死んだら、戦艦ミカサのメンタルモデルになってた件   作:くいあらためよ

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事後処理

「………暇ねぇ。」

 

「……そう。」

 

ミカサは大破した船体を直すために、横須賀の地下ドックに収容された。

 

そこには、ちょうど401も収容されておりそのメンタルモデル『イオナ』と話していた。

 

「ねぇ…ミカサ。」

 

「何?」

 

「何故、霧の戦艦である貴女は人を助けたの?」

 

「何故って……言われてもねぇ?」

 

すごい無表情で質問されるので、少しばかり答えに戸惑った。

 

「さぁね。貴女だって、何故人類側についたの?」

 

「私は、人類についたとは思ってない。ただ、群像にあって彼に従え、と命令されたから。」

 

「命令、ねぇ…貴女には意思はないの?」

 

「これが私の意思。」

 

やっぱりイオナは独特な雰囲気を醸し出していた。

 

そこに、一人の男が現れた。

 

「じかに会うのは初めてかな。」

 

「…!あら、貴方は。」

 

「こんにちはミカサ。401の艦長、千早群像だ。先程の礼が言いたくてね。」

 

「どうも千早艦長。礼ならあの人に言った方がいいわよ。」

 

と、艦橋に一人立ってる山口を指差した。

 

「彼が私に何も言わなければ動かなかったわ。」

 

「しかし、君も結果的には我々を助けた。そうだろう?」

 

「成り行きね。おかげでこの様よ。」

 

お互い、クスリと笑いあった。

 

「お互い様さ。でも、いまだに信じれないな。霧である君が人類に手を貸すとは。」

 

「最近、よく言われるわ。でも、理由はまだ秘密ね。」  

ここで変に喋れば色々探られるだろうからな。

 

心の中でそう思った。

 

「そうか。所でミカサ、これからどうする予定なんだい?」

 

「え?」

 

唐突すぎて話についていけなかった。

 

「君は霧だ。何処に行くにしろ、人類からの何かしらの危害が加えられるかもしれない。しかし、霧にも戻れない事情がある、そうだろう?」

 

「………」

 

あらかたの事情は読まれていた。

 

「私にどうしてほしいの?千早群像。」

 

「俺たちの仲間にならないか?」

 

「へ?」

 

うそ、マジかよ。主人公の仲間になるのか。

 

動揺しまくりだった。

 

「え…えーと、それは一体。」

 

「言葉の通りだミカサ、それとも何か?」

 

「い、いや。しかし、いきなりそんなことを言われてもすぐには答えられないわ。」

 

「そうか……」

 

「でも、しばらく貴方達と行動を共にするぐらいならいいわよ。」

 

思わず口走ってしまった。

 

結果的には仲間になるパターンですわこれ。

 

「良いだろう。よろしく、ミカサ。」

 

「よ、よろしく。」

 

終始、ペースに乗せられ続けたミカサであった。

 

 

「The other day♪I met a bear♪」

 

横須賀湾からかなり離れた場所に彼女達はいた。

 

「……森のくまさん、一人で輪唱しててもつまらないな。」

 

重巡洋艦マヤと複数の軽巡洋艦であった。

 

『マヤ』

 

「あ、コンゴウ!」

 

『そこで何をしている。』

 

「あのね、キリシマ達がここで待ってろって言うからこの子達に森のくまさんを聞かせてたの!」

 

『そうか。お前は上位に命令を守ったんだ、よくやった。』

 

「えへへ!」

 

コンゴウに褒められて嬉しいのか、鼻の下を伸ばしていた。

 

『マヤはそこでキリシマ達の帰還を待て。その他の艦艇は全て艦隊に戻せ。』

 

「えー!それって一人ぼっちじゃない!」

 

『そういうことになるな。』

 

「やだー!そんなのつまんない!」

 

『……』

 

「いいもん!ずっとコンゴウのチャンネルで歌い続けるもん!」  

 

『好きにしろ』

 

ふと、コンゴウがあることに気づく。

 

『それとな、マヤ』

 

「なにさっ!なにさっ!なんなのよさっ!」

 

『ピアノの鍵盤、間違ってるぞ。』

 

「………」

 

しばらくぽけーっとしていたマヤであった。




マヤ可愛いですよね。

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