死んだら、戦艦ミカサのメンタルモデルになってた件 作:くいあらためよ
「何で!何でアンタがいるのよ!」
「まぁまぁ…」
「あら…」
硫黄島地下ドックは、色々お祭りになっていた。
タカオが入港するなり突然叫び始めるし、私を見たとたんさらに叫び始めた。
「まさか!アンタも同じ考えで?」
「え?」
「え?」
「…」
「…」
「落ち着いたかしら?タカオ」
「そこの蒼髪!この野郎テメェ!」
静かになったと思うと、また一人声を荒上げた。
「この野郎……よくも私たちの部下を!」
「な!なんで人間がここにいるのよ!」
「山口!落ち着いて!」
「頼む!止めないでくれミカサ!」
「まさかアンタが連れてきたの?」
「成り行きよ!山口、いいから止まって!」
「あだだだだだだっ!わかった、わかったから!」
いつのまにか、山口に技をかけていた。
「みんな落ち着いたようね。」
「いいえ!まだ落ち着いてないわ!」
「そうだ!まだ落ち着いてない!」
「なんでこいつがいるんだ!」
「なんでこいつがいるのよ!」
山口とタカオはお互いに指を指しあった。
「仲が良いわね。」
「そうね、とっても。」
「はぁ?何でだよ!ミカサ!」
「うっさい!仲なんか良くないわよ!ヒュウガ!」
「ほらぁ仲が良い。」
「あはは………………ところでタカオ」
「なに?」
「何でタカオはここに来たのかしら?」
「え!あ………その……」
さっきまで威勢が嘘のような可愛らしい少女になった。
「………?」
「ハハーン」
「な…何よ、ヒュウガ?」
「アンタ、千早群像が狙いでしょ?」
ボシュゥゥゥゥゥ
顔を真っ赤にしながらうつむいていた。
「当たりね。」
「あ……そういうことか。」
「はっ!」
「アンタには笑われたく無いわよ!人間!」
「どうすんの?ヒュウガ」
「何を?ミカサ」
「千早群像って貴女達のリーダーでしょ?」
「は?」
「え?」
予想外の反応に、しばらく言葉を失った。
「イオナねぇさまをタブらかす悪い人よ?別にタカオが奪っても私はどうでもいいの。ただ…」
「イオナねぇさまを独占できればそれだけでいいから、ハァハァ」
「あ、はい。」
この手の変態とは付き合わないでおこう…
そう心に刻んだミカサであった。
「ミカサ」
「あら、もう終わったの?」
山口は服がボロボロになっていた。一方タカオは服すら乱れていない。
恐らく、手を出さずに攻撃を受け続けていたのだろう。
「これが武士道か……」
「何か言ったか?」
「いえ、何でもないわ。」
「で、ミカサ。あんたこそ何でこんなところにいるのよ。」
「え?あぁ…それは……」
言えない…騙されて来ただなんて。恥ずかしくて言えない!
変なところで羞恥心があるミカサであった。