる。ちと遠いが、歩けばそのうち着くしこんな所でウロウロしてたらまた深海の奴等なり火羅なりきてもおかしくない。」
「名案だな。マシュもそれで良い?」
「番犬所…魔戒騎士の統括組織ですよね。私は別に…」
「待って下さい、司令官!」
休息のためにも番犬所に向かおうと纏まろうとしたが、否と声をあげた吹雪。優牙の前に立つと焦った様子で喋りだす。
「鎮守府はどうするんですか!?早く着任手続きをしないと……」
「吹雪。さっきも言ったけど俺は『提督』じゃない。悪いけど、君と一緒にはいけない。」
「そんなっ!?」
仕方ない。彼女には申し訳ないが、ここはキッパリと言うべきだろう。
そんなやりとりを山城は不審そうに見ていたのをマシュは気がつく。
「…山城さん?」
「…」
何を考えているのだろう。知り合いなのだろうか…にしては、吹雪は優牙ばかりで彼女へ意識は向けない。そういえば、彼女は何者なのだろう?背負う艤装や『特型駆逐艦』と名乗っていたあたりから彼女も艦娘らしいが何故に優牙を司令官と呼ぶのかは謎だ。そして、彼を鎮守府なる場所に連れていきたがっている…すると、優牙は…
「わかった、じゃあ吹雪が俺たちに着いてきて。今の状態が落ち着いたらちゃんと鎮守府に行くから…」
「ぐずっ……本当………ですか?」
「ああ。轟牙も問題ないだろ?」
「フン……責任持ってテメェで守れ。」
鎮守府もいずれ行くという条件のもとでパーティに加えた。轟牙の了解も得られたことだし……早速、番犬所を目指すために歩きだす一行。
しかし、山城の吹雪に対する訝しげな視線は変わらなかった…。
★☆ ★☆ ★☆ ★☆
明(あけ)の管轄……優牙は向かう道中にて自分たちの今いる場所と目的地について訊いていた。まず、ここはフランスではなく日本で現代にかなり近いということ。深海棲艦と呼ばれる海より来る人に仇なすホラーとは違う異形にそれと戦う艦娘についても。そして、吹雪や山城もそれに当たるということも…
「確かに、世界が狂ってるって言えばそうなんだろうな。まあ、マトモな世界なんて何なんだって話だが……」
内心、優牙は驚いていた。艦娘のことがどうではなく、話をする限り轟牙が先の戦いぶりは嘘のように落ち着いていることに…。もしかしたら、かなり敵対的な態度をとられるかと覚悟していたのに少し拍子抜けだ。
同時にとても気になるのは彼の風貌。黄金騎士なのは鎧召喚によって証明されたわけだが魔法衣も無く、剣も最高位の鎧に宛がわれる刃にしてはあまりに無骨な斬馬刀。加え、ホラーたちが呼んでいた『鬼武者』とは…
「…(この人は一体、どんな道を歩んできたんだ…)」
判るのはただ者ではない。それが、正しいベクトルの力はともかく…まさに鬼のような戦いぶりは同じ牙狼である優牙でさえ息を呑んだ。強い…けど、危うい。今に至るまで何があったのかは想像もつかないが恐らくは修羅の道だろう。その孤高の背は何を背負ってきたのか…
「明の番犬所はもうすぐ………俺の顔になにかついてるか?」
「あ………いや…」
しまった、見過ぎてしまったようだ。気まずくなり、隣のマシュと吹雪に視線をそらすと……
「それで!それで!!どうなったんですか!?」
「はい、私たちはワイパーンをジャンヌさんと一緒に……」
マシュは吹雪に自分たちの冒険談を語っているようだ。吹雪は熱を持ち、食い入るように聴きいり……マシュはまんざらでもないと語り部の役を担っている。どことなく気恥ずかしくなってくる優牙だったが、ふと…山城が距離を開けて吹雪をじっと見ている。話に混ざれないにしては、違和感があるが……まるで、警戒しているようである。
何となく気になったが、先導する轟牙が足を止め…同時に皆が目的地に着いたと悟った。
「……ここだ。」
松が茂る防風林地帯のど真ん中。そこに鎮座する盛り上がった下半身くらいの奇妙な岩が入り口らしい…
轟牙が近づくと、地面が割れるように変形して地下への階段が現れる。
「本来、部外者を入れるなんざ大目玉もんだが非常事態だ。ついてこい……」
マシュと吹雪はごくり…と息を呑み、山城は『さながら、RPGゲームね』と呆れたように呟きながら轟牙に続く。
中は薄暗い洞窟が続き、不気味な上に蝙蝠などがたまにかすめて飛翔するので吹雪が悲鳴をあげそれを優牙が眺める。不幸だわ……と山城は変わらず嘆いて済ませ、轟牙は黙々と進む。
「暗いですね、先輩。」
「番犬所はどこも大体こんな感じだよ。足許を気をつけて…」
マシュを気遣いながら、暫くすると広場のような開けた空間に出る。そのど真ん中の白い饅頭のようなクッションにポヨンと乗っている真っ白い雪のような少女がいた。少女だが、小さな双角がありくりくりと丸い紅い瞳は人ならざる者。途端に山城は顔を真っ青にして絶叫した。
「北方棲姫(ほっぽうせいき)!?なんでこんなところにいるのよ!!?」
「「…?」」
『五月蝿イ奴ガ来タナ。』
彼女はそのまま這いつくばって念仏まで唱えだす始末。一体、目の前の呆れている幼女がなんなのか優牙やマシュにはわからないが轟牙からさらりととんでもない事実が告げられる。
「コイツは北方棲姫……元・深海棲艦の親玉でこの明の番犬所の神官だ。」
「「!」」
「平気だ。襲いかかりゃしねぇ……機嫌を損ねない限りはな。」
「「!?」」
『不敬ダゾ。』
深海棲艦は通常の戦艦などの艦を束ねる上位の存在『鬼』『姫』とランク付けされる個体がいる。それらは数が少ないが他の追随を許さない圧倒的な戦闘能力を持つ……。彼女、北方棲姫は他の姫級に比べればまだ弱いくらいだが戦艦艦娘が1人いた程度ではお話にならないくらいの強さだ。無論、それほどの相手となれば艦種として小さい駆逐艦の吹雪は真っ白になり魂が抜けている有り様。
しかし、人類を仇なす異形の親玉が魔戒の組織である番犬所の神官とは訳がわからない。
「相変わらず、暇そうで安心したぜ。」
『不敬ダト言ッテイル。貴様ノ耳ハ節穴カ?マタ、寿命ヲトッテヤッテモカマワンゾ。』
彼女に対し、轟牙は完全に敬意0の不遜な態度。確かに優牙とマシュからすればこの小さい幼女がそこまで恐ろしいとは思えないのだが……
すると、轟牙はマシュにボソッと耳打ちする。
「…(何か適当な甘味とかないか?)」
「…(え…あ、それでしたら、確かドクターから頂いた茶菓子のクッキーが…)」
盾の中をゴソゴソとあされば出てきたのはビニールの小袋に包んだクッキー。奇跡的にあまり割れていなかったためこれを北方に差し出すと幼女は『フム…』と見定めるやマシュの手から奪いとりボリボリと咀嚼をはじめる。
『…西洋ノ菓子トハ洒落テイル。気ガ利クナ、誉メテヤロウ。』
「は、はい…恐縮です。」
別に特段に珍しいものではないのだが……黙っておこう。
さて、本題はここからだ。
「北方、ここで何が起きている?鬼ヶ島の連中はどうした? 」
轟牙が気になっているのはこの辺り一帯の守護を担う鬼ヶ島鎮守府の艦娘や魔戒法師がどうしたのかということ。深海棲艦どころかホラーまで闊歩しているのは異常である。何かあったのは間違いないだろう……すると、北方は語りはじめる。
『ワカランカ?存外、鈍イ奴ヨナ……コノ世界ハ時間ガ狂ッタ特異点トナッテイル。大半ノ者ハ時ノ歪ミ二封印サレテイルノダ。勿論、鬼ヶ島ノ【烈夢】アヤツモダ……』
「…つまり、身動きがとれなくなっているってわけか。」
烈夢……明の管轄の魔戒法師であり山城ら艦娘たちを統べる提督。その能力の高さは轟牙だって認めている。そんな彼女がどういう成り行きかは知らないが行動出来ずに深海棲艦とホラーの闊歩を許しているとなれば事態は相当悪い。しかし、なら何故に山城は無事なのだろう?
その答えも知っていると幼女は嗤う。
『コノ世界デ動ケルノハ私ノヨウニ【ガジャリ】二ツカワサレタ者ト黄金騎士二強ク縁ガアル者ノミ。ソコノカルデアノ魔戒騎士ト小娘ノヨウニナ。』
「…私たちのことを知っているんですか!?」
『無論ダ。』
マシュも驚かざらえなかった。まさか、自分たちのことまで把握しているとは…
すると、彼女は求めていた情報を話しだす。
『オ前達ガ捜シテイルノハ火炎騎士、不知火剛ダロウ?アヤツモココニ来テイタ。今、奴ニハ生キ残リノ保護ヲ命ジタ…西ノ街道二イルハズダ。』
剛が来ていた…予想は当たっていた。なら、はやく彼と合流すべきだろう。彼は既にワイパーンとの戦いで傷を負っているのだ…いくら魔戒騎士とはいえこの魑魅魍魎の徘徊するこの世界で長く動けるとは思えない。
ならば、善は急げだ。礼を告げることなく轟牙は背を向けて番犬所をあとにしていき、山城と吹雪も慌て続く。流石にこれは無礼とマシュは一礼し、優牙も続こうとしたが……
『待テ、カルデアノ騎士。』
「…?」
北方に呼び止められ、歩を止める。 他の面々はあっという間に見えなくなるほど遠くに行ってしまったがお構い無し。一体、自分が何をしたというのか……というわけではなく、話があるらしい。
「俺に何か…?」
『貴様二警告シテオクベキコトガアル。』
つづく.
★アイブラ世界観設定
・深海棲艦と魔戒の者たち
深海棲艦は人に仇なす者が大半だが、時に縄張り争いに負けた鬼・姫などを紆余曲折を経て番犬所の神官として起用並び保護している。これは守りし者たちの深刻な慢性的人手不足にも由来している。深海棲艦は与えられた仕事の代わりに保護・人を傷つけることは禁止されているが、魔戒側は深海棲艦を非武装化以上のダメージを与えないようにしている……勿論、火羅に堕ちていれば話は別だが……
・明(あけ)の管轄
東の海に面する鬼ヶ島鎮守府の魔戒法師・烈夢が担当する管轄。本来なら、火羅や深海棲艦が闊歩するような場所ではない。元々は海辺の昔ながらの日本家屋が並ぶ港町である。