GARO×艦隊これくしょん ~Iron blood Horizon~ 作:ジュンチェ
「失せろ!!化物!」
「お前らなんか、深海棲艦と同じよ!」
「忌々しい、奴等を倒すためとはいえ……同じ力に手を染めねばならんとは…」
……不幸だわ。
★★ ★★
- 化 物 -
「…水蜘蛛?知らないわよそんな奴。」
秘書艦代理である蒼龍のコーヒーをすすりながら、烈夢はデスクの椅子によりかかる。先日の襲撃に水蜘蛛と名乗る魔戒法師の報告をした轟牙…まあ、収穫は無かったが。 だが、明らかに烈夢との遭遇を嫌がるには彼女と面識があるかもしくは彼女の何か別に理由があるかだが…当の彼女は知らぬ存ぜぬでは話にならない。
「闇法師、闇騎士に因縁があるのなんかそれこそ闇ギリか銘ある騎士ぐらいでしょ?」
「生憎、奴は俺の追う奴とは関係ないんだそうだ。俺も知らん。」
「はぁ……深海棲艦を操る闇法師。大本営への情報操作が厄介になるわこれ。」
はぁ…と溜息をつく烈夢。提督でありながら魔戒の者や火羅を世間から隠蔽するのが彼女の仕事。水蜘蛛の存在があれば自分の仕事量が当然増えるだろう……全く面倒なことだ。椅子をグルグルと回していると見かねた轟牙が訊ねる。
「そうだ…俺の剣はそろそろか?」
「ん?そうね……そろそろ改修工しょうに行ってみたら?」
答を聴くや早々に背を向け提督室をあとにする……そう、今日の彼はいつもの斬馬刀を担いでいない。理由は後々…
「蒼龍、ちょっと良い?」
「はい?」
去った後、不安げな蒼龍に烈夢はあるお使いを頼む。
「帝都第壱鎮守府の加賀さん……顔見知りだったわよね?」
★★ ★☆
工しょうとは何か……鎮守府において武装の開発並びに艦娘の建造を担う施設である。生身の人間とさほど変わらないように見える彼女はの建造とは何かとはいずれ語ろう………
改修工しょうとなるとまた話は違う。こちらは既存の装備品を『工作艦』の艦娘が改修資材な資源を元に改修作業…もとい、グレードアップを行ってくれるのだ。故、例えば一番火力の低いとされる駆逐艦の艦娘も砲の改修を行えば火力や命中精度が上がり、自分たちより大きな深海棲艦と渡りあうのも夢ではない。
そんな、改修工しょうはやはり大小様々な機械やネジやらで溢れかえり油と作業員の汗の臭いでむせるような空間だ……たまに、そんな臭いが大好きで居座る変な艦娘もいたるするのだが。で、鉄板をカンカンッと叩くクレーンを装備したピンク髪の艦娘……ハチマキ姿が可愛らしい彼女こそが、この改修工しょうの主…工作艦『明石』である。
「ふぅ……流石に徹夜はきついですねぇ。というか、アイテム屋とか大淀で良いんじゃないかなぁ…」
「相変わらず大変よねぇ…明石は?」
「……第一艦隊旗艦殿はここで何をしているんです?サボってて良いんですか?」
ぼやきながらも仕事はそつなくこなし、腕は一流で工しょうの力仕事担当のオッサン連中にも負けない明石さん……そんな頼もしい彼女の隣で図太くカップアイスをほうばっている蒼龍の着物を橙色にしたようなサイドテールの少女。弓の装備といい声色といい、かなり面影が共通する彼女は『飛龍』…蒼龍と同じ二航船でありこの鎮守府の秘書艦である。のだが……
「サボり!ま、…あとは秘書艦代理がこなせるだけの仕事しか残して無いし、大丈夫でしょ!」
「蒼龍さん、お気の毒…」
仕事に関しては少々手抜き癖があり、大層な肩書きをひっさげながら割と自由奔放しているのである。これに関しては烈夢も諦めており、だからといって生真面目な蒼龍にまた荷を全部背負わせるのもと現在の体制に至る。
「……改修工しょう、ここで良いんだよな?」
そこへ、フラりと現れる轟牙。あっ!っ気がついた明石が頬の煤をぬぐい彼に駆け寄った。
「轟牙さん、お待ちしてました!魔戒剣の整備なんて初めてでしたけど、完璧ですよ!」
すると、彼女は自身のクレーンのアームを操り鉄の棺桶のような機械の中から魔導火を帯びる牙狼剣をゆっくりと取りだし……轟牙の前に突き立てた。そして、懐から取り出した魔導筆でサッと祓い…魔導火と熱を消し去った。
轟牙は牙狼剣を掴むとブンッと振るうとその出来栄えに感心する。
「驚いたな、艦娘の『魔戒法師』なんざどんなもんかって正直、心配してたが……脆かったソウルメタルが嘘のようだぜ。」
「フフン!工作艦と魔戒法師の名は伊達ではありません…!まあ、戦闘はからっきしなんですがね。」
そう、彼女は艦娘でありながら烈夢と同じ魔戒法師なのだ。といっても裏方担当で言うなれば縁の下の力持ちといったところか…
すると、牙狼剣に気がついた飛龍が近づいてきた。
「なになに?それ、見せて…!」
「触るな!!!!」
「ひゃっ!?」
そのまま、牙狼剣に触れそうになったところを強く一蹴し、彼女を退かせた轟牙。その鬼のような気迫に改修工しょうの空気が止まる…
暫くして、轟牙は牙狼剣を肩に担ぎ…改修工しょうを後にした。
「な、なんなのよアイツ……」
「当然ですよ、あれは艦娘の装備とは違って危険なものなんですから。」
「あんなのが趣味なんて蒼龍かわってるぅ~」
「オッサン好きが言えますかそれ。」
取り敢えず、そのあとは追わず…飛龍は自堕落的にまだこの場に居座ることにした。
一方の轟牙は……
「……お前は…」
「不幸だわ……本当に。」
…改修工しょうの前で山城と遭遇していた。
★★ ★☆
…何処かの海辺の寺
せせらぎが墓地まで届くこの場所で若い僧がホウキをサッサッとはいている。といっても、あまりやる気があるようには見えないのだが……
「くそ、あの住職め……良いようにこき使いやがって。仮にも軍閥の跡取りだぞ…畜生。」
「しくしく……」
「ん?」
ふと……耳に届くすすり泣き。墓地に目をこらせばゆらゆらと黒髪を垂らす和服の女の姿。幽霊か!?思わず、『ひぃっ!?』と情けない声をあげた男だったが、よく見れば別にただの人間であることに気がつき慌て駆け寄った。
「おいおいアンタ、どうした!?ぼろぼろじゃねぇか!?」
「……なが……す…」
「?」
何かボソボソと言っている……
「お腹が……空きました……」
は?腹が減った…だ?拍子抜けした…いくら空腹だからって泣くか普通……
仕方ない、と彼は懐かは本来は御法度の娯楽品であるチョコレートを取りだして与える。
「ほらよ、住職には内緒のチョコレートだ。あんた、名前は……」
「ガツガツッ!!……一航船の赤城です…ガツガツッ!!!」
(一瞬で食いやがった……しかも、艦娘かよこいつ!?)
まっ全く艦娘が寺で何をしているのだろう?取り敢えず、近くの鎮守府に連絡すれば良いかと考えていたが…そんな彼の肩を引っ張る赤城……
「お腹が空きました…」
「今、チョコレートやったろ!待ってろ、近くの鎮守府に連絡してやっから!!」
「……お肉が食べたいです。」
「仮にも坊主に肉せがむってアホがお前。ここは寺だ…肉なんて無いに……」
……お肉ならここにあるじゃないですか。
「…え?」
次の瞬間、男は押し倒され…悲鳴をあげた。そして、赤城は食事をはじめる…
……その一部始終を墓石の影から鬼の能面の下で笑む水蜘蛛が窺っていた。
★☆ ★☆ ★☆
……その頃、轟牙と山城はとある寂れた村を訪れていた。昔ながらの瓦屋根が痛み、人も町並みも活気がろくに無い営みを忘れたような風景だった。山城は装備は腕の飛行甲板と主砲ひとつを折り畳んだ軽装で、轟牙は鍛え直された斬馬刀…もとい魔戒剣を背負っている。
「なんで、アンタと一緒なのよ……不幸だわ。」
(烈夢のやつがわざわざ、俺を呼ぶってことは…また火羅か……コイツも運が無いな。)
今回は烈夢からの頼みで彼は山城の仕事に同伴していた。どうやら、近くに火羅が出たらしく…おまけに行方不明の艦娘の目撃情報と重なったことからこの成り行きになったのである。だが……今は火羅どころか人すらまともに見られない。思わずザルバも…
『シケた村だな……』
「何?何か言った……?」
「何でもない。(ザルバ…!)」
山城がいるにもかかわらずうっかり声を洩らしてしまうほど。すると、轟牙は足を止める……
(……気配!)
そのまま、一気に身体を反転させ走ると彼は山城をあっという間に置いていき…村の入り口で急ブレーキ。そこには……
「白銀…!」
「……よお、鬼武者。」
白銀の姿があった。また自分を狙いに来たのか……と思ったが……
「貴様…!」
「残念だが、俺は今…烈夢法師からの依頼があってね。アンタと同じだよ。」
じゃあ、彼も火羅関連の任を受けたのか…いや、そんなはずはない。
「嘘つけ、たかが騎士見習いのくせに。」
「嘘じゃねえよ!!ちゃんと受けたつーの指令!」
「指令じゃなくてお使いの間違いだろ?」
「…んだとぉ!?」
また斬り合いに発展しそうな空気だ。だが、その時…
……きゃーーーーーーーー!!!!!!!
「「!」」
村の奥から山城の悲鳴が響いた。
《 G A R O 》 後編につづく。
ついに、瑞鶴が手に入りました…! や っ た ぜ
モンハンダブルクロスも手に入りました…!バルファルク強すぎじゃね……え、作者が弱いだけ?ああ、そう。
はやく、ガロクエストやりたい……感想お待ちしてます。