次の日、私はセシリアさんと一緒にピットへ入った。予定どおりセシリアさんと一夏君の試合を先にやるためにセシリアさんはISを装着し発進準備に入った。
「それではあの方を見定めさせてもらいますわ。」
「うん、セシリアさん。頑張ってきてね。」
そういってセシリアさんはフィールドに出て行った。一夏君には頑張ってもらわないとね。
試合はセシリアさんが優勢だった。BT兵器をだして動き回っているところをライフルでとるのだ。一夏君はISの感覚にまだ慣れ切っていないこともあってかところどころ被弾している。でもすごいなぁ。全然乗ってなかったのにあれだけよけれるんだもん。私が初めて乗ったときはあそこまで動けなかったと思う。セシリアさんは一夏君の姿を見て少々油断しているように見える。このままなにもせずに負けてしまえばセシリアさんは一夏君に失望してしまう。けど私には安心感があった。一夏君は勝つことは難しいかもしれないけど何か絶対見せてくれるはずだって。そう考えていると一夏君に動きがあった。手元の近接武装を展開しているようだった。
「嘘……」
あれって確か千冬さんが使ってたものだよね。てことはあのIS最初からワンオフアビリティあるんだ。
一夏君はそのままBT兵器を破壊しながら距離を詰めていく。そのことに多少驚きながらもセシリアさんはまだ余裕を崩していない。まだ何か持っているような。BT兵器を破壊しあとはイグニッションブーストを使いセシリアさんに切りかかるだけ。その瞬間セシリアさんは残りのBT兵器を発射した。一夏君はそのまま突っ込みもう負けかと思った。だけど違った。一夏君は片方だけさばき何とかセシリアさんに急接近した。その時初めてセシリアさんは驚いた表情をした。だけどもう遅い。間合いは完璧。一夏君は武器を振るだけで勝てる。なぜなら一夏君の武器はそういうものだから。
「これで!」
一夏君が振りかぶる。その瞬間展開していたものが消えた。ああ、おしい!もうちょっとだったのに。
ブザーが鳴った。一夏君はSEが尽きたことにより負けたのだった。なんとも言えない幕切れだった。だけど一夏君は最後まで諦めないでセシリアさんに食らいついて見せた。これでセシリアさんの心に何か響けばいいんだけど……
次の試合のためISをの準備をしているとセシリアさんが戻ってきた。
「お疲れ様、セシリアさん。」
「ありがとうございます、春海さん。……あなたの言う通りでしたわ。一夏さんは私が今まで見てきた男性と違いますわ。」
「でしょ?」
「はい、一夏さんには謝らなければいけませんわね……」
「セシリアさんがそう思ってくれてうれしいよ。」
よかった。一夏君はセシリアさんに認められたようだった。喜んでいると次の試合の準備ができたらしく発進準備に入ってほしいという放送が入った。
「それじゃ行ってくるね。」
「行ってらっしゃいませ。健闘を祈ってますわ。」
「ありがとう。行きます!」
それにしても……セシリアさん一夏君のこと名前で呼ぶようになってたなぁ。……まさかね?
ーーーーー
フィールドにつくとすでに一夏君が待っていた。
「春海、いい勝負をしようぜ!」
「うん、頑張ろうね。」
そうして試合が始まった。私は試合が始まると同時に距離を取りSMGを放った。シールドを出してあの技をやってもいいんだけどあの技は訓練してないと気を失わせちゃうから使うのはやめたほうがいいよね……放った銃弾を一夏君は少し被弾しながらも避けることを優先していく。一夏君はまだ慣れていないしワンオフアビリティの性質上勝負を一瞬にかけるはずだ。その一瞬さえ捌けば私は勝てるはず。一夏君が狙うとしたら……銃の弾が切れたとき。
「いまだ!」
SMGを撃ち続けていると弾が切れた。その瞬間一夏君はワンオフアビリティを発動させ突っ込んでくる。ここまでは予想通り。私はその瞬間盾を一夏君から私が見えないように射出。その後直上にイグニッションブーストを発動させ弾を交換。
「そんなもの!あれ!?いない!?」
予想どうり一夏君は私が射出しておいた盾を切って私のSEを削りにくる。だけど、すでにそこに私はいない。そのことに戸惑って動きがとまってしまっている。その隙を逃すはずがなかった。私は両手のSMGを一夏君に向けトリガーを引く。銃弾の雨は一夏君へと降り注ぎSEを削り取った。
「勝者、四方田春海!」
「くそう!負けたかー!」
「ご、ごめんね。一夏君。」
「謝る必要はねえよ。それにしても春海こんなに強かったんだな。」
「ありがとう。一夏君も使ってまだ二日目なのにそんなに動けるなんてすごいよ。」
「いやまだまだだよ。もっと動けるようにならなきゃな。その時はまた試合してくれないか?」
「うん、私でよければ相手になるよ。」
こうして私が二勝して今回の決闘は終わりになった。
ーーーーーー
決闘も終わり代表が決まったことで代表決定パーティをクラスのみんなとやることになった。
「織斑君、クラス代表おめでとー!」
「なんで!?俺全部負けたのに!」
そう、代表は一夏君になった。
「春海が全部勝ったから春海じゃないのか?」
「ごめん、一夏君。保険委員会はISでの試合がある時救護係としてでなきゃいけないからさすがにクラス代表はやめてほしいって……美化委員会とかならよかったらしいんだけど。」
本当にごめん。今までの保険委員会だとそんなに仕事はないほうだったからできると思ってたけど……
「じ、じゃあセシリアは?」
「私は辞退させていただきましたわ。」
セシリアさんはなんでも一夏君を見直したらしく一夏君のような男性がクラス代表になるほうが相応しいと思っているようだった。それとクラスの皆には代表を決めるときにいった無礼を謝っていた。千冬さんのいうとおり決闘をして良かった。皆仲良くなれたみたい。
「あなたは前に蕎麦にイチゴジャムをかけて食べていた人ですよね」
クラスの皆と一緒にパーティで出されたものを食べているとコックさんが話しかけてきた。もしかしてダメだったのかな?
「はいそうですけど。」
私は恐る恐る返事をした。
「そんなに怖がらなくてもいいですよ。それよりも!あなたは羽生蛇蕎麦を作って食べようとしたんですよね?」
驚いた。まさかあの蕎麦を知っている人がいたなんて。村を出てから一度もあったことがなかった。
「羽生蛇蕎麦を知ってるんですか?」
「もちろん。今はもう村はなくなってしまっていますが昔あの村の蕎麦屋で習ったことがありましてね。そこで!
あなたに本物の羽生蛇蕎麦を食べてもらおうと思ってご用意させて頂きました!どうぞ食べてください!」
そうして目の前に出されたのは懐かしき本物の羽生蛇蕎麦だった。恐る恐るそれを口に運ぶ。
「こ、これは!」
私はそのまま一気に蕎麦をすする。懐かしい。今までこの味を作ろうとしたけどどうしても再現できなかった。
「いかがですか?お味は?」
「すばらしいです……!村がなくなってもう食べれないと思っていました。良ければレシピを教えてもらっても?」
「もちろんいいですよ!私もこの味を広めようとしたのですがなぜか広まらなくて。」
「こんなに美味しいのにおかしいですよね?」
そうして私たちが羽生蛇蕎麦のことを話していると一夏君たちがやってきた。
「春海、何してんだ?」
「この人と羽生蛇蕎麦について話してたんだよ。
「羽生蛇蕎麦って……もしかしてあれか?小学生のころ春海がめちゃくちゃ練習して俺たちに食わせてきたあれか?」
あ、そういえば一夏君は知ってたっけ。小学生のころ食べたくなって再現しようとして一杯練習してその試食を鈴ちゃんや一夏君たちに食べてもらったの懐かしいなぁ。みんなすごい顔つきで完食はしてくれてたんだけどだれもおいしいとは言ってくれなかったな……けど今度は大丈夫!村で習った人が作ってくれたんだもん!味も私が保証するし。
「羽生蛇蕎麦とはなんですの?」
「すごく美味しいお蕎麦だよ。私が子供のころから好きだったんだ。」
「へぇ、ちょっと食べてみようかしら。少しくださるかしら?」
「うん、いいよ。はいどうぞ。」
そうしてセシリアさんは蕎麦をすする。その瞬間セシリアさんは固まった。そして首をこちらに向けると、
「な、なかなか独特な味をしていますわね……」
(すげぇ……あれ初めて食べたとき俺必死に水で流し込んでたのに)
「そうよかった。やっぱり直接教えてもらった人のは違うなぁ。あ、よかったら皆も食べていいよ。コックさん多めに作ってくれたらしいから。」
「「「えっ」」」
皆で一緒に羽生蛇蕎麦を食べることができるなんて嬉しいなぁ。あの頃は友達はみやちゃんがいたけど一緒に蕎麦を食べに行くことなんてできなかったし。やっぱり友達と一緒に食べるのはワクワクするよ。
パーティの終わりに新聞部の人が集合写真を撮ってくれた。初めてクラスのみんなで撮った写真だ。記念になるだろう。でもなんでだろう。なぜかみんなちょっと顔が青く見えるんだけど……気のせいだよね。
ーーーーーー
「ついにあと数日になったわ……」
これでGW明けにはIS学園に転入できる!
「待ってなさいよ一夏、春海!」
戦闘描写を上手く書くにはどうしたらいいんですかね?
次回はGW中の春海の動きを書こうと思っています。鈴ちゃんの出番はちょっと先なのです……