三隅の地、羽生蛇の名産と言えば「羽生蛇蕎麦」です。他には類を見ない、まるで輪ゴムのような弾力と強いコシの麺。又、スープも独特の味で甘さと辛さの絶妙なバランスがこの麺を更に美味しく引き立てます。
「納得がいきませんわ!」
セシリアさんがそう叫んだのはクラス対抗戦に出る代表者を決めるためのホームルームの時間のことだった。私は保健委員に立候補して保健委員になったので代表はならなくていいかなと考えていた。先生達が立候補者を募ったのだけど誰もいなかったため推薦の形をとることになった。すると、クラスの大半の生徒は一夏君を推薦し始めた。私は、一夏君は試験教官を倒したとさっき言っていたので別にいいんじゃないかなと思って特に異論もなかった。けどセシリアさんは何か気に入らなかったのか大声で立ち上がった。最初は一夏君や男ってことを否定するだけだったんだけど途中から日本のことにまで文句を言い始めた。そのためにクラスの雰囲気が穏やかじゃなくなってきた。一夏君に我慢の限界が来たのか立ち上がってセシリアさんに何か言いかけた。
「先生、私立候補します!」
私が唐突に立候補した為にセシリアさんは話すのを止め一夏君は私に対して驚いた眼で見ていた。危なかった……もうちょっとでセシリアさんと一夏君の喧嘩になるところだった。入学したばっかりでしかもせっかく一緒のクラスになれたのに最初から喧嘩なんて良くないよ。
「ん?四方田、立候補するのか?しかしお前は保険委員になったんじゃないのか?」
「はい、私は保険委員に立候補してなりました。けどクラス対抗の代表者にもなります。保健委員はやらなきゃいけないことも少ないので代表もできると思います、それに、一夏君は突然の推薦で困惑しているようだしセシリアさんは一夏君がなるのに異論があるように見えます。それなら二つやれそうな私がやればいいかなと思ったので。」
「確かにそうすればこの問題はすぐに終わるだろう。しかし織斑は期待されて推薦されたのだからそれに答える義務がある。それにオルコットも織斑に対してあれほどの言葉を吐いたのだ。このままお前を代表にしてもいいのだがそれでは二人にしこりが残る。よってクラス代表は決闘で決めることにする。」
「決闘ですか……」
確かにこのままだと私がなってもこの二人は仲良くならないかも。それだったら決闘して二人のわだかまりを解かせたほうがいいのかもしれない。……けど二人には一応注意しとかないとね。あのままだと一夏君がセシリアさんに反論してそのまま喧嘩になったかもしれないし。
「俺はそれでいいぜ。このまま言われっぱなしじゃ癪に触るしな。」
「私もそれでよくってよ。」
「ならこれで授業は終わりだ。各自次の授業の準備を怠らないように。」
そういって先生たちは教室を出て行った。私は授業が終わると一夏君とセシリアさんを教室から連れ出した。
「な、なんだよ春海?」
「急にどうしたんですの?」
二人とも、なんで連れ出されたのかわからないようだった。
「まずは一夏君から。セシリアさんが一夏君のこととか日本のことを悪くいったとき何か言いそうになったでしょ?」
「お、おう。よくわかったな。言い返してやろうと思ってたよ。だけどこいつが悪いんだぜ?俺のことならともかく俺たちのことまで馬鹿にしたんだ。」
「あら、本当のことじゃないですの?」
「なんだと!?」
「はい!喧嘩はだめ。一夏君は何か悪口言われたからって悪口で返しちゃ駄目。そんなことしても悪口の言い合いが終わらないでしょ?それよりなんで相手がそんなことを言うのかを考えて理解して分かりあわなきゃ。」
「そうか、確かに言い返すだけじゃ終わらないもんな……気を付けるよ。」
「セシリアさんもそうだよ?あと、ISは日本の人が初めて作ったもので皆誇りを持ってるしクラスの人たちの多くは日本人なの。自分の生まれた国のことを悪く言われて怒らない人はいないよ。セシリアさんもそうでしょ?」
「そうですわね……私も言い過ぎてしまいましたわ。申し訳ございませんの。けど男のことに関してはなにも間違ったことをいっておりませんわ。」
「男の人も全員が全員悪い人じゃないよ。中にはそうかもしれない人もいるかもしれないけど……少なくともここにいる一夏君はセシリアさんが考えているような人じゃないよ。」
「それはどうでしょう?貴方の前でだけはそう取り繕ってるだけかもしれませんことよ?」
「まあ、今は信じられないと思うけど今度決闘するときわかると思うよ。」
「では、その時を楽しみに待っていますわ。」
「じゃ、これで終わり。教室へ戻ろっか?」
私は、注意したいことを言い終わって二人と一緒に教室へ戻った。けど決闘か……立候補しちゃったから私も出なきゃいけないんだけど戦闘は苦手だなぁ。
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一般授業が終わって気になるところを先生に訪ねていたら昼食に出遅れてしまった。私は急いで食堂に行って蕎麦を買い座れるところがないか探した。だけど時間が時間だったため席は空いていなかった。
「おーい、春海。こっちこっち。」
一夏君の声がした。探してみると遠くのほうで手を振っている姿が見える。どうやら席をとっておいてくれたらしい。
「ありがとう、一夏君。」
「いいってことよ。」
「一夏、その女は誰なのだ?」
「ああ、箒は知らなかったな。こいつは四方田春海。お前と入れ替わりで転校してきたんだ。」
「よろしくね、篠ノ之さん。」
「ふん!」
篠ノ之さんの反応はそっけないものだった。篠ノ之束さんの妹らしいし寄ってくる人をあまり信用してないのかもしれない。私は仲良くしたいだけなんだけどなぁ。
「そういえば一夏君、決闘で使うISはどうするの?」
「千冬姉が言うには俺専用のが作られたらしいからそれを使うことになるんじゃないか?」
「えっ、専用機作られるんだ。てっきり学園の汎用機を専用機としてあてがわれるんじゃないかと思ったよ。」
「専用機ってすごいのか?」
「すごいよ。専用機は国家代表とかテストパイロットにでもならなきゃ基本的にはもらえないんだ。」
「へー、そんなにすごいのか。」
なんかあまりすごく思ってない返事をされた。まあ仕方ないよね。この前までISのことを全く知らない状態だったんだもん。あまり実感わかないと思うし……
「そうだ春海、お前も決闘に出るところ悪いんだけど俺にISのことを教えてくれないか?」
「なっ!」
「別にいいけど。」
「本当か!?いやー助かった。どんな感じに戦ったらいいかわからなかったんだ。」
「しょうがないよ。一夏君ここに車でISに乗ったこともなかったんだもん。けど私も戦闘は苦手だよ?それに私のISも戦闘向きってわけじゃないし。」
「いいって。どんな感じに戦ったらいいかさえ分かればいいんだ。」
戦い方かぁ。私のISの用途自体戦闘を主目的として作られてないんだけど……まあ元になったISはバリバリ戦闘してたし一応それを見て私も戦い方を練習したけど一夏君のISでそれができるかなぁ?
そう疑問に思って一夏君のISはどんな装備をしてるのか聞いてみることにした。
「一夏君のISは」
「一夏!お前は決闘するやつから教えを乞うのか!?」
「え?でも春海は友達だしいいんじゃないか。」
「なっ!だが仮にも決闘をする相手だぞ。それなのに相手側から教えてもらうて恥ずかしいと思わないのか!?」
別に私はいいんだけど。
「それに教える間は二人きりになるだろう?そ、そんなの駄目だ!」
ん?なんか私情が入ったような……
「だけど春海はISのことに詳しいし。」
「とにかく!私がISについてお前に教える!それに剣道の腕もひさしぶりに見たいしな。では行くぞ!」
「あ、おい箒!?」
そういうと篠ノ之さんは私を対抗心の入ったような目で見ると一夏君をつれて食堂から出て行った。
「行っちゃったよ……大丈夫かな一夏君。」
それにしても篠ノ之さんのあの態度、もしかして一夏君のことが好きだからかな?やっぱり一夏君はもてるなー。小、中学校の時も鈴ちゃん含めていろんな人が好きだったしなぁ。
そんなことを思いながら私は蕎麦を啜った。さっきから食べているのだがなにか物足りなく感じてしまう。確かにおいしいのだが何かが違う。そう思って私は食堂の人のところに行ってあるものをもらうことにした。
「すいませーん。」
「ん?なんだい?」
「申し訳ないのですがイチゴジャムありませんか?」
「あるよ。ほら持っていきな。それにしてもお嬢さん、さっき蕎麦を持って行ったよね?友達にでも頼まれたのかい?」
「いえ、蕎麦に入れようかと。」
「えっ。」
「それではまた。ジャムありがとうございました。」
食堂の人にお礼をして自分の席へ戻ってきた。
これで再現できるといいのだけど……
貰ってきたジャムをスープの中に入れる。その後よく混ざるようにかき混ぜる。かき混ぜてる途中近くで食べていた人がおかしいものを見るような目で見てきたけどニコッと笑い返したらすぐにそっぽを向いた。
食べたかったのかな?まあいいや。これで完成。
混ぜ終わりスープに蕎麦をつけて食べてみる。
悪くはないんだけど村で食べたのよりおいしくないなぁ。スープが悪かったのかなぁ?
そう思いながら蕎麦を食べきった後、食器を返却口に持っていったらそこには先ほどジャムをくれた人がいた。
「ごちそうさまでしたー!」
「お、おう。ありがとうございました。……そのなんだ、美味かったかい?」
「そこそこ美味しくなりました。」
「そ、そうか。それはよかった。」
「はい、今度来るときももらっていいですか?」
「あ、ああいいよ。」
「ありがとうございます。それではまた今度。」
そういって私は食堂から出て行った。
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「さっきの学生すごい味覚だったなぁ。」
「なんかあったのかい?」
「いやな、蕎麦にイチゴジャムを入れて食べた学生がいたのよ。しかもそれでそこそこ美味しいって言って帰っていったのよ。」
「!!」
「今までそばにイチゴジャムをいれて食べるなんて人見たことなかったからびっくりしちゃって。……ってどうしたの?」
「蕎麦にイチゴジャム……まさかそれを知っている人がIS学園に来るなんて。私が来たときそれをやったらみんなに怪訝な顔をされて全く食べてくれなかった……なあ!」
「な、なによ?」
「今度その学生が来たとき私に蕎麦を作らせて!お願い!」
「い、いいけど。」
「やった!羽生蛇村で学んだ事を生かせる時がきた!見てますか!?行方不明の師匠!貴方の元から離れて数十年。ついに村の味を試せる時がきました!よーし!やるぞ!最高の味を届けて見せます!名も知らない学生さん!」
「ど、どうしちゃったの?お願い、元に戻って!」
補足 春海は代表候補性ではないですがテストパイロットになっているため専用ISあります。
SIRENでネタ入れたかった。