死んだら、戦艦ミカサのメンタルモデルになってた件   作:くいあらためよ

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硫黄島・拉致

ドックであらかたの修復が終わったあと、私は一足先に横須賀から出ることにした。

 

「ミカサ、やはり行くのか?」

 

「えぇ…やっぱりこれ以上人類に干渉する気は無いわ。」

 

そんな話を千早群像としていた。

 

「そうか。俺達は止めやしないさ。」

 

「…ふふ、それじゃあね。」

 

「あぁ…っとミカサ、これを。」

 

彼は、小さな地図を渡した。

 

「これは霧の警戒網からの抜け道が書いてある。使ってくれ。」

 

「……?何故こんなものを私に?」

 

「君は今、霧の立場から危ういんじゃ無いのか?」

 

「あ…」

 

ふと、今までしてきた事が脳裏によみがえる。

 

「で、でもそれは人類に渡すべきじゃないのか?」 

 

これを人類側に渡せばかなりの利益になるはずだか…

 

「いや、良いのさ。それに、これは我々を助けてくれたお礼さ。」

 

「そういうことなら受け取っておくわ、ありがとう。」

 

この行動が後から大変になるということは、まだ知らない。

 

ミカサは横須賀を出港していった。

その際、かなりの人から感謝の声が聞こえてきたのは言うまでもない。

 

 

「受け取ってくれたか?彼女。」

 

「あぁ、受け取ってくれたよ。」

 

「やはり、彼女を手放す訳が無いと思ってましたが…」

 

「まぁでも計画通りにいくかはわからないが、賭けてみよう」

 

401男性クルー達は、いたずらを考えついた子供のように笑っていた。

 

 

太平洋 硫黄島近く

 

「地図によると硫黄島に近づけば霧に探知されなくなるのね。」

 

私は先ほどもらった地図を頼りに船を進めていた。

 

「あ、あいつ(山口)に挨拶いってなかったわ。」 

 

ふと、誰もいなくなった甲板を見渡す。

 

「……寂しくなるわね。」

 

「ほんとだよ全く。」

 

「キャァ!」

 

突然、後ろから声がかけられた。

 

「なにもいわずに出港するなんて寂しいじゃないか。」

 

山口が船内から出てきた。

 

「あ、貴方!なんでここに!?」 

 

「いや………ね?」

 

「ほんとに、ここに住む気なのね……」

 

アハハッ、と乾いた笑いで誤魔化そうとする山口に呆れて言葉も出なかった。

 

「まぁ、よろしく頼む。」

 

「………勝手にして。」  

 

なんだかんだで硫黄島に近付いたとき、一筋の光が見えた。

 

「ん?あれは……!?」

 

ミカサにビームが着弾した。

これを皮切りに、多数のミサイルが降り注いでった。

 

「何よ!!ここに霧の艦隊はいないはずでしょ!!」

 

「クソ!何てこった!」

 

クラインフィールドが崩壊しかけるほどの飽和攻撃が突如止んだ。

 

「え?」

 

「やんだ、だと?」

 

しかし、次の瞬間ミカサは意識を失った。

 

「おい!ミカサ!しっかりしろ!」

 

ミカサは、まるで何かに操られているかのように硫黄島へ向かって行った。

 

 

『ウフフ、作戦通りね』

 

白衣を着た女性が一人、笑っていた。


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