死んだら、戦艦ミカサのメンタルモデルになってた件 作:くいあらためよ
戦艦ミカサ
なだらかな海、眩しい太陽
私は、甲板に寝そべっていた。
そっと頬を撫でる海風が心地よい。
「何でこんな事になったんかなぁ…」
ハァ…とため息を漏らす。
ここ、日露戦争で活躍した記念艦であり、今は霧の戦艦である三笠で、私はそのメンタルモデル『ミカサ』である。
事の始まりは小一時間前である。
まだ私が人であった頃、毎日某艦隊ゲームをしていた。
『某ゲームの世界に行きてぇなぁ。そしたら摩耶とカッコカリ……』
等と、毎日のように呟いていた。
そして、今日も高校から帰ってくる途中のことだった。
『よしゃぁぁぁ!摩耶が改二になるぞい!』
ずっと、画面を見ながら歩いていた私は近付いてくる車に気づかなかったのだ。
キキッー!ドォーン
気付いたら轢かれて、死んでいた。
『くそ……何だよ。せっかく摩耶の改二グラを拝めるって言うのによ…あれ?俺、死んでる?』
ようやく、自分の死に気付いた私は祈った。
『あぁ!神様お願いです!どうか俺を某ゲームの世界につれてって下さい!』
そこまでは覚えていた。後は記憶があやふやで覚えていないが、白い光に包まれていた記憶はある。
そして、気付いたら三笠乗っていた。
今に至る。
「しっかし良くできてんな…この体と良い、この船と良い、まるでアルペジオの世界だな。」
新しい自分の体を眺める。
見た目は17~19歳ぐらいだろうか、やけに白い肌をしている。服は和洋が合わさったような服を着ていた。
ふと、私は思い出したように呟く
「もしかしたら、この船」
自分の頭のなかで前に進めと強く念じた。
予想通り、三笠はエンジンを起動させ前に進んだ。
「すげぇ……」
ただ、驚愕するだけであった。
三十分ぐらい遊んでいると、頭のなかで誰か呼んでいた。
『ミカサ聴こえるか…ミカサ応答しろ!』
ミカサって私のことか!
と気付き、どう対応したら良いかわからないため頭のなかで念じた。
『な…なんだ、』
『なんだじゃ無いだろう。まったく、めんどうくさい』
この声…どっかで聞いたことがあるような、、、
『さっきから様子がおかしいぞ!ミカサ』
思い出した!コンゴウだ!
『いや、私は大丈夫だ。用件はなんだ、コンゴウ。』
本当にビビったー、と額から汗を流しつつ動揺しているのをバレないように深呼吸した。
『…?まぁ、良い。もうすぐ、奴らが何隻か来る。ミカサ、奴らを片付けといてくれないか?』
奴ら=[人類]か…と、私は考えた。このとき、どうしてすぐに人類という答えが出たか、まだ知るよしもなかった。
『良いが、私一人か?』
恐る恐る訪ねると
『いや、もうすぐタカオが到着する。一緒に行動してくれ。』
タカオ……乙女プラグのやつか!
『了解した』
『では、頼む。』
ここで、通信が切れた。
……これからどうすれば良いだろうか。