GARO×艦隊これくしょん ~Iron blood Horizon~   作:ジュンチェ

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不幸 ー後編ー

<Iron blood horizon>

 

 

 

 

 

 

「…誰?」

 

蒼龍は首を傾げる……この少年は誰なのだろう?背は自分と変わらないくらいなのに両手に握る刃は…そして、轟牙が向ける殺意とは明らかに違う静かな眼光は……

解せぬ。されど、分かるとしたらこの状況は好ましくないものだろう。例えるなら、嵐の前の静けさか戦闘直前のピリピリとした空気……

 

「…随分なナリだな?それで変装のつもりか、白銀(しろかね)?」

 

「あんたも言えた口か。映えある黄金騎士がその格好じゃ、格も随分と堕ちたもんだ。」

 

白銀…少年の名。まだ垢抜けぬ顔立ちだが眼は轟牙に通ずるものがある。そして、彼は轟牙を知っている。

 

「…」

 

「…」

 

轟牙と白銀は互いに挑発しあい、ゆっくりと横へ歩きながら間合いを詰めはじめた。白銀は双振りの魔戒剣を取りだし、轟牙はただ斬馬刀に手をかけるのみ。

 

「あの時の約束を果たすぜ…牙狼の称号は、俺が貰いうける!」

 

「…前にも言ったぞ?俺より弱い奴に牙狼をくれてやる道理は無い。」

 

次の瞬間、「うおおぉぁぁぁぁぁ!!!!!!!」と雄叫び襲いかかる白銀!身をよじらせ、双剣の乱舞を繰り出すが轟牙はヒョイヒョイとかわす。ふっ、はっ、せい!と風を斬る音も虚しく刃は届かない。挙げ句、足をかけられてよろめく始末…

 

「どうした、もう終わりか?」

 

「…うるせぇ!!」

 

ならばと、身体の全力を乗せた回転斬を繰り出す。その刹那、轟牙は見逃さない。

 

 

「!」

情け無用の蹴りを横顔に見舞い、少年は弾かれたピンポン玉のようにアスファルトをバウンドして倉庫の壁に叩きつけられた。

 

「弱い。」

 

「…ッ!!」

 

でも、なお攻勢は止まない。肺から衝撃で吐き出した空気を噛み締め、怒りのままに再度突撃していく。

 

「鬼武者ァァァァ!!!!!!!」

 

「…」

 

瞬間、轟牙の瞳から光が消える。同時にはじめて斬馬刀を抜き放った彼はゆらめくように腰を落とし…白銀をギッ!!睨みあげた。すると、何かに反応した白銀は宙返りして反転…逆に距離をとった。まずいっ、それがまだ未熟な経験であってさえも感じとるのは簡単すぎた…。

 

「ちぃ!!」

 

間合いを仕切り直し、得物を構えなおす。轟牙もまた、斬馬刀を握り…ブンッと前へと振る。ここからは彼も本気ということだろう…明らかに先とは気迫が違う。『鬼武者』…それが、どんな意味合いがあるかはわからない。だが、轟牙にとって……まさに、竜の逆鱗であったのは見るに明らかだろう。見かねたザルバが声をあげる!

 

『よせ、轟牙!魔戒騎士同士の戦いはご法度だぞ!!』

 

「コイツはただの騎士見習いだ。鎧すら召喚できないガキなんざ騎士とは呼ばねぇんだよ。」

 

「!!」

 

今度は轟牙が白銀の逆鱗を鷲掴みにした。もう少年は躊躇わず、怒りを迸らせ喰らいつきにかかる!!轟牙も斬馬刀を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Woooooooooooooooooo!!!!!!!

 

 

 

「緊急警報!?…まさか、鈴谷たちが!!」

 

「「!」」

 

 

振り回そうとした直前、けたたましく鳴り響く警報。蒼龍はすぐにこれの意を察し…轟牙と白銀は手を止める。これは『人類の敵』が鈴谷たちの防衛戦を抜いて、鎮守府正面海域に侵入してきたことを意味していた。

 

 

「!…蒼龍!!」

 

瞬間、轟牙は蒼龍の前へ飛び出して斬馬刀を盾にガード…同時に、刀身に襲いかかった弾丸の通り雨。見上げれば、獣の爪のような機影が確認できた。轟牙は唸る……

 

 

「深海棲艦!」

 

 

 

 

 

 

 

☆★ ☆★ ☆★

 

 

 

 

 

鎮守府正面海域……

 

 

「熊野ですわ!!敵は旗艦にヲ級をはじめとした空母ヌ級2、重巡リ級1に駆逐イ級が2隻!はやく援護を…私と鈴谷では制空権確保は…!?」

波飛沫と弾丸の嵐…硝煙の臭いが立ち込める海。熊野や鈴谷を苦しめていたのは蒼龍を襲ったものと同じ艦載機の群れ。彼女たちも水上機は扱えるが、敵には空母もおり…そうなれば、搭載数で劣る彼女たちが制空権を失うのは当然の摂理であった。つまり、海上と上空の両方から攻撃を受けることとなる。最早、艦娘各々が防空に当たるなり元凶を絶たんと敵本隊へと向かったりと統制も何も無い有り様……

 

「駆逐艦(チビッ子)たち!!輪陣形ッ!!輪陣形だってば……!?勝手に動いちゃ駄目だって…!」

 

「駄目ですわ、鈴谷!皆、パニックで聞く耳持ちませんわ!!」

 

「鎮守府からの援護まだぁ!?蒼龍は!!?このままだと、マジ大破炎上からの轟沈なんですけど……!?」

 

 

……と、言われてもその頃の蒼龍は…

 

 

「ちょっと!?ふたりとも、やめてってば!?」

 

こんな非常時だろうと爆撃をかわしながら斬り合いを止めようとしない。入り乱れる弾丸や爆弾をかわし、時には魔戒剣でこれらを弾きながら未だ両者、勢い萎えず……斬り結ぶこと幾度。まだ終わらず鋼の乱舞は続く。

 

 

その時

 

 

 

 

 

 

ーーババババン!!!!!!!

 

 

 

「「!」」

 

咄嗟に、離れた間合いに弾の雨。再び飛来した禍々しい機体と陸にのっそりと上がる頭に円盤生物を乗せたような人型。真っ白な明らかに血の通う生物ではないしっとりした肌……黒金の杖……

 

 

 

『 深 海 棲 艦 空 母 ヲ 級 』

 

 

 

艦娘に何処となく親く見えつつも、人類を仇なす深海からの使者…そして、蒼龍と同じ空母の力を持つ。このうるさい(魔戒騎士感覚)艦載機もコイツの仕業だろう。

 

「邪魔をするなァ!!!!」

 

邪魔をされた白銀は魔戒剣を投げつける……しかし、ヲ級はこれを弾き、剣はあさっての方向から……

 

 

「え……」

 

タイミング悪く駆けつけた山城の脳天目掛け飛翔していく!咄嗟に轟牙が剣を振る……!

 

ーギャンッ!!!!

 

「きゃっ!?」

 

間一髪、斬馬刀の剣圧が飛刃を弾き山城は事なきを得る。かといって脅威は去っていない。ヲ級の上陸を許した今、戦うのは轟牙の役目。

 

「さて……お帰り願いたいが、そうはいかないようだな?」

 

『ヲ……』

 

言葉は生憎、通じないようだ。一応、ライターで眼を照らしてみるが反応は無し……火羅ではない。ふむ、ならば……

 

「いくら、空母だって陸じゃ分が悪いくらい解るよな?艦(ふね)は海に浮くもんだぜ。」

 

どっちにしろ問答無用!斬馬刀を素早く斬りあげて頭部の円盤目掛けて粉砕。踏み込んで更に、斬りつけると鮮血を散らせてヲ級は後ずさる。いくら猛威を振るう深海棲艦だろうと地上では海面とは勝手が違い思うように動けないのだろう。続けて一撃、二撃と繰り出されるものを杖で凌ぐのが精一杯のようだ。

 

「下手に動くなよ?うっかり、殺したら面倒だ…」

 

『ヲォ…』

 

振り上げる……命はとらない。ただ、剥ける牙を潰せれば……

『ヲッ!!』

 

「!」

 

だが、彼女も彼女なりの意地があるのか魔物さえ砕する鉄塔ごとき刃を杖で受けながら徐々に押し返しはじめる……が、これも一瞬だった。轟牙は力任せにヲ級を弾きとばすとその喉元に切っ先を突きつける。

 

「終わりだ……海に帰りな。もう陸に来ようなんてするんじゃねぇぞ。」

 

『……ッ』

 

情け。悔しいが申し出に乗るしかヲ級の生き残る手段は無かった。苦々しい表情をしながら海へと跳び跳ねて撤退していく…これを唖然として山城は轟牙へと駆け寄った。

 

「あんた、正気なの!?なに、逃がしてんのよ!人を襲うバケモノなのよ相手は!?」

 

「バケモノでも生き物だ。話が通じるなら殺すことは無いだろ?」

 

 

それに……と付け加える。

 

 

「いい加減、出てこいよ。バレバレだぜ。」

 

「…?」

 

 

 

 

 

【ほう?】

 

 

 

 

すると、倉庫の屋根…丁度見下ろせる位置、空間に炎がつくと不気味な声と共に鬼の能面をつけた男が現れた。白が汚れた提督服を羽織り、傷つけられた海軍の勲章が胸に輝いている……まだ若さの面影を残すがねずみ色になりかけた肌。まるで、……

 

「深海棲艦…?」

 

山城は直にそう印象した。すると、男はくっくっと嗤う。

 

「嬉しいことを言ってくれるじゃないか小娘。残念ながら私は女ではないのでね……」

 

「そういうわりには生臭さがプンプンするぜ……エラでもついてるのか?」

 

一方、轟牙は明らかに先とは違い苛立っている。ギリリッと歯ぎしりをし…斬馬刀を構えなおす。その様を見下しまた嗤う…。

 

「鬼武者……その異様な魔戒剣を持つ立ち姿と並々ならぬ殺気を嵐のように振り撒きながら戦う様から火羅からも……そして、とうとう同胞までからも恐れられるようになった哀れな黄金騎士。さながら、阿修羅とでも呼ぶべきだろう……哀れな者よ。」

 

「ごたくは良い……その面をとれ。斬るかどうかはそれ次第だ。」

 

「ククッ……全く守りし者とはつくづく思えんな。生憎、俗世の顔は捨てた身…この鬼の面こそ我が素顔……貴様と同じよ、鬼武者。」

 

鬼……名を着せられた者と自ら被る者。唸る鬼と嗤う鬼。

彼の笑みに苛立ちが昂ればもう牙を留める理由は無い。躊躇いなく、地を蹴り舞い上がれば斬馬刀を脳天目掛けて降り下ろす…だが、鉄槌の一撃は取り出した魔の筆で受け止められる!

 

「魔導筆?魔戒法師…!?」

 

「否!言ったはずだ、我は鬼だと…!!」

 

ガッ!!と振り払われるも身を翻し屋根に着地する轟牙。しかし、構えたまま斬りかかろうとしない。間合いを詰めず……されど、開けず……

 

「なら合点がいく…今の襲撃はテメェが手引きしたんだろ?」

 

「如何にも。まあ、貴様への挨拶がわりだ…ここの提督どもに見つかると些か面倒でな。」

 

「どうでも良い。なら、お前……『黒薔薇の騎士』は知ってるか?」

 

……あ。蒼龍は気がつく…確か、あの白露型姉妹火羅にも彼は同じ質問をしていた。すると、男は…

 

「はて、心当たりが無いな。」

 

相変わらずの調子だが、どうやら本当に知らないようである。ならばもう用は無い。

 

「そうか……なら……」

 

 

 

 

「失せろ!!」

 

 

ーーーーーーーーーー斬!!!!

 

 

一瞬で詰め一撃。男は粉砕され塵と消えた……が、轟牙はまたも歯ぎしりをする。斬った感覚が無い…まるで煙を掻いたような手応えの無さ…経験からして

 

 

【残念。だが、最後に名乗ろう鬼武者…我が名は水蜘蛛!貴様と同じ…鬼の道を行く者よ!またいずれ逢おうぞ!!】

 

逃げられたか。残響に確信を得た。全く、運の悪い……また妙な因縁が増えた。そして、未だに自分を睨む挑みし少年を水蜘蛛と名乗った男と同じように見下ろす…

 

 

 

「……全く、ついてないな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

<GARO Iron blood horizon>

 

不幸 ー終ー

 

 

 





☆次回予告
ザルバ『凄まじき者、その領域に達すれば人助けだって恐ろしく見えるかもしれないな。次回【化物】…これだからつくづく人間は…(呆れ)』

次回、今度こそ山城さん編!最近、トラブって(愛であらず)ばかりですが更新していきますよ!あと次回予告を本家っぽくしてみました。感想お待ちしてます。


モンハンコラボやったー(ライトボウガン使い)

しかし、FFコラボのせいでショボくみえてしまう…(-_-;)
逆に考えるんだ…FFに力が入りすぎなんだって。

よし、このままゴッドイーターとコラボするんだ!(迷走)

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